航空自衛隊のF-2後継機の周辺

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3月6日の日経新聞電子版[1]に「次期戦闘機、日米で共同開発 英国は技術協力のみ。政府は航空自衛隊が2030年代半ばに導入する「次期戦闘機」(いわゆるF-2後継機)の開発に関し、日米共同で取り組む方向で調整に入った。」という記事が出ていました。

この内容については、AVIATION WEEK[2]では、「各社が提案している現行機種の改良型にはならならず、これまで報じられてきたF-22をベースにF-35のシステムを盛り込んだ機体をロッキード・マーチンと国内企業が共同開発するという計画ではなくなることを意味する。」としています。
更に「防衛省の構想によると、同機は長い航続距離と大型の内蔵ウェポンベイを持つ非常に大型の機体となっているレーダー・センサー類・電子戦システム等を制御するミッションシステムは日本側が開発することとしており、これにより将来的なシステムのアップグレードを日本が主導できることが重要視されている。参画する主要な国内企業は三菱重工業・東芝・IHIになる見込み。」と開発に関わる企業まで明らかにしています。

米国と英国の両方と協力して開発する可能性は無くなったようですが、英国との技術協力による「テンペスト戦闘機プロジェクト」の関連機器が関与する余地は残されているようです。
此に呼応するかのように、英国のジェーンズが10日、日本が戦闘機F-2の後継機として開発予定の次期戦闘機「F-3(仮称)」開発パートナー国はまだ決定されていないと報じていますが、どうも日経の記事のようになると考えるのが妥当のようです。

3月1日、Airforce Magazineに「Japan Needs More Fifth-Generation Jets」[3]という記事が出ていました。

この記事の引用元は、米空軍のミッチェル研究所[4]で昨年の12月に発表された「Securing the Pacific Skies: The Imperative for Expanding Japan’s Fifth Generation Capacity」のレポートで、興味ある方はレポートを読まれるのも良いかと思いますが、今回は、報道を読み解くのにちょうど良いボリュームなので、AF Magazineの記事を紹介したいと思います。(黒豆芝)


Japan Needs More Fifth-Generation Jets

By David A. Deptula USAF (Ret.), Douglas A. Birkey and Heather Penney
March 1, 2020


FB-22のアーティストのコンセプト。日本のF-2型機の更新に提案された航空機は、USAFのF-35とF-22のベストをハイブリッドの第5世代の航空機へ融合。写真:USAF; イラスト:塚本マイク/スタッフ
日本は、F-2戦闘部隊の近代化により戦略的優位性を獲得出来る。 

日本は、アジア太平洋戦域における力の均衡のための広範な作戦的・戦略的な影響を有する深刻な軍の近代化の課題に取り組んでいるところである。日本の航空自衛隊(JASDF)は、その老朽化したF-2マルチロール戦闘機をどのように更新するか、又、後継機の開発に伴う予算額を早急に決定しなければならない。

F-16から派生したF-2は、2000年に航空自衛隊の主力多用途機として就役した。今日、20年が過ぎて、中国がこの地域での空軍の近代化に積極的に取り組む様になっているようになっているため、F-2は、陳腐化への道をたどっている。
日本がどのような航空機を決定するにしても、今後10年で中国の第5世代航空機と対応する事になる。

日本政府は最近、2020会計年度に「国際協力による日本主導の新型航空機の開発」を開始する事業に1億2000万ドルを正式に承認した。その意図は、既存又は新興のシステムや技術の再利用・適応を通じて、コストとリスクを削減することである。

オプションとして:F-22とF-35の特性を活用または組み合わせるもの、又、特定の航空自衛隊の任務要求に対処するための特定の機能も準備される。
脅威下の生存のための最新のステルス技術、状況認識用の先進センサー、全てのセンサーデータを管理するための最先端のデータ処理、およびリアルタイムで他の戦闘パートナーと協力する機能をサポートするデータリンクを装備する。
このような先進装備は、中国が純国産の第5世代航空機を追求していることを考えると非常に重要である。中国の洗練された接近阻止及び領域拒否(A2 / AD)技術やその高度な軍事力投影システム。

