陣地戦の理論:21世紀の陸上戦の戦略 (tandfonline.com)

今回紹介するのは、米陸軍退役中佐のAmos C. Fox博士の「陣地戦(positional warfare)」に関する論稿である。Amos C. Fox博士は批判的思考(Critical Thinking)をとても大切にしている方で大いに参考になると考える。

タイトルとなっている「陣地戦(positional warfare)」は、本稿では固定的な陣地戦を意味しておらず、論旨は地形と相対位置を通じて戦力関係を操作する戦略を検討する重要性を述べている。

論稿では、「転位(dislocation)」を多用しており、その効果について、[P = (Ad → B) × Tn]と定式化している。

ここでAとBはそれぞれ戦闘を行う主体である。

この定式化は、Aが行う「陣地戦(positional warfare)」[P]とはAが地形(Tn)を考慮した移動・配置[Ad]を通じてBの強みを転位させることを意味する。

論稿は、機動戦そのものを否定しているとも受け取れるが、Amos C. Fox博士は機動戦(maneuver warfare)を否定しているわけではなく、「機動戦を万能視する思考を強く批判している」と受け取れる。

科学・技術の進展が戦場の透明性を高めていると云われるが、そのような環境下で軍事組織が生き残り、闘いに勝つにはどうしたらよいのか。彼は、位置的、機能的、時間的な「転位(dislocation)」を思考の中心に置き、破壊ではなく、相手の強さが無意味になる条件を作ることを結論で述べている。(軍治)

陣地戦の理論:21世紀の陸上戦の戦略

Theory of positional warfare: Strategy for 21st century land warfare

Amos C. Fox

School of Politics and Global Studies, Future Security Initiative (FSI), Arizona State University, Tempe, AZ, USA

概要

現代の戦略には、陣地戦(positional warfare)に対する的確かつ正しい理解が欠けている。本稿では、陣地戦とは、ある戦闘員(combatant)が戦略的・軍事的な目標を達成するために、地形との関係において移動と火力、およびその地形内での部隊配置を意図的に操作する戦いのアプローチ(an approach to warfare)であると結論づける。さらに、戦闘員は陣地戦を用いて、自らの戦闘力を維持し、彼らの相手の進撃を遅らせたり阻止したりするとともに、戦場での移動を活用して有利な兵力比を創出する。加えて、戦闘員は移動を活用して有利な地形を占拠したり、敵対者に近接した危険な場所から撤退したりする。最後に、戦闘員は移動を用いて、脅威が自らの意図に沿って行動するよう誘導しようとする。この戦略を明確化することで、防衛・国家安全保障関係者は、21世紀における戦略的競争の複雑性をより的確に予測し、理解することができるようになる。

はじめに

比較的長い間、戦いの片隅に追いやられていた陣地戦(positional warfare)が、戦場へと復活した。しかし、ウクライナ、イスラエル、シリア、イラクなどで見られる21世紀の戦争は、陣地戦が戦争における支配的な戦略として台頭していることをはっきりと示している。このコンセプト-その論理、定義、枠組みを含めて-は、ベトナム戦争の余波の中で、西側諸国が「軍事分野における革命(RMA:Revolution in Military Affairs)」、機動戦(maneuver warfare)、および「エアランド・バトル(AirLand Battle」の潜在的な影響に魅了されたために失われてしまった。例えば、ベトナム戦争後の期間におけるほぼすべての成功した軍事戦略や作戦は、その真の性質にかかわらず、無理やり機動戦の枠組みに当てはめられてしまった[1]

例えば、米陸軍が「迂回(turning movement」を戦いの形態(a form of warfare)として位置付けていることは、この点を如実に示している。米軍の戦術ドクトリンによれば、攻撃部隊は敵の後方を攻撃することで敵の防御陣地を回避し、それによって敵が後方からの攻撃に対処するために部隊を移動させたり、戦力を振り向けさせたりすることを狙う[2]。機動を用いて、相手を戦場上の著しい優位性な位置から、優位性がほとんどない、あるいは全くない位置へと移動させ、それによって自軍の相対的な優位性を高めるという、この「猫とネズミの駆け引き(the cat-and-mouse game)」こそが、陣地戦(positional warfare)の古典的な定義である。

第三次対仏大同盟戦争(1805年4月11日~1806年7月18日)中の、ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)によるアウステルリッツの大会戦(great battle at Austerlitz)(1805年12月2日)ほど、この戦略を象徴する例は他にほとんどない。アウステルリッツにおけるボナパルト(Bonaparte)の巧妙な「弱さ(weakness)」の偽装は、右翼の軍隊が弱く準備不足であるかのように装うことで、巨大なロシア・オーストリア連合軍を、その兵力と物理的な強みを無力化させる地形へと誘い込み、同時にボナパルト(Bonaparte)が中央軍をプラッツェン高地から移動させ、ロシア・オーストリア連合軍を包囲し、同心円状に破壊する態勢を整えることを可能にした[3]。アウステルリッツにおけるボナパルト(Bonaparte)の行動は、「迂回(turning movement)」と陣地戦の双方の明確な例である[4]

さらに、アウステルリッツの会戦(the battle of Austerlitz)のこの局面は、その直後にフランス軍がロシア・オーストリア連合軍の本隊に対して猛烈な突撃を仕掛けたことで、陣地戦(positional warfare)と消耗戦(attritional warfare)の間の状況的な相互作用を如実に示している。アウステルリッツにおけるナポレオン(Napoleon)の巧みな指揮は、陣地戦の典型例を我々に提示している。さらに、アウステルリッツは、陣地戦と、機動戦、消耗戦、スタンド・オフ戦といった他の主要な戦いの形態が、いかに相互に補完し合い、戦略の次の段階を構築するかを示している。

しかしその一方で、陣地戦の数多くの側面は消耗戦として再定義され、その結果、避けるべき忌避すべきと見なされるようになった[5]。こうした論者たちは、ロシア・ウクライナ戦争において、ウクライナ軍がウクライナ南部および東部全域で、強固なロシア軍の防衛線の対岸に塹壕線や掩蔽壕を占拠していたことを、戦略の失敗であり、将軍としての愚行(a folly of generalship)であると常々指摘している。

確かに、敵の防衛線を突破できない場合、攻撃可能な側面を特定できない場合、あるいは効果的な偵察・打撃複合体によって即座に阻止され、火力打撃でターゲットとされる状況下では、塹壕線の安全な位置から作戦を展開することは、賢明な判断であると同時に、相対的な優位性のある位置から作戦することにもなる。もっとも、この場合の優位性は防御的なものであり、つまり自軍を防護するという点にある。

しかし今日、多くの論者はこの陣地的アプローチ(positional approach)を否定的なものとして非難せざるを得ない状況にある。実際には、このアプローチは陣地を固める戦闘員(the positional combatant)に、戦力を温存し、戦闘力を増強し、特定された敵の弱点を狙った集中的な作戦を計画するために必要な時間を与えているのである[6]。それにもかかわらず、多くの論者は、むしろその陣地を固める戦闘員が、戦車やドローン、歩兵を動員して開けた場所で動き回り、機動の茶番(a charade of maneuver)を演じる姿を見たいと考えているようだ。

本稿では、ABを2つの異なる戦闘員(combatants)として定義し、陣地戦(positional warfare)とは、Aが特定の戦略的・軍事的目標を達成するために、地形およびその地形内におけるABの部隊配置との関係において、移動と火力を意図的に操作しようとする戦略および戦法であることを明らかにしている[7]

さらに、Aは、作戦上および戦術上の戦場移動を活用し、戦力を温存し、Bの進撃を遅らせたり妨げたりするとともに、必要な地点で有利な兵力比を構築するために、陣地戦(positional warfare)を用いる[8]。また、Aは移動を利用して、有利な地形を占領したり、Bに近接した危険な地域から撤退したりする[9]。最後に、 Aは移動を活用し、BAの意図に沿って行動し、Aの目標を支援するよう誘導することで、Bを敗北に追い込むことを目指す[10]

本稿の目的は、陣地戦というコンセプトを明確にし、機動戦や消耗戦との関係において適切に位置づけることにある。しかし、より重要なのは、本稿の目的は、構造的ダイナミクスとシステム・ダイナミクスを検証し、生と死が潜在的な将来となる到達目標追求型(goal-seeking)の競争環境において、2つ以上の行為主体間で生じる行動の時間的・空間的パターンを明らかにすることである。

このコンセプトを明確化することで、戦略研究の分野は、21世紀における戦略の複雑性をより的確に予測し、理解することができるようになる。同様に、このコンセプトを明確化することで、戦略的研究の分野は、戦略的レベルや作戦的レベルにおいて、空間と時間を取引し、時間と安全保障を取引し、大胆な移動と定量的・定性的な手段における計画的な変化を取引することが、想像力や戦術の欠如ではなく、賢明な戦略であることをより明確に理解できるようになる。

文献研究

陣地戦(positional warfare)は、西側の軍事ドクトリンには存在しない。この欠如がもたらす問題は、西側の軍隊がDOTMLPF-Pの全スペクトラムにおいて、現代の紛争の現実に対応する準備ができていないという点にある-(1)敵対者がこのコンセプトを用いた際の課題に対して、認知的な準備ができていない、(2)このコンセプトの利点を理解するための教育を受けていない、 (3) 同コンセプトの戦術的・作戦上の利点を活用するための訓練を受けていない、(4) 部隊構成が、同コンセプトの欠点を相殺したり、その利点を活用したりするようデザインされていない、そして (5) 陣地戦における欠点を相殺し、その優位性を活用するための適切な兵器システムを装備していない[11]

西側の軍事ドクトリンを概観すると、米陸軍、米統合部隊、英国陸軍、カナダ陸軍、そしてNATOのドクトリンのいずれも、陣地戦について言及していないことがわかる[12]。むしろ、西側の軍事ドクトリンは、陣地戦の肯定的な側面をコンセプト的に再構築し、用語上は機動主義のイデオロギー(maneuverist ideology)に従属させている。コンセプトの再構築とは、あるコンセプトの文脈を改変し、より好ましい別のラベルの下に位置づける手法である。用語上の従属は、コンセプトの再構築と似ているが、元の名称が好ましくない、あるいは問題を抱えている可能性があるため、その名称の使用を避け、意図的に別のコンセプトの傘下に置く手法である。

