時代遅れへの機動:機甲兵科の死の行進 (smallwarsjournal.com)(N将軍: 元機甲兵補訳)

これまでも、米陸軍退役中佐(機甲兵科)のAmos C. Fox博士の論稿をいくつか紹介している。Amos C. Fox博士は批判的思考(Critical Thinking)をとても大切にしており、今回の紹介する論稿では米陸軍の機甲兵科に関して厳しくも愛を持って論じている。

読み方によっては、戦車無用論や機動戦反対論のようにも受け止められるが、ここ数年の戦争で見られる変化を的確に分析し、本来の創造性に富む機甲兵科の新たなアイデアが求められていることを述べたものになっていると感じる。

戦い方が変わっていく中で、ドローン等の脅威が存在する空間を「air-ground littoral」(訳では沿空域)と捉え、この空間を含めた統制を担うことも機甲兵科の役割ではないかと述べている。2024年に米陸軍協会のサイトで公表されたAmos氏の「Information Advantage」(MILTERMで「情報の優位性:サイバー戦とHMIを使って主導性を握る (米陸軍協会サイト)」で紹介)での主張にある「データとテンポの統制(コントロール)」が可能な兵科に変わることなどを提唱している。

純粋な歩兵部隊の浸透戦術も、阻止される現実の戦場における新たな「機動」すなわち「移動(mobility)に注目しているところが、読ませるポイントである。

この著者は、どのような戦場における戦術レベルでも、機甲科部隊が敵を圧倒撃破できる有力な兵科部隊として機能するための提言を行っている。曰く「大きな機動は夢。自分の部隊近傍の上空だけでもドローン脅威を排除して、敵方に移動して近接し誤解させ、敵の戦い方をさせずに撃破する」ということである。

そのためにはさらに進んで技術レベルでは、ハイブリッド駆動戦車で音を抑えて電力を作り自ら強力な電磁波戦を行い、無人機・ドローンを駆使して偵察や対ドローン戦を行い、敵情を解明しながら自らの姿を掴ませず偽りの姿を現示して敵を混乱させ、戦車砲と副火器で敵ドローンを撃墜し、アクティブ装甲で突入してくるドローンを撃破して、突き進む戦車と支援車両のシステムを作り上げる必要がある。このような機甲科部隊には、おそらく随伴歩兵は危険すぎて裸では随伴できないだろう。随伴歩兵は機械化されて、決定的な地域の占領・敵の掃討(ドローン部隊オペレーターグループの撃破)のために決定的な下車戦闘に当たることになる。続行する歩兵部隊の前に、盾として突き進む機械化部隊です。

現代戦におけるシステムとしてのシグナチャー低減・欺編の活用と言うのが、隠された大きなテーマとなる。この論文はその意味で、新たな方向性を示す大変有用なものである。(N将軍: 元機甲兵)

時代遅れへの機動:機甲兵科の死の行進

Maneuvering to Obsolescence: The Death Ride of the Armor Branch

by Amos Fox

 07.13.2026

エイモス・C・フォックス(Amos C. Fox)博士は、アリゾナ州立大学のフューチャー・セキュリティ・イニシアティブの教授である。彼は『Small Wars Journal』のマネージング・エディターを務めている。エイモス(Amos)はまた、War on the Rocksの寄稿編集者も務めている。

エイモス(Amos)はまた、戦争、戦略、国際問題、そして技術が戦争に与える影響に焦点を当てたポッドキャスト『Revolution in Military Affairs』のホストも務めている。

エイモス(Amos)は『Conflict Realism: Understanding the Causal Logic of War and Warfare』および『Maneuver is Dead: Land Warfare in the Twenty-First Century』の著者であり、『Multidomain Operations: The Pursuit of Battlefield Dominance in the 21st Century』の共編者でもある。

エイモス(Amos)はレディング大学で国際関係学の博士号を取得し、高等軍事研究学部(SAMS)およびボール州立大学で修士号、インディアナ大学インディアナポリス校で学士号を取得している。

エイモス(Amos)はまた、退役米陸軍中佐でもある。

別資料のBloomsbury の著者紹介によると、著者のAmos C. Fox氏は、”served as an Armor officer for more than 24 years”とされており、24年以上にわたり機甲科将校として勤務し、Operation Iraqi FreedomおよびOperation Inherent Resolveに従軍した退役陸軍中佐である。

前身の騎兵(horse cavalry)と同様に、米陸軍の機甲兵科(Armor branch)も自ら招いた死の行進を行っている。機甲兵科とその大きな利害関係者コミュニティは、旧い自己正当化するナラティブや制度的イデオロギーに固執している。そうしたナラティブやイデオロギーが機甲兵科を破滅へと追い詰めている。確実に機甲兵科は固定された罠に進入している。そこで機甲兵科(Armor branch)は四方から包囲されている。機甲兵科のリーダーは、陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)との関係性とその信頼を維持するために必要な官僚的な行政上の陣地戦・消耗戦を闘いぬき、勝利することができていない。

むしろ過去20年間、機甲兵科とその広範な関係者コミュニティ(退役軍人や他の機甲兵支援者を含む)は、進化が無いフィードバック・ループに囚われ続けており、それが機甲兵を陸軍かつ統合部隊の勝利の担い手から、戦いの現状とほぼ対立するコミュニティへと堕落させてきた。もしこの状況が迅速かつ抜本的に対処されなければ、機甲兵科は2035年までに消滅するかもしれない。

機甲兵科の消滅とともに、陸軍および統合部隊の機械化陸上戦(mechanized land warfare)を遂行する能力も失われ、米軍は抑止力が大幅に低下し、壊滅的な用兵上の脆弱性(catastrophic warfighting vulnerability)を抱えることになる。

機甲兵コミュニティ(Armor community)の失敗は単一の問題ではない。むしろ、それらは相互に関連した失敗の集合体であり、連鎖的で体系的な失望を生み出し、兵科は自らの矛盾の重みで崩壊寸前の状態に追い込まれている。失敗は4つの重要な分野に集中している。

