レセオンテクノロジーズの防衛事業は弱含みの航空宇宙市場をバランス

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掲載:2020年7月30日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Richard Pettibone FI社アナリスト
 (この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)

Raytheon Technologies Defense Operations Balancing Weak Aerospace Market   July 30, 2020 – by Richard Pettibone

歴史的なCOVID-19パンデミックが始まった時に組織された新レセオンテクノロジーズは、期待どおりにその役割を果たしている。
4月にレイセオンとユナイテッドテクノロジーズコーポレーション(UTC)が合併し、740億ドル規模の強大な国防企業が誕生した。
新レイセオンテクノロジーズは、今、ロッキードマーティンに次ぐ2番手の防衛請負業者となった。会社全体としては、同社はボーイングに次いで世界で2番目に大きい航空宇宙および防衛複合企業となり、収益は2つの市場にほぼ分かれている。

この「対等合併」は、レイセオンの防衛専門技術とUTCの商用航空宇宙事業を融合させたものである。
両社の製品ラインはほとんど重複していないため、新しいレイセオンテクノロジーズコーポレーションは、ミサイル防衛システムから航空会社の座席までの範囲の製品を備えた多様な航空宇宙及び防衛コングロマリットとなる。
レイセオンテクノロジーズは、2020年第2四半期の売上高141億ドル、売上高の調整額143億ドルと報告した。同社は第2四半期に継続事業から38億ドルの純損失を記録し、44億ドルの重要な経常費用・非経常費用と買収会計調整を含み、純利益調整額は5億9,800万ドルであった。
レイセオンとUTCの過去5年間の結果を組み合わせた非公式のプロフォーマ(特定条件下の仮の)チャートは以下のとおり。

レイセオンテクノロジーズは、防衛向けのインテリジェンス、宇宙&航空システム、統合防衛&ミサイルシステム、およびコリンズエアロスペースとプラットアンドウィットニー向きの商用航空宇宙の4つのビジネスで構成されている。

この多様化は、これまでのところパンデミックへの対応における同社の成功の鍵となっていることを証明している。パンデミックは引き続きレイセオンテクノロジーズの商用航空ビジネス、主にコリンズエアロスペースとプラット&ホイットニーに大きな影響を与えているが、これはレイセオンの防衛事業によってバランスが取れている。
この多様化により、企業は短期的な商用航空宇宙事業の向かい風を相殺することができている。

しかし、パンデミックは、同社を無傷のままで置かない。

同社は、飛行機の移動が劇的に減少した結果、商用航空宇宙事業で約8,000人の雇用を削減した。この削減は、同社がキャシュを温存しようとするため、約20億ドルのコストを削減するための全体的な計画の一部である。
民間航空への圧力は今後も続くと予想され、航空トラフィックは早くても2023年まではパンデミック前のレベルに戻る可能性は低いと思われる。
パンデミックの期間中、商用事業は苦境となるが、同社の防衛事業はこれまでのところ強力な結果を出している。同社は、その兵器のライフタイムを通して約100億ドルの価値があると予測されている新しい米空軍長距離スタンドオフ兵器(LRSO)など、いくつかの主要な契約を上半期に獲得した。

防衛ユニットは、サウジアラビア王国のTPY-2レーダーに対して23億ドルの契約も締結した。これらの新たな契約と継続中の商談により、防御の受注残は過去最大の731億ドルに達した。-これは、今後数年又、それ以降もレイセオンテクノロジーズにとって強固な基盤を準備するのに十分である。
今後、合併後の会社はその価値を示すことができるはずだ。

資産の統合は現在進行中であり、同社は「相乗効果のターゲット」に達した場合、10億ドル以上の節約を実現したいと考えている。これは、危機後に多くの企業が商業市場と軍事市場の両方でコストを低く圧縮しようとするため、決定的に重要であると思われる。
エアバスやボーイングなどの業界のプライムは、コストを削減することにさらに熱心であり、これは、元々UTCにロックウェルコリンズの買収とコリンズエアロスペースの設立を促進したアクショであった。

同時に、ペンタゴンとの契約において、コスト圧力は常に重要な要素である。

事業を統合することにより、新会社はより低いコスト目標を達成するために、自社の事業において規模の効率を上げることを目指している。さらに、多様化は、UTCが基礎としていた旧態のコングロマリットモデルを追求。-一方の市場がダウンすると、もう一方の市場がアップし、ビジネスサイクル全体に弾力性を提供する。

今後数年間は、業界が長期的な危機になりそうなものに対処することになり、不安定になると思われる。長期的に、レイセオンテクノロジーズは、「ニューノーマル」が確立された後、強固に位置付けられる基盤を築いていくものとなるだろう。(黒豆芝)