一方、陣地戦の魅力に欠ける側面は、消耗戦とひとまとめにされがちである。しかし、西側諸国の軍部は、機動(maneuver)を「問題を探している解決策」と見なしている。そうすることで、彼らは陣地戦(および消耗戦)を忘却の彼方へと追いやっている[13]。このコンセプトの欠落は現実を無視したものである。なぜなら、イラクからシリア、アフガニスタンからフィリピンに至るまで、そしてウクライナ戦争の全期間を通じて、陣地戦は21世紀の戦いの中心的な特徴であり続けてきたからである。それにもかかわらず、西側の軍隊は、陣地戦の因果メカニズム、その論理、そしてコンセプトに基づく作戦や戦術を保持しているものの、それらをすべて機動戦の装いのもとで覆い隠したり、好ましくない側面を消耗戦として軽蔑したりしている。

例えば、米陸軍の『作戦(Operations』および『戦術(Tactics』マニュアルでは、陣地戦に関する多くの理論的考え方が、機動戦の枠組みの下に位置づけられている。『作戦(Operations』では、機動の基本的な効果は、敵対者に対して相対的に優位性の位置(a position of advantage)を確保することにあると述べられている[14]。しかし、位置的優位性(positional advantage)は、陣地戦の最も基本的な信条である。率直に言えば、位置(position)はあらゆる戦いの形態(any form of warfare)における基本的な特徴である。陣地戦、消耗戦、機動戦のいずれを用いるにせよ、戦闘員(combatant)は常に相手に対して相対的に優位性の位置を求めるものである。位置的優位性(positional advantage)こそが、戦いの種類(the type of warfare)にかかわらず、残存と、ひいては勝利をもたらす鍵となる。この考え方を説明するには、システム理論が有用である。

システム理論によれば、いかなる種類のシステムにおいても、その第一の目標は残存である[15]。残存は、初期段階における強みに基づくものではなく、むしろ、そのシステムが存在する環境内での、時間をかけた相互作用に基づくものである[16]。そのためには、システムが環境と相互作用し、環境から学び、システムの機能不全を引き起こしている箇所に資源を集中的に投入することが求められる[17]。残存が確保されれば、システムは勝利の追求など、他の目標を追求することができるようになる。言い換えれば、戦争における戦闘員の第一の到達目標は-戦争の規模にかかわらず-生き残ることである[18]。第二の到達目標は勝利することである[19]

この考えを米軍の戦略思想に照らし合わせると、相対的に対等な位置、あるいは不利な位置から行動する戦闘員は、ほぼ常に生き残りをかけて闘うことになる。つまり、対等な位置から闘う戦闘員は残存に重点を置くのに対し、位置的優位性(positional advantage)から闘う戦闘員はある程度の非対称的な優位性を有しているため、交戦、戦闘、作戦、あるいは戦役のいずれにおいても、勝利に重点を置くことができるのである。これは、機動や消耗と同様に、陣地戦にも当てはまる。したがって、相対的優位性という到達目標を追求することは戦争の基本原則であり、決して機動主義イデオロギー(maneuverist ideology)だけの専有物ではない。

作戦(Operations』と『戦術(Tactics』はまた、機動、すなわち敵対者に相対的な優位性の位置(a position of advantage)を占めるという効果は、自軍が移動することなく、敵対者を不利な位置へと移動させるような状況を作り出すことによっても達成できると主張している[20]。敵が一旦その位置から追い出されると、自軍は火力によって敵を撃破しようとする[21]。前の点と同様、この機動に関する想定される論理は、陣地戦や消耗戦においても同様に当てはまる。

実際、移動、戦術的行動、そして敵対者を特定の地点へ誘導したり、そこから追い出したりするための活動との組み合わせこそが、陣地戦の核心(the heart of positional warfare)である[22]。さらに、『作戦(Operations』と『戦術(Tactics』はいずれも、位置的優位性(positional advantage)と移動の活用を結びつけ、敵対者をその位置に釘付けにしたり、位置から誘い出したり、あるいは相手を迂回して戦場上の優位性の位置(a position of advantage)へ移動したりすることを論じている[23]。『作戦(Operations』と『戦術(Tactics』も、位置的に闘うことの重要性や、位置的優位性(positional advantage)を獲得・維持することの重要性を論じているが、これらのコンセプトを機動戦に組み込んでいる。

西側諸国の軍隊は、そのドクトリンにおいてこの不均衡を是正できていない。例えば、現在の英国陸軍のドクトリンは、機動戦と陣地戦の区別を誤って分類している点において、米国のドクトリンと非常によく似ている。英国のドクトリンでは、「機動とは、任務を達成するために敵に対して優位性の位置(a position of advantage)を確保するべく、移動と火力を組み合わせて戦場で部隊を運用することである」と述べられている[24]。さらに英国のドクトリンは、機動の機能には戦場のあらゆるドメインにおける部隊の移動と配置が必要であると述べている[25]。部隊の移動と配置は、決して機動に限定された一連の戦場行動ではなく、陣地戦や消耗戦においても同様に適用されるものである。

英国の軍事ドクトリンは、陣地戦の存在を認めない一方で、位置的優位性(positional advantage)を得るための作戦を誤って機動として位置づけている[26]。同時に、英国の軍事ドクトリンは、欺瞞、迂回(turning movements)、急襲(raids)、陽動(feints)といった作戦や戦術を、陣地のコンセプトから機動のコンセプトへと再定義している[27]。したがって、陣地戦を省略し、陣地的コンセプト(positional concepts)を機動戦の下位に位置づけ、コンセプトの再定義や用語上の従属関係を持たせている点において、英国のドクトリンは米軍とほとんど変わらない。

フランス軍およびNATOの戦術ドクトリンは、米国と英国の戦術ドクトリンによって確立されたパターンに従っている。フランスもNATOも、陣地的コンセプトを機動の下位に位置づけ、陣地戦の作戦や戦術を機動戦に再構築している[28]

ここで疑問が生じる。もし西側諸国の軍がその存在とメカニズムの両方を真剣に受け止めないのであれば、陣地戦(positional warfare)という戦略的課題に効果的に対処できるとどうして期待できるのだろうか。答えは、期待できないということだ。だからこそ、戦場が機動の一つから陣地戦(positional warfare)が支配的な戦場へと急速に変化した際、西側諸国の軍は往々にして驚かされるのである。

陣地戦という課題は、西側諸国の軍隊だけの問題ではない。シンクタンクやその他の観察者たちもまた、陣地戦の定義に苦慮している。2023年11月にEconomist誌に掲載されたウクライナのヴァレリー・ザルジュニー(Valery Zaluzhny)将軍による陣地戦に関する記事は、このコンセプトへの関心を急上昇させた[29]。例えば、その直後の2024年4月、戦争研究所(Institute for the Study of Warは報告書を発表し、「陣地戦とは何か(what is positional warfare)」という問いに答えようとした。しかし、その報告書は、このコンセプトの真の理論や論理、あるいは有用な定義を明確に提示するには至らなかった。報告書には次のように記されている。

陣地戦争(positional war)は、比較的静的な前線と、ほとんど動きのない定常的な戦闘を特徴とするが、こうした戦闘の狙いは、概して、小幅ながらも着実な前進によって前線を進展させること、あるいは戦場で機動性を回復させるための条件を整えることのいずれかである[30]

この定義は、スヴェチン(Svechin)が陣地戦(positional warfare)をどのように定義したかを適切に要約したものではなく、そのコンセプトの根底にある論理や因果関係にはほど遠い。端的に言えば、第一次世界大戦の戦線のように、固定された地点から作戦を展開したり、静的な戦線に沿って闘ったりすることは、陣地戦(positional warfare)ではない。

戦争研究所(ISW)はさらに、「戦場に機動性を取り戻す(restore maneuver to the battlefield)」という表現を加えることで、事態をさらに複雑にしている[31]。この論理は、機動こそが戦いの本質であり、陣地的や消耗的は異常な状態であるため、是正することができ、また是正すべきである、と示唆している。しかし、陸上戦を冷静に分析すれば、陸上戦の本質はむしろダイナミズムにあることがわかる。

戦いの遂行(the conduct of warfare)は、具体的な戦闘員(combatants)、彼らが利用可能な兵器、物理的地形、その他多くの要素といった特徴を含む環境に応じて変化する数多くの変数によって左右される。したがって、「機動性の回復(restoring maneuver)」という主張は、戦場において戦闘員がどのように交戦すべきかを決定づけることが多い、こうした構造的な要因を見落としているため、論理的ではない。

リチャード・シンプキン(Richard Simpkin)の『速さを競う:21世紀の戦いに関する考察(Race to the Swift: Thoughts on Twenty-First Century Warfare』は、多くの学者や軍事理論家が、さまざまな戦いの形態(forms of warfare)の相対的な優劣を判断する際に依拠している、もう一つの古典的な論著である。しかし、シンプキン(Simpkin)の『速さを競う(Race to the Swift』は、実証的な証拠をほとんど引用せず、機動に対する個人的な偏見と過度に抽象的な理論に依拠した、欠陥の多い著作であり、軍事理論の評判を落とすような疑似学術的な著作の典型である。

シンプキン(Simpkin)は、陣地戦と消耗戦を執拗に混同している。これは、本書の索引で「陣地戦(positional warfare)」を検索した際に最も顕著である。シンプキン(Simpkin)の索引は、この用語の類義語として、偏狭にも「消耗の理論(attrition theory)」を好奇心旺盛な読者に示している[32]。続いて、シンプキン(Simpkin)は次のように記している。

というのも、消耗の理論(attrition theory)(「陣地理論(position theory)」とも呼ばれる)は闘い、とりわけ戦死傷者について論じるものであるが……物的損失も考慮に入れているからだ。この戦争の理論の支持者は、単に、自軍が被る損失よりも高い戦死傷率、あるいはより広く言えば「消耗率(attrition rate)」を敵に強いることで、相対的な強みを自軍に有利な方向へと転換させようとするのである[33]

このように陣地戦について論じることで、シンプキン(Simpkin)は、陣地戦が独立した戦いの手法であるという見解を否定している。この否定は経験的証拠に基づくものではなく、むしろ、機動戦こそが陸上戦における唯一の有効な手段である(the only relevant way to go about land warfare)という彼の主張を裏付けるために行われている。