F-22およびF-35を基礎とするF-2の後継機は、開発期間及び数百億ドルに相当するコストのリスクを低減することになる。
いずれにせよ、F-2の後継の第5世代機の場合は明確であり、日本には、実績のある利用可能な米国の技術を新たに作り出す時間(又は相当する防衛予算)が無いのである。

F-2更新の他のオプションは存在するが、実績のあるF-22及びF-35を活用するアプローチほど説得力のあるものはない。代替案として、日本は、ユーロファイター・タイフーンや日本の要求に合わせた近代化されたF-15など新造の第4世代戦闘機の調達を続けることができる。
しかし、体系的なステルス設計と組み込みの第5世代情報システムがなければ、これらの航空機は将来の日本のパイロットがA2 / AD環境で生き残るために必要な必須の特性を欠く事になる。

検討中のもう1つのオプションは、欧州のコンソーシアムと提携して、新しい先進的な戦闘機を開発することである。
このアプローチは有望な航空機を生み出す可能性があるのだが、期間が重要なであり-フフランスとドイツ及び英国の先進航空機の施策も、未だコンセプトフェーズ良すぎない。これは、中国の運用に向けて順調に進んでいるJ-20とFC-31の両機とは対照的である。
欧州の防衛プロジェクトを考えると、作業分担量と政治的公平性は問題である。日本はどんな合意においてもマイノリティーなステークホルダーになる可能性が高い。

中国の積極的な第5世代の開発と近代化の攻勢を考えると、欧州企業とのパートナーシップは、日本が必要とする能力を時間枠と希望する価格で提供できない可能性がある。
最後の選択肢は、日本がまったく新しい戦闘機を独自に開発することである。
ただし、潜在的な高コストとリスクを考えると、このオプションは、必要以上に戦闘力の配備を遅らせたり、予算配分を他の防衛上の優先事項から転換することにより、日米同盟の態勢を弱める可能性があるのだ。

航空戦の年譜を振り返ってみると、技術の進歩とともに多くの変化があった。
しかし、ミッションは依然として永久的な教義の基礎に依拠している。
何よりもまず、航空優位性は軍事的勝利に必要な決定的な任務であり、条件である。
第二に、高品質の情報を収集、処理、行動する能力は、脆弱性の過度な突出を最小限に抑えながら、パイロットが望ましい効果を得る能力を大幅に強化する。
第三に、航空機の損失は望ましい効果の達成を妨げ、長期にわたって軍事作戦を維持する能力を急速に損なうため、生存は最重要事項である。これらの時の試練を経た事実に耐えられない国は、敗北の危険を冒す。

過去の時代では、これらの目標を達成するためには、ミッション固有の航空機の全く別の力が必要であった。-制空戦闘機;指揮統制、情報、監視、偵察(C2ISR)用の航空機; そして最近では、カスタマイズされたステルス航空機。
今日、最新の技術により、これらの個別のミッション領域を第5世代戦闘機の形として単一の航空機に統合している。F-22ラプターとF-35ライトニングIIは、航空又は、地上のターゲットを攻撃できる非常に致命的な動的プラットフォームである。センサー、処理能力、先進的なパイロットインターフェイスが搭載されている。
それらのステルス設計、状況認識、およびリアルタイムの脅威情報を処理する能力は、-ミッションパートナーと主要なデータを共有しながら、-戦術的な優位性と生存性を保証する。多くの過去の航空機はこれらの特性の1つまたは2つを所有しているが、第5世代航空機だけが、完備したパッケージを提供できるのだ。.

