備えあれば憂いなし(www.crfs.com)
2026年2月28日に始まった米国とイスラエルの攻撃は、拡大していくとの見方が広がっている。この2週間に双方のUAVによる攻撃が取り上げられている。この地域はもともとフーシ派、ISIS(イスラム国 — イラク・シリア)、ヒズボラ、ハマスなどの反乱勢力がドローンを使用した攻撃が行われていたようだ。
今回紹介するのは、これらのドローンをはじめとする経空脅威に関してどのような備えが必要なのかについてまとめられたCRFSという企業の報告書である。
本報告書は、近年中東で深刻化する安全保障課題に対し、上記の組織が電波を利用して活動している点に着目し、広域ネットワーク型RF(無線周波数)センシングで電波を探知・追跡することで、UAV監視、海上警戒、国境監視に有効な早期警戒が可能になることを示している。中東では今まさに戦争中だが、通常からの経空監視の方策としての提言は有効だと考える。
かなり専門的な内容が含まれているが、ドローンをはじめとする経空脅威への対応を考える際の一つの示唆を与えてくれるものと思う。(軍治)
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備えあれば憂いなし
PRAEMONITUS PRAEMUNITUS
FOREWARNED IS FOREARMED
広域ネットワーク化された無線周波数センシング技術を活用し、中東地域の防衛・安全保障を強化する
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https://www.crfs.com/who-we-help/military-ew-operators
CRFSは、防衛産業、国家安全保障機関、システム・インテグレーター、技術プラットフォーム・パートナー向けの無線周波数(RF)技術専門企業。20年近くにわたり、リアルタイムのスペクトラム監視(周波数監視)、状況認識、電子戦支援における先進的な能力を提供し、エンドユーザーが混雑した環境や係争環境において電磁環境を理解し活用することを支援してきた。
著者について
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トーマス・ウィズィントン(Thomas Withington)博士は、電子戦、レーダー、軍事通信を専門とする受賞歴のあるアナリスト兼ライターである。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の研究員、NATO防衛大学の上級非常勤研究員を務める。これらの分野について、専門誌から一般誌まで幅広く執筆活動を行っている。また、政府機関や民間セクターの主要クライアント数社に対し、同分野のコンサルタントおよびアドバイザーとしても活動している。
さらに、ウィズィントン(Withington)博士は、世界中の主要メディア組織に対し、電磁スペクトラム利用の安全保障および防衛面に関する定期的な解説を提供している。
2026年が進むにつれ、中東は防衛と安全保障上の様々な課題に直面している。地域全体で反乱が激化し、重要な海上交通路は依然として海賊行為の危険にさらされている。 |
序文
国際的な交差点であり、技術開発の中心地であり、世界的な資源供給地でもある中東地域は、世界の将来において間違いなく中心的な役割を果たすだろう。
しかし、この地域の力強さにもかかわらず、いくつかの安全保障上の課題が地域の安定と繁栄を脅かしている。自爆ドローン(suicide drones)は石油精製所を混乱させ、ジャミングは航空交通に大混乱をもたらし、船舶への攻撃は人命と信頼を脅かす。
この特別報告書は、一見すると地域全体に散在する様々な脅威を整理し、軍隊や安全保障機関が新たな防護のレイヤーを追加することでどのように防衛力を強化することができるかについての枠組みを提示している。広域無線周波数(RF)センシングは、現代の脅威のアキレス腱である電磁スペクトラムへの依存を打破するのに役立つ技術的ソリューションである。
この報告書では、電子戦の専門家であり、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の準研究員、NATO防衛大学の上級非常勤研究員であるトーマス・ウィジントン(Thomas Withington)博士が、目に見えない脅威を非常に目に見える形で提示している。
はじめに
2026年が幕を開ける中、中東は防衛・安全保障上の課題に直面している。反乱活動は地域全体で激しさを増し続けている。重要な海上交通路は海賊行為の脅威にさらされたままである。海洋環境では、商船に対する対艦ミサイル(AShM)や自爆型無人航空機(suicide UAV)攻撃の脅威が増大している。海洋及び沿岸地域は、密輸品、人身、麻薬、兵器の密輸に犯罪者によって悪用されている。
無人航空機(UAV)の不正使用(illicit use)は、暴力行為のためだけでなく、インテリジェンス・監視・偵察(ISR)データの収集のためにも行われており、依然として懸念材料である。かつて当然と見なされていた全地球測位衛星システム(GNSS)の位置・航法・時刻(PNT)信号の提供は、意図的なジャミングやスプーフィングのリスクにますます晒されている。こうした電子攻撃は航空航行と海洋航行の安全や商業活動に影響を及ぼす。国内では、各国は国内の反乱勢力や外国のスパイ活動によるリスクに直面している。一方、地域全体に及ぶ数千マイルに及ぶ陸上の国境は、犯罪者集団による侵害に対して脆弱な状態にある。
各国は、こうした課題に対処するため、軍隊、国境警備隊、国内法執行機関の拡充・強化を選択できる。人員・訓練・装備が十分に整った現地組織は極めて重要である。とはいえ、こうした行動方針(a course of action)には常に多額の支出が伴う。本報告書が説明する通り、中東諸国の安全保障を比較的低コストで強化する一つの方法は、広域にネットワーク化された無線周波数感知型電子支援措置(RF-sensing ESM)を配備することである。
この地域が直面する安全保障上の課題は、いずれも何らかの形で電磁スペクトラムの無線セグメントを悪用していることである。無線スペクトラム(radio spectrum)は脅威が潜む環境である。特定の地域全体にわたるこのスペクトラムを詳細に監視することで、軍や法執行機関は潜在的な脅威に関するタイムリーな警告を受け取ることができる。スペクトラムの監視、脅威の探知・識別・位置特定・共有(以下「処理」と称する)を行い、その情報に基づいて行動する行為は重要な効果をもたらす。すなわち、これらの脅威が利用し得る無線スペクトラム(radio spectrum)内での機動の自由(the freedom of manoeuvre)を低下させるのである。
地域的な脅威には無人航空機(Uninhabited Aerial Vehicles : UAV)※1の不正使用(illicit use)が含まれる。国家・非国家主体によるこうした航空機の使用は懸念材料であり、増加傾向にある。接近する脅威に対する迅速かつ正確で包括的な警戒は、対無人航空機(CUAV)会戦において極めて重要である。無人機(uninhabited aircraft)は、ターゲット到達まで数十、あるいは数百海里を移動し得る。これらのターゲットを処理することは、命令があれば迎撃を行うために必要な時間を防空担当者に提供するために極めて重要である。
※1 この報告書では、Uninhabited Aerial VehiclesとUninhabited aircraftの用語が使用されている。どちらも無人の航空機との解釈で良いと思われるが、訳ではUninhabited Aerial Vehiclesを無人航空機、Uninhabited aircraftを無人機とした。
