対象地域を常に無人機で監視:中国とロシアを牽制:CSBA

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Persistent Regional Drones Could Deter China, Russia: CSBA
By Theresa Hitchens on April 15, 2020 at 10:54 AM

対象地域を常に無人機で監視:中国とロシアを牽制:CSBA

「限定的な侵攻であれば、米国やその同盟国がそれに対応する前に、中国やロシアはその時間的優位を利用して同盟国の領土を奪取することができる。その結果、事後に覆すことが困難な既成事実が生まれることになる。」とCSBAは警鐘を鳴らしている。
https://csbaonline.org/uploads/documents/CSBA8209_(Deterrence_by_Detection_Report)_FINAL.pdf

 ワシントン発:CSBAの新しい研究によると、米国と同盟国が紛争地域で無人機の使用を増やすことが、ロシアと中国によるグレーゾーン攻撃に対する強力な抑止力となりうるとしている。CSBAが「発見して抑止」と呼ぶこの新戦略の実施には、年間約14億ドルの費用がかかるという。
この研究では、ロシアによる西ヨーロッパでの地域侵略や、中国による東アジアでの地域侵略に対処する米軍の体制が十分に整っておらず、一方ロシアと中国はともに「偵察から攻撃へのネットワークを強化することで、周辺国への侵攻を迅速に開始する能力を開発している」と主張している。
CSBAの調査によると、「限定的な侵攻であれば、米国やその同盟国がそれに対応する前に、中国やロシアはその時間的優位を利用して同盟国の領土を奪取することができる。その結果、事後に覆すことが困難な既成事実が生まれることになる。」という。
これに対し国防総省は、ステルス性はないが、長い滞空時間を持つ無人航空機システム(UAS)を使用することで、持続的な「空の目」を配備できる十分な能力は持っている。「発見して抑止:大国のパワーが競合するなかでの無人機の主な役割に関するこの研究によると、国防総省には「これらの能力を効果的に活用するための新しい運用や組織のコンセプト」開発が必要であるとしている。
この研究では、このような新しい戦略に関連するシステムとして、空軍のMQ-9リーパーとRQ-4グローバルホーク、海軍のMQ-4Cトライトン、陸軍のMQ-1Cグレイイーグルスを挙げている。
またこのUASの新たな利用コンセプトは、同盟国やパートナー国の共同作戦への参加を促して、米国のコストを削減するだろうと指摘している。
この研究では「リアルタイムでのシチュエーションアウェアネスは、今までには無かった意味で、対グレーゾーン攻撃と戦端の口実にされるようなことに迅速かつ効果的に対抗するために重要である」とし、更に「ISR任務を遂行するUASは、中国またはロシアによる攻撃が差し迫っていることをより強く警告することができ、それによって、前方展開部隊が決定的な対応をする準備を確実に行うことができる。UASにより前兆の警告が早く出ることによって、米国の時間距離の不利を緩和し、それによって、米国とその同盟国が、既成事実を防ぐために十分な戦闘力を結集することを可能にする。」としている。
CSBAによるとアジア太平洋地域の3つの優先地域と欧州の3つの地域を特定している。アジア太平洋地域では台湾海峡、南シナ海、東シナ海、欧州ではバルト海、黒海、東地中海が長期にわたる無人偵察機の利用に最も適しているという。
CSBAの分析によると、これらの優先地域で「発見して抑止」を実施するには、西太平洋で46機、欧州で46機、合計92機の機体が必要だとしている。
これは米国とその同盟国および友好国が保有しているUASを他の戦域やミッションから西太平洋や欧州に移し、更に米国が既に調達している航空機の一部を新たにこのミッションに割り当てることで、この必要数は満たすことができると説明している。
CSBAプレジデントのThomas Mahnken氏、Travis Sharp Research Fellow、上級アナリストのGrace Kim氏は、議会予算局の統計に基づいて、これら92機のドローンの年間運用コストは合計で年間約14億ドルになると見積もっているが、
「航空機は新規調達ではなく既存から割り当てられるし、また運用コストは、どうであれ国防総省がそれらの航空機にかかる(飛行を続けていると仮定して)費用であるから、この 「発見して抑止」 を実施するために新たな支出を増やす必要はない。」と説明している。
またこの研究では、これには空軍のMQ-9リーパーの14%、海軍のMQ-4Cトライトンの38%、空軍のRQ-4グローバルホークの53%、陸軍のMQ-1Cグレーイーグルスの6%。のみを割り当てるだけでいいとしている。
実際、この研究で示されたコンセプトの秀逸なところは、「米国がすでに保有している能力であっても、大国間での競合に利用することが考えられていなかったために十分に活用されていない能力(滞空時間の長い無人航空機システム(UAS))用いることにある。」と研究は結論している。そして「同盟国の貢献があれば、米軍の負担は軽減され、米軍のUASは他の任務に振り向けられるようになるし、そして同盟国の能力は貢献を通して向上する」としている