  1. リーダーシップや指揮官職に関する問題を主張し、勝利しなかったこと
  2. 部隊構造の変革による現下の戦場への適応の失敗
  3. ハイテク戦争における戦車と騎兵の永続的な役割について効果的なナラティブを作り上げられなかったこと
  4. 創造的思考者を、行動者と同じくらいに育成することがコミュニティ内で失敗していること

これらの失敗により、陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)は機甲兵コミュニティが提供するものに概ね関心も信頼も示さなくなった。機甲兵科(Armor branch)を滅亡の瀬戸際から引き戻すには、抜本的な変革と包括的な改革が必要である。

前身の騎兵(horse cavalry)と同様に、米陸軍の機甲兵科も自ら招いた死の行進を行っている。

機甲兵科(Armor branch)を前身である騎兵(horse cavalry)と同じ運命から抜け出て復活させる時間がまだあると仮定すると、機甲兵コミュニティは以下の改革を実施すべきである。

第一に、1991年や2003年の三流の相手に対する勝利に基づく機動(maneuver)中心の信念を捨て、現代戦(modern warfare)の現実を反映した現実的で実利的なアプローチを受け入れなければならない。機甲兵コミュニティは、ノスタルジーや進化した現実への文化的障害ではなく、防衛の優先事項に訴える説得力のあるナラティブを必要としている。

第二に、機甲兵コミュニティ(Armor community)は沿空域(air-ground littoral :沿空域(AGL))の支配権を握るために粘り強く闘わなければならない。機甲兵が陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)に大きく貢献するのは、戦場での迅速な移動能力(mobility)である。沿空域(AGL)の競争に勝つかどうかは、紛争のどの側が作戦的移動性(operational mobility)と戦術的移動性(tactical mobility)を得られるか、そして自国の戦略的目標を推進する能力を決定する。しかし、争われる沿空域(AGL)は移動性を制限する。したがって、沿空域(AGL)の絶対的な支配は現代戦(modern warfare)における機甲兵科の最重要利益である。しかし、沿空域(AGL)を支配するために必要なコンセプトや能力の権限を陸軍および統合部隊内の他の集団に譲ることで、機甲兵コミュニティは自らの貢献の機会をその集団の気まぐれに委ねることになる。

第三に、機甲兵コミュニティ(Armor community)は現代機甲化戦(modern Armored warfare)の中心であるM1エイブラムスを放棄し、より小型で軽量な戦車を受け入れるべきである。その目的は、統合部隊全体の戦略的・作戦上の輸送制約を緩和し、戦闘部隊(combatant commands)全体の地理的配慮を減じて容易にして支援することである。同様に、M1エイブラムスよりも小型で軽量な戦車の方が、脅威や能力に基づく戦場の適応をより適切に考慮できる。

第四に、機甲兵コミュニティ(Armor community)は説得力のある戦力構造の議論を展開しなければならない。これらのデザインは、装甲騎兵連隊(Armored cavalry regiments)のような過去の編成のノスタルジックな再構築を超えて行かなければならない。さらに、部隊構成の調整には、陸軍および統合部隊におけるアンカー・バイアス(anchor bias;従来から変化していない見解)や偏見(prejudices)を利用した表現は使ってはならない。

第五に、そして最後に、機甲兵コミュニティ(Armor community)はチャンピオンを見つけなければならない。現在、機甲兵コミュニティは陸軍のトップレベルや統合部隊において実質的な代表者がいない。同じくらい重要なのは、機甲兵の存在意義を訴える説得力のある軍外に力と影響力を持つ人物がいないことである。

継続する無関心・信頼の欠如や陸軍戦力構成からの抹消を避けるためには、声を上げて存在を主張する唱道活動が必要である。この記事の目的は、警鐘を鳴らし、コミュニティの注目を集め、リーダーたちに前に出て行動を促すことである。最も重要なのは、機甲兵の時代遅れと潜在的な衰退を止めるためにはリーダーシップが必要だ。機甲兵コミュニティのシニア・リーダーは、現役・退役者を問わず、手遅れになる前に正しく行動しなければならない。

効果的なナラティブを作り上げることへの失敗

機甲兵コミュニティは、陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)にとっての継続的な信頼と関係性を正当化する説得力のあるナラティブを作り上げることができていない。そのため、主要な部隊や部隊構造の喪失が示すように、徐々に忘れ去られつつある。この重大な喪失については次の節で論じる。

それでも、ナラティブの問題の重要な要素は、機甲兵コミュニティ(Armor community)が新しい情報通信技術(ICT)、兵器システム、闘うため方法(how to fight)のアイデアを、根強い機動バイアス(entrenched maneuver bias付け加えるものとして捉えていることである。このアプローチは、機甲兵コミュニティが戦場の透明性、沿空域(AGL)、精密ドローン・ターゲティング、その他の現代戦における障害を克服するために陸軍および統合部隊に貢献できるという信頼を抱かせるコンセプト、戦闘プラットフォーム、運用上の考慮事項と相反しており対照的である。説得力のあるナラティブが少ない主な理由は、機動(maneuver)や過去(past)に対する固定された考え方にある。

固定化したマインドセット-機動(maneuver)

1926年に理論家J.F.C.フラー(J.F.C. Fuller)は教条主義的思考について論評した。フラー(Fuller)はこう書いている。「戦争で何事にも不可侵性を信じる者は、両手で災厄を積み上げる愚か者だ。これは歴史の格言である。」さらに彼は次のように書いている

斜行陣形、包囲、突破、即自攻撃といった定番に惑わされた将軍は、結局自分の軍を壊滅させてしまうに違いない。

もしドクトリンが存在するとすれば、それは常識、つまり状況に応じて適応された行動である。機甲兵コミュニティ(Armor community)の機動への執拗なコミットメントは、フラー(Fuller)が指摘する一つの戦いの形態の優越性やえこひいきを盲目的に信じることと一致しており批判の対象である。