しかし、無人航空機(UAV)は非金属材料で作られた物理的に小さなターゲットであり、それに応じてレーダー断面積(RCS)も小さい。とはいえ、これらの航空機は操縦士との接続に無線リンクに依存している場合が多い。同様に、無線リンクは無人航空機(UAV)が収集した映像データやその他のインテリジェンス・監視・偵察(ISR)データを共有するために使用されることもある。これらの無線送信を探知することで、無人航空機(UAV)を潜在的なターゲットとして処理することが可能となる。無人化されネットワーク化された無線周波数感知型電子支援措置(RF-sensing ESM)を広い地域に分散配置することで、対無人航空機(CUAV)に対する包括的な監視網を構築できる。これらのネットワーク化されたセンサーは、国家・地域レベルの統合防空システム(IADS)に統合され、包括的な対無人航空機(CUAV)の覆域を提供することも可能である。
空中ターゲットの適時な探知は、航空交通管制官や防空担当者にとっても重要である。従来型の有人航空機(inhabited aircraft)は多様な無線周波数(RF)信号を発信する。これらの信号は航空交通管制(ATC)、航法、飛行安全を支えている。
同時に、中東地域では、一次監視レーダー(PSR)および二次監視レーダー(SSR)による空域の100%の覆域が実現されていない。同地域の大部分はレーダーの覆域外であり、飛行の安全性を損なうリスクがあるほか、違法・不正・不審な飛行を行う航空機によって悪用される恐れがある。レーダーの覆域外地域にネットワーク化された電子支援措置(ESM)センサーを配備することで、覆域の欠落部分(gaps)を埋め、認識航空状況(RAP)を充実させることができる。覆域の不足に対処するには、新たな一次監視レーダー(PSR)および二次監視レーダー(SSR)の設置よりも、こうしたセンサー・ネットワークの配備の方が費用対効果が高い場合がある。
中東全域の国々は、従来型航空機(conventional aircraft)および無人機(uninhabited aircraft)からの脅威に直面している一方で、同地域の海域では違法活動や反乱勢力の攻撃が依然として横行している。これは、中東が炭化水素輸出や紅海・スエズ運河を経由する海洋貿易国際的フローにおいて紅海とペルシャ湾に依存していることを考慮すると深刻な問題である。近年では、イエメンのフーシ派反乱勢力による商用海洋交通への攻撃が紅海に影響を及ぼしている。
商業・民間船舶の航行は、航空機と同様に安全な航行のために無線周波数信号に依存している。船舶通信やレーダーからの無線周波数放出は、ネットワーク化された広域センシングによって探知・利用され、船舶の位置や身元を特定することが可能である。航行中でありながらレーダーや通信信号を発信していない船舶は、不審な行動を示している可能性があり、沿岸警備隊や海軍による追加調査が必要となる。こうした電子支援措置(ESM)アーキテクチャは、商船に対する対艦ミサイル攻撃の早期警戒を提供する上で、さらなる有用性を持つ可能性がある。
一方、中東全域で全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)信号に対する意図的なスプーフィングとジャミングが増加している。国家・非国家主体を問わず、全地球測位衛星システム(GNSS)誘導兵器や自爆型無人航空機(suicide UAV)による攻撃から潜在的なターゲットを防護しようとしている。このジャミングとスプーフィングは民間航空・船舶の安全に深刻な影響を及ぼしている。全地球測位衛星システム(GNSS)妨害(disruption)は地域内外の商業活動にも重大な影響を及ぼすリスクがある。広域ネットワーク化された無線周波数(RF)センシング技術は、意図的な全地球測位衛星システム(GNSS) 測位・航法・時間(PNT)干渉(interference)の発生源を探知・特定する可能性を秘めている。これによりジャミングの実行者を特定し、その停止を促すための追加措置(外交的手段またはその他の手段)の前段階として活用できる。
広域ネットワーク化された電子支援措置(ESM)の覆域は、内部の安全保障の観点からも利益をもたらす可能性がある。中東周辺の複数の国々は、継続的な反乱活動に直面している。外国によるスパイ活動も重大な問題となり得る。反乱分子やインテリジェンス工作員は、同志との連絡手段として依存している携帯電話を通じて監視が可能である。
いわゆる「国際移動体加入者識別番号(IMSI)キャッチャー」は、対象者の携帯電話を追跡する手段を提供する。技術的監視対策(TSCM)のための屋内監視は、機密性が高く戦略的あるいは分類されたインテリジェンス防護(例:軍事基地、大使館、インテリジェンス本部)に、追加の貴重な安全保障上のレイヤーをもたらす。中東全域では現在、区域全体や建物内部の安全確保、ドローン対応、電子盗聴・スパイ活動への対抗手段として、全周波数帯域の常時無線周波数(RF)スペクトラム監視が広く導入されている。
広域センサー・ネットワークを展開すれば、中東全域の国境警備強化にも寄与し得る。特に人口が希薄な地域や過酷な環境にある国境地帯において効果的である。追加の国境警備部隊を配備するには、人員や装備に対する財政的負担が常に伴うリスクがある。こうしたセンサー・ネットワークこそが、より低コストの代替手段となり得る。
国境を越えて密輸品、人身、兵器、現金、麻薬を不法に密輸しようとする犯罪組織は、活動調整のために無線通信に依存している。携帯電話の覆域が不足する辺境地域でも、例えば衛星通信(SATCOM)が代替手段となり得る。こうした無線通信信号は、ネットワーク化された電子支援測定装置(ESM)によって探知・位置特定が可能だ。これにより現地国境警備部隊を派遣し、さらなる調査を実施できる。
本報告書は、中東諸国が直面する防衛・安全保障上の課題という文脈において、広域ネットワーク化された展開型電子支援措置(ESM)システムの応用事例を詳述する。複数の事例研究を用いて、本技術の重要性とそれがもたらす利点を説明する。これらの利点は、地域的な国内・国際安全保障上の課題に対処するだけでなく、主権国家としての安全保障・防衛上の懸念への対応に寄与し、同時に米国への依存度を低減する可能性がある。
画像1:中東全域における防空用RFeyeセンサーの配備状況 |
無人航空機による脅威
統計は厳しい現実を物語っている:2024年10月から2025年9月にかけて、中東地域では攻撃用無人航空機(UAV)が使用された事件が417件発生した。ロンドンに拠点を置く非政府組織「戦術安全保障・対テロ研究所」の統計によれば、この2024/25年度の数字は、2023年から2024年にかけての同様の事案数と比較して7倍の増加を示している[1]。
研究所の報告書が明らかにしているように、無人航空機(UAV)の攻勢的使用に関連する事件の大部分はフーシ反乱勢力によるものとされている。フーシ派はイエメンで活動する政治宗教組織であり、同国のシーア派ムスリム人口であるザイディ派を代表すると主張している[2]。フーシ派はイラン・イスラム共和国からの支援を受けていると報じられる政治宗教運動の一つである。その他の組織には、レバノンを拠点とするシーア派政治宗教運動であるヒズボラ、地中海東岸のガザ地区で活動するスンニ派ムスリム系パレスチナ運動であるハマスが含まれる。これら全ての組織は熱心な無人航空機(UAV)利用者である[3]。
敵対的な無人航空機(UAV)を探知、識別、位置特定、そして交戦できる単一の能力は存在しない。代わりに、対無人航空機(CUAV)の闘いにおいては複数の技術を駆使する必要がある。 |