さらに、シンプキン(Simpkin)は、消耗(陣地)は動的なコンセプトではなく、主に静的な闘いに関わるものであり、「部隊の移動は、単に時間内に陣地に到達し、会戦を待ち受ける、あるいは会戦を仕掛けるための手段に過ぎない」と主張している[34]。シンプキン(Simpkin)は、戦術的・作戦的な移動を通じて陣地を取引し、好戦者に対して相対的な優位性を獲得するという防御的なプロセスを確かに記述している。しかし、彼は、その過程を、最終的に消耗(attrition)が動員され、勢力均衡の変化をもたらすものとして軽視している[35]。さらに、シンプキン(Simpkin)による「防御(defense)」という用語の使用は、消耗(陣地)が戦場でどのように用いられるかについて、さらなる疑念を投げかけることを意図した、分断的な意味合いで用いられている。

シンプキン(Simpkin)の主張のすべてにおいて、彼は自身の主張を裏付ける理論的、ドクトリン的、あるいは実証的な知見を一切提示していない。シンプキン(Simpkin)による陣地戦に関するわずかな言及は、主に藁人形攻撃(strawmen attack)に過ぎない。シンプキン(Simpkin)のこうした攻撃は、機動戦の優位性という彼の自己利益を推進するために、この主題をさらに掘り下げようとする一般読者の関心を削ごうとするものであると推測される。また、シンプキン(Simpkin)が消耗戦と陣地戦を同一視している点についても、不誠実かつ誤りであるため、彼を扱う際には注意が必要である[36]

さらに、20世紀後半を代表する陸上戦研究家・理論家の一人であるロバート・レオンハルト(Robert Leonhard)は、3冊の画期的な著書を通じて、陣地戦(positional warfare)についてほとんど言及していない[37]。さらに、ウィリアム・リンド(William Lind)、エドワード・ルトワック(Edward Luttwak)、およびその他の20世紀の理論家たちの著作についても、同様のことが言える[38]。そして、本記事で概説した軍事ドクトリンと同様に、これらの理論家たちは皆、陣地戦と機動戦を互いに区別するために因果論的論理を適用できていない。その代わりに、彼らは皆、部族主義的な思考パターンに依拠して、コンセプトの再構築と用語の従属化をさらに推し進め、明確かつ正しい戦略的思考を妨げている。

アントゥリオ・エチェバリア(Antulio Echevarria)はこの傾向における例外である。エチェバリア(Echevarria)は、理論家アントワーヌ・ジョミニ(Antoine Jomini)によるナポレオンの戦い(Napoleonic warfare)の解釈を通じて、西洋の軍事思想の中に陣地戦(positional warfare)の記録を見出している[39]。エチェバリア(Echevarria)によれば、ジョミニ(Jomini)の陣地中心的な視点(position-centric perspective)は、カール・フォン・クラウゼヴィッツ(Carl von Clausewitz)の戦争・戦いの会戦中心的な解釈(battle-centric interpretation)とは対照をなしている[40]。エチェバリア(Echevarria)は、ジョミニ(Jomini)が戦略を「地図上で戦争を行う術(the art of making war upon the map)」と定義した点に依拠し、ジョミニ(Jomini)の陣地戦論の正当性を立証している[41]。エチェバリア(Echevarria)は、この考えを、戦略を「戦争の目的のために交戦の利用(the use of engagements for the object of war)」と主張するクラウゼヴィッツ(Clausewitz)の説と対比させている[42]。エチェバリア(Echevarria)は、ジョミニ(Jomini)の焦点は地形に基づいた幾何学的なものであると論じている。彼は次のように記している。

ジョミニ(Jomini)は、戦争を首都、主要な交通・通信路、要塞、防衛線、そして経済・兵站の拠点を掌握し支配するための手段と見なしていた。敵部隊の破壊は、彼(すなわちジョミニ(Jomini))にとって、要衝の支配を達成するための付随的なものに過ぎなかった[43]

さらに、エチェバリア(Echevarria)は、ジョミニ(Jomini)が地形分析、潜在的な決定的地点、作戦地帯(zones of operation)、作戦線(lines of operation)、および基地配置(basing)といった要素の重要性を強調していることは、すべて西洋の軍事思想の中に「陣地中心の精神(position-centric ethos)」が存在することを示していると主張している[44]。エチェバリア(Echevarria)は機動については議論の対象外としており、陣地戦と消耗戦のどちらの思想が優れているかについては判断を下していない。むしろ、彼は、米国において、米軍指導部はこれら二つの思想を組み合わせたものを取り入れたと記している[45]

19世紀、学者デニス・マハン(Dennis Mahan)は、米国陸軍士官学校(USMA)においてジョミニ(Jomini)の著作を正典として紹介した[46]。これにより、彼は何世代にもわたる陸軍将校たちに、陸上戦を遂行する上で「陣地中心(position-centric)」の姿勢とアプローチを信奉する考えを深く植え付けた。米軍の軍事ドクトリンは「陣地戦」という表現を避け、ジョミニ(Jomini)のコンセプトへの依存を曖昧にしようとしているものの、彼の陣地中心の思想(position-centric ideas)は、今日においても米軍のドクトリンを導き続けている。

アナリストのシダールト・カウシャル(Sidharth Kaushal)も、数少ない例外の一人である。カウシャル(Kaushal)は、陣地戦(positional warfare)について論じる際、より戦略的な視点に立っている。彼は、国際体制が限定戦争の時代にあるという事実を考慮すれば、陣地戦(positional warfare)は国家に対し、限定的な狙いのために戦争を行う手段を提供すると述べている[47]。その最終目的のために、カウシャル(Kaushal)は、21世紀の戦争において国家は、重要な領土的利益を掌握または阻止するために陣地戦(positional warfare)を用いると主張している[48]。国家は、ある地点から次の地点へと迅速に移動することで、それらの利益を固め、そこからさらに領土的利益を追求し続けるための「強さの拠点(beacons of strength)」を築くのである[49]

さらに、カウシャル(Kaushal)は次のように記している。「本質的に価値のある領土を支配することは、それ自体が最終目的であると同時に、最終目的を達成するための手段でもあるかもしれない」[50]。さらに彼は、限定的な狙いを掲げる戦略が、国際航路の維持、限定的かつ希少な資源へのアクセス確保、そして世界における政治的・イデオロギー的影響力の拡大という到達目標を後押しすると同時に、紛争の激化を防ぐ役割を果たすと論じている[51]。したがって、21世紀においても、国家は引き続き位置的に作戦し、闘いを続けることになるだろう[52]

この節を要約すると、多くの観察者や論評者は、陣地戦(position warfare)を誤って解釈している。彼らは、もしそのコンセプトが存在するとしても、それは通常、消耗戦的な静的な戦線においてのみ見られるものであると主張する。シンプキン(Simpkin)のような一部の理論家は、見当違いな主張を展開し、陣地戦は消耗戦の単なる別名に過ぎないと誤って結論づけている。

陣地戦(positional warfare)が認められると、こうした論客の多くは「藁人形(strawmen)」を用いて、陣地戦略、陣地作戦、陣地戦術は不適切な実践の結果に過ぎないと主張する。彼らの論旨は、軍の指導者や戦略家がもう少し努力すれば、戦場において機動を本来あるべき位置に回復させることができるというものだ。しかし、戦略や作戦に対する地形の圧倒的な影響力は、機動が軍事作戦の自然な状態であるわけでも、軍事戦略に対するより高尚なアプローチであるわけでもないことを証明している。

さらに、地形が戦略に及ぼす影響、その地形内における敵対者の位置、および部隊の軍事目標は、いずれも陣地戦略や消耗的戦略の存在を正当化し、その妥当性を裏付けるものである。すなわち、ある戦いの種類(Wf)は、部隊の選好によって定義されるのではなく、戦場の地形(Tn)によって定義され、それがその地形内における相手の配置(Od)によって増幅され、さらに各行為主体の目標(Obj)によって増幅される、あるいは、 Wf=Tn × Od × Obj[53]。この定理は、陣地戦の理論(theory of positional warfare)を支える因果関係と論理をさらに展開するために用いられる。

陣地戦の理論

さまざまな種類の戦術が、どのような状況下で、なぜ、いつ、どこで他の戦術よりも適切であるのかを理解するには、いくつかの重要な問いを突き止める必要がある。まず検討すべき核心的な問いは、多面的なものである。その問いとは、「戦闘員(combatant)は、軍事目標の達成に向けて自らの戦闘力を維持しつつ、かつ自らの優位性を築き上げながら、敵の戦闘員の戦力や状況的優位性をいかに先手を打って考慮すべきか」というものである。「軍事目標」という言葉が何を意味するのかを明確にすることが重要である。

軍事目標は、敵の戦闘員(an enemy combatant)である場合がある。これは通常、作戦的レベルや戦術的レベルで発生する。なぜなら、戦略目標は多くの場合、政治的変革、領土の掌握、および住民の防護と関連しているからである。あるいは、敵の戦闘員は、都市の占領といったより大きな到達目標への道のりに立ちはだかる障害物である場合もある。2003年3月の米国主導によるイラク侵攻の際、サダム・フセイン(Saddam Hussein)の軍隊と共和国防衛隊が、その一例である。

戦略的に、米軍の到達目標は、政権交代を促すのに十分な戦闘力を保持した状態でバグダッドに到達することだった[54]。フセイン(Hussein)の軍隊(すなわち敵の戦闘員)は、バグダッドにおける戦略目標の達成に対する作戦上(および戦術上)の障害であり、したがって、敵の戦闘員は進行中の作戦上(および戦術上)の目標となった。同様に、ウクライナにおいても、併合されたウクライナ領土を占拠しているロシア軍は、係争地域における政治的、領土的、および人口の支配という双方の戦略的目標を支える作戦上および戦術上の目標である[55]

したがって、敵の戦闘員は、(1)軍事目標への経路上の障害物、(2)目標地点における妨害要因、あるいは(3)目標そのものである可能性がある。さらに、各戦闘員は、彼ら自身、彼らの相手、および第三者の参加者の強さ、位置、目標を把握しておかなければならない。また、戦場の透明性(battlefield transparency)を考慮に入れる必要があるため、各戦闘員は、ほぼ常に敵の監視下にあると想定しなければならない。

以上の点を踏まえると、陣地戦(positional warfare)における次の核心的な問いは、次のようになる。すなわち、各戦闘員(AB)の戦場における初期配置との関係において、いかにして移動を能動的に操作し、パワー・バランス(the balance of power)を変化させることで、ある戦闘員(a combatantが軍事目標を達成できるようにするか、ということである。陣地戦(positional warfare)の基本的な論理を構成するこの核心的な問いに対する答えは、次の通りである。

Aは、AB双方の戦場配置(地形、すなわちTn)を考慮した移動を用いて、パワー・バランス(the balance of power)を変えようとする、あるいはBの状況的強みやその他の優位性を無力化しようとして、A自身の軍事目標を達成することにある。この論理において、転移(dislocation)(d)は因果的メカニズムである。したがって、陣地戦(positional warfare)(P)の理論は次のように要約できる。P = (Ad → B) × Tn[56].