現代の陸上戦(modern land warfare)の文脈における諸兵科連合(combined arms)や統合作戦の課題に対する答えが機動(maneuver)であるか、あるいはそうであるべきかを問う代わりに、多くの現代の機甲兵のナラティブ(Armor narratives)は、技術や戦術の革新を機動性回復の方法と結びつけることに焦点を当てている。特に、機甲兵コミュニティがドローン、精密打撃、戦場の透明性といった現代の戦場技術を、ロシア・ウクライナ戦争の観察と結びつける方法を議論する際に顕著である。もしこの状況が迅速かつ抜本的に対処されなければ、機甲兵科は2035年までに消滅するかもしれない。

しかし、ロシア・ウクライナ戦争のような現代の紛争は、機動もあらゆる戦いの形態(form of warfare)と同様に条件や要件に縛られていることを示している。条件とは制約であり、特定の戦いの種類(specified type of warfare)が実現可能であるために存在しなければならない環境要因、脅威プロファイル、その他の変数のことである。要件とは、機動を行うために必要な条件が整った場合に限り、部隊が持つべきもののことである。

条件付き論理、または「もしならば(if-and-then)」はこの関係を説明する有用なモデルである。Ifは条件、Andは要件、Then は結果を表す。さらに、この「if-then 」条件論理は、条件や要件が変わった場合に何が起こるかを強調することでさらに洗練できる。機動(maneuver)を支援するための条件付き論理の一例として、以下が挙げられる。

脅威(行為主体B)の戦場の透明性が低く、目標に向かうための通路が存在し、行為主体A(A)が十分な偵察能力を持っている場合、AはBの透明性能力が増加し、移動が大きく妨害されるか、移動回廊が縮小するまで機動戦(maneuver warfare)を展開する。

しかし、機甲兵コミュニティの信念構造やナラティブの問題は、条件論理を完全に無視し、代わりに機動性に盲目的に依存していることである。機甲兵コミュニティにとっては、たとえ実際的に機動が全く現実的でなくても、機動に関する言説を議論に組み込む方法を見つけることが常に重要である。

その様な振る舞いは、機甲兵コミュニティ(Armor community)が陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)にとっての機甲兵科の重要性を示す助けにならないだけでなく、機甲兵科が戦争や戦いに対する彼らの頑固な見解を否定するような実証的証拠に従って構造的に進化することへの反発を形成している。

さらに、機甲しコミュニティが機動(maneuver)の持つ心理的な拘束を超えて考え、話せないことは、第一次世界大戦後の戦いの構造的変化に直面した強固な騎兵(horse cavalry)の支持者たちと同様に、機動の有用性が低下しているという重要な証拠認めようとしないことを強調している。

固定化したマインドセット-過去(past)

機甲兵コミュニティ(Armor community)が過去から前に進もうとしない姿勢が、将来を見通すことを妨げている。軍事史の3つの断片と1つの陸軍ドクトリンは、機甲兵コミュニティの固定的な考え方をよく示している。軍事史には1973年のアラブ・イスラエル戦争、1991年の湾岸戦争、2003年のイラク初侵攻が含まれる。ドクトリンは「エアランド・バトル(AirLand Battle)」である。

現行のパラダイムは機甲兵コミュニティを裏切ってしまった。

これら三つの戦争はバイアスを強化する道具であるため、役に立たない。機動戦(maneuver warfare)のナラティブはそれぞれの戦争史に組み込まれている。これらは、機動(maneuver)を正当化しようとする者にとって、戻る場所として指し示すための簡単(ただし議論の余地がある)な例である。

これらの紛争で機動を歓迎する条件は、都市部がまばらに点在する比較的広大な戦場、機械化軍隊(mobile mechanized armies)、はるかに寛容な航空ドメインと宇宙ドメイン、そして高度な技術に対するより高い統制力が含まれていた。しかし、これらの戦争を基準とすることの問題は、その後の数十年で構造的な条件や要件が変化したことである。

変化-都市化(Urbanization)

1973年以降、世界の人口は39億人から83億人に増加し、112%の増加となった。同時に、都市部ははるかに大きなペースで成長しており、世界中で都市用地の建設地が200%増加している。これは、機動の前提条件である開けた空間が驚くほどの速さで減少していることを意味する。

同様に、2040年までに世界人口が95億人に達すると予測され、その時点で世界人口の83%が都市や大都市に住んでいるため、機動に必要な空間条件は今後も後退し続けるだろう。そのため、陣地戦(positional warfare)と消耗戦(attritional warfare)が現代戦争の必然課題となるだろう。これらの地域での作戦には、M-1エイブラムスより軽量な戦車が必要となる。

宇宙やサイバー能力と連携して、作戦および戦術状況の正確な状況を構築するために、より多くの地上偵察が必要になるだろう。機甲兵編成(Armor formation)および騎兵編成(cavalry formation)は、能力と空域の観点から沿空域(AGL)を所有し、自らを守り、陸軍部隊の移動能力を確保し、支援する陸軍および統合部隊のためにデータとテンポの統制のために闘う必要がある。

将来を予測するには、陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)が現実に貢献できる機甲部隊(Armor force)と騎兵部隊(cavalry force)を必要としていることを理解することが必要である。機甲兵コミュニティはその説得力のあるナラティブを作り上げていないので絶滅の危機に瀕している。

変化-機械化陸軍(Mechanized Armies)

アラブ・イスラエル戦争、湾岸戦争、2003年のイラク侵攻では、強力な空地偵察部隊を備えた機械化編成部隊が勝利した各軍の中核を形成した。これらの部隊は戦争に従事し勝利した軍隊の要石だった。他の部隊も彼らを支援していた。

しかし現代戦争では、その体制は根本的に失われている。ドローン、サイバー、宇宙ベースの能力は、空地偵察部隊を大きく置き換えている。精密打撃システムと連携した広範な空中監視の下で作戦を行う場合、十分に保護されていない機械化編成部隊は、自らの戦場での集結や移動をほぼ自殺行為に変えている。そのため、世界最強または最高の戦車を所有することは重要ではない。