2025年末の報告によれば、これらの無人機(uninhabited aircraft)はレバノン南部およびイスラエル・レバノン国境付近[4]において、ヒズボラとイスラエル軍の両方によって広く使用されていた。 2023年10月7日にハマス主導でイスラエル南部への攻撃が行われて以来、イスラエル国防軍(IDF)の作戦によりハマスが持つ政治的・軍事的力はほぼ確実に低下したものの、この反乱組織は作戦支援のために無人航空機(UAV)の使用を継続している。2025年6月、イスラエル国防軍(IDF)はガザ地区内における無人機(uninhabited aircraft)の使用急増を確認した。ハマスは無人航空機(UAV)をインテリジェンス・監視・偵察(ISR)収集に活用し、無人航空機(UAV)搭載兵器や自爆型無人航空機(suicide UAV)を用いてイスラエル国防軍(IDF)部隊をターゲットとしていると見られている[5]。
不確実な地域の一つは、ISIS(イスラム国とイラク、シリア)による無人航空機(UAV)の打撃任務およびインテリジェンス・監視・偵察(ISR)任務への活用である。ISIS(イスラム国とイラク、シリア)がこれらの任務に無人機(uninhabited aircraft)をどの程度採用しているかについて、公開情報にはほとんど見当たらないISIS(イスラム国とイラク、シリア)が過去に無人航空機(UAV)を配備した証拠は確かに存在する。ある分析によれば、2017年に同組織はイラクとシリア戦域で無人航空機による200件以上の攻撃を実行した可能性がある[6]。フランス、英国、米国を含む多国籍連合軍によるISIS(イスラム国とイラク、シリア)への軍事行動はこれらの国々で継続中である。こうした攻撃作戦により、同組織が無人航空機を攻撃手段として大量に投入する能力が低下した可能性は十分にある。
画像2:中東の衛星画像 |
広域展開のセンシングと無人航空機の脅威
敵対的な無人航空機(UAV)を探知、識別、位置特定、そして交戦できる単一の能力は存在しない。代わりに、対無人航空機(CUAV)の闘いでは複数の技術を統合して運用する必要がある。これらの能力には、レーダー、電子支援措置(ESM)、および光学電子機器による無人航空機(UAV)ターゲットの処理が含まれる。特に電子支援措置(ESM)は、無人航空機(UAV)と操縦者を結ぶ無線信号を処理できる点で重要である。
これらの信号は航空機の制御、および無人航空機(UAV)が収集したテレメトリ・データ※2とインテリジェンス・監視・偵察(ISR)データを共有するために使用される。多くの無人航空機(UAV)、特にホビー用や商用市場向けのものは、内蔵のフェイルセーフ装置を備えている。航空機が操縦者との接続信号を失った場合、その場に着陸するか出発地点に戻る。航空機が全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)信号へのアクセスを失った場合にも同様の動作が発生する可能性がある。多くの無人航空機(UAV)信号は、30メガヘルツ(MHz)から3ギガヘルツ(GHz)の超短波帯(V/UHF帯)内の周波数を使用する。
※2 テレメトリ・データとは、サーバー、アプリ、IoT機器などの遠隔機器から自動収集される、動作状況や利用パターンを示すデータ(ログ、メトリック、トレース等)のこと
マスト、高層ビル、高台などの見晴らしの良い地点に設置された単一の電子支援措置(ESM)は、信号強度にもよるが、数十キロメートル以上離れた位置からでもこの無線信号を介して無人航空機(UAV)を探知できる可能性がある。単一の電子支援措置(ESM)は無人航空機(UAV)に対する方位線(Line-of-Bearing :LOB)を提供する。方位線(LOB)は無人航空機(UAV)が接近している可能性を警告する上で有用だが、それ以上の有益な情報はほとんど提供しない。
代わりに、測定距離を置いて配置された2台以上の電子支援措置(ESM)は、到着角(Angle of Arrival :AOA)や到着時間差(Time Difference of Arrival :TDOA)といった技術(三次元測位には少なくとも4台の電子支援措置(ESM)が必要)を用いて無人航空機(UAV)の位置を特定し、経時的に追跡できる。この情報をもとに、防空担当者は航空機に対する対応策を決定できる。特定地域に展開される電子支援措置(ESM)の数が増えるほど、単体の無人航空機(UAV)やこのような航空機のスウォームに関する情報の精度が向上する。
これらの電子支援措置(ESM)のネットワーク化は、収集したデータを容易に共有できるようにするために不可欠である。この情報は、無線、衛星通信、光ファイバー、および/または従来型の通信手段を通じて、必要な到着時間差(TDOA)/到着角(AOA)計算を実行する指揮統制(C2)システムに送信される。特定の地域に展開される電子支援措置(ESM)の数が多いほど、対無人航空機(CUAV)の覆域は密になる。
こうした配備は大規模な地域に拡大可能である。例えば、ウクライナ戦線におけるロシアとウクライナの全戦線(約1,250キロメートル/800マイル)は、電子支援措置(ESM)を含む無人航空機(UAV)探知システムで覆われていると推定されている[7]。対無人航空機(CUAV)会戦は、広域に展開されたネットワーク化されたセンサーが防空状況認識を大幅に強化する任務の一例を明確に示すものである。
空域の安全とレーダー覆域の欠落部分
無人航空機(UAV)と同様に、有人航空交通も電磁スペクトラムに依存しており、特に安全な航行を確保するために不可欠である。前述の通り、無人航空機(UAV)は無人機(uninhabited aircraft)と操縦者を接続する無線リンクを使用する。このリンクこそが、防空担当者にこれらのターゲットを処理し敵対的かどうかを判断する手段を提供する。民間航空機や戦闘任務を遂行していない軍用機も同様に、無線周波数信号に依存している。
現代の航空機は、航空交通管制(ATC)、飛行安全、航法のために複数の音声およびデータ信号を発信する。例えば、118MHzから136.975MHzの周波数帯のVHF無線信号は、航空機と航空交通管制(ATC)間の双方向通信に使用される。VHFは主に方位線(LOB)に制限されるため、航空機が広大な海洋や北極圏を飛行する時のような視程外(BLOS)通信は、高周波(HF:3MHz~30MHz)無線に依存する。視程外(BLOS)通信は、イリジウムやインマルサット衛星群が使用する衛星通信(SATCOM) Lバンド(1.616GHz~1.6265GHz/1.5GHz~1.6GHz)周波数帯によっても実現される。
画像3:アラビア半島における空虚の四分の一(Empty Quarter)の位置を示す地域 |
航空機には通常、二次監視レーダー(SSR)応答装置が装備されている。これらの応答装置は、1.090GHz信号を用いて二次監視レーダー(SSR)から送信されるチャレンジ信号に対し、1.030GHzの周波数で応答する。二次監視レーダー(SSR)はしばしば一次応答式レーダー(PSR)と併設される。1.030GHzおよび1.090GHzの周波数は、航空機衝突回避装置(ATCAS)が周辺航空機に自機の位置を放送するためにも使用される。最後に、4.2GHzおよび4.4GHzの周波数で送信する航空機用レーダー高度計は、地上からの高度をパイロットに知らせる。さらに、一部の航空機に搭載される気象レーダーは、悪天候の事前警報を提供することで飛行安全性を高める。気象レーダーは通常、9.345GHzおよび9.375GHzの周波数を使用する[8]。
最後に、VHF全方向性無線標識装置や計器着陸装置などの航空無線航法システムは受動的である。航空機は単に他所から送信されている信号を受信するだけだからだ。これに対し、航空機の距離測定装置(DME)は能動的であり、貴重な無線周波数(RF)インテリジェンスの情報源となり得る。航空機は960MHzから1.215GHzの周波数帯で電波パルスを発信し、これが距離測定装置(DME)局によって受信される。