2019年8月、タイのウドーンタイ王国空軍基地でのタイ空軍と共同訓練中のJ-10戦闘機の中国人パイロット。彼の翼にはさらに2機のJ-10。写真 /中国国防省
第5世代標準

 2014年9月22日の夜、F-22は、シリアに対するイスラム国家(ISIS)に対する「生来の決意作戦(OIR)」の開戦段階の一部として、最初の戦闘ミッションを実行した。
パイロットは、高度な防空、多面的な国際的な力学、および国家間レベルでの意図しないエスカレーションのリスクを克服する必要があった。

F-22のパイロット中の1人が語ったように、「私たちは本質的に、厳密に言えば戦争状態に無く、友好国では無い別の国の主権国家の境界内にいる非国家主体を狙い、標的にしている。連合の目的の重要な部分は…状況を悪化させるようなことをしないことだ。」2015年にシリアにロシア軍が到着したことで、利害関係はさらに高まった。

OIR「生来の決意作戦」のその最初の夜、そして作戦に至るまで、F-22は、適切なタイミングで適切な場所に位置し、危害から逃れ、敵軍と対立しないようにするために、戦闘空間を理解し、連合航空機と通信することに集中した。「他の航空機よりも多くの情報が手元にあった。」と一人のF-22パイロットが思い出しました。「大きな決断を下すのが簡単になった。」E-3 AWACSやE-8 JSTARSなどの航空機は、何十年もの間、戦闘空間の情報を収集、処理、配布してきた。

しかし、商用旅客機をベースとしたこれらの航空機は、任務を遂行し、安全に帰国するために航空優位性を必要とする。
これはシリアでは不可能であった。シリアでは、その作戦に突入する数か月前にISISがヨルダンの戦闘機パイロットが残忍に処刑され、すべての多国籍軍の安全を確保する必要性について疑いが無い状況になった。
シリア内戦中、トルコ空軍が飛行したF-16を含む100機以上の航空機が撃墜された。ステルス対応のサバイバビリティは、状況認識と相まって、F-22を際立たせた。

戦闘司令官はこれらの明確な特性を認識し、2014年の最初の戦闘任務以来、F-22をOIRの戦闘で活用した。
「F-22の低観測性は、統合されたアビオニクスと組み合わされ、優れた飛行士の手に渡り、力と操縦の自由を投影する能力を与えてくれた。」当時の米空軍中央司令官であり、現在は欧州空軍アフリカの米空軍司令官であるジェフリー・ハリギアン大将は語った。「重要な点として、ラピュター(F-22)は、重大な脅威を伴う非常に複雑で流動的な環境で、我々の人員に対する戦略的リスクを押し下げた。」

2018年の1つの展開では、F-22が防空任務で飛行し、シリアおよび中東での590ソーティ中に587機を阻止した。
その配備は、アサド政権の化学兵器の使用に対応する2018年4月の米国主導の軍事攻撃中に、シリアの奥深くへの攻勢対航空任務で飛行して、シリアの戦闘機とシリアの防空システムを阻止する防空任務が含まれていた。
これらのF-22戦闘機が、動的な破壊活動行うこと無しで、航空優勢の目標を達成したという事実は、敵味方に関わらずその戦闘機による支配に関心が寄せられた。

これがまさにロシアや中国のような国が独自の第5世代戦闘機の開発に焦点を合わせている理由であり、F-35の同盟国の販売がペースを上げ続けている理由である。
抑止のシグナルを送ること、地上の人員を守ること、限られた作戦を実行すること、または主権を保証することのいずれにおいても、第5世代の航空機は、政治的手腕を支える重要なツールである。

アラスカ州イールソン空軍基地のラインにいる日本航空自衛隊F-2、2019年6月のレッドフラッグ飛行の準備。写真:シニアエアマンクリステンヘラー
中国がもたらす脅威 

