米陸軍が情報の優位性のために必要とする次のツール(C4ISRNET)

今年も米陸軍協会(Association of the United States Army)の2021年次の総会がワシントン州で開催された。昨年はパンデミックのためにVirtual会議となった。この会議は米陸軍が抱える課題や解決の方向性を確認するうえで重要なイベントと認識されている。

ここでは、ノンキネティックな戦いでの鍵となる情報について如何に敵対する相手に対して優位性を確保するかの一つの側面としての広報の役割を再認識させるC4ISRNETのインタビュー記事を紹介する。(軍治)

米陸軍が情報の優位性のために必要とする次のツール – The next tool the Army needs for information advantage

マーク・ポメルロー

 2021年10月15日

 

米陸軍は、情報関連能力(information related capabilities)をどのように正確に使用するかをまだ実験中である。(写真:スティーブン・ストーバー、第780軍事インテリジェンス旅団(サイバー))

ワシントン発—米陸軍は、さまざまな階層や地域にわたる情報の優位性(information advantage)能力のための適切な指揮・統制メカニズムをまだ実験中であると、米陸軍種当局者は今週述べた。

「情報の優位性(information advantage)活動の指揮・統制は、正直なところ、実践を通じて学ばなければならないことである」と、米陸軍サイバー・センター・オブ・エクセレンス(Cyber COE)の司令官であるポール・スタントン米陸軍准将は、合衆国米陸軍協会の年次会議で10月13日のC4ISRNETのインタビューで語った。

この米陸軍種は、情報の優位性(information advantage)と呼ばれるものについてのドクトリンを開発している最中である。これは、指揮官がより多くの情報に基づいて迅速な意思決定を行い、彼らに足を伸ばすのを支援することを意味している。

米陸軍はいくつかの実験を実施し、戦術指揮官がサイバー、電子戦、情報作戦(information operations)などのノン・キネティックな能力をローカルでどのように採用すべきか、またはより戦略的な米国サイバー・コマンドからのサイバー・チームを含めるために上位の階層に支援を求める方法を決定するために、さらにいくつかの実験を行っている。

米陸軍は、どの部隊が特定の活動を実行するか、そしてそれらがどのように上位の本部に結びつくかを決定したいと考えている。

「これらの行動部隊をどこに配置し、指揮・統制をどこに配置し、その指揮・統制を地域の連携した戦闘軍内にどのようにネストするのか。その答えがわからないので、実験を行っている」とスタントン准将は述べている。

彼は以前、米陸軍が2つのモデルを実験しており、これらの責任を参謀部門と指揮部門に与えていると述べた。

この米陸軍種では、G-39と呼ばれる、情報能力(information capabilities)に焦点を当てた特別な参謀部署を各階層内に作成することも検討している。

「G-39が[作戦参謀部署]内にネストされ、コマンド内にネストされた指揮・統制要素であるオプションを検討している」とスタントン准将は述べ、米陸軍はすべての組織の役割、責任と権限を考慮に入れる必要があると述べた。

「軍事的欺瞞作戦のために許可されていることは、広報(public affairs)メッセージングから許可されていることとは大きく異なり、戦略的なサイバー効果を達成するという点であなたが行うこととは大きく異なる」と彼は言った。「これらすべての要素をまとめることは、我々が実験して学ばなければならない将来の指揮・統制モデルである」

サイバー面では、主に無線周波数スペクトルを介して戦術的なサイバー効果を採用することになると、米陸軍は「我々の足を新しい水域に入れている」とスタントン准将は述べた。

彼は、米陸軍が情報作戦(information operations)のターゲットとする聴衆(target audiences)を考慮しなければならないと述べた。

「インド太平洋の個々の国、彼らが使用するソーシャル・メディア、実際のテレビ、彼らが読む文学、彼らにとって重要なことは、私がヨーロッパの国を選ぶ場合とは大きく異なる」とスタントンは言った。「戦域を担当する本部と結ばれているので、そうしなければならない」

従来の部隊は、米陸軍の特殊作戦と特殊部隊のパートナーから学んでいると彼は付け加えた。

「特殊作戦部隊(SOF)コミュニティからのもう1つの大きな教訓は、彼らが前進していることである」とスタントンは言った。「彼らには、インフルエンサーが誰であるかを理解している多くの異なる場所に埋め込まれた人々が派兵されている。メッセージを配信することは1つである。実際に影響を与え、行動を変えるメッセージを配信することは別のことである」

米陸軍はまた、情報の優位性(information advantage)という文脈の下で、広報(public affairs)要員をより有効に活用しようとしている。

「重要なプレーヤーは広報(public affairs)である。広報(public affairs)は真実を語っている。期間。終止符」とスタントンは言った。「しかし、真実は非常に重要であり、真実の適時性は非常に重要である」

彼は、広報(public affairs)メッセージは反動的ではなく、考え抜かれて、適切なタイミングで配信され、指揮官のテンポをサポートする必要があると述べた。