基地局は50マイクロ秒/ミリ秒間停止した後、信号を航空機に向けて送信する。航空機の距離測定装置(DME)受信機は、送信された電波信号の全持続時間、50ミリ秒の遅延時間、および距離測定装置(DME)基地局からの返送信号を計算する。受信機は50ミリ秒の遅延を差し引き、残りの時間を2で割ることで、航空機と距離測定装置(DME)局間の距離を算出する。この計算は電波が光速(161,595ノット/秒=299,274キロメートル/秒)で伝播するという事実に基づいている[9]。
航空交通管制(Air Traffic Control)の強化と防空覆域
無人航空機(UAV)の探知・処理と同様に、航空交通管制官や防空担当者が直面する課題は、有人航空ターゲットの探知と処理である。中東地域では航空交通管制(ATC)が100%の覆域を有しているが、これは各国の航空交通管制当局が重複する空域を管轄しているためであり、一次応答式レーダー(PSR)/二次監視レーダー(SSR)の覆域はそれほど包括的ではない。国際民間航空機関(ICAO)の推計によれば、この地域の空域の67%から73%が一次応答式レーダー(PSR)/二次監視レーダー(SSR)の覆域内にあるとされる。国際民間航空機関(ICAO)は国際民間航空の規制、安全、持続可能性を担当する国連機関である[10]。
航空管制官と防空担当者が直面する課題は、有人航空ターゲットの探知と処理である。 |
航空交通管制(ATC)および防空監視の覆域の欠落部分(gaps)を埋める一つの方法は、前述の航空機からの無線周波数(RF)信号を探知・処理するネットワーク化された電子支援措置(ESM)を配備することである。これらの電子支援措置(ESM)は、レーダーの覆域が希薄または存在しない地域に展開可能である。複数の無線周波数(RF)センサーを配置することで、到達時間差(TDOA)や到達角(AOA)といった技術を通じて、航空機の位置、高度、速度に関する精密な詳細情報を特定できる。
ターゲットに関する情報は、ASTERIX(汎用構造化欧州管制監視情報交換)などの標準プロトコルに符号化され、航空交通管制官や防空担当者と共有される可能性がある。さらに、無線、従来型の通信、光ファイバー、衛星通信(SATCOM)リンクを用いてネットワーク化することで、過酷で居住に適さない地域にもこれらのセンサー・ネットワークを展開することが可能となる。広域無線周波数(RF)センサーをネットワーク化してレーダーの覆域の欠落部分(gaps)を埋める展開は、財政的なメリットも期待できる。なぜなら、このアプローチは一次応答式レーダー(PSR)/二次監視レーダー(SSR)を設置して覆域を補完するよりも費用対効果に優れる可能性があるからである。
海洋ドメイン認識:紅海と沿岸の課題
高度を飛行する点から、従来型航空機(conventional aircraft)や無人航空機(UAV)は遠距離から探知可能である。具体例を挙げれば、高度30,000フィート(9,144メートル)を飛行する旅客機の無線周波数(RF)信号は、地上約211海里(390キロメートル)地点の電子支援措置(ESM)装置によって探知される可能性がある。高度328フィート(100メートル)を飛行する無人航空機でさえ、同じ電子支援措置(ESM)によって22海里(41キロメートル)の距離で探知される可能性がある。広域防空監視を提供するために、受動型電子支援措置(ESM)センサーのネットワークが使用される。このネットワークは、戦術的・移動式センサーと組み合わせて運用されることで、脅威の探知と位置特定のための貴重な「航空回廊(air corridors)」を提供できる。
ただし、信号探知は電子支援措置(ESM)の感度、受信アンテナの利得、送信アンテナの利得、環境・気象条件、および送信信号の強度によって左右される点に留意すべきである。高度におけるターゲット探知能力は両刃の剣であり、無人航空機(UAV)や従来型航空機(conventional aircraft)に搭載されたネットワーク化された電子支援措置(ESM)は、航空機の高度に応じて長距離の無線周波数(RF)探知範囲を提供し得る。
遠距離でのターゲット探知は、海洋ドメイン認識と沿岸警備において重要な考慮事項である。中東諸国の中で、ヨルダンとイラクのみが広大な海岸線を有していない。その他の国々は、地中海、紅海、アラビア海、またはペルシャ湾のいずれかに沿って長い海岸線を有している。サウジアラビア王国は、紅海とペルシャ湾の両方に海岸線を有する唯一の国である。
バーレーン、エジプト、イラン、イラク、イスラエル、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメンを合わせると、総延長約7,496海里(13,883キロメートル)の海岸線を有する。これら全ての国々は排他的経済水域(EEZ)を有しており、その総面積は約627,515平方海里(220万平方キロメートル)に及ぶ[11]。
中東には二つの重要な海上輸送路も存在し、主にインド洋から紅海を経由し、スエズ運河を通って地中海へと至る。同様に、ペルシャ湾は地域の油田・ガス田や製油所から世界へ向けられる石油化学製品の主要な輸送路であり続けている。2025年現在、ペルシャ湾東部とオマーン湾が接するホルムズ海峡を約100隻の船舶が通過している。
この数値には最大16隻の大型タンカーが毎日含まれ、全タンカーが1日あたり最大2,050万バレルのブレント原油を輸送している。これは海上輸送される石油全体の25%、世界石油市場の34%に相当する。世界の液化天然ガスの20%がカタールとアラブ首長国連邦のターミナルから毎日輸出されている[12]。
注目すべきは、2025年に紅海を通過する世界の商用海洋交通量が減少した点である。国連貿易開発会議(UNCTAD)の統計によれば、現在、紅海を毎日通過する商業船舶は約25隻である[13]。これは過去に同海域を毎日航行していた約75隻から劇的な減少を示している。例えば、紅海におけるコンテナ船の交通量は2023年と同規模の輸送量と比較して90%減少した。タンカーとばら積み船の移動率も同様に、それぞれ37%と46%減少している。
紅海における商用海洋交通の減少は、イエメン沿岸からの船舶をターゲットとしたフーシ過激派による暴力行為が原因とされている。2024年9月から2025年9月にかけて、13隻の商業船がフーシ派のターゲットとなった。これらの攻撃には、対艦ミサイル(AShM)、弾道ミサイル、無人航空機(UAV)、無人水上艇、銃撃、ロケット推進手榴弾(RPG)が使用された。2025年7月に発生した2件の攻撃では、MVマジック・シーズ号とエターニティC号の2隻が沈没した[14]。
反乱勢力の海洋脅威に加え、紅海とペルシャ湾の地域では海賊行為や国際犯罪が依然として発生している。麻薬・兵器・人身密輸は地域の主要な懸念事項であり続けている。アフリカ角と北アラビア海をパトロールする多国籍海軍連合「連合タスク部隊150(Combined Task Force 150)」は2025年、約20億ドル相当の麻薬16トンを押収した。世界銀行と国連薬物犯罪事務所はともに、2025年に中東への兵器密輸が増加したことを指摘しており、特にイエメン経由のルートが顕著であった[15]。この海域を経由して、主にエチオピアとソマリアから数万人の移民が中東へ密輸されたと推定されている。
水を見つめる
海上交通は航行のために無線スペクトラム(radio spectrum)に依存している。この依存関係により生じる無線周波数(RF)信号は、沿岸の電子支援措置(ESM)ネットワークと船舶・航空機搭載の電子支援措置を組み合わせることで、不審な海上交通を探知するために活用できる。沿岸部に電子支援措置(ESM)を設置することで、少なくとも国の領海12海里(22km)限界までの無線周波数(RF)環境を監視する手段が得られる。