しかし、陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)が本当に必要としているのは、最も展開しやすく残存性の高い戦車である。陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊部(combatant commands)は、迅速に展開し、理想的な状況や開けた地形だけでなく、コンパクトな都市部、山岳地帯、密集した植生地帯でも迅速に展開し、作戦的移動性(operational mobility)と戦術的移動性(tactical mobility)を維持できる戦車および戦車編成部隊を必要としている。

さらに、東ヨーロッパや東南アジア全域で見られるような、低湿地(in-stride drainage basins)やギャップ・クロッシング(gap-crossings:渡河や隙地横断のこと)を迅速に実施できる戦闘システムや編成も必要である。M1エイブラムス、現在の機甲旅団戦闘団(Armored Brigade Combat Teams)、そしてそれに関連するドクトリンは、陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)にそのような能力を提供していない。

彼らは時代遅れで重量のある重い編成を提供し、展開が遅く、維持が悪夢のような存在であり、沿空域(AGL)への出入りする脅威に対して全く防御が不十分な状態である。エイブラムスと機甲旅団戦闘団(Armored Brigade Combat Teams: ABCT)は機甲兵コミュニティ(Armor community)にとって最大の負担である。どちらも知らず知らずのうちにコミュニティが崇拝しているトーテム的システム(totemic systems:「お飾り」の象徴的システム)となってしまっている。機甲兵コミュニティ(Armor community)は、自らのトーテム(totem:象徴となるもの)を犠牲にし、戦車と機械化部隊の新たな21世紀的定義を打ち立て、それらの能力が地球上のいかなる場所においても陸軍および統合部隊の作戦に即応支援を提供する方法について、前向きなコンセプトを構築する必要がある。

そのため、2025年に機動旅団戦闘団(MBCTが登場したことは、機甲兵コミュニティが陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)に適切な能力を提供していないことを示している。機動旅団戦闘団(MBCT)は、陸軍が統合部隊(joint force)および戦闘部隊(combatant commands)に対し、機甲兵コミュニティが提供するよりもはるかに優れた方向性を持つ搭乗型移動能力(mounted, mobile capability)を提供することに関心を持っていることを明らかにしている。さらに、機動旅団戦闘団(MBCT)は陸軍と統合部隊が同時に以下の能力を発揮できる搭乗部隊(mounted force)に関心を持っていることを示している。

  1. データとテンポを操作する
  2. 積極的に沿空域(AGL)競争に参加する
  3. 目標に向かって前進の勢いを維持する
  4. 戦術テンポと作戦範囲を延長

このような要求に関するシグナルやM1-E3エイブラムスのアップグレードにもかかわらず、機甲兵コミュニティはM1中心の機甲旅団戦闘団(ABCT)から譲らず機甲旅団戦闘団(ABCT)への小規模追加適応のみを行っている。代わりに、戦場の構造変化の結果として陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)に何を提供すべきかを包括的に評価すべきである。

この包括的な評価と変革の取り組みが欠如している中で、機甲兵コミュニティは米軍の搭乗型地上戦闘部隊(mounted ground combat force)の中心的な役割と部隊構造を、より状況に適応した歩兵コミュニティに徐々に譲渡している。

時代遅れのスローガンと時代遅れの自己認識

冷戦時代のスローガン3つとそれに伴う考えが、機甲兵コミュニティ(Armor community)を悩ませている。

第一は、機甲兵を、戦闘を決する兵科(combat arm of decision)と同一視することであるこの強みは、機甲兵科(Armor branch)が陸軍および統合部隊にとって唯一、移動性、火力、残存性を兼ね備え、敵部隊に接近して決定的に撃破できる要素であることである。

現時点では、機甲兵コミュニティの最大の弱点はM1エイブラムスと機甲旅団戦闘団(Armored Brigade Combat Teams)である。

一つのデータ・ポイントとして、露ウ戦争は現代戦の構造的変化により戦車や機械化部隊が一時的に脇役に追いやられていることを示している。これは戦車が死んだという意味ではなく、戦車部隊と機械化部隊の役割が変わったということである。戦場の透明性と沿空域(AGL)の大激闘が続く限り、戦車や機械化部隊は攻撃や接近、決定的な勝利を収めることができない。

陸軍の戦闘を決する兵科(combat arm of decision)としての称号を取り戻すためには、機甲兵コミュニティがこの作戦的・戦術的な問題の解決策を見つけ出さなければならない。他のコミュニティはそれを代わりにやってくれない。彼らは自分たちの利益のためにのみそれを行う。この解決策の重要な一歩は、統合戦(joint warfare)の現実に合わない時代遅れのスローガンを忘れることである。しかしその間、戦車や機械化部隊は先鋒ではなく第二梯隊として配備され、敵の監視の隙間やドローンの優勢を活用するために投入される。どの指揮官も先頭部隊として利用するわけではない。

同様に、フォート・ベニングの教室や機甲兵訓練場以外では、このフレーズは現実味を持って響かず、機構兵コミュニティの現実の認知レベルの停滞を陸軍や統合部隊全体に示している。機甲兵コミュニティはこの方向のブランド化を手放し、無防備な動きが即座かつ致死的な結果をもたらすドローン掃討戦場で自らのビジョンを鳴り響かせるものを採用しなければならない。この点を踏まえると、機甲兵コミュニティは自らを「戦果拡張の戦闘兵科(the combat arm of exploitation)」と名乗ることで、統合部隊(joint force)と戦闘部隊司令部(combatant commands)により適切で受け入れられるかもしれない。

第二に最初の会戦に勝つ最初の闘いに勝といういかなるバリエーションも、機甲兵コミュニティ(Armor community)のアイデンティティから排除しなければならない。この表現はもはや騎兵編成(cavalry formations)や諸兵科連合大隊(combined arms battalions)の機甲兵の運用には関係ない。前述の通り、現代戦争の構造変化により、機甲兵は戦域内であっても、先鋒ではなく第二梯隊の戦果拡張部隊(second echelon exploitation force)として使用されることになる。次の戦争の最初の会戦はロボットによって闘われ、スタンドオフから闘われる。今日の「次の」戦争である米イラン戦争は、この点を強調している。

