ドイツは、トルネードの更新に分割した戦闘機購入を準備

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掲載:2020年3月27日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Derek Bisaccio FI社アナリスト
この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)

Germany Readying a Split Fighter Purchase for Tornado Replacement
March 27, 2020 – by Derek Bisaccio

ドイツのビジネス紙ハンデルスブラットのレポートは、85機から93機のパナヴィア・トルネードIDS戦闘機の既存の飛行部隊をユーロファイタータイフーン、ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネット及びボーイングEA-18Gグローラーで分割して買い入れる更新計画をまとめたことを明らかにした。
その買い入れは、90機のユーロファイター、30機のスーパーホーネット、そして15機のグラウラーに分離される模様。

トルネードIDS(インターディクター・ストライク)は、ルフトヴァッフェ(ドイツ連邦空軍)で、航空抑止と地上攻撃の任務で戦闘機と爆撃機の両方に使用されている。トルネード飛行部隊は、NATOにデュアル・ケイパブル・エアクラフト(DCA)として公表されている。つまり、B61核無誘導弾を使用した核投射機としての役割が課せられている可能性がある。
その米国製爆弾(注:B61核無誘導弾)は、トルネードやF-16などのDCA対応航空機を運用するヨーロッパ(ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコ)のNATO加盟国の各補給処に保管されている。

冷戦時代からの長年の計画の下、それらは旧ソビエト連邦、そして現在のロシアとの核紛争の際に当事国の軍にリリースされるものとなっていた。
その核投射任務は、そのためにNATOのパートナーとしてのドイツのトルネード飛行部隊の重要な構成部分と見なされている。故に、トルネードをDCAミッション対応の代替機に更新することが重要である。

しかしながら、トルネードの更新として検討された3つのプラットフォームのうち、現在DCA認証されているプラットフォームは存在しない。
スーパーホーネットのみが、要求される兵器システムのインテグレーションに関して認定プロセスを実施するための承認準備ができている唯一のものである。
ユーロファイターは、インテグレーション作業を行うために米国の同意を必要とし、はるかに長い準備期間を要するものと思われる。

核攻撃任務、一見、冷戦時代の時代錯誤のようなものだが、ロシアがヨーロッパの東部国境に沿ってより攻勢的な態勢を取り、イスカンデル-M弾道ミサイルを配備するカリーニングラードの飛び地で、その核兵器を更新する事で、重要性が突如として再浮上した。

ドイツにとって最大の問題は、DCA戦闘機の役割を任されている他のNATOの同盟国から逸脱するという決断である。そのすべて(S-400関連での禁輸措置によりトルコを除く。)は、戦闘機であるF-35ライトニングII戦闘機の方向で動いている。
F-35型戦闘機は、今後数年間で展開されるブロック4標準ソフトウェアにおいて、兵器システムにおけるB61 Mod 12型の認定を受ける予定となっている。

しかし、次世代のフューチャーコンバットエアシステム(FCAS)プロジェクトの開発に関して、フランスやスペインと一緒に推進しようとしているドイツは、ヨーロッパの産業全般、特にドイツの産業をサポートすることを望んでいたため、F-35型の調達面で躊躇した。トルネードの更新問題は、より大きなヨーロッパ防衛力主権を求めるより仏独の中にあった。

その結果、トルネードの更新は政治問題として浮上し、元ドイツ空軍参謀長のカールミュラー中将は、F-35型機の購入に支持を表明したために2018年に引退を余儀なくされている。

ユーロファイターの調達は、すでに143機の航空機を運用しているので、ドイツ空軍に使い慣れたプラットフォームを提供する事となっている。そのユーロファイターの調達は、ヨーロッパとドイツの防衛産業に対する政府支援の目的にも見合っている。

一方、EA-18Gグローラーは、電子戦任務対応のトルネードECR型機の更新機として供給される予定のものであった。ドイツ空軍はこれらのプラットフォームのうち約28機を運用している。

現在の計画では、ドイツは2025年にトルネード飛行部隊の段階的な退役を開始し、その頃、新しい戦闘機が理想的に到着し始める事を求めている。戦闘能力のギャップが生じないようにするために、トルネード飛行部隊は2030年までドイツ空軍での役目を果たし続け、その時までに新しい戦闘機が運用可能となる予定である。

3月26日にドイツのメディアで報道された、異機種が混ざった戦闘機の調達は、依然として国防相のアネグレット・クランプ-カレンバウアーによって承認されなければならない。
複数のプラットフォームの果たす役割とDCA認定プロセスの実施に必要な追加のコストは課題だが、レポートが正しければ、決定は下され、ドイツはこれらのコストを勧んで負担することになるだろう。(黒豆芝)