電子支援措置(ESM)の受信アンテナを30m(98フィート)のマスト頂部に設置すれば、この距離までの十分な覆域が得られる。当然ながら、電子支援措置(ESM)受信アンテナの直視距離(LOS)範囲は、沿岸近くの丘陵、崖、山岳に設置することで拡大可能である。より広大な排他的経済水域(EEZ)の監視には、船舶、有人航空機、無人航空機(UAV)に搭載した電子支援措置(ESM)を活用できる。また、ブイ上に電子支援措置(ESM)とその受信アンテナを展開することも可能かもしれない。
商用無線周波数観測衛星によって収集・処理された無線周波数(RF)信号データも、地域の認識された海洋状況図(RMP)を充実させるのに役立つ。これらの資産によって収集されたデータは、国家または地域の認識された海洋状況図(RMP)構築を支援するため、容易に指揮センターへ送信できることが再び不可欠となる。沿岸の電子支援措置(ESM)は従来型の通信、マイクロ波、セルラー、および/または光ファイバーリンクを用いてネットワーク化できる一方、より広範な排他的経済水域(EEZ)を監視する電子支援措置(ESM)は、V/UHF無線および/または衛星通信(SATCOM)を用いてデータを共有する必要が生じる可能性が高い。
画像4:アデン湾と紅海 |
利用可能な海洋交通の無線周波数信号に関して、船舶は音声およびデータ通信を扱う156MHzから174MHzの周波数帯におけるVHF海洋移動通信に依存する傾向がある。300トン以上の船舶および全ての旅客船は、国際海事機関(IMO)の海上人命安全に関する国際条約(SOLAS条約)により、自動識別システム(AIS)トランスポンダーの使用が義務付けられている。
自動識別システム(AIS)通信は161.975MHzおよび162.025MHzの周波数で船舶の識別情報、位置情報、航海情報を共有する。視界外通信(BLOS)および遭難通信は中波(MF:2.182MHz)および高周波(HF)リンクによって提供される。海上船舶は、民間航空交通と同様に、LバンドおよびKu/Kaバンド(14GHzアップリンク/10.9GHz~12.75GHzダウンリンク、26.5GHz~40GHzアップリンク/18GHz~20GHzダウンリンク)の衛星通信(SATCOM)を利用できる。
電子支援措置(ESM)は、乗組員間の船内・携帯通信に使用される450MHzから470MHzのUHF信号を捕捉できる可能性がある。中波信号に加え、緊急位置指示無線標識(406MHz)およびホーミング・ビーコン(121.5MHz)は遭難船舶の位置特定に役立つ。航行に関しては、船舶および海洋船舶はSバンド(2.9GHz~3.1GHz)およびXバンド(9.2GHz~9.5GHz)レーダーを使用することがある。
海洋ターゲットからの無線周波数(RF)放出の欠如は、不審な船舶を示唆する可能性がある。電子支援措置(ESM)情報を海洋レーダー軌跡に重ね合わせることにより、船舶に関する情報を提供できる。これは、個々の船舶に関する情報を標準的なレーダー追跡(RMP)軌跡に反映させることで自動識別システム(AIS)が機能する仕組みである。自動識別システム(AIS)信号、通信信号、および/またはレーダー信号を一切発信していない海洋軌跡は、船舶が「暗黙状態」すなわち識別不能状態を維持しようとしていることを示唆する可能性がある。このような状況は、沿岸警備隊または海軍艦艇による追加調査を正当化する十分な根拠となり得る。
ネットワーク化された広域無線周波数(RF)センシングは、対艦ミサイル(AShM)攻撃の早期警戒にも寄与し得る。紅海における船舶をターゲットとするフーシ派反乱勢力が使用する複数の兵器は、ターゲット到達に能動的な無線周波数(RF)放出に依存している。例えば、アルマンダブ1/2型対艦ミサイル(AShM)はいずれも、ミサイル終末段階でターゲット船舶の金属船体を探知するため、Xバンド能動レーダー・ホーミング(ARH)シーカーを採用している。
フーシ派反乱勢力が配備した「ルベジ(Rubezh)」(北大西洋条約機構報告名SSC-3スティクス)対艦ミサイル(AShM)および「サヤード(Sayyad)」対艦ミサイル(AShM)も、XバンドARHシーカーに依存していると推定されている。範囲内のネットワーク化された広域ESMは、Xバンド対艦ミサイル(AShM)ARHの放出を探知できるだけでなく、4台以上のネットワーク接続ESMが範囲内に存在する場合、ミサイルの位置を三角測量で特定できる可能性がある。このような情報が十分に早期に伝達されれば、ターゲットとなった艦艇に回避行動を取るか、衝突に備えるための十分な警告を提供できるかもしれない。
ジャミングの探知
海洋および航空航法は、意図的な全地球測位衛星システム(GNSS) 測位・航法・時間(PNT)信号妨害(disruption)の脅威に晒されている。この問題は近年、中東地域で深刻化している。同地域の国家・非国家主体は、全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)のジャミングとスプーフィングを、戦略的に重要な地域や政治・軍事施設および/または産業施設を、全地球測位衛星システム(GNSS)誘導兵器および/または無人航空機(UAV)のターゲットから守るための好ましい手段と見なしている。
国際航空運送協会(IATA)の報告によると、意図的な全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)干渉(interference)は2024年に前年比175%増加した。2024年半ばまでに、イラン、イラク、イスラエル上空および周辺地域で、1日あたり約1,500便が全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)妨害(disruption)を報告している。意図的な全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)妨害(disruption)の発生件数は2025年に再び増加し、今回は500%の増加となった。海洋環境では紅海とホルムズ海峡で3,000隻の船舶が同様の妨害(disruption)を経験した[16]。
画像5:2026年2月4日時点の中東全域におけるGPS干渉(interference)の報告レベル |
全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)信号のジャミングとスプーフィングは、ターゲットとなった対象に安全面と商業面の両方で影響を及ぼす。スプーフィングでは、受信した測位・航法・時間(PNT)信号のタイミング要素が全地球測位衛星システム(GNSS)受信機に誤った情報または誤解を招く情報を表示させる可能性があり、これにより利用者の状況認識能力が低下するリスクがある。これは致命的な航法誤差を引き起こす可能性がある。公平を期すために言えば、商業航空や船舶航行では、航法に全地球測位衛星システム(GNSS)のみを依存することは稀である。
とはいえ、意図的な行動による信頼性の高い測位・航法・時間(PNT)信号の喪失は、ブリッジやコックピットのストレスを増大させる可能性が高い。航空分野で用いられる自動応答システム(ADS)-広域二次監視レーダー(SSR)アーキテクチャや船舶用自動識別装置(AIS)といった機能は、航空機や船舶が受信する測位・航法・時間(PNT)信号に一部依存している。これらの信号は座標に変換され、航空交通管制(ATC)や海洋管制センターに送信され、航空機や船舶の識別情報、航路、その他の行動の詳細を提供する。この情報は受信した全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)信号から導出されるため、船舶や航空機がレーダー範囲外にある場合に特に重要となる。