機動戦と陣地戦の主な違いは、機動では対象が軍事部隊ではなく場所であることが多いのに対し、陣地戦では対象がB、あるいはBに近接する地形の一部である場合があるという点にある。

いくつかの補足説明が必要である。機動は、多くの場合、規模が大きく、移動性があり、強く、かつ移動性の高い部隊によって行われるのに対し、陣地戦は、作戦の移動能力容量や戦術的な移動能力容量が劣る、戦力的に劣勢な戦闘員(a weaker combatant)によって行われる[57]。さらに、陣地戦は、地形上の理由から、必然的な選択となる場合もある。すなわち、ABに対して、あるいはBを凌駕するための機動に必要な空間を保有しておらず、したがってABをその地形から誘い出さなければならない。あるいは、Aは優位性ある地形におけるBの配置を、Bに対して利用しなければならない。

例えば、BBの周囲を素早く駆け抜けるのに適さない地形にいる場合、Aは(1)Bをその地形から誘い出すか、(2)その場所でBを包囲するか、あるいは(3)その位置へ真っ向から突撃するかのいずれかを選択しなければならない。もし状況3が生じれば、Bは形勢を逆転させ、Aを消耗戦へと追い込んだことになる。したがって、Bの視点から見れば、状況3とは、地形を巧みに利用してAの強みと優位性を分散させ、それによってBの勝利の余地を拡大し、パワー・バランス(the balance of power)を転換させるものである。これら3つの条件は、陣地戦(positional warfare)における作戦および戦術の理論的基礎を成す。そのうち、状況1(排除)と2(包囲)は陣地戦(positional warfare)の攻撃的形態であるのに対し、状況3(罠にかける)は陣地戦(positional warfare)の防御的形態である。

陣地戦(positional warfare)に関する考察からは、以下の重要な知見が得られる。第一に、陣地戦(positional warfare)の理論は P = Ad → B × Tn である。第二に、陣地戦の因果的メカニズムは「転移(dislocation)」である。第三に、陣地戦(positional warfare)は、軍事作戦に対する地形の決定論的な影響の結果として生じることが多いほか、Aの強み、優位性、および軍事目標に対して、より弱い戦闘員が彼らのパワー・バランス(balance of power)を改善しようとする試みから生じることもある。第四に、地形を重視する要素が、陣地戦理論(positional warfare theory)と機動の理論(theory of maneuver)を区別する。

「転移(dislocation)」は、陣地戦と機動戦の双方における因果的メカニズムであるが、地形が相手との直接対決を必要としない場合には後者が適用され、地形が直接対決を余儀なくさせる場合には前者が用いられる。最終的に、これらの条件により、陣地的作戦(positional operations)および陣地的戦術(positional tactics)の3つの基礎が導き出され、そのうち2つは攻撃的、1つは防御的である。陣地戦(positional warfare)の攻撃的形態は「排除(dislodgement:駆逐)」と「包囲(encirclement)」であり、一方、「罠にかける(entrapment)」は陣地戦(positional warfare)の防御的形態である。

陣地戦の適用

「転移(dislocation)」は、陣地戦(positional warfare)における因果メカニズムである。ロバート・レオンハルト(Robert Leonhard)は、転移(dislocation)とは、相手の強みや優位性を無意味なものにする技術であると読者に指摘している[58]。さらに付け加えるならば、特に陣地戦(positional warfare)にこのコンセプトを適用する場合、物理学、幾何学、代数学、統計分析、そして基礎的な算数の知識もまた、転移(dislocation)には不可欠である。したがって、転移(dislocation)の定義を若干修正する必要がある。転移(dislocation)とは、条件付き変数を適用または無効化し、状況に応じて相手の強みや優位性を無意味なものにする技術であり、科学である。本節では、この修正された定義の観点から転移(dislocation)を簡潔に検討し、その実践的な応用例を示す。

陣地戦(positional warfare)の到達目標は、戦争における戦略的競争相手同士の相互依存関係を反映している。行為主体Aは常に、Bに対して自らの意志を押し付けようとしつつ、Bが同じことを行うのを阻止しようとする。この力学は、逆の位置においても常に同様に生じる。Bは常に、Aに対して自らの意志を押し付けようとしつつ、Aが同じことを行うのを阻止しようとする。したがって、陣地戦(positional warfare)の到達目標は、あらゆる用兵の形態(any form of warfighting)と同様に、二元性という観点から理解されなければならない。

これは、(1) Aが軍事目標に関して達成したいこと、および(2) Aが目標を達成するために、Bが実行することを阻止しなければならないこと、として捉えることができる。軍事目標とは、軍事部隊(国家または非国家主体)、場所(飛行場、都市、政府庁舎など)、あるいは個人または集団を指す場合があり、したがって、破壊が常に到達目標であるとは限らない。したがって、陣地戦(positional warfare)における到達目標は、位置、移動、および欺瞞を通じて相手の強みと優位性を無力化すると同時に、相手に同様のことをさせないことにある。

位置的転位

理論的な観点から、ひとまずAが2人の戦闘員のうちより強い側であると仮定しよう。もしAの到達目標がBの破壊であるならば、Aは自らの戦力を展開し、Bに対して集中砲火を浴びせられるような場所でBと交戦したいと考えるだろう。したがって、Aは開けた地形、あるいはさらに好ましくは、Bが山や渡れない大きな水域に挟まれて身動きが取れないような、逃げ場のない地形での闘いを望むことになる。言い換えれば、この状況下でAは、自らの強みと優位性を最大限に発揮できるため、消耗的にBと闘うことを望む。もしAがこの状況を作り出すことに成功すれば、Bを戦術的に不利な位置に追い込み、それによって消耗戦を用いてBを破壊させる機会を得ることになる。

したがって、行為主体は、相手をその能力に不向きな場所で行動させることによって、相手に位置的転移(positional dislocation)を引き起こす。移動や欺瞞作戦と欺瞞戦術は、位置的転移を引き起こす直接的な要因であり、一方、諸兵科連合や統合火力はその二次的な要因である。例えば、制約の多い地形や通路が限られた地形において行動する装甲部隊は、位置的転移の一例である。市街地、森林が密集した地域、あるいは湿地帯における装甲部隊も、その例に挙げられる。

そのような環境下では、装甲部隊はその本来の移動性や火力を最大限に発揮することができず、同時に、そうした欠点ゆえに、軽歩兵による攻撃、ドローン打撃、空爆、さらにはカノン砲、ロケット、ミサイル火力を含む諸兵科連合と統合部隊能力に対して極めて脆弱な位置に置かれることになる。イラクでよく見られるような草原や砂漠といった開けた地形で活動する軽装部隊も、軍事部隊が位置的に不利な状況に置かれているもう一つの例である。

2004年のイラク戦争におけるファルージャの会戦(battle of Fallujah)は、位置的転移(positional dislocation)の一例である。組織化された軍事部隊とは言い難いものの、ファルージャとその周辺で米軍を撃破するために確実に連携して行動していたスンニ派反乱軍の非正規戦闘員たちは、市内に撤退した[59]。ジャーナリストのトーマス・リックス(Thomas Ricks)が指摘するように、米国主導のタスク・フォースは約1万2900人の陸軍兵士(および海兵隊員)で構成され、4000人を超える反乱軍戦闘員と対峙していた[60]

米海兵隊、米陸軍、および英陸軍部隊から成る機械化された米軍部隊との奇妙な闘いぶりを踏まえると、スンニ派の反乱勢力が、システム理論の二つの最優先原則-「生き延びること、そして、生き延びることができれば勝利を目指すこと(stay alive and try and win, if you are able to survive)」-に基づいてこの戦術を採用したと推測するのは、決して不合理ではない。当時、第1騎兵師団第7騎兵連隊第2大隊(2–7 CAV)の指揮官を務めていたジェームズ・レイニー(James Rainey)は、次のように回想している。

我々が直面した敵は、献身的で執念深い敵だった。反乱軍の基準からしても十分な訓練を受けており、装備も間違いなく充実していた。また、防衛態勢を整えるための十分な時間を確保しており、通信手段もそこそこ整っていた……かなり手強い敵だった[61]

反乱軍は市街地内を移動し、堅固な防御陣地を占拠したため、レイニー(Rainey)大佐率いる大規模なタスク・フォースは、機械化部隊にとって理想的とは言えない場所で闘いを余儀なくされた。機械化編成は、移動しながら闘うことを狙って、戦車や歩兵戦闘車が敵の小火器やロケット推進式手榴弾の射程外から射撃できる距離で作戦を展開し、移動作戦に先立ち、砲兵を用いて敵の陣地を制圧することを狙いとしてる[62]

さらに、レイニー(Rainey)のタスク・フォースは、組織化された機械化部隊であったため、単独でこの問題に対処できるだけの十分な歩兵部隊を擁しておらず、そのため、レイニー(Rainey)およびより大規模な海兵隊タスク・フォースが市街地で反乱軍と対峙できるよう、他の部隊から軽歩兵が集結させられた。総じて言えば、反乱勢力は当初、米国主導のタスク・フォースを混乱に陥れた。反乱勢力は、タスク・フォースを本来不向きな場所で闘いを強い、それによってタスク・フォースの固有の強みを相殺し、逆に反乱勢力の強さを増大させ、ひいては会戦中の反乱勢力の残存確率を高めたのである。

しかし、交戦規則(the rules of engagement)における柔軟な解釈と、徒歩部隊の投入により、米国主導のタスク・フォースは位置的転移(positional dislocation)を克服することができた。会戦の詳細には立ち入らないが、タスク・フォースがファルージャを占拠していた反乱軍を撃破するまでに6週間を要し、位置的転移は少なからぬ犠牲を伴った。タスク・フォースの死者は約105名、負傷者は450名に上ったのに対し、反乱勢力の死者は2,000名以上、捕虜は1,500名に達した[63]

機能的転位

機能的転位(functional dislocation)は、位置的転移(positional dislocation)に似ている。両者のコンセプトの違いは、機能的転位においては、ABに対し、その戦力構成や固有の兵器システムを無力化するような戦い方(場所ではなく)を強いることで、敵対者の強みや優位性を無意味なものにする点にある[64]。位置的転移における因果的メカニズムは、諸兵科連合および統合火力であり、機動や欺瞞作戦と欺瞞戦術は二次的な要素に過ぎない。