中国がもたらす脅威は抽象的なものではない。

アジアの超大国は、3,000エーカー以上の人工島を建設して南シナ海の大部分をすでに軍事化し、軍用滑走路、センサー、地対空ミサイル(SAM)を装備している。
北部では、日本が管理している尖閣諸島など、東シナ海の紛争地域に対する主張に強く反対している。
2013年、中国は一方的に、東シナ海で日本の国際的に認められたADIZに防空識別圏(ADIZ)へその領域を拡大した。
日本の中国の航空機の領空侵犯措置は、2012年の年間約300から2016年の1,200に大幅に増加しており、今日の料金も高いままである。これらの領空侵犯措置のうち、55%は中国の侵入機へのものであり、残りは航空自衛隊によると、ロシアの情報収集機として識別されている。

北京の積極的な行動は、強力な軍事戦闘能力への投資によって支えられている。
人民解放軍の空軍(PLAAF)は現在、1,700機の戦闘機、400機の爆撃機、475機の輸送機、115機の特殊ミッション機を所有している。
PLAAFは、Su-27やSu-30などのロシアの設計に基づく第4世代機と、その国産型のJ-10戦闘機と共に保有の戦闘機を近代化することにも投資している。
また、2つの新しい第5世代戦闘機、J-20とFC-31を開発し、迅速に配備した。FC-31は中国の武器売買の顧客に利用可能であると理解されている。
中国が極超音速兵器で新しい第5世代戦闘機を武装しようとしていると示唆している分析がある。

米国国防総省の年次中国報告書は、中国のエンジニアが固体燃料のラムジェットミサイルエンジンのテストに成功し、この能力により300キロメートル(180マイルの)のレンジを有する将来の極超音速空対空ミサイルをJ-20に装備することができると見積もられると報告している。
これらの新しい戦闘力は、航空自衛隊の殆ど、米国空軍、および米国海軍の航空機である、F-15、F-16、F / A-18、F-2などの様な主要な第4世代戦闘機であるにとって重大なチャレンジとなる。中国の成長する兵器は航空機をはるかに超えている。
人民解放軍は、150基から450基の中距離弾道ミサイル、750基から1,500基の短距離弾道ミサイル、および270基から540基の地上発射陸上攻撃巡航ミサイルを有し、スタンドオフ精密攻撃を行う。

海軍は、この地域で最大の艦隊を誇り、300隻以上の水上艦、潜水艦、水陸両用船、パトロール船、及びその他の特殊船を擁している。中国初の国産航空母艦が間もなく艦隊に加わり、2番目の大型航空母艦が建設中である。

また、中国はSAM、空対空ミサイル、スタンドオフ攻撃ミサイルの到達範囲を拡大し、新しい長距離ステルス爆撃機を開発する方向だと表明した。
DODの見積もりによると、この航空機は2025年までに5,000マイルの範囲で運用可能になり、日本の領土すべてを危険にさらすのに十分になる可能性がある。
これらの投資効果により、中国は強固な防衛能力を備えた地域主体から、際だった軍事力投射能力を備えた世界的な超大国へと変貌する事になる。
軍事的手段によって国境を越えて環境を形作するこの能力は、さらなる投資とともに増大するだろう。

議会に対する国防総省(DOD)年次報告書、「中華人民共和国に関する軍事及び安全保障の進展2019年(以下、DOD中国報告書と呼ぶ。)」によると、「中国の航空及び地上ミサイル攻撃能力の継続的な改善によって、第1列島線の内側又、外側で、他国の軍事力が中国から遠く離れて作戦させることを可能にする。
これらのアセットは、封鎖などの攻撃的な任務だけでなく、プレゼンスと主権の執行を含むさまざまな任務を遂行できる。
中国はまた、PLAのISR機能を強化し、PLAの状況認識の範囲を拡大し、同様に認識された脅威に対するターゲティングとタイムリー対応の改善を可能にすることに焦点を当てている。

これらの作戦には、日本海上での長距離爆撃機の飛行、および長距離軍事投射能力のさらなる課題が含まれている。2016年、2機の中国のH-6爆撃機が、Y-8早期警戒管制機を同伴して飛行した。此が、翌年1月には、6機の爆撃機と2機の偵察機が同じ地域を飛行するという活動に発展した。
8か月後、H-6爆撃機の編隊が宮古海峡を通って沖縄に向かって飛行し、その後本州の紀伊半島に向かって飛行した。