全地球測位衛星システム(GNSS) 測位・航法・時間(PNT)の妨害(disruption)は商業的影響も及ぼす可能性がある。一部の空港では、航空機に着陸誘導ベクトルを提供するために全地球測位衛星システム(GNSS) 測位・航法・時間(PNT)信号に依存している。このような妨害(disruption)により長距離旅客機を別の空港へ迂回させる場合、追加燃料費、着陸料、乗客の宿泊費および代替便手配費を含め、最大10万ドルのコストが発生する可能性がある。
全地球測位衛星システム(GNSS) 測位・航法・時間(PNT)のジャミングやスプーフィングにより船舶の速度が低下したり、主要な国際航路に影響が出たりした場合、グローバルな「ジャストインタイム」サプライチェーンは深刻な支障をきたす可能性がある。2021年3月にコンテナ船「MVエバー・ギブン号」がスエズ運河で座礁した際、同船が浮揚されるまで1日あたり90億ドル以上の貨物の輸送が遅延した事実は特筆に値する。一部の保険会社は、全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)のジャミング/スプーフィングが深刻な問題となる海域を航行する船舶に対し、より高い保険料を要求する可能性もある[17]。
問題の特定
意図的な全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)干渉(interference)の発生源を探知、特定、位置特定することは、以下の2つの理由から不可欠である。第一に、妨害装置の通信範囲内にある全地球測位衛星システム(GNSS)利用者に、測位・航法・時間(PNT)信号が改ざんされ、侵害され、および/または利用不能となる可能性があることを警告できる。幸いなことに、米国の全地球測位システム(GPS)、欧州連合のガリレオ、中華人民共和国の北斗、ロシアのGLONASSといった全地球測位衛星システム(GNSS)衛星群は、いずれも1.1GHzから1.6GHzという比較的狭い周波数帯域で測位・航法・時間(PNT)信号を送信している。
展開された広域ネットワーク型電子支援措置(ESM)は、ジャミング/スプーフィングが行われているかを確認するために、無線スペクトラム(radio spectrum)の比較的小さなスライスのみを監視すればよい。測位・航法・時間(PNT)ジャミング信号は、宇宙空間を長距離移動して地球に到達する比較的弱い測位・航法・時間(PNT)信号を「かき消す」ため、本物の測位・航法・時間(PNT)送信信号に比べて強度が著しく高い場合が多い。比較的強力な測位・航法・時間(PNT)信号は、異常の初期兆候となり得る。
全地球測位衛星システム(GNSS) 測位・航法・時間(PNT)信号の出力を、正常な信号が持つべき形状と比較することで、スプーフィング信号を比較的容易に特定できる可能性がある。従来と同様に、これらの電子支援措置(ESM)をネットワーク化することで、ユーザーはジャミング/スプーフィング信号の発信源を三角測量で特定できるようになる。第二に、発信源が特定されれば、この証拠を用いて全地球測位衛星システム(GNSS)妨害(disruption)を行っている国家主体に対し、その停止を求める正式な外交的申し入れを行うことが可能となる。同様に全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)信号を攻撃する非国家主体に対しては、法執行機関による措置や軍事行動が取られる可能性がある。
建物内の技術的監視対策
本報告書はこれまで、中東諸国に対する外部からの脅威として、航空脅威および海洋脅威の形態に焦点を当ててきた。しかしながら、同地域の政府、企業、富裕層は、不正な監視活動による安全保障上の課題に直面している。秘密工作員は無線スペクトラム(radio spectrum)を利用して技術的監視を実施し、防衛機関、政府機関、エネルギー機関から機密情報を窃取している。こうした機関は、隠されたモノのインターネット(IoT)デバイスやスマート技術からの強固な防護を必要としている。
隠密傍受装置(listening devices)は、収集した通信インテリジェンス(COMINT)を共有するために無線スペクトラム(radio spectrum)を利用できる。これにより、防諜チームに悪用される可能性のある脆弱性が生じる。隠密傍受装置(listening devices)は、範囲内の音声などの音を記録する。この音は電磁信号に変換され、さらに電波となる。これらの電波は、盗聴を行い通信インテリジェンス(COMINT)を収集している者に向けて送信される。
旧式の傍受装置(listening devices)は壁や構造物を貫通可能なVHF信号を使用していた。しかし、これらのシステムは比較的大きなアンテナを必要としたため、隠蔽や秘密裏の使用が困難であった。現代の装置はUHF周波数、特に880MHzから1.99GHzのGSM(Global System for Mobile Communications)帯を使用する。これらの装置は、2.4GHzから5GHzの周波数帯でWi-Fi無線信号を介して、あるいはBluetooth経由で通信インテリジェンス(COMINT)を送信することもある。傍受装置(listening devices)は通信インテリジェンス(COMINT)をリアルタイムで送信することも、バースト送信を使用することもできる。
リアルタイム送信は盗聴者にほぼ瞬時にインテリジェンスを提供するが、装置が周囲で音が発生するたびに送信するため、比較的容易かつ迅速に探知される可能性がある。スペクトラム・アナライザーを用いた掃討を行う対インテリジェンス・チームは、装置が作動中の局所的な送信スパイクを比較的容易に探知できるはずである。バースト送信は探知が困難で、チームは盗聴装置が送信を行っているまさにその瞬間に掃討を実施する必要がある。この瞬間はほんの一瞬しか続かない。盗聴者にとっての欠点は、バースト送信では通信インテリジェンス(COMINT)をリアルタイムで提供しない点である。
これらの理由から、建物周辺に電子支援措置(ESM)装置の配列を配置し、リアルタイムまたはバースト伝送を行う傍受装置(listening devices)と同等の信号を継続的に探知・分析することが賢明である。ネットワーク化されたセンサーは、たとえバースト送信であっても、関心のある信号が探知された際に単純に対インテリジェンス・チームに警報を発するだけでよい。複数のセンサーを使用することで、装置の位置を比較的容易に特定し、除去することが可能となる。無人センサー・ネットワークを採用することで、特定の建物や施設を定期的に傍受装置(listening devices)の捜索のために対インテリジェンス・チームが巡回する時間と費用を節約できる。
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国境警備監視
エジプト、イラン、イラク、イスラエル、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イエメンの合計国境線は22,931km(14,248マイル)に及ぶ。この総延長のうち、最大19,000km(11,800マイル)、すなわち全体の83%が砂漠、乾燥地帯、山岳地帯、無人地帯を通っている。同時に、これらの国の多くでは、人身売買業者、密輸業者、反乱分子、その他の犯罪者による国境侵犯が発生している。