再び理論から始めよう。位置的転移(positional dislocation)の検討で見られたのと同じ初期条件を仮定する。この状況において、Bは合理的行為主体であり、経済的意思決定の基礎およびシステム理論の最初の2つのルール-(1) 死なないこと、(2) 生き残っているなら、勝利を目指せ-を理解していると仮定する。

例えば、Bが対戦車兵器以上の装備を持たない軽装部隊である場合、都市を拠点とすることで、理論上は残存の可能性と、少なくともAとの対等な戦力を確保できる。例えば、Bが都市部に身を隠している場合、Aは都市部に隣接する重要地域に進出し、Bを都市部から誘い出そうとするかもしれない。この状況におけるAの到達目標は、Bを都市部から追い出し、Bをだまして開けた場所で闘い、Bを容易に識別し、ターゲットにし、交戦できるようにすることである。

さらに、Bを開けた地形に誘い出すことは、Aから比較的隠れた状態を維持するBの能力を事実上無効化するだけでなく、開けた場所での作戦行動は、市街地において対戦車システムを運用する際に得られる優位性を無効化することで、Bを事実上不利な位置に追い込むことになる。逆に、Bも自らの窮状を認識しているかもしれない。すなわち、機械化部隊の脅威に直面している状況下で、限られた火力で開けた場所での作戦を行うことは、自殺行為になりかねないのだ。

したがって、BAの先頭部隊を挑発し、Bに続いて市街地へ侵入させるよう誘い込む。そうすることで、Bは、航空観測プラットフォーム、砲兵、機械化戦闘システムの主砲など、Aの長距離偵察能力やスタンド・オフ能力によって提供される防護と殺傷力を事実上無力化させる。その結果、Aは街中を系統立てて進み、Bと一区画ごとに闘いを繰り広げざるを得なくなる。その間、Bは影に潜む小規模な移動部隊を効果的に運用し、Aに対する戦闘力を最大限に発揮することができる。

現在進行中のロシア・ウクライナ戦争において、ウクライナは機能的転位(functional dislocation)を多用してきた。その一例として、ウクライナ陸上部隊はしばしば、ロシア軍の機械化された優位性を無効化できる地形へとロシア軍を誘い込んだ[65]。こうした戦術は、小規模な町や川沿いの道路、あるいは高所にある建造物が距離を保ちつつ隠蔽を提供し、徒歩による対戦車攻撃を支援できる都市で特に頻繁に用いられた[66]

モスクワの部隊が打ちのめされると、ウクライナ軍部隊は「ジャベリン(Javelins)」や「NLAW」といった対戦車兵器を用いてロシアの機械化部隊を容赦なく攻撃したり、動けないロシア軍部隊に対して異常なほどの砲撃を浴びせたりした[67]。キーウやハルキウへの道中や市街地内で燃え盛るロシア軍の戦車、歩兵戦闘車、自走式砲(tracked artillery)の残骸は、機能的転位(functional dislocation)の実例である。

この時点で、2022年2月にロシアがキーウに対して仕掛けた失敗に終わった電撃戦(blitz)の、よく知られた特徴として、 プーチン(Putin)の意図は、キーウ、ハルキウ、およびその他の重要度の低いターゲットに対し、迅速な諸兵科連合と統合の攻勢(joint thrust)を仕掛けることだった[68]。ロシア陸上部隊は、重要度の低い地域を迂回し、ウクライナ軍と決定的な交戦を避けつつ、72時間以内にウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領とその政府に降伏を強いることを目指していた[69]

キーウの北25マイルに位置し、キーウへの主要な攻撃ルートの真中にある小さな町デミディフで、ウクライナ軍はイルピン川が周辺地域に氾濫するのを防ぐため、同川をせき止めていたダムを爆破した[70]。この措置によりデミディフや周辺地域は浸水したが、クレムリンの当初の攻撃計画を無力化することで、キーウとゼレンスキー(Zelenskyy)大統領の救出に貢献したと考えられる。また、ロシア軍には不向きであり、訓練も受けていない戦法で闘わざるを得ない状況に追い込んだ。

このように、ウクライナのこの作戦は、戦術レベルから戦略レベルに至るまで、ロシア軍を機能的に混乱させた[71]。コンセプト的には、この作戦は明白である-地域を水没させて、攻撃してくる陸上部隊の移動を阻止、あるいは少なくとも遅らせる-が、その手法の根底には、機能的(かつ時間的)な混乱というコンセプトがある。ロシアの装甲部隊がキーウへと続く道路や田園地帯を迅速に移動する能力を奪い、代わりに戦車や歩兵戦闘車からなる移動の遅い集団として行動せざるを得なくさせたことで、ウクライナの正規および非正規の陸上部隊は、キーウへの進入路沿いでロシアの機械化部隊を粉砕し、ねじれた金属の山を残した。

時間的転位

第三に、時間的転位(temporal dislocation)とは、ABに対し、Bが準備している、あるいは実行可能なテンポよりも遅く、速く、あるいは混沌とした状況で行動・戦闘することを強いることにより、Bの強みや優位性を無意味なものにするプロセスである[72]。あるいは、アンドルー・カー(Andrew Carr)とベンジャミン・ウォルシュ(Benjamin Walsh)が主張するように、陣地戦(positional warfare)はファビアン戦略(Fabian strategy)と見なすことができ、空間と時間を取引するという観点から捉えることもできる[73]。理論的な観点から言えば、ABよりも、戦略的・戦術的に考えられるほぼあらゆる点で優れていると想像してみよう。

※ ファビアン戦略(Fabian strategy)は、敵との直接的・決戦的な衝突を避け、小規模な襲撃や補給線の遮断、消耗戦を通じて敵の戦力と士気を削ぎ落とす、長期的な防御戦略

さらに、Aの視点から見れば、BAの政治体制の一部であると考えられる。しかし、Bは現在、自らを独立した政治体制と見なしており、それゆえAからの政治的独立を宣言した。これに対し、Aは速やかにBを攻撃し、その部隊を殲滅した上で、Bの領土をAのより広範な領土主張に速やかに組み込むことに意欲を示している。

ほとんどの合理的な行為主体にとって、第一の本能は残存であり、第二は勝利であることを念頭に置き、Bは首都を占領し、消耗(attrition)と疲弊(exhaustion)を戦略の根幹とする因果メカニズムで作戦することを決定する。Aは、Bの規模が自分より小さく、かつてAの属国であったという経緯から、Bが恐怖に駆られて後退し、すぐに屈服するだろうと、おそらく自国中心主義的な思い込みから、知らず知らずのうちにこの罠にはまってしまう。

それにもかかわらず、Bは立ち向かい、闘いを続ける。都市の中でAをしっかりと掴み、決して手放さず、Aが振りほどくことも許さず、軍事的、政治的、そして国内情勢という時間的プレッシャーに追われる中で、予定通りのスケジュールを維持する。BAを掴んで離さないことで、ABを自らのタイムテーブルから外すことができるのだ。

当初は戦術レベルで発生する問題だが、時間の問題は急速に制御不能となり、国内政策や本国での世論に直接的な影響を及ぼす戦略的問題へと発展しうる。このアプローチは、おそらく陣地戦(positional warfare)における最も戦略的な手法であり、アフガニスタンにおける米国の対タリバン戦争を破綻させた一因でもあるが、それ自体が「時間的転位(temporal dislocation)」の好例でもある。

主にタリバンと対抗した米国のアフガニスタン戦争は、時間的転位(temporal dislocation)の有益なモデルを提供する。2001年後半、米国(および連合軍)はタリバンに対して一連の戦術的・作戦上の成功を収めたものの、タリバンはパキスタンへ逃亡し、米国の撤退を待とうとした[74]

アフガニスタンにおけるタリバンの戦略に対して、まるで針で刺すような程度の効果しか持たない断続的なドローン打撃を除けば、米アフガン戦争の20年という長期にわたる期間の大部分において、米国とその同盟国はタリバンに対してほとんど有効な手段を持たなかった。タリバンの戦略は、アフガニスタンに留まり、同国の政府や軍への支援を継続するという米国の政治的・国内的な意志が尽きるのを待ち、米国が撤退した後に同国へ復帰する到達目標を目指していた。

確かに、米国が時間をかけて徐々に部隊を撤退させ、司令部を移転させ、アフガニスタン治安部隊に対する現地での監督を終了させるにつれ、タリバンはアフガニスタンの地方地域を徐々に奪還していった。例えば2020年までに、タリバンはアフガニスタンの70%以上を支配していると主張した一方で、他の報告では、アフガニスタン政府が国土の54%を支配し、タリバンが13%、残りは五分五分であるとされていた[75]

ホワイト・ハウスは、2020年までにタリバンが同国の50%以上を支配、あるいは支配権を争っていたと主張した[76]。2021年8月に米国がアフガニスタンから残存部隊を撤退させると、タリバンはわずか数日のうちにアフガニスタン政府の支配権を奪還し、国内での権威を再確立した[77]。要するに、タリバンは戦略的レベルにおいて、ホワイト・ハウスの政策を一時的に頓挫させたのである。

タリバンは、パキスタンに拠点を移して米軍の圧倒的な攻撃から身を守りつつ、米国内における戦争への政治的・国内的な支持を徐々に蝕んでいった。その結果、米国はついに諦めてアフガニスタンから撤退し、その時点でタリバンは勝利を収め、政権に復帰した。

結論:戦場の透明性が進む時代における陣地戦

結論として、戦争の将来を見据えることが重要である。陣地戦(positional warfare)とは、状況に応じて「時間と空間と取引きする(trading time for space)」あるいは「空間と時間と取引きする(trading space for time)」戦略である。しかし、情報通信技術やドローンの登場により、現代の戦場において軍隊が身を隠し、闘う能力は根本から覆されつつある。

陣地戦の理論的・実践的応用、および「転位(dislocation)」がどのようにこのコンセプトを活性化させるかについての基礎を踏まえた上で、戦場の透明性、すなわち「透明な戦場(transparent battlefield)」について考察することが重要である。多くの学者、アナリスト、実務家によれば、戦場の透明性は、21世紀の陸上戦においてますます重要な要素となっていくであろう。