2018年5月、人民解放軍空軍は、台湾周辺で戦闘機と長距離巡航ミサイル対応爆撃機を飛行させ、沖縄近郊の宮古海峡およびフィリピンと台湾間のバシー海峡へのSu-35およびJ-11戦闘機の飛行を支援するために早期警戒機を使用した。
このような作戦は、中国の軍事力を誇示し、国際地域での軍事プレゼンスを通常化し、作戦的に軍事力を投射することが出来る故意の活動を表している。

中国の投資決定も、これらの活動とますます積極的な軍事的スタンスに沿っている。
人民解放軍空軍の副司令官徐安翔中将は最近、「近代空軍の建設は基本的に2035年までに達成される。」と述べた。
有人戦闘機と洗練されたSAM、有人爆撃機と誘導ミサイルによる長距離攻撃、空中給油や貨物機の能力などの後方機能、そして「情報化された戦争」という中国の概念による戦闘力(データの収集、処理、そして実行可能な情報への融合)は、すべて進行中である。

中国は自らを防御するために、船舶、陸上、または南シナ海の人工島に配備した先進的なSAMに頼っている。
人民解放空軍は、ロシア設計のSA-20とSA-21両方と国産型のHQ-9などを備えた「世界で、先進長距離SAMシステムを有する最大の軍の1つ」を保有していると米国防総省の当局者は考えている。
これらのシステムは、さまざまな状況で、大容量、遠距離の脅威を標的とするために、早期警戒管制機にリンクされている。

中国の弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの保有数も懸念されている。
それは、中国の有人爆撃機であり、1機あたり推定6発の陸上攻撃巡航ミサイルを搭載した旧ソビエトH-6、や現在の新しい開発中の長距離ステルス爆撃機である。
その新しい航空機(おそらくH-20と呼ばれる)は、今後10年でデビューする可能性があり、従来型と核兵器の両方少なくとも10トンのペイロードを有し、5,200マイルを超える航続距離を備えている。
これらの異なるツールを組み合わせることで、中国が「情報化」戦争に引き続き注力している。これらの異なるツールを組み合わせることで、中国が「情報化」戦争に引き続き注力している。

マクロレベルでは、この概念は戦闘クラウドタイプの組織を指し、これにより、分散センサーの広範なネットが継続的にデータを収集し、実戦的な知識に処理し、堅牢で機敏なコマンドアンドコントロールシステムを通じてデータを運用する。
中国の習近平国家主席は、「情報化」の努力を加速する必要性を宣伝し、情報通信技術だけでなく中国を米国に対する競争優位を獲得する「破壊的技術」[5]の改善に焦点を当てた中国の開発計画を推奨した。

 

地図:米中経済安全保障審査委員会議会への2018年報告書 173
航空優勢の不均衡の是正

 日本の安全を確保するために、F-2型機の更新は可能な限り最も能力の高い第5世代の航空機にすべきで有り、優れた航続距離とペイロード容量を備えている必要がある。

第5世代の航空機は、4つの基本的な属性を共有している。:全域におけるステルス、優れた空力性能、高度な自動センサー、と情報の融合。これらの機能の相乗効果により、第5世代の航空機は残存性が高く、決定力を有する。
期待される効果を最大限に高めるために適宜に無類の決定的なパワーを投射し、脆弱性を最小限に抑え、リアルタイムで友軍のアセットとチーミング出来る。

運用面から見ると、F-22型機およびF-35型機に基づく第5世代ソリューションの価値は、各航空機の実証済みの長所と、日本独自の脅威環境に対処するために特別に設計された斬新な修正のために十分な余地を持ち合わせている。
概念的には、このアプローチは両方の航空機の主要な利点を組み合わせる事が考えられる。
ただし、日本側の要求では、F-22型機の特性には、高高度での運用、スラスト・ベクターを使用した高性能戦闘機の操縦性能及び燃料消費の多いアフターバーナーを使用しない超音速飛行を維持できる高音速飛行が含まれると考えられる。