イランとイラクの国境では、資金と麻薬の密輸が深刻な水準に達している。サウジアラビアとアラブ首長国連邦の国境では人身売買と麻薬密輸が発生し、イスラエルとレバノンの国境では反乱勢力による越境活動と兵器密輸が確認されている。一方エジプトでは、欧州連合へ向かう移民を移動させる人身売買業者による国境侵犯が問題となっている[18]。
この地域の多くの国々は二重のジレンマに陥っている。一方で国境では重大な違法活動が発生する可能性があり、他方で地理的条件から国境の警備強化が困難である。一つの選択肢は国境警備部隊の大幅な増強と拡大だ。しかし追加要員の募集、訓練、装備は大きな財政負担となる可能性がある。
代わりに、無人電子支援措置(ESM)の広域ネットワークに投資する方が賢明かもしれない。このネットワークは、管轄区域内の無線スペクトラム(radio spectrum)を継続的に監視し、不審な信号を探知する。不審な活動が探知された場合、現地の国境警備部隊は、無人航空機(UAV)を配備するか、対象地域にパトロールを派遣することで状況を詳細に確認できる。同じ受動型センサー・ネットワークは、国防、防空、国土安全保障インテリジェンスのために指揮・統制(C2)に接続することも可能である。
前述の通り、反乱分子と同様に犯罪者も通信手段に依存している。携帯電話は連絡手段の一つだが、人口が希薄な地域では、覆域がない場合がある。実情を把握するために言えば、オマーン、サウジアラビア、UAE、イエメンにまたがる65万平方キロメートル(25万966平方マイル)に及ぶ「空虚の四分の一」地域では、携帯電話の覆域が5%未満と推定されている。
辺境の無線
携帯電話の覆域がない地域では、人々は連絡手段として代替手段を利用せざるを得ない。おそらく最も普及しているのが衛星通信(SATCOM)である。個人は衛星電話を利用でき、イリジウム、インマルサット、トゥラヤ(1.525GHz~1.660.5GHz/3.4GHz~6.725GHz)といった衛星群(a constellation)を使用する。特にトゥラヤは中東とアフリカで良好な覆域を提供する。
その他のシステムには、ガーミン(Garmin)社のInReachやZoleoがあり、これらはイリジウム・ネットワークを介した双方向テキスト・メッセージングを提供する。最近のスマートフォンに搭載されているスマートフォン衛星SOS能力のような拡張機能により、標準的な携帯電話の覆域がない場所でも緊急時の位置情報送信やテキストメッセージの送受信が可能になる。一部のV/UHF帯民間用携帯無線機は、携帯電話の覆域がない地域で視界内通信(LOS)を可能にする場合がある。例えば、国境の一方の側の密輸業者が、反対側の仲間と通信する必要がある場合などに、携帯無線機は特に有用である。同様に、HF無線機はより長距離の視界外通信(BLOS)リンクを提供できる可能性がある。
無人ネットワーク化された電子支援措置(ESM)を辺境の孤立地域に設置し、これらの周波数を監視することで、国境付近の疑わしい行動に対する「早期警戒(early warning)」が可能となる。複数の電子支援措置(ESM)とその受信アンテナを展開することで、関心のある信号の位置特定が可能だ。中東の多くの国境地域が人口希薄であることを考慮すれば、無人地帯での電波信号の探知さえも、さらなる調査の引き金となり得る。
国境付近に広域センシングネットワークを展開することは、国境侵犯を企てる者に対し、発覚を恐れて行動を抑制する抑止効果をもたらす可能性がある。こうした者にとっての代替策は、国境付近ではあらゆる無線通信を単純に使用しないことである。しかしこの行動方針は、違法活動の調整を著しく困難にし、実行に要する時間を長期化させるリスクを伴う。追加的な利点として、展開されたV/UHF帯周波数でセンサー・ネットワークが監視できるため、対無人航空機(CUAV)任務などの他のタスクを支援できる可能性がある。
画像6:国境警備違反が発生している中東の複数の国境 |
結論と提言事項
中東地域は多様な防衛・安全保障上の課題に直面している。地域の平和と繁栄は、脅威を早期に探知し対処できるかどうかにかかっている。同地域の統合空域は違法な無人航空機(UAV)の使用による危険に晒されている。公海は反乱勢力や違法活動の影響を受けやすい。
航空交通管制(ATC)の覆域の欠落部分(gaps)は、悪意ある者によって悪用される可能性がある。航空安全と海洋安全、ひいては地域の繁栄は、意図的な全地球測位衛星システム(GNSS)測位・航法・時間(PNT)妨害(disruption)によって脅かされている。国内の安全保障は、反乱活動やスパイ活動によって脅威に晒されている。孤立した人口希薄な地域の国境地帯は、犯罪者による悪用に対して脆弱である。
一見すると、この複雑に絡み合った一連の脅威に対処するには、軍事費・国境警備費・法執行費の増額しか手段がないように思えるかもしれない。こうした危険と戦う上で、熟練した専門家を採用・維持し、適切な装備を整えるという従来のアプローチは常に重要である。とはいえ、これらの組織の効率性をさらに高める上で、技術が果たす役割は大きい。
広域ネットワーク化された無線周波数監視は、脅威を迅速に処理できる。上記のすべての安全保障上の課題は、何らかの形で無線スペクトラム(radio spectrum)を悪用することに依存している。無線周波数由来の脅威情報を探知・識別・位置特定し共有することは、タイムリーな対応を実現する上で極めて重要である。タイムリーな対応は、管理可能な安全保障上の課題が悪化することを防ぐ助けとなる。
これらのネットワークは比較的低コストで調達・展開が可能である。現代および将来の電子支援措置(ESM)やその他の無線周波数(RF)センサーの直感的な本質により、要員の訓練負担は軽い。広域センサー・ネットワークは、従来なら多数の要員を必要とした作業を遂行できる。
これらのネットワークは遠隔監視が可能であり、そのデータをより大規模な国家または地域の統合防空システム(IADS)、船舶交通サービス、および/または法執行機関と共有できる。さらに、ネットワークの配備自体が、無線スペクトラム(radio spectrum)を悪用して不法または違法な活動を推進しようとする者に対する抑止効果を発揮する可能性がある。
ラテン語の格言「Praemonitus Praemunitus」(「備えあれば憂いなし(Forewarned is Forearmed)」)は、帝国の絶え間ない脅威に対抗しようとした古代ローマの戦士たちにとって重要な教訓であった。この言葉は、平和と繁栄に対する無数の脅威に直面する現代の地域にも通じる。幸いなことに、本報告書が示す通り、無線スペクトラム(radio spectrum)の監視は、防衛・安全保障上の課題が続く中、地域各国が常に警戒態勢を維持し、備えを整えるのに役立つ。
ノート
[1] 「ドローン、AI、そしてサイバー・ジハード:中東におけるテロリズムの将来」2025年9月28日、2026年1月21日閲覧
[2] 「フーシ派とは何か?米国が彼らを標的にする理由」2025年3月25日 https://www.bbc.com/news/world-middle-east-67614911, 2026年1月21日閲覧。
[3] 「ハマスとは何か、なぜガザでイスラエルと戦っているのか?」、2025年10月14日 https://www.bbc.com/news/articles/clyv7w3gdy2o、2026年1月21日閲覧。
[4]モハナド・ハゲ・アリ(Mohanad Hage Ali)とモハマド・ナジェム(Mohamad Najem)共著 「南レバノンにおける自動化された占領」, 2025年11月4日 https://carnegieendowment.org/middle-east/diwan/2025/11/an-automated-occupation-of-south-lebanon?lang=en&utm_source=-chatgpt.com, 2026年1月21日閲覧。