多くの技術やドローン戦の予言者たちは、空中および地上ドローン、宇宙ベースの監視能力、そして小型の地上センサーの普及が、将来の戦場において国家や非国家主体が状況を把握する方法を革命的に変えるだろうと主張している[78]。彼らの主張は、ドローン、宇宙、 サイバー、そしてセンサーが、「戦場の霧(the fog of war)」を払拭し、特定の戦場だけでなく、部隊が本拠地から戦場へと集結・展開する様子までも、ほぼ完璧に把握できるようになるだろうという信念に基づいている。

衛星は、戦場の透明性という将来像を垣間見せてくれる興味深い存在だ。ウェブサイト「World Population Review」によると、宇宙に打ち上げられている衛星の数は大幅に増加している。衛星の数では米国が239基で世界一である。中国が140基で2位、ロシアが105基で3位となっている[79]。ロシアの3位という順位に、他のどの国も遠く及ばない。宇宙の衛星の数や、その軍事用途・民生用途の区別を把握する上での課題は、こうした情報の大部分が、ますます厳格化される機密分類の下に隠されている点にある。そのため、これらの数値を検証したり、正確に特定したりすることはほぼ不可能である。

さらに、その数値は決して一貫していない。Defense Oneの記者オーブリー・デッカー(Aubrey Decker)は、中国が2022年から2024年の間に400基以上の衛星を宇宙に打ち上げたと述べている[80]。2024年5月、米宇宙作戦部インテリジェンス担当副部長のグレゴリー・ガニョン(Gregory Gagnon)少将は、地球の軌道上には合計で約9,500基の衛星が存在すると主張した[81]。実際の数字がどうであれ、21世紀の陸上戦において、宇宙からの関与は正当な懸念事項である。

戦場の状況がほぼ完璧に把握されるようになる結果、軍事部隊は常に監視下に置かれることになり、その結果、より高度かつ迅速なターゲティングと打撃の対象となりやすくなる[82]。この点について、学者であるデビッド・バーノ(David Barno)とノラ・ベナサヘル(Nora Benasahel)は、「この広範な支援ネットワークの将来的な透明性は、米軍の計画担当者にとってまさに恐怖そのものであるはずだ……これらの要因は、将来の陸軍のドクトリン、組織、およびプラットフォームに甚大な影響を及ぼすだろう」とまで述べている[83]

バーノ(Barno)とベナサヘル(Benasahel)が主張するように、この「透明な戦場(the transparent battlefield)」というコンセプトが、果たしてどれほど真に画期的なものとなるかは、まだ未知数である。米陸軍のカート・テイラー(Curt Taylor)少将は、ドローン、相互接続された民間人、電磁スペクトラム、そして商用衛星技術によって実現された今日の戦場の透明性が、10年前なら最高機密扱いとなっていたであろうオープン・ソース情報の創出に寄与していると主張しているが、その見解は多少誇張されているかもしれない[84]

マシュー・フォード(Matthew Ford)教授は、より繊細な見解を示している。同教授は、「しかし、一般市民によって生み出されるデータによって、戦場の透明性を確保しようとする国家の取り組みに、誰もが参加することになるだろう」と記している[85]。「国家の取組み(state’s efforts)」とは、宇宙搭載センサー、情報ネットワーク、航空観測プラットフォーム、および地上センサーの活用を指すと仮定すれば、戦場の透明性に対する一般市民の貢献に関するフォード(Ford)教授の見解は、先見の明があると言える。

一方で、慎重な見方もある。戦場の透明性は、21世紀の陸上戦争において、西側諸国の軍隊がどのように作戦、組織、装備を整備すべきかという議論において、確かに考慮すべき要素である[86]。しかし同時に、宇宙ベースのセンサーは高価であり、ほとんどの国家にとって、ましてや非国家組織や非国家の勢力にとっては、真の長期的な優位性をもたらすほど手頃な価格ではない。フランツ=シュテファン・ガディ(Franz-Stefan Gady)は、ウクライナにおける戦場の透明性の優位性という主張は、技術信奉者たちが描くほど現実的ではなく、また重要な要因でもないとしている[87]

透明性が21世紀の陸上戦にどの程度の影響を与えるかという点はひとまず置いておいても、その影響そのものと、陸上戦における関連する実用的な応用について議論することは重要である。戦略的には、透明性が高まることで、国家が自国の国境から非隣接の紛争地域へ部隊を展開することがますます困難になるだろう。特に、多くの論者が指摘するように、透明性が戦略・作戦レベルの偵察・打撃ネットワークと真にグローバルに連携するようになれば、なおさらである。

例えば、中国による侵攻から台湾を防衛するために、米国が本土から南太平洋へ部隊を派遣しなければならなくなった場合、北京の部隊は米国の部隊の展開を迅速に阻止し、多数の極超音速兵器や長距離精密打撃兵器を用いてその部隊をターゲットにすることができるだろう。そうすることで、米軍の展開が本格化する前に、それを無力化することができる。

作戦上および戦術上、「透明性(transparency)」は「開けた地形(open terrain)」と「制約のある地形(restrictive terrain)」という2種類の地形に関して考慮すべきである。「開けた地形(open terrain)」とは、主に移動の妨げとなる障害物がない地形を指すが、上空を覆うものがほとんどない地形や、上空からの視認を妨げる障害物がない地形にも当てはまる。

「制約のある地形(restrictive terrain)」とは、森林が密集している地域、渡らなければならない水路が極めて多い地域、入り組んだ都市部の道路網、山岳地帯、その他数多くの例に挙げられるように、移動速度が低下する地形のことである。さらに、移動を制限する地形には、上空からの視認や観測を妨げる障害物がある場合もあれば、そうした障害物が全く存在しない場合もある。これらの要因を考慮すると、「透明性(transparency)」は、開けた地形において大規模な作戦・戦術的な部隊移動や大胆な機動を行う場合、敵に容易に識別し、ターゲットとされ、それに応じた行動を取られることになる。

新アメリカ安全保障センター(CNASCenter of New American Security」のステイシー・ペティジョン(Stacie Pettyjohn)、ハンナ・デニス(Hannah Dennis)、モリー・キャンベル(Molly Campbell)も、この見解に同意している。彼女たちは、小型ドローンが(国家および非国家主体の)軍事戦術部隊において普及するにつれ、ドローンが戦場における「透明性(transparency)」をさらに高めるだろうと述べている[88]。その結果、「ドローンの存在により、兵力の集中、奇襲の成功、および攻勢作戦の遂行がより困難になる[89]」。

さらに重要なのは、「制約のある地形(restrictive terrain)」、「透明性(transparency)」、そして軍事活動との相互関係を検討することである。「透明な戦場(transparent battlefield)」において、上空からの遮蔽物がない状態で、移動が制限される地形内を大胆に機動することは、極めて危険を伴うことになる。このような状況下では、軍事部隊の移動速度は遅くなり、発見されやすくなり、相対する軍事部隊から攻撃を受けた場合、交戦地域から脱出することが極めて困難となる。

もし戦場の透明性がバーノ(Barno)とベナサヘル(Benasahel)が指摘したような極致に達すれば、果敢な行動、勢い、そして空間と時間を超えた移動を前提とする機動戦は、21世紀の戦場においては自殺行為となりかねない。確かに、陣地戦や消耗戦は、戦場の透明性が徹底された場合に避けられない副産物である。

第二に、これにより、精密打撃システムや長距離精密火力を含む、諸兵科連合および統合能力を備えた国家にとって、静的な部隊ははるかに攻撃しやすいターゲットとなるだろう。戦場の透明性を前提とした軍隊は、脅威となる軍事部隊を特定し、その部隊を常時監視・追跡し、正確にターゲットを定めて、長距離精密打撃、ドローン、およびドローン・スウォームを用いて打撃することが可能になる。

もしこの将来像が現実のものとなれば、「透明な戦場(the transparent battlefield)」では、観測可能な移動、静的な作戦、そして露出した軍事部隊が厳しい代償を払うことになるだろう。米陸軍のジェームズ・レイニー(James Rainey)将軍を含む多くの論者は、小型・軽量・分散型の部隊こそが、この「透明性の問題(the transparency problem)」に対する解決策であると示唆している[90]。冷戦時代の「ペントミック師団(Pentomic Division)」も同様の論理に基づいていたが、当時の課題は核戦場であった。ペントミック師団の背後にある考え方は、小型・軽量・分散型の部隊であれば、戦術核兵器が存在する戦場での闘いに伴う多くの問題を克服できるというものであった[91]

しかし、米陸軍はすぐに、この部隊編成とその作戦・戦術が非効率的であり、本来想定されていた課題を克服する能力を実際には備えていないことを認識した[92]。ペントミック師団の欠点としては、(1) 有効な打撃を与えるための戦闘力と輸送能力の不足、 (2) 分散化した作戦により、戦力を集中させ、戦場における一瞬の優位性を活かす能力が損なわれたこと、および (3) 分散化した作戦により、部隊が結束した、諸兵科連合防御作戦および統合一体化型(joint-integrated defensive operations)防御作戦を実施できなくなったことである[93]

ペントミック師団が解決を目指した課題と、将来の小型・軽量・分散型部隊が解決を目指している課題との間には、強い類似性が見られる。同様に、将来の小型・軽量・分散型部隊の構想提案が、ペントミック師団と同じ課題に直面することになると想定しても、決して無理な話ではない。しかし、作戦と戦術こそが、「透明な戦場(the transparent battlefield)」に対する最善の解決策となる。

識別、追跡、ターゲティング、および効果的な打撃を回避するため、軍事部隊(国家および非国家主体を問わず)は、都市部や、上空からの航空観測を妨げ、精密打撃の効果を最小限に抑え、敵対者の移動を遅らせるような地形を拠点として活動する可能性が高い。

言い換えれば、戦場の透明性(battlefield transparency)に直面した場合、ほとんどの戦闘員(most combatants)は、位置的転位・機能的転位・時間的転位を通じて、そうした非対称性を相殺しようと試みるだろう。転位中心の作戦や戦術の相対的な重要性を考慮すれば、陣地戦(positional warfare)こそが、「透明な戦場(the transparent battlefield)」における部隊が闘う主要な方法となり、21世紀の陸上戦争における機動の終焉(the death of maneuver)をさらに加速させることになるだろう。

謝辞

著者は、祖国を守るための戦いで犠牲を払ったウクライナ軍に感謝の意を表したい。その犠牲は、戦争および戦いのあり方をより深く理解しようとする学者、アナリスト、実務家にとって、計り知れない示唆を与えてくれた。感謝する。