しかし、日本の安全保障環境では、尖閣諸島などの地域の空域をパトロールするために、より長距離のレンジを飛行できる航空機が必要であり、F-22に大きな翼を取り付けることによって供給できる内部燃料容量を増やす必要がある。
これは大きな変更ですが、前例のないことでは無い。
2002年までさかのぼると、ロッキードマーティンは、F-22の戦闘爆撃機型を研究したが構築出来なかった。
その設計では、大きなデルタのような翼は機体の最大G制限を減少させたが、翼の設計は胴体形状を保持しながら空中給油の必要性を減らし、それによって航空機のステルスを強化した。
この「FB-22」の設計コンセプトは、もともとは米空軍の地域爆撃機として考えられていたが、F-2型機の代替航空機として日本の長距離空軍任務に適応できるようになった。

別の利点は、サイドベイを拡張するために中央および後部胴体の内部構造を再設計する事が出来る事である。これにより、新しい航空機は6基ではなく最大8基の中距離誘導ミサイルを内装できる。
モディファイされたF-22胴体に、大型化したデルタ翼、そしてF-35型機のスキン及びコーティングを利用するF-2型機の更新機は、日本の脅威環境において無類の生存性を提供する。
同時に、今日のF-35の高度な統合センサーと融合処理は、センサー、アビオニクス、データリンク、融合処理及び情報表示におけるF-22の情報能力を大きく上回る。

同様に、高度なアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーは、パッシブモードとアクティブモードを提供し、在来の航空機における能力よりも高いより強力で効果的な電子攻撃と電子防御能力を発揮する。F-35型機の赤外線センサーとディスプレイシステムは、パイロットのダイナミックなターゲッッティングとその情報の入出力の管理を支援することが出来る。

その脅威において 

日本は中国のA2 / ADの脅威の範囲内にあり、中国の軍事力は成長を続けている。
中国の軍に加えて、予測不可能な北朝鮮政権や、第二次世界大戦にまで遡る領土紛争で北海道北部の千島列島を占有するロシアなど、地域の脅威は依然として日本に隣接している。
F-15J型機などの高度な第4世代型機でさえも、敵の第5世代の航空機、最新のSAM、高度な空対空兵器の脅威の増加によって、ミッション要件を満たすことができ無い。日本が第5世代の戦闘力に投資しない限り、航空自衛隊は中国に対する航空優勢を失だろう。

日本がどのソリューションを選択したとしても、F-22型機とF-35型機を活用する必要がある。
クリーンシートアプローチ(白紙検討)の結果として、スケジュールの遅延、コストの増加、および技術的な未知のリスクを負うよりも、日本は実証済みの技術を活用できる。
このアプローチにより、F-22機体と、高高度での、十分な速度、優れた機動性などの多くの優れた性能をと同時に行動範囲を拡大するための大型化された翼を活用出来る。
これらの特性は、最先端のセンサー、堅牢な処理能力、融合、および他の戦闘アセットとリアルタイムで協力する戦力など、F-35の情報の優位性と一体となる。
F-35プログラムは、新しいレーダー吸収コーティングやステルス「スキン」など、他の技術的進歩にも貢献でるだろう。
これら全てが、A2 / AD脅威環境における比類の生存性とパフォーマンスをもたらす。重要なのは、実証済みの技術を活用することで、このような環境で他の同盟国の第5世代航空機との相互運用性が確保されることであろう。

