Su-35との共用性を高めるSu-30SMの能力向上
掲載:2019年2月27日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:DEREK BISACCIO FI社国際軍事マーケット編集者
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)
Su-30SM Upgrade to Boost Commonality with Su-35
ロシアの防衛産業は、Su-35の搭載システムを用いて、標準化された多くのSu-30SMの搭載システムの能力向上を実施する予定である。
2019年2月26日、ロシアのユーリ・ボリソフ副首相が記者に語ったところによると、能力向上は「Su-35及びSu-30SMをより標準化することにより、それによってコストを引き下げ、航空兵器システムの標準化を達成するため搭載されている無線機器のレイアウトを変更する。」ことを含むと語った。
Su-30SMに対する改善は「航空機に新しい命を吹き込む可能性がある。」と彼は付け加えた。
Su-30SM用の能力向上計画は以前に議論されていたが、詳細については明らかにされていない。2018年9月、タス通信は、航空機のAL-31FPエンジンがSu-35に標準装備されている能力向上型のAL-41F-1Sエンジンに置き換えられることを報じた。新しいエンジンによって追加されたパワーは、Su-30SMがより先進的な搭載機器と搭載兵器を装備することを可能にする。Su-30SMは能力向上施策によって、より長距射程のミサイルを受け取ることとなる。
ロシアは、2019年末までに能力向上型のSu-30SMのテストを完了することを目指している。
ロシアは、独自のSu-30SMを更新する以外に、近代化パッケージを外国にも販売する予定である。特にインドは、Su-30SMの基本モデルである約200機のSu-30MKIを運用している事実から、主要な潜在的顧客と見られている。
ボリソフ副首相は、「その耐用命数を延ばすことによってこの航空部隊を近代化する機会が、おそらく開かれるであろう。」と述べたが、彼はロシア当局者が積極的にインドの同盟国とこの問題に関して対話に取り組んでいるかどうかについては語らなかった。
ロシアの防衛装備計画の下での注文量は、ロシアが近代化システムの実用化に入った状況であるため、今後も減少する方向にあると予想される。そのため、副首相は、防衛産業が(注;装備品の)ライフサイクルの維持整備と能力向上の提供に焦点を移し、同時に防衛企業によって生産される民生品のシェアを高めるべきで有ることを強調した。(黒豆柴)
投稿者紹介:DEREK BISACCIO
国際関係、ロジャーウィリアムズ大学卒。 政治および軍事の研究者で大学時代に米国の上院議員のインターン、ハドソン研究所等での研究助手を務める。