開示事項

著者らから、利益相反の可能性があるとの報告はなかった。

寄稿者について

エイモス・C・フォックス(Amos C. Fox博士は、アリゾナ州立大学「フューチャー・セキュリティ・イニシアティブ」の実践教授である。同氏は、武力紛争、戦略、戦争の将来、および安全保障学を教えている。さらに、エイモス氏はSmall Wars Journalの編集長を務めるとともに、ポッドキャストRevolution in Military Affairsのホストも務めている。また、エイモス(Amos)は米国陸軍退役中佐である。

ノート

[1] G.I. ウィルソン(G.I. Wilson)著「湾岸戦争、機動戦、そして作戦術」、Marine Corps Gazette、1991年6月1日、https://www.mca-marines.org/gazette/the-gulf-war-maneuver-warfare-and-the-operational-art/;Bing West, 「機動戦:イラクでは機能した」、Proceedings 130巻2号(2004年)、https://www.usni.org/magazines/proceedings/2004/february/maneuver-warfare-it-worked-iraq

[2] フレデリック・ケイガン(Frederick Kagan)ほか、「ウクライナと現代戦争における機動性の回復という課題」(ワシントンD.C.:戦争研究所、2024年)、11–12ページ、ピーター・ガルシアーノ(Pieter Garciano)、グレース・マップス(Grace Mappes)、フレデリック・ケイガン(Frederick Kagan)著「スヴェチンの戦略における陣地戦」(ワシントンD.C.: 戦争研究所、2024年)、8–13ページ;マイケル・ピーターセン(Michael Petersen)、ポール・シュワルツ(Paul Schwartz)、ガブリエラ・イヴェリス・ロサ=エルナンデス(Gabriela Iveliz Rosa-Hernandez)著「ウクライナ戦争の教訓に基づくロシアの将来戦のコンセプト」(ワシントンD.C.:海軍分析センター、2025年)、19–22ページ。

[3] デビッド・チャンドラー(David Chandler)著「ナポレオンの戦役」(ロンドン:スクリブナー出版、1973年)、381–383ページ。

[4] チャンドラー(Chandler)著「ナポレオンの戦役」(ロンドン:スクリブナー出版、1973年)、422–439ページ。

[5] ピーター・ガリカーノ(Pieter Garicano)、グレース・マップス(Grace Mappes)、フレデリック・W・ケイガン(Frederick W. Kagan)著「アレクサンドル・スヴェチンの戦略における陣地戦」、戦争研究所、2024年4月30日、https://understandingwar.org/research/russia-ukraine/positional-warfare-in-alexander-svechins-strategy-2/;ハリー・ハレム(Harry Halem)著「陣地戦」、Marine Corps Gazette、2024年1月9日、https://www.mca-marines.org/gazette/positional-warfare/;リチャード・シンプキン(Richard Simpkin)著「速さを競う:21世紀の戦いに関する考察」(ネブラスカ大学出版局、1985年)、24ページ。

[6] フレデリック・ケイガン(Frederick Kagan)他著「ウクライナと現代戦争における機動性の回復という課題」(ワシントンD.C.:戦争研究所、2024年)、11–12ページ、ピーター・ガルシアーノ(Pieter Garciano)、グレース・マップス(Grace Mappes)、フレデリック・ケイガン(Frederick Kagan)著「スヴェチンの戦略における陣地戦」(ワシントンD.C.: 戦争研究所、2024年)、8–13ページ;マイケル・ピーターセン(Michael Petersen)、ポール・シュワルツ(Paul Schwartz)、ガブリエラ・イヴェリス・ロサ=エルナンデス(Gabriela Iveliz Rosa-Hernandez)著「ウクライナ戦争の教訓に基づくロシアの将来戦のコンセプト」(ワシントンD.C.:海軍分析センター、2025年)、19–22ページ。

[7] エイモス・フォックス(Amos Fox)著「機動戦の終焉:21世紀の陸上戦」(ブルームズベリー、2026年)、34–36ページ。

[8] フォックス(Fox)著「機動戦の終焉:21世紀の陸上戦」(ブルームズベリー、2026年)、34–36ページ。

[9] 同上

[10] 同上

[11] DOTMLPF-P:ドクトリン(Doctrine)、組織(Organization)、訓練(Training)、装備品(Materiel)、リーダーシップと教育(Leadership and Education)、人事(Personnel)、施設(Facilities)、政策(Policy)

[12] FM 3-0, JP 3-0, Canada 3-0, British Army 3-0, chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.coemed.org/files/stanags/01_AJP/AJP-3_EDC_V1_E_2490.pdf.

[13] エイモス・フォックス(Amos Fox)著「問題を探している解決策:機動戦ドクトリンにおける誤解を明らかにする」、Armor 129巻4号(2017年):17–26ページ;エイモス・フォックス(Amos Fox)著「機動戦は死んだ?用兵の条件と構成要素の理解」、RUSI Journal  166巻7号(2021年):10–18ページ。

[14] FM100-5「作戦(Operations」(Washington, DC: Government Printing Office, 1986)

[15] ドネラ・メドウズ(Donella Meadows)著「システム思考入門」(バーモント州ホワイト・リバー・ジャンクション:チェルシー・グリーン・パブリッシング、2008年)、27–31ページ。

[16] メドウズ(Meadows)著「システム思考入門」150–151ページ

[17] メドウズ(Meadows)著「システム思考入門」151–152ページ

[18] エイモス・フォックス(Amos Fox)著「紛争リアリズム:戦争と戦闘の因果的論理の理解」(イングランド、ノース・ハンプシャー:ハウゲート・パブリッシング、2024年)、72ページ。

[19] フォックス(Fox)著「紛争リアリズム:戦争と戦闘の因果的論理の理解」72ページ

[20] FM100-5「作戦(Operations」12ページ

[21] FM100-5「作戦(Operations」12ページ

[22] エイモス・フォックス(Amos Fox)著「機動戦の終焉:21世紀の陸上戦」(London: Bloomsbury Academic, 2026)144–148ページ

[23] FM3-0「作戦(Operations)」参照

[24] 陸軍ドクトリン発行物(ADP)71940「陸上作戦(Land Operations」(Warminster, England: Land Warfare Development Center, 2017)8–6ページ

[25] 陸軍ドクトリン発行物(ADP)71940「陸上作戦(Land Operations」8–6ページ

[26] 統合ドクトリン発行物(JDP)0-20「英国のランド・パワー」(Bristol, England: Ministry of Defense, 2023)37–38ページ;陸軍ドクトリン発行物(ADP)71940「陸上作戦(Land Operations」(Warminster, England: Land Warfare Development Center, 2017)8–6‐8-7ページ

[27] 陸軍ドクトリン発行物(ADP)71940「陸上作戦(Land Operations」8–6‐8-7ページ

[28] NATO規格AJP-01「連合軍共同ドクトリン」(ベルギー、ブリュッセル:NATO標準化局、2022年)、82–83ページ;FT-03「統合作戦における陸上部隊の運用」(フランス、パリ:部隊運用ドクトリン・センター、2015年)、31ページ。

[29]  「ウクライナの最高司令官は、ロシアとは異なるタイプの軍を率いている」、Economist、2022年12月15日。参照:https://www.economist.com/zaluzhny-profile

[30] Pieter Garicano, Grace Mappes, and Frederick Kagan, Positional warfare in Alexander Svechin’s Strategy (Washington, DC: Institute for the Study of War, 2024), 8.

ピーター・ガリカーノ(Pieter Garicano)、グレース・マップス(Grace Mappes)、フレデリック・W・ケイガン(Frederick W. Kagan)著「アレクサンドル・スヴェチンの戦略における陣地戦」(ワシントンD.C.:戦争研究所、2024年)、8ページ。

[31] Garicano, Mappes, and Kagan, Positional warfare in Alexander Svechin’s Strategy, 8.

ガリカーノ(Garicano)、マップス(Mappes)、ケイガン(W. Kagan)著「アレクサンドル・スヴェチンの戦略における陣地戦」(ワシントンD.C.:戦争研究所、2024年)、8ページ。

[32] シンプキン(Simpkin)著「スウィフトへの競争:21世紀の戦争に関する考察」342ページ

[33] 同上20ページ

[34] 同上

[35] 同上

[36] 同上20ページ

[37] ロバート・レオンハルト(Robert Leonhard)著「機動の術:機動戦理論とエアランド・バトル」(ニューヨーク:バランタイン・ブックス、1991年)著「分単位の戦い:時間と戦争の芸術」(コネチカット州ウェストポート:プレーガー・パブリッシング、1994年)、および「情報化時代のための戦争の原則」(カリフォルニア州ノヴァト:プレシディオ・プレス、1998年)を参照のこと。

[38] ウィリアム・リンド(William Lind)著「機動戦ハンドブック」(ロンドン:ラウトリッジ、2018年)著「新・機動戦ハンドブック」(特殊戦術研究所、2023年)、およびリンドが機動戦に関する数多くのコラムや記事を寄稿している「マリーン・コープス・ガゼット」を参照のこと。エドワード・ラットワック(Edward Luttwak)著「アメリカの戦争様式と軍事バランス」、 「サバイバル21」第2号(1979年):57–60ページ;「戦争の作戦レベル」、「インターナショナル・セキュリティ」第5巻第3号(1980–1981年):61–79ページ;および「消耗戦、関係性機動、そして軍事バランス」、「インターナショナル・セキュリティ」第8巻第2号(1983年): 176–179; およびリチャード・フッカー(Richard Hooker)、ジェームズ・ギャビン(James Gavin)編、「機動戦:アンソロジー」(カリフォルニア州ノヴァト:プレシディオ・プレス、1983年)。

[39] アントゥリオ・エチェバリア(Antulio Echevarria)著「アメリカの戦争様式の再考:独立戦争からアフガニスタンまでの米軍の実践」(ワシントンD.C.:ジョージタウン大学出版局、2014年)、51ページ。

[40] エチェバリア(Echevarria)著「アメリカの戦争様式の再考:独立戦争からアフガニスタンまでの米軍の実践」51ページ

[41] アントワーヌ・ジョミニ(Antoine Jomini)著「戦争概論(The Art of War」(コネチカット州ウェストポート:グリーンウッド・プレス、1971年)、62ページ。

[42] カール・フォン・クラウゼヴィッツ(Carl von Clausewitz)著「戦争論(On War」(ニュージャージー州プリンストン:プリンストン大学出版局)、177ページ。

[43] 同上52ページ

[44] 同上

[45] 同上

[46] ラッセル・ワイグリー(Russell Weigley)著「アメリカの戦争様式:米国軍事戦略・政策史」(インディアナ州ブルーミントン:インディアナ大学出版局、1973年)、82–85ページ。