[5] アミール・ボボット(AMIR BOHBOT)著 「ハマスのドローン活動増加がイスラエル国防軍予備役兵の懸念を招く」, 2025年6月5日 https://www.jpost.com/israel-news/article-856621, 2026年1月21日閲覧。
[6] ドクター、AC、ラピッド・レビュー:「テロリストによる無人航空システム(UAS)使用の論理、実現要因、および悪用への障壁」(オマハ:ネブラスカ大学、2025年)、8ページ。
[7] 著者とウクライナの無人航空機(CUAV)専門家の対話、2025年12月。
[8] 国際民間航空機関、「民間航空のための無線周波数要件に関するハンドブック」第2版(モントリオール:国際民間航空機関、2021年);民間航空局、「CAP 452:航空無線局オペレーターガイド」(ロンドン:民間航空局、2016年);米国運輸省、 「地上・航空輸送を支える米国の無線周波数帯域」、日付不明 https://www.transportation.gov/sites/dot.gov/files/docs/subdoc/441/usradiofreqbandssupportingtransportationexcel051020190240pm4000dpicmykprntwatermarkrev.pdf、2026年1月29日閲覧。
[9] オーストラリア民間航空安全局(CASA)『距離測定装置に関する運用上の注意事項』、発行日不明 https://www.casa.gov.au/sites/default/files/2021-09/operational-notes-of-distance-measuring-equip-ment-dme-booklet.pdf、2026年1月29日閲覧。
[10] 国際民間航空機関中東地域事務所「航空航行報告書2024年版」(モントリオール:国際民間航空機関、2024年)、7-8ページ。
[11] フランダース海洋研究所「海洋境界地理データベース:海洋境界及び排他的経済水域」、日付不明 https://www.marineregions.org/about.php、2026年2月2日参照; シー・アラウンド・アス・プロジェクト「漁業、生態系、生物多様性」、2026年2月2日 https://www.seaaroundus.org/data/#/eez、2026年2月2日参照; 米国務省「海洋境界」日付不明 https://www.state.gov/limits-in-the-seas, 2026年2月2日参照。
[12] 国際エネルギー機関(IEA)「ホルムズ海峡」2025年6月https://iea.blob.core.windows.net/assets/760ed8e8-38b6-4418-b527-6d8976da72e4/StraitofHormuzFactsheet.pdf、 2026年2月2日参照
[13] 国連貿易開発会議(UNCTAD)、「2025年海運レビュー:荒波の中でも航路を維持する」(ニューヨーク:国連出版局、2025年)、33-62ページ; 国際通貨基金(IMF)、「ポート・ウォッチ」、2026年2月2日 https://portwatch.imf.org/da-tasets/42132aa4e2fc4d41bdaf9a445f688931_0/explore、2026年2月2日閲覧。
[14] 武力紛争発生地・事象データベース「インタラクティブ・マップ:紅海攻撃」、2026年2月2日 https://acleddata.com/platform/interac-tive-map-red-sea-attacks、2026年2月2日参照。
[15] 連合海洋タスク部隊150、「公開発表、2024年11月19日/2026年1月8日更新」、日付不明 https://combinedmaritimeforces.com/、2026年2月2日参照; 国連薬物犯罪事務所「世界薬物報告2025」(ニューヨーク:国連出版局、2025年)、42-48頁;米国務省「人身取引報告書2025」(ワシントンDC:米国務省、2025年)、12-15ページ。
[16] 統合海洋情報センター「中東地域JMIC週間ダッシュボード:第41週 2025年」2025年10月12日 https://mscio.eu/media/doc-uments/JMIC_Week_41_Dashboard_06_October_-_12_October_2025_.pdf, 2026年2月2日参照; カレブ・オビオウォ(Caleb Obiowo)著 「航空機航法システムの障害が2024年に175%急増 – IATA」、2025年2月26日 https://nairametrics.com/2025/02/26/aircraft-navigation-system-disruptions-surge-by-175-in-2024-iata/、2026年2月2日参照; 「世界的な海上GNSS干渉(interference):2024年累積分析」、2025年10月24日 https://gpspatron.com/maritime-gnss-interference-worldwide-a-cumula-tive-analysis-2025/、2026年2月2日参照。
[17]ジャスティン・ハーパー(Justin Harper)著「スエズ運河の閉塞で1日あたり96億ドル相当の貨物が滞留」2021年3月26日 https://www.bbc.com/news/business-56533250, 2026年2月2日参照; 「GPS妨害:航空保安への増大する脅威」、2025年9月15日 https://internationalfinance.com/magazine/technolo-gy-magazine/gps-jamming-a-growing-threat-to-aviation-safety/、 2026年2月2日参照; 「世界的な海上GNSS干渉(interference):2024年累積分析」、2025年10月24日 https://gpspatron.com/maritime-gnss-in-terference-worldwide-a-cumulative-analysis-2025/, 2026年2月2日参照; マーシャル諸島共和国海事局長、船舶保安勧告第09-25号:全地球測位衛星システム(GNSS)干渉、(バージニア州レストン:マーシャル諸島共和国、2025年10月6日)。
[18] 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)「グローバル・トレンド」2025年6月12日 https://www.unhcr.org/global-trends, 2026年2月3日閲覧; レナド・マンスール(Renad Mansour)博士、ハイダー・アル=シャケリ(Hayder Al-Shakeri)著「変幻自在の「抵抗軸」」、2025年3月 https://www.chathamhouse.org/2025/03/shape-shifting-axis-resistance, 2026年2月3日参照; ダナ・タイブ・メンミー(Dana Taib Menmy)著「イラクはいかにして依然としてイラン及び近隣諸国へのドル密輸の源となっているのか?」、2025年6月30日 https://www.newarab.com/news/whats-driving-forward-us-dollar-smuggling-iraq-iran、2026年2月3日閲覧。




画像6:国境警備違反が発生している中東の複数の国境