ドローン、宇宙・サイバー能力、長距離精密打撃、そして航空戦力が最初の闘いを闘った。これまでのところ、機甲兵はこの紛争に関与していない。特に透明性や沿空域(AGL)の問題が解決していなければ、機甲兵コミュニティが東欧や東南アジアで戦争に巻き込まれた場合、この状況が変わる可能性は非常に低い。

第三に、「数で劣っても闘いそして勝つ(fight outnumbered and win」は機甲兵コミュニティ(Armor community)のナラティブから排除されなければならない「数で劣っても闘いそして勝つ(fight outnumbered and win)」というのは冷戦時代の「通常科学(normal science)」である。それはソ連とワルシャワ条約機構が米国とNATOに提示した集中の問題(mass problem)を象徴するスローガンだった。冷戦は終わった。ワルシャワ条約機構は死んだ。「エアランド・バトル(AirLand Battle)」はとっくに消え去った。現代技術は戦いのパラダイム(paradigm of warfare)を変えたため、冷戦時代の「通常科学(normal science)」は、機甲兵コミュニティが現代戦(および将来戦)に抱く問題とは無関係である。

機甲兵コミュニティの課題は、動的な環境(すなわち透明性、沿空域(AGL)、精密打撃の組み合わせ)、消耗(attrition)、そして戦場で動けるようにするには撃破が難しい拒否能力をどう克服するかである。しかし、冷戦の言葉で語ることで、機甲兵コミュニティは過去に固執した考え方を示し、今日の複雑な戦場の課題に取り組むのに苦労している。

しかも、機甲兵コミュニティ(Armor community)にとっては、現代紛争の厳しい消耗の課題(attritional challenges)について語ることがより有益である。さらに、機甲兵コミュニティが陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)に消耗の厳しい状況に耐え抜き、ドローンがはびこる戦場での機会を活かせる能力を提供できるようなメッセージを発信することで、より効果的に支援される。より現実に応答的なスローガンは、機甲兵コミュニティが現代戦争の課題に対して先見的な姿勢を示す助けとなるだろう。争われている沿空域(AGL)を通じて闘い戦果拡張する(fight through a contested AGL and exploit)のが議論の良い出発点かもしれない。

冷戦時代のスローガンではなく、むしろロシア・ウクライナ戦争の産物であるが、機動の回復(restoring maneuverの表現も機甲兵コミュニティの心から消されなければならない。機動は小さな窓、すなわち機動のフレームワークに存在し、二つの部隊が距離を詰めた後は正面戦闘と小規模な横移動のみが残る。それが実現すると、以下の段階まで両軍は陣地的に闘いかつ消耗的に戦闘を続ける。

  1. 画期的な出来事が起こる
  2. 攻撃可能な翼側が発見されるか、作られる
  3. 一方の軍の経路が固定される
  4. 戦闘員の一方が退却する
  5. 一方は徹底的に破壊されている

現代の学者分析家は、機動がより良い戦いの方法でもユートピア的でもないことを強調している。同様に、機動は質的に優れた軍隊による一つの戦いの形態(form of warfare)ではない。また、機動はマインドセットでも哲学でも、機動戦(maneuver warfare)と異なるものでもない。機動は戦場の状況、戦力能力、戦力能力に依存する戦いの形態(form of warfare)に過ぎない。

したがって、機動回復の話は二つのことのいずれかを示している。まず、戦争の根本的な誤解である。第二に、頑固さ、深く洗脳された機動バイアス(maneuver-bias)を疑問視しようとせず、伝統的ナラティブを否定する多くの実証的証拠を無視すること。どちらの選択肢も機甲兵コミュニティ(あるいは陸軍全体)にとって好ましい評価ではない。

したがって、機動中心のアイデンティティを維持することは機甲兵コミュニティ(Armor community)のイメージ向上を助けるどころか、現代戦(modern warfare)からますます切り離され、過去に生きているように見えてしまう。言い換えれば、機甲兵コミュニティが機動フェティシズムを維持し、機動を中心に組織化し続け、機動部隊として自認し続けるなら、2035年までには時代遅れになるだろう。

M1エイブラムスもここで言及に値する。なぜなら、これもまた冷戦時代の遺物だからである。ブランドの観点から見ると、「エイブラムス」という名前はもはや米国の敵の心に恐怖を与えることも、1991年や2003年のように統合部隊や各戦部隊指揮官(combatant commanders)への信頼を植え付けることはない。戦果と損害について記録をつけていない人のために説明すると、4つの出来事がエイブラムスのエリートの地位を蝕んでしまった。

第一に、作戦「生来の決意作戦(OIR:Operation Inherent Resolve)」では、イスラム国がイラク軍に提供された140両のエイブラムス戦車のほぼすべてを破壊した。ゼネラル・ダイナミクスのイラク駐留が、これらの戦車を継続的に再建し、再び戦闘に投入できる唯一の理由だった。

第二に、いくつかのエイブラムス戦車がヒズボラや他のイラン代理勢力の手に渡った。また、イランのインテリジェンス情報当局者がこれらの戦車をインテリジェンス目的で利用していたとも考えなければならない。すなわち、技術情報は必要とする勢力に引き渡されている。

第三に、2017年10月のイラク・クルディスタン支配権を巡る短い戦闘で、クルド人はイラク軍のエイブラムス戦車2両を破壊した。

第四に、2025年6月までにロシア軍は米国がウクライナ軍に提供した31両のエイブラムス戦車のほぼ全てを停止させた。

これらのM1戦車の損害の影響を和らげようとする者は、イラク軍とウクライナ軍がエイブラムス戦車の劣ったモデルを持っていたこと、戦術に疑問があること、そして米国の戦車兵がイラクやウクライナの戦車兵に対して質的な優位性を持って闘っていると主張することでそれができる。これらはすべて真実かもしれないし、そうでないかもしれない。