[47] シダールト・カウシャル(Sidharth Kaushal)著「陣地戦:21世紀の紛争におけるパラダイム」、RUSI Journal 第163巻第2号(2018年):35ページ。

[48] カウシャル(Kaushal)著「陣地戦:21世紀の紛争におけるパラダイム」35ページ

[49] 同上36ページ

[50] 同上37ページ

[51] 同上37-38ページ

[52] 同上38ページ

[53] この理論は、著書の「機動戦の終焉:21世紀の陸上戦」に記された戦いの理論を改訂したものである。

[54] ウォルター・ペリー(Walter Perry)他著「イラクの自由作戦:決定的な戦争、つかみどころのない平和」(サンタモニカ:RANDコーポレーション、2015年)、32–34ページ。

[55] マイケル・コフマン(Michael Kofman)著「ウクライナの持久の戦争:紛争5年目の優位性のための闘い」、Foreign Affairs、2026年2月16日、https://www.foreignaffairs.com/russia/ukraines-war-endurance

[56] これはまた、著者が「機動戦の終焉:21世紀の陸上戦」で提唱した「陣地戦」理論を若干修正したものである。

[57] フォックス(Fox)著「機動戦の終焉:21世紀の陸上戦」144–146ページ

[58] レオンハルト(Leonhard)著「情報化時代のための戦争の原則」64ページ

[59] ジェームズ・レイニー(James Rainey)、戦闘研究研究所(Combat Studies Institute)の「作戦指揮経験プロジェクト」チームによるインタビュー、デジタル録音、2006年4月19日。カンザス州フォート・レブンワース、https://cgsc.contentdm.oclc.org/digital/api/collection/p4013coll13/id/162/download

[60] トーマス・リックス(Thomas Ricks)著「フィアスコ:イラクにおける米軍の冒険、2003年から2005年」(ニューヨーク:ペンギン・ブックス、2007年)、399ページ;ティモシー・マクウィリアムズ(Timothy McWilliams)、ニコラス・シュロッサー(Nicholas Schlosser)著「ファルージャの戦い――戦闘に臨む米海兵隊:ファルージャ」(ワシントンD.C.:ミリタリー・ブック・ショップ、2014年)、6ページ。

[61] レイニー(Rainey)、戦闘研究研究所(Combat Studies Institute)の「作戦指揮経験プロジェクト」チームによるインタビュー

[62]  ジェレミー・ブラック(Jeremy Black)著「戦車戦」(インディアナ州ブルーミントン:インディアナ大学出版局、2020年)、165ページ。

[63] アンドレア・スコット(Andrea Scott)著「ファルージャの第二次会戦:15年後」、Marine Corps Times、2019年11月27日。

[64] レオンハルト(Leonhard)著「情報化時代のための戦争の原則」78ページ

[65] エイモス・フォックス(Amos Fox)著「ロシア・ウクライナ戦争:紛争発生から2年を経た戦略的評価」、米国陸軍協会、「陸上戦論文」第158号(2024年):9–13ページ。

[66] デビッド・ジョンソン(David Johnson)著「戦車は死んだ:ジャベリン、スイッチブレード、そして……万歳?」、War on the Rocks、2022年4月18日、https://warontherocks.com/2022/04/the-tank-is-dead-long-live-the-javelin-the-switchblade-the/

[67] ミック・ライアン(Mick Ryan)著「ウクライナをめぐる戦争:砲火の下での戦略と適応」(メリーランド州アナポリス:海軍研究所出版局、2024年)、186頁; イザベル・クルシュディアン(Isabelle Khurshudyan)著「これは砲撃戦だが、ウクライナは依然としてジャベリンで戦車を撃破している」、Washington Times、2022年8月5日、https://www.washingtonpost.com/world/2022/08/05/ukraine-war-javelins-russia-tanks/

[68] マーク・ガレオッティ(Mark Galeotti)著「プーチンの戦争:チェチェンからウクライナへ」(オックスフォード:オスプレイ・パブリッシング、2023年)、347–351頁。

[69] クリストファー・ローレンス(Christopher Lawrence)著「キエフの戦い:ウクライナの首都をめぐる闘い」(イングランド、バーンズリー:ペン・アンド・ソード・ブックス、2024年)、148頁。

[70] アンドルー・クレイマー(Andrew Kramer)著「彼らは自らの村を水没させ、ロシア軍を食い止めた」New York Times、2022年4月27日、https://www.nytimes.com/2022/04/27/world/europe/ukraine-russia-war-flood-infrastructure.html

[71] 「ウクライナ、キエフへのロシア軍の進撃を阻止するためダムを爆破 一部住宅は依然として浸水状態」Reuters、2022年5月28日、https://www.reuters.com/world/europe/months-after-dam-destroyed-stop-russian-advance-parts-village-still-flooded-2022-05-29/

[72] レオンハルト(Leonhard)著「情報化時代のための戦争の原則」61–64ページ

[73] アンドルー・カー(Andrew Carr)、ベンジャミン・ウォルシュ(Benjamin Walsh)著「ファビアン戦略:空間と時間をどう交換するか」Comparative Strategy第41巻第7号(2022年):80–84頁。https://doi.org/10.1080/01495933.2021.2017749

[74] クレイトン・トーマス(Clayton Thomas)著「アフガニスタン:背景と米国の政策」、議会調査局 R45122(2024年):3頁、https://crsreports.congress.gov/product/pdf/R/R45122

[75] ジブラン・アフマド(Jibran Ahmad)著「タリバン、アフガニスタンの和平交渉を否定」、Reuters、2018年12月29日、https://www.reuters.com/article/us-afghanistan-taliban/taliban-dismiss-afghanistans-peace-talks-offer-idUSKCN1OT051; 「グローバル・コンフリクト・トラッカー:アフガニスタンでの戦争」、外交問題評議会、最終更新日2024年7月1日、https://www.cfr.org/interactive/global-conflict-tracker/conflict/war-afghanistan

[76]  「アフガニスタンからの米軍撤退」、White House、2023年4月6日、https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2023/04/US-Withdrawal-from-Afghanistan.pdf

[77] リアザット・バット(Riazat Butt)著「タリバン政権樹立から3年間のアフガニスタンにおける出来事の年表」、Associated Press、2024年8月14日、https://apnews.com/article/afghanistan-taliban-takeover-timeline-df3df916cae4b07d53a302dc9a2811d8

[78] トーマス(Thomas)著「アフガニスタン:背景と米国の政策」2ページ

[79] 「2023年 国別軍事衛星」、World Population Reviewhttps://worldpopulationreview.com/country-rankings/military-satellite-by-country(2023年9月1日閲覧)。

[80] オーブリー・デッカー(Aubrey Decker)著「中国の衛星が、長距離標的捕捉における米国の「独占」を打ち破っている」、Defense One、2024年5月2日、 https://www.defenseone.com/threats/2024/05/new-chinese-satellites-ending-us-monopoly-ability-track-and-hit-long-distance-targets/396272/.

[81] テレサ・ヒッチェンズ(Theresa Hitchens)著「天を監視する:宇宙軍は1,000の「優先目標」と600のセンサーを保有」、Breaking Defense、2024年5月2日、 https://breakingdefense.com/2024/05/monitoring-the-heavens-space-force-has-1000-priority-targets-600-sensors/.

[82] ヒッチェンズ(Hitchens)著「天を監視する:宇宙軍は1,000の「優先目標」と600のセンサーを保有」

[83] デビッド・バーノ(David Barno)、ノラ・ベナサヘル(Nora Benasahel)著「米陸軍がウクライナから学ぶべきその他の重要な教訓」、War on the Rocks、2022年6月27日、https://warontherocks.com/2022/06/the-other-big-lessons-that-the-u-s-army-should-learn-from-ukraine/

[84] ジーナ・カヴァッラーロ(Gina Cavallaro)著「透明な戦場:戦闘訓練センターがハイテク戦に向けた部隊戦術を磨く」、米国陸軍協会、2024年6月25日、https://www.ausa.org/articles/transparent-battlefield-combat-training-centers-sharpen-unit-tactics-high-tech-fight

[85] マシュー・フォード(Matthrew Ford)著「イノベーションから参加へ:接続性と現代戦争の遂行」『International Affairs』第100巻第4号(2024年):1549ページ。https://doi.org/10.1093/ia/iiae061

[86] エイモス・フォックス(Amos Fox)著「将来の戦争がもたらす課題における神話と原則」、米国陸軍協会、陸上戦論文 23–7(2023年)、https://www.ausa.org/publications/myths-and-principles-challenges-future-war

[87] フランツ=シュテファン・ガディ(Franz-Stefan Gady)著「ドローンの軍団がウクライナの戦場をどう変えたか」、Foreign Policy、2023年12月6日、https://foreignpolicy.com/2023/12/06/ukraine-russia-war-drones-stalemate-frontline-counteroffensive-strategy/

[88] ステイシー・ペティジョン(Stacie Pettyjohn)、ハンナ・デニス(Hannah Dennis)、モリー・キャンベル(Molly Campbell)著「海峡を越える群れ:台湾防衛をめぐる将来の闘いにおけるドローン戦」(ワシントンD.C.:新アメリカ安全保障センター、2024年)、48ページ。

[89] ペティジョン(Pettyjohn)、デニス(Dennis)、キャンベル(Campbell)著「海峡を越える群れ:台湾防衛をめぐる将来の闘いにおけるドローン戦」48ページ

[90]  「戦略的陸上戦力に関する対話:ジェームズ・レイニー将軍との対談」、米国陸軍協会、2025年3月26日、https://www.youtube.com/live/JPRBOZOVkmE?si=EZ38PkdpApK9_IeA

[91] ジャック・スミス(Jack Smith)著「ペントミック・ドクトリン:将来の戦争のモデル」、高等軍事研究科、指揮幕僚大学、カンザス州フォート・レブンワース、1994年5月20日、https://apps.dtic.mil/sti/tr/pdf/ADA284721.pdf

[92] R.F.M. ウィリアムズ(R.F.M. Williams)著「ペントミック軍の興亡」、『War on the Rocks』、2022年11月25日、https://warontherocks.com/2022/11/the-rise-and-fall-of-the-pentomic-army/

[93] エイモス・フォックス(Amos Fox)「将来の戦争がもたらす課題における神話と原則」、米国陸軍協会、陸上戦論文 23–7、2023年12月4日。