米空軍、F 35ステルス戦闘機と第4世代機との共同を試験中

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「ステルス技術は既にありふれて陳腐化していると多くの人が思っている」とTeal GroupのRichard Aboulafia氏は言っている。そのため(ステルスで隠密に侵入するということではなく)直接、敵の防空を制圧する必要性が増している。もちろんF -35の主要な要求事項の中には高度な防空能力を破壊するということがある。

By Theresa Hitchens : Breaking Defense News
2020年8月6日4:14 PM

ワシントン: 米空軍は、B-2爆撃機や高度に機密とされている無人偵察機 「RQ-170」 などを含むこれまでの航空機による対防空ミッションに対して、F-35がどのような寄与ができるかを含め、厳しい競争がある空域でステルス機がどのように連携して機能するかを探る、初の試験を終了した。


ネバダ州ネリス空軍基地での2日間の演習は、空軍のF-22戦闘機、F-15 E戦闘機、海軍のE/A-18 Gグローラー電子戦機も含まれ、電子攻撃(EA)ミッションにおいて第4世代および第5世代の戦闘機がペアを組むことを目的としていた。
「ほとんどの人はF-35を電子戦用の航空機とは考えていない。実際にそうではあるが、F-35は信じられないほどの能力を持っている。」と、Mitchell Institute for Aerospace Studiesで将来のコンセプトや技術評価のディレクターを務めるMark Gunzinger氏は、Breaking Defense誌に宛てた電子メールで述べている。

「F-35は、レーダーサイトやその他の脅威からの電磁放射を検出し、それらを分類して位置を特定し、脅威データを他の航空機に配信するEWシステムを備えている。また、空中および地上の脅威へのスタンドオフ妨害などのアクティブEWタスクも実行できる。AESAレーダーを使っての電子攻撃もできる。」と、彼は説明している。

140万ドルをかけたこの大規模試験(Large Force Test Event:LFTE)は「敵の防空の制圧、被観測可能性(ステルス)での侵入、および第4世代から第5世代の電子攻撃の相互運用性のための空軍の優先的戦術改善提案の解決策を見つけるために企画された。」と第53航空団試験評価グループが今日のプレスリリースで述べている。「LFTEの結果として、空軍はこれまで一緒に試験されたことのない戦術、技術、手順を独自に統合することができた。」とリリースでは付け加えられた。

「この演習では、主に、高度な脅威に対するLO [低被観測性]プラットフォームの有効性を実証することに重点を置いています。」と第53 航空団ウェポン試験評価グループのチーフであるTheodore Ellis少佐はリリースで述べている。「私たちは、新たな技術と戦術を活用して、弱点を最小限に抑え、統合における利点を活用する。」と付け加えた。

「LFTEは、1つのプラットフォームだけでなく、コラボレーションと相互接続性にも重点を置いている非常に重要な試験であった。」「つまり、単なるSEADにおけるF-35のEW能力というのでなく、単独のプラットフォームがどのように他と相乗効果を発揮できるかに焦点が当てられている。」と空軍広報担当者のSavanah Bray大佐はBreaking Defense誌へのメールで言っている。

とはいえ、このLFTEは空軍の指導者にとって、マルチドメイン作戦を指揮する上でF-35が主導的な役割 ―引退したばかりのデイビッド・ゴールドフェイン元参謀総長が、声援しているフットボールチームの「クォーターバック」に例えたが― を果たす能力を探る機会でもあった。

「LFTEは、ステルス、EA(電子攻撃)、情報共有、その他の手段を組み合わせて、ミッションの成功と生存性を達成するために、F-35がレガシーな航空機と他のF-35を含む他の先端的なプラットフォームの両方を統合できることを明らかにした。」と、Lockheed Martinの広報担当Brett Ashworth氏は今日Breaking Defense誌に宛てたメールで言っている。

この能力は、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地で毎年行われているオレンジ・フラグ2020の演習でも示されていた。空軍F-35 Aはターゲティング・データを収集し、空中通信ノードとしてのU-2偵察機と、シミュレーションで模擬された陸軍統合航空・ミサイル防衛戦闘指揮システム(IBCS)に送信した。IBCSは、Breaking Defense の読者が知っているように、陸軍のミサイル防衛のための重要な指揮統制システムである。戦略司令官チャールズ・リチャーズ提督によれば、これはすべてのドメイン作戦を可能にするために不可欠なシステムであるとのことである。

「F-35は、作戦状況のピクチャーを他と共有でき、バトル・マネージャーとしての役割を果たし、電子戦の能力もあるので、戦力を掛け算的に増強する。」とGunzinger氏は述べている。

航空戦の専門家によると、SEADとして知られる敵防空網制圧は、近年、より差し迫った必要性となってきている。
第1に、ロシアや中国のような競争国は、アクセス拒否/エリア拒否能力の向上に多くの時間と労力を費やしており、イランのような国へも高度な防空システムの提供を進めている。。情報収集、監視、偵察 (宇宙からのものも含む) の進歩も、ステルス技術が無意味になる可能性を高めている。

 

「おそらく最も重要なのは、ステルスはいずれにせよ陳腐化すると多くの人が考えていることは、少なくとも将来的にはEAとSEADを組み合わせることが必要になることを示唆している。」と、Teal GroupのRichard AbourafiaはBreaking Defense誌へのメールで述べている。しかし、EAとSEADが新たに重視されるようになったのは、主に予算上の圧力のために空軍自身が選択した結果でもある。「当初、米空軍は第5世代の戦闘機部隊があれば、電子攻撃/SEADを必要ないと考えていたが、実際には両方が必要で、最初に敵のドアを蹴り倒すのが、第5世代戦闘機で、その後にレガシーな航空機が侵入する形になった。」と、Aboulafia氏は説明している。「しかし、海軍が第5世代戦闘機をほとんど持たないことから、空軍は海軍に協力する必要がある。空軍のF-15の調達が再開されたことを考えると、空軍は今後何十年にもわたって、多くの役割を担う第4世代プラットフォームと協力する必要があることは明らかだ。」

空軍のプレスリリースによると、LFTEは「統合されたリアルな運用シナリオによる運用試験機の新たな能力の適合性と有効性を評価する空軍戦闘司令部の主要なイベントである。」としている。レッド・フラッグのような実戦配備された部隊に対する訓練と準備に焦点を当てた合同または複数のプラットフォームでの訓練とは異なり、LFTEはまだ実戦配備されていないハードウェア、ソフトウェア、戦術に焦点を当てている。LFTEの成果は、統合に重点を置いた能力開発や最新の戦術を含む幅広い取り組みに反映される。

「このようなイベントを通じて、第4世代、第5世代が共同する戦術を継続的に改善し、高度な脅威環境での能力を高めていく。」とEllis氏は語っている。