しかし同時に、生来の決意作戦(OIR)やロシア・ウクライナ戦争では、エイブラムス戦車は複雑な地形で肩掛け対戦車兵器やドローンを用いて非国家軍や国家軍によって日常的に叩きのめされてきた。このため、機甲兵コミュニティは戦車のブランド変更から利益を得るだろう。これは、諸兵科連合(combined arms)や統合戦(joint warfare)のアプローチを再ブランドし、再構想しなければならないのと同様である。

さらに、機甲兵コミュニティ(Armor community)には軽量のエイブラムスではなく、真の軽戦車が必要である。エイブラムスは冷戦時代の産物だった。ソ連とワルシャワ条約機構が脅威だった。陸軍の機甲部隊(Armored force)の大部分は西ドイツに駐留していた。

その結果、ソ連の装甲脅威に対処するためにはより重い戦車が必要であると同時に、西ドイツにいるため米国の機甲兵がすでに戦場に出ていたため、配備上の考慮事項はそれほど大きくなかった。

しかし現代の戦略的考慮はヨーロッパだけのものではなく、仮にそうであっても米国の機甲兵はもはや大陸に意味のある形で存在していない。さらに、争われている沿空域(AGL)、戦場の透明性、精密打撃により、機甲兵の移動は戦略的展開、戦域内移動、戦術運用などを非常に困難にしている。

この問題に対処するために、ダイナミックなブランド名を持つ新しいタンクが必要である。戦車デザインの5つの焦点は、防護、移動性、火力、データ、欺瞞であるべきである。軽戦車は、(1) 沿空域(AGL)脅威や対戦車誘導ミサイルからの防御に注力し、直接射撃の脅威への注力を控え、(2) 車載弾薬容量を増やすが口径は小さい砲、(3) 速度と行動半径の向上、(4) 車内データ操作能力、(5) 視覚・聴覚欺瞞の適切なバランスを持つべきである。

同様に、戦車がその方向に進むなら、機甲旅団戦闘団(ABCT)も同じように進むべきである。機甲兵コミュニティは機甲旅団戦闘団(ABCT)や騎兵中隊、そして機甲化、騎兵、偵察、ストライクといった用語を使う命名規則を捨てるべきである。これらの表現は外部のバイアスに縛られており、おそらく機甲兵コミュニティ自体にしか訴えかけないだろう。新たな機甲化編成(Armored formation)と機械化編成(mechanized formation)を構築する機甲兵コミュニティ(Armor community)のリーダーの組織原則となるべき5つの基本コンセプトがある。

  1. 現状維持のアプローチをとり、機甲兵コミュニティを活用すること
  2. 能力とブランドの両面で陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)のニーズに応える国際的に通ずる戦力設計であること
  3. ノスタルジックでも自己中心的な能力やブランドでもないこと
  4. 沿空域(AGL)の防護について自立すること
  5. 戦場の透明性について低下させること

適用された立場から、新たな機甲化編成(Armored formation)と機械化編成(mechanized formation)は4つの原則に基づいて編成されなければならない。

  1. 第二梯隊の戦果拡張部隊(second echelon exploitation force)として
  2. 作戦レベルおよび戦術レベルのテンポ破壊者であること
  3. データ操作者であること(戦場の情報取集、情報欺騙、情報伝達の中心となること)
  4. 成功を勝利に変え、失敗すべきものを成功に変え、好機を創出し、機甲兵の戦闘計画やそれに続くものを開く触媒となる存在

偵察および警戒編成は機甲化編成(Armored formation)と同じ5つの基本コンセプトに従うべきである-国際的で、現代の戦略的現実に敏感で、沿空域(AGL)において自立し、戦場の透明性に抵抗する。しかし、さらに5つの原則が必要である。

  1. 相互性は基盤であり、つまり、あなたと敵対者はお互いに同じことをしようとしている
  2. 偵察部隊は、a) 高度な情報に基づいた決心の能力を高め、b) 敵に情報不足の意思決定を助長するために作戦する
  3. 航空偵察が主、地上偵察が二次的である
  4. テンポ操作は作戦的および戦術的な機会を生み出す
  5. データ変調は作戦および戦術的な混乱を生み出す

適用原則は以下の考え方に基づいているべきである。

  1. 脅威との最初の接触は、誤解そのものである。
  2. 脅威との最初の接触は、戦力の配置、能力、好む戦いの方法(method of warfare)を感知することである
  3. 脅威との最初の接触は、敵の意図を無効化し、相手が予定より早く主要な計画を開始させることを意図している
  4. 対偵察は全方向かつ持続的である

これらの原則を考慮することは、既存の騎兵部隊にドローン小隊を組み込んで革新と呼ぶよりも、戦いの変化(changes in warfare)により敏感な形で機甲兵コミュニティの偵察編成を構築する第一歩である。

第一歩のドローン小隊の導入をしても、現行のパラダイムでは機甲兵コミュニティに失敗をもたらした。コミュニティの戦い(およびその役割)、運用の考慮点、能力、部隊構造の理解を鋭く再デザインし、陸軍、統合部隊、戦闘部隊(combatant commands)との関係性と信頼を維持する必要がある。

エイブラムス戦車、騎兵編成、戦闘を決する兵科(combat arm of decision)であること、そして最初の会戦を闘って勝利すること(fighting and winning first battles といった現状維持の話は、フラー(Fuller)が警告した機甲兵コミュニティの定番である。もし機甲兵コミュニティが自己の内部的安定にコミットし続ければ、2035年までには死んでしまうだろう。

部隊構成、リーダーシップ、指揮官職に関する問題を解決し勝ち取ることに失敗

部隊構成、リーダーシップ、指揮官職に関する問題を解決し勝ち取ることに失敗した、この過去20年以上は、陸軍全体で機甲兵のリーダーや指揮官職にとって墓場のようなものだった。最も顕著な損失は、ケンタッキー州フォート・ノックスの米陸軍機甲兵学校・センターである。さらに重要なのは、コミュニティにとって最大の敗北は、機甲兵学校長に伴う少将級の地位を失ったことだった。2010年の機甲兵学校・センターの廃止以降、機甲兵科は陸軍全体で編成、部隊構造、指揮・指導職を集団的に失っている。

