日本はKongsberg とのF-35スタンオフミサイルの契約

13日のDefense News[1]では、ノルウェーのKongsberg社が日本とのスタンドオフ対地対艦ミサイルJSMの契約を結んだとしている。搭載を予定しているのは、現在導入中のF-35型機であるという。
Kongsberg Defence & Aerospaceの社長であるエリック・ライ氏は「これは、JSMプログラムが量産フェーズに入るためのこの主要な第一歩である。」と語っている。
一方、読売新聞[2]では、防衛省は、航空自衛隊の戦闘機に搭載し、敵の射程圏外から敵の艦艇を攻撃できる、国産初の長距離巡航ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)を初めて開発する方針を固めた。
中国海軍の攻撃能力の急速な進歩に対応するもので、射程を400キロ・メートル以上に伸ばして抑止力を強化する。数年以内の実用化を目指す。
昨年12月に策定された防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)には、日本の離島などへ侵攻する敵に対し、射程圏外から反撃し、排除する「スタンド・オフ・防衛能力」の強化を明記した。新型ミサイルの独自開発は、それを受けた措置となるとしている。
政府はすでに、F35に搭載するノルウェー製の「JSM」(射程500キロ)や、いずれも米国製で、射程900キロの対艦用のミサイル「LRASM」(ロラズム)、「JASSM」(ジャズム)の導入を決定している。
F-35型機の導入に際しては、国際共同開発に伴う航空機の生産・維持体制の特殊性や性能発揮のために搭載装備等の国内産業の参画機会の少なさが問われており、今後の航空防衛力整備に伴う国内産業基盤への対策が必要とされている。
取り巻く脅威環境への対応のための外国産ミサイルの導入と国産の新型ミサイルの研究開発をどう整合させていくか今後の防衛力整備の方向を見るうえで重要な問題であると考える。
ノルウェーのKongsberg とのF-35スタンオフミサイルの契約の記事を紹介したい。

Japan inks deal with Kongsberg for F-35 standoff missile
(日本はKongsberg とのF-35スタンオフミサイルの契約)

メルボルンオーストラリア― ノルウェーの会社のKongsberg Defence & Aerospaceは、F-35ライトニングⅡ戦闘機のジョイントストライクミサイルの初度の供給をするために日本との契約に入った。

「これは、JSMプログラムが量産フェーズに入るためのこの主要な第一歩である。」とKongsberg Defence & Aerospaceの社長であるエリック・ライは語り又次のように付け加えた。「弊社は、日本のF-35部隊へJSMを提供する会社として選ばれたことを非常に光栄に感じている。」
Kongsbergも日本も契約による契約額やミサイルの数量を開示していない。日本の3月31日に始まる来年度の予算によるとミサイルの取得のために73億円(6,560万USドル)が計上されている。これは、確かに初度購入の少額の経費を表しており、将来の予算サイクルの中でのみ明らかになる様なミサイルのファンドである。特に、JSMは2020年代に予定のブロック4ソフトウェアのリリースの間にF-35Aにインテグレーションするために予定しているものである。

以前の調査で、2発のJSMがF-35Aの内装ウェポンベイ(注;内装弾倉)に適合することが確認されたが、STOLのF-35Bでは、外装ステーションでのみ装備可能となっている。日本は、最終的に42機のF-35Bを含む合計157機のF-35型機の調達を計画している。その東アジアの国は、今年の後半に最初のF-35A飛行隊を立ち上げるだろう。
日本の航空自衛隊は、現在、戦闘機の受領とともにパイロットと地上整備員の訓練を実施している。
Kongsberg社によると、JSMは、水上艦、地上目標に対して用いることが出来、又、F-35に内装して運搬できる唯一の長射程ミサイルで有り、内装故に戦闘機に低視認性のステルス性能を維持できる。
JSMは、Kongsberg社の「land- and ship-launched Naval Strike Missile」に基づいており、初めて対水上艦ミサイルを主目的としたものである。Kongsberg社は、JSMは、低視認性、迅速性、柔軟性のあるスタンドオフ地上攻撃能力を特徴としている。イメージ赤外線目標シーカーは、目標を識別するために使用されている。ミサイルは、high-high-lowプロファイルで、300マイルを超える射程を有している。
2015年、オーストラリアは自国のF-35にJSMを獲得を目的として、既存の赤外線ターゲットシーカーを補完するためにパッシブ無線周波数シーカーの開発に資金を提供することに合意している。(黒豆芝)

[1] https://www.defensenews.com/air/2019/03/13/japan-inks-deal-with-kongsberg-for-f-35-standoff-missile/

[2] https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190317-OYT1T50060/