米陸軍特殊部隊は、情報戦で他の軍事部隊ともっと一体化したいと考えている

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陸上自衛隊HPにある米国における米陸軍との実動訓練の実施状況 (mod.go.jp)を見ると、“陸上自衛隊は、7月30日、米軍がインド太平洋地域で実施する大規模な演習「ディフェンダー・パシフィック21」と連接した米陸軍との共同降下訓練を実施した”と、掲載されている。この訓練の狙いは、「本訓練は、第1空挺団米第1特殊部隊群が、日本からグアム島に直接飛行して実際の飛行場へ共同空挺降下を行う陸自初の訓練であり、島嶼防衛に係る作戦能力を向上させる」と広報されている。この訓練に関する記事は米陸軍グリーンベレーと第1空挺団がグアムで共同空挺降下 陸自初の訓練 | FlyTeam ニュースで取り上げられているくらいであり、陸上自衛隊のtwitter(https://twitter.com/JGSDF_pr/status/1421083769969119233?s=20)や陸上自衛隊のFacebook(https://fb.watch/7uYInRcjuc/)で確認できる。

ここで紹介するのは、「ディフェンダー・パシフィック21」に参加した米軍の特殊作戦部隊に関わる記事である。特殊作戦と言われるだけあって、特殊作戦部隊(Special Operation Force)の役割や組織内のことなどは不明なことが多いが、その役割の一端を窺い知ることが記載されている。米軍内では情報環境内での作戦(Operations in the Information Environment)という言葉が、2016年の「STRATEGY FOR OPERATIONS IN THE INFORMATION ENVIRONMENT」というAshton B. Carter国防長官名のWhite Paper発出以降よく見受けられる。

米軍の特殊作戦部隊が新しく認識された情報環境内で、どのような任務を帯びているのか、記事中に出てくる情報戦センター(Information Warfare Center-Fort Bragg)とは何か、そのセンターや現場で使用されている最新の情報技術や人工知能(AI)などについて興味が尽きない。(軍治)

米陸軍特殊部隊は、情報戦で他の軍事部隊ともっと一体化したいと考えている

– Army Special Forces want to integrate more with other military units on info warfare –

2021年8月19日

マーク・ポメルロー著

※マーク・ポメルローは、情報戦とサイバースペースを取材するC4ISRNETのレポーター

米陸軍特殊部隊は、武力紛争のしきい値以下の敵対者と戦闘するための新しい情報戦センター(Information Warfare Center)の力を学んでいる。(AP通信経由によるケン・カッセンス/米陸軍)

ジョージア州オーガスタ発-米陸軍特殊部隊は、一流の情報戦能力の開発に取り組んでおり、そのスキルを従来の軍事部隊とより頻繁に組み合わせたいと考えている。

たとえば、特殊作戦統合任務部隊は、7月に米陸軍ディフェンダー・パシフィック演習(インド太平洋軍を支援する統合マルチドメイン作戦のための師団規模のウォー・ゲーム)に参加し、対等な敵対者に対して勝つ能力(ability)をテストした。第1特殊部隊コマンド参謀であるジョッシュ・レーツ米陸軍大佐は、TechNet Augustaでの8月17日の講演で述べた。

「我々は、敵対者達に対しコストを課し、複数のジレンマをもたらすための能力を収束するため、統合部隊直結の構成コマンドおよびマルチドメイン・タスク・フォースとしての第1軍団と一体化した」と彼は述べた。

「このシナリオでは、我々が闘わないことを望んでいた戦争であり、情報戦へのアプローチを通じて、我々は敵対者達を阻止し、生き残っただけでなく、武力紛争に至らない競争で繁栄した。情報戦は、環境を形成し、この敵対者を阻止し、作戦環境と情報環境の両方で機動の自由を維持する上で重要な役割を果たした。この重要な貢献により、統合部隊と米陸軍は主導権を握り、情報環境を支配することができた」

米陸軍特殊部隊は日々70か国以上に展開されており、敵対的な行為主体に関与させながら、人口の一部に効果的にメッセージを送ることができる。つまり、情報戦能力の開発と成熟に関しては、彼らは槍の先端にいる。

従来の部隊は、敵対者達がさまざまな技術を使用して部隊を配置し、米国とその部隊を弱体化させているため、これらの能力を用いることの重要性を学んでいる。その結果、米陸軍は「情報の優位性(information advantage)」と呼ばれる新しいアイデアを追求している。これは、指揮官が敵に対して意思決定の優位性を維持できるように、情報関連の能力を活用することを追求している。

レーツ米陸軍大佐は、特殊部隊が従来の部隊とより頻繁に提携することを目指しているとの発言に続いてC4ISRNETに語り、地域的に配備された米陸軍部隊での実験は演習の1つの成功であったと述べた。

「我々が学んだことは、早期に提携し、米陸軍や他の統合部隊と計画を立てることであった。それは敵対者の不意を突くことかもしれない。この場合、それが起こったのである」と彼は言った。

学んだ追加の教訓には、米軍を主な勢力圏外に保つことを狙いとした敵対者の能力を低下させるための公正さの低い電子戦とサイバー対応ツールの重要性が含まれていた。

実際、特殊作戦部隊はしばらくの間、戦術的なサイバーおよび電子戦ツールを実験して使用してきた。これは、従来の部隊が現在開発し始めているものである。

「情報、電子戦、インテリジェンス、その他の特殊作戦活動を一体化する特殊作戦任務部隊としての我々の役割は、情報の優位性(information advantage)を達成するための鍵である」と彼は言った。「ここで重要なのは、我々の指揮統制構造の整合性を保護しながら、データと情報を高速かつ大規模に動かすことの重要性である」

レーツ米陸軍大佐はまた、フォート・ブラッグに新しく設立された情報戦センターが、武力紛争のしきい値を下回る敵対者と競う特殊部隊の能力(ability)において果たしている役割についても言及した。

心理作戦部隊は、情報戦センターの中核を形成するために組織されており、国民国家の主要な脅威に焦点を当て、オープン・ソース・ツールとデータ・アグリゲーターを使用して特定の行為主体の個人情報を収集し、傾向を合成し、ナラティブと主要な通信を特定する。

「我々は独自の文化と言語の専門知識を活用し、コンテンツを開発し、ターゲット・オーディエンスをオンラインで毎日関わっている」と彼は言った。「信念(beliefs)、態度(attitudes)、振舞い(behaviors)が影響を受ける認知的次元(cognitive dimension)に影響を与える独自の能力は、情報環境の出来事を見て(see)、感知し(sense)、反応する(react)ための我々の特殊戦能力(special warfare capabilities)と一体化されている」

「情報戦センターは、前方に配備された部隊に戦術的レベルを超える状況認識を提供し、インテリジェンス能力によって、コンテンツを正しく作成し、必要に応じて世界中のほぼすべてのターゲット・オーディエンスに配信できるというメッセージを伝えるという大きな利点を提供する」

レーツ米陸軍大佐は、ディフェンダー・パシフィック演習の間に、情報戦センターの最適な一体化と、敵対者に複数のジレンマを提示し、決心の優越(decision dominance)を可能にするためのセンシティブな活動について学んだと述べた。

さらに、レーツ米陸軍大佐は、米陸軍特殊部隊が米国サイバー・コマンドと協力して、サイバースペースの悪意のある行為主体を阻止していると述べた。

「情報環境を統制(control)することは、競争と高烈度紛争の両方で勝つために非常に重要である」と彼は言った。