中堅・ジュニアレベルの機甲兵リーダーたちが機甲兵の将来だ。

本記事では、2000年代初頭のモジュール性導入以降の機甲兵コミュニティ(Armor community)の壊滅的な衰退や、モジュラー旅団の起源から今日までの状況の微細な変化を逐一レビューすることはできないが、一般化は有益である。

モジュール性と旅団戦闘団(BCT)により、機甲旅団戦闘団(ABCT)における大隊級および旅団指揮職が指定され、機甲兵将校または歩兵将校がこれらの編成を指揮できる資格が認められた。したがって、過去とは異なり、機甲旅団戦闘団(ABCT)の諸兵科連合大隊では機甲兵将校が中佐の階級で専任の指揮職を持つことはなくなった。

機甲旅団戦闘団(ABCT)に加え、モジュラー歩兵旅団戦闘団(IBCT)とストライカー旅団戦闘団(SBCT)はそれぞれ独自の騎兵中隊を保有していた。機甲旅団戦闘団(ABCT)と同様に、これらの騎兵中隊も機甲兵科と歩兵科の両方の将校が指揮を執ることができた。

後にフォート・ノックスの機甲兵学校が失われたことがコミュニティにとって最大の戦略的混乱だったが、モジュール旅団は機甲兵コミュニティにとって、兵科の無意味化へと続く最初の連鎖的な出来事となった。第2および第3機甲化騎兵連隊が機甲兵科編成(Armor branch formations)として失われたことは、コミュニティ全体のさらなる組織崩壊を示唆した。これは、機甲兵将校の大隊レベルの指揮官職の多くが歩兵将校に移行したためである。

これらの批判は歩兵コミュニティに向けられたものではない。兵科間のセクショナリズムを煽る意図もない(Nor is the intention to stoke branch parochialism)。むしろ、重要なのは、機甲兵のシニア・リーダー世代がコミュニティに影響を与える政策決定に影響力を維持できなかったことを強調し、非難することである。最も決定的な失敗は、部隊構成の議論で闘い勝利し、陸軍部隊の指揮官職を維持し、統合部隊全体における正当性を維持することに失敗したことにある。さらに最近では機甲部隊構造(Armor force structure)の削減がコミュニティをさらに弱体化させている。2024年、陸軍長官クリスティン・ワームス(Christine Wormuth)は歩兵旅団戦闘団(IBCT)およびストライカー旅団戦闘団(SBCT)の兵中隊を廃止した。2025年、ピート・ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は陸軍全体でさらに機甲部隊を廃止する意向を発表した。指揮、専門能力開発、さらなる昇進、陸軍の上級レベルへの昇進の機会は急速に閉鎖されており、それに伴い機甲兵コミュニティの生活(livelihood)も失われつつある。

機甲兵コミュニティ(Armor community)のゆっくりとした衰退には多くの要因があるが、これらの失敗の責任は過去20年間この兵科を率いてきた将官たちにある。彼らが兵科を再開発できず、従来の常識に挑戦する人や考えに投資せず、21世紀の戦い(21st century warfare)の課題について想像力が欠けたまま冷戦時代の思考で考えたことが、おそらく最大の失敗だろう。

創造的思考者を育成できないこと

機甲兵コミュニティ(Armor community)は、専門誌や防衛関連の出版物に自己言及的かつ自賛的な文章が溢れている。機動の優先性、エイブラムスは数回のアップグレードで済む、戦闘を決する兵科(combat arm of decisionであるという話、機甲旅団戦闘団(ABCT)が陸軍で最も致死性の編成であるなど、機甲兵のナラティブを強化することはコミュニティに悪影響を及ぼすだけである。

確かにこの家訓に従い、波風を立てず、コミュニティのシニア・リーダーたちのリードに従うことが有益である。しかしシステム理論が警告するように、コントロールされていない強化されたフィードバック・ループはしばしば危険である。機甲兵コミュニティ全体の議論を支配するようなフィードバック・ループを強化することは危険である。なぜなら、ある信念が制度化され、それを生み出した条件を自己増殖的に強化すると、外部の証拠が誤りを示しても、システムは修正に抵抗してしまうからである。

機甲兵コミュニティのシニア・リーダーシップは、自己反省や修正に抵抗するフィードバック・ループを強化する環境を作り上げてきた。コミュニティのシニア・リーダーたちのアプローチはうまくいっていない。もしそうでないなら、現在のように機甲兵コミュニティが陸軍から完全に締め出される瀬戸際に立たされることはなかっただろう。

同様に、機甲兵コミュニティのロシア・ウクライナ戦争やその他の紛争の教訓を学ぶコメントの多くは、探求的というよりは付加的なものである。議論は、それらの追加が適切かどうか、あるいは今日の戦争のような戦争を闘うためのコミュニティの準備をしているだけなのかを評価するのではなく、その紛争で観察されているものを再現しようとしているだけだ。議論は機甲兵編成(Armor formation)および騎兵編成(cavalry formation)にドローンや対ドローン技術を追加し、キル・チェーンを強化することについて語っているだけで、2〜3サイクル先のイノベーション・サイクルを考えて、将来の紛争にそれが正しいアプローチかどうかを評価することがほとんどない。

これもまた、コミュニティのシニア・リーダーたちの支配的な知恵を強化する傾向に沿っている。最近の国防総省の政策が示すように、ドローンで強化された機甲旅団戦闘団(ABCT)は、戦闘システム、編成、軍種間運用性の全面的な再デザインを目指す陸軍や国防総省にとって魅力的ではない。

機甲兵コミュニティは沿空域(AGL)のコントロールを獲得しなければならない・・・なぜなら、現代戦においては、沿空域(AGL)のコントロールが陸軍の移動能力の因果メカニズムだからである。

変化に対応して、機甲兵科として責任を持って陸軍全体との信頼と関係性を保てないこれらの失敗に直面し、機甲兵コミュニティ(Armor community)のシニア・リーダー—現役、退役、そしてどちらにも該当しない者も—は議論を推進すべきである。