第5世代のF-2型機の更新機は、「戦闘クラウド」に対応する力を構築する上で重要なノードになる事が出来る。

F-22型機とF-35型機が高度なデータリンクとネットワークを介して情報を共有するように、これらの接続を戦闘空間全体に拡大すると、すべての戦闘機とアセットの状況認識が向上する。孤立したプラットフォームとして飛行するのに対して、戦闘クラウドは、情報化されたコラボレーションがミッションの成功または失敗を決定する高度に統合された組織体を可能にする。戦闘クラウドオペレーションでは、キルチェーンは「キルウェブ」になり、そこでは、ターゲットの発見、指定、追尾、ターゲティング、交戦及び評価が武器となる-プラットフォームに依存せず、一つの地点が失われても破壊される事無く継続的に更新処理される。

この新しい運用コンセプトには、第5世代の接続性と処理能力が不可欠である。しかしながら、これは完全に成熟した第5世代の部隊でのみ可能である。
実際、第4世代の航空機の存在はこのポテンシャルを低下させ、運用を制限するだろう。なぜなら、これらの古いシステムは第5世代の航空機のキーとなる高度なセンサーとアビオニクスによって可能になった近代的なステルス、戦場認識、意思決定の優位性を備えていないからである。
F-2型機の更新の他のオプションがあるが、F-22型機とF-35型機を活用するこの第5世代機のアプローチほど魅力的なものは無い。

たとえば、日本は、日本の要件に合わせたユーロファイター・タイフーンなどの新造機の第4世代の航空機を取得することを続けられるが、系統的なステルスおよび組み込みの第5世代情報システムがなければ、A2 / AD環境下で、これらの航空機は生き残るために必要な属性を欠く事になるだろう。

F-22とF-35を活用することは、日本が中国の軍事的挑戦に対応するために必要とするF-2型機の後継機を展開する最も費用対効果が高く、タイムリーな方法であると証明するだろう。
日本が保有する建設中のF-35部隊と一体となって、F-2型機の更新は日本独自のものであり、2010年にF-22型機の製造ラインが閉鎖されて以来、第5世代戦闘機の分野で達成された低可観測性、センサー、処理能力、機動性による先進性の優位を取ることと成だろう。

日本にとっての第5世代機の必須事項

 核となる米国の同盟国として、日本はこの重要な技術的および運用上の優位性を完全に活用する機会を有している。
第5世代の特性は、単一の航空機に統合しなければならない。
そうで無ければ、現代の戦闘では不足し、現代の脅威環境で生き残ることができない航空機のリソースを無駄に費やすリスクがある。資源が豊富な中国に対する消耗戦争は持続不可能である。

実績のある第5世代戦闘機技術への投資は、日本の空軍の近代化にとって重要であろう。
実績のあるF-22型機およびF-35型機の技術を活用することで、日本は新しい戦闘機をより迅速に投入し、コスト的に、時間的に、リスクの高い開発プログラムのトラップを回避できる。

日本にとって、独自の第5世代ソリューションを構築し、技術開発とコストリスクを短縮する機会は、特に中国の明確な軍事力増強を考えると重要な戦略的利点である。
このアプローチは、米国の第5世代航空機と同様に装備された同盟国およびパートナーとのシームレスな統合のさらなる利点を約束するものである。
F-2型機の更新に関してそのような道を選択することは、日本にとって重要な戦略的優位性を確保し、今後数十年間、アジア太平洋において高い水準の空軍として位置するものとなるであろう。

[1] https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56436030V00C20A3PP8000/

[2] https://aviationweek.com/asia-aerospace-defense/jp-japan-chooses-us-help-fighter-project-report

[3] https://www.airforcemag.com/article/japan-needs-more-fifth-generation-jets/

[4] https://www.mitchellaerospacepower.org/

[5] 「破壊的技術」:従来の価値基準のもとではむしろ性能を低下させるが、新しい価値基準の下では従来製品よりも優れた特長を持つ新技術のことである。また、このような技術、製品、ビジネスモデルがもたらす変化を破壊的イノベーションという。1995年に、クレイトン・クリステンセンがJoseph Bowerとの共著論文にて考案した。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)