議論には、新しい組織形態の開発・実験、戦場における新たな戦闘展開隊形の考案、現代の戦場技術に関する現実的な闘いの形態(forms of fighting)や闘いの組み合わせ(combinations of fighting)の発見、そして2〜3イノベーション・サイクル先の戦いの展望が含まれる。

しかし「アップグレードされたM1エイブラムスで機動性を上手くする」というのは答えではない。探求的分析やコミュニティの強化フィードバック・ループの悪影響を是正することに関心のない関係者は、議論を手放した方が良いだろう。なぜなら、彼らの議論への継続的な参加は、深刻に衰退した機甲兵コミュニティに不当な損害を与えているからである。同じことが続くと、機甲兵コミュニティは2035年までに消滅するだろう。

結論

機甲兵コミュニティ(Armor community)を終末の衰退から脱却させるには大規模な作業が必要である。この記事の締めくくりとして、一連の推奨事項が提供されている。

J.F.C.フラー(J.F.C. Fuller)は、戦いの学生であり実践者である彼らに、戦争の最大の問題はどのように動くかであることを思い出させている。機甲兵コミュニティは今日、動けないため脇に追いやられている。フラー(Fuller)は「移動性とは単なる移動力だけでなく、攻撃力を発揮できる防護された動きを意味する」とコメントしている。さらに彼は「移動性が優れている側こそ、勝つ可能性が高い(The side which possesses superior mobility, is the side which is more likely to win.)」と主張している。

機甲兵コミュニティ(Armor community)は沿空域(AGL)の支配権を握らなければならない。これには沿空域(AGL)の能力、機能、空域の両方が含まれる。これは、現代戦において沿空域(AGL)の統制が陸軍の移動能力の重大な影響を与えるメカニズムであるためである。そして、移動できない機甲化部隊(Armored force)は作戦上無意味である。確かに、沿空域(AGL)の支配は機甲兵コミュニティがその移動と攻撃力を新たに見つける能力を守り、守ることを可能にする。

さらに、沿空域(AGL)を統制することで、機甲兵コミュニティが自らの将来を拓き、戦場での移動性(mobility)を可能にするために他の兵科や部隊に依存しないことが保証される。沿空域(AGL)の支配権を巡る争いは、機甲兵コミュニティのシニア・リーダーたちが闘い、勝利しなければならない争いである。この闘いに勝てなければ、コミュニティにとって壊滅的な結果をもたらすだろう。

さらに、陸軍、統合部隊(joint force)、戦闘部隊(combatant commands)は機甲化部隊(Armored force)を必要としている。

  1. 彼らは軽量で迅速に展開可能な機甲化部隊(Armored force)だが、強化された自動車化歩兵部隊(motorized infantry force)と区別する強力な威力を持っている
  2. 彼らは、しばしば陣地戦(positional warfare)を通じて制約された地形で闘うためにスケールアップされたプラットフォームを持っている
  3. 彼らは透明性が高い戦場を感知されずに移動できる結束した部隊として作戦する
  4. 彼らは、もし検出された場合その沿空域(AGL)を統制することでトップダウン攻撃から身を守る
  5. 彼らは破壊を基盤とした戦いの厳しさに耐える。消耗が戦争の自然な状態だからである
  6. 彼らは維持整備時間やコストの間接費が少なく、作戦および戦術的範囲の拡大
  7. 彼らはより高い能力を持つ後続力(すなわち予備)を持ち、成功を活かし、穴を塞ぎ、失敗を防ぎ、抑止力を提供することができる

したがって、機甲兵コミュニティ(Armor community)は機甲旅団戦闘団(ABCT)や偵察部隊を以下の編成に再編すべきである。

  1. 戦闘だけでなく、会戦や戦役全体にわたる厳しい消耗の現実に耐えられる(すなわち冗長の能力(redundant capability)を持つ)頑丈な存在である
  2. データの提示・欺編、収集、フローを積極的に操作することができる
  3. 戦略、計画、指揮官の意図に基づいて作戦のテンポを積極的に操作し、作戦のペースを加速または減速させることができる
  4. 彼らの上空の空域を所有し、敵のトップダウン攻撃能力から自らを守るための資源を持つこと

最後に、機甲兵コミュニティ(Armor community)はほぼ10年間も停止状態だ。機甲兵コミュニティは、手遅れになる前に真のチャンピオンを見つけなければならない。真のチャンピオンは、最もシニアなリーダーでも、最も人気のある人でも、最もコネのある個人であってはならない。

さらに、真のチャンピオンとは、コミュニティの厳しい状況を見抜き、コミュニティの聖なる価値を犠牲にする勇気を持ち、同時に現代戦争の現実に基づいた探求的な変革を推進できる人物であるべきである。

最後に、真のチャンピオンは、どこから来たか、誰を知っているか、どの「ネットワーク」に属しているかに関わらず、機甲兵コミュニティを存続させ、繁栄させるために、成長し、次世代の創造的思考者を育成する謙虚さを持たなければならない。そのチャンピオンは、必ずしもリーダーそのものではないかもしれないし、制服を着ているわけでもないかもしれない。

中堅・ジュニアレベルの機甲兵リーダーたちが機甲兵の将来だ。彼らは自分たちのために、兵科のために、そして米国国民のために、コミュニティの上級指導部に抜本的な変革と包括的な改革を促す義務がある。中堅およびジュニアレベルの機甲兵リーダーは、機甲兵のシニア・リーダーにその責任を問わねばならない。そのために、中堅およびジュニアレベルの機甲兵リーダーは、コミュニティのシニア・リーダーに3つの基本的な質問をしなければならない。

  1. 彼らは、兵科の残存可能性を確保するために何をしているのか?
  2. 彼らは、国家にたいして抑止力のある機械化部隊を届けるために何をしているのだろうか?
  3. 彼らは機械化陸上戦(mechanized land warfare)の専門家をどのように育成しているのだろうか?

機甲兵科の深刻な状況に対処しなければ、機甲科コミュニティは過去の騎兵(horse cavalry)と同じ衰亡の時を経験し、歴史書にしか存在しないただの衰退した能力に過ぎなくなるだろう。