米議会の調査レポートの抜粋(MDTF、ReARMM、SFAB)

2021年3月23日に米陸軍広報室の記事によると、同日に米陸軍参謀総長ジェームズ・マッコンビル米陸軍大将署名の「米陸軍のマルチドメイン変革―競争と紛争における勝利への備え」を公表している。この文書はChief of Staff Paper #1とされ、秘密区分なしの扱いの文書である。

この記事によると、その内容は、2035年までに持続的な大規模な戦闘作戦(large-scale combat operations)で敵対者を支配できるマルチドメイン対応の部隊になるために米陸軍自ら変革する方法とその理由である。

「米陸軍は、次の戦いに勝利するための決心の優位性(decision dominance)と、相手を圧倒するために必要不可欠な最先端技術による効力範囲(range)、スピード(speed)、コンバージェンス(convergence)を統合部隊に提供するために大胆に変革する。と米陸軍参謀総長ジェームズ・マッコンビル米陸軍大将は述べている。

米陸軍は現在、我が国の敵対者が統合部隊の質的および量的優位性を獲得し続けているため、戦闘力の適用において革新性、創造性および起業家精神を必要とする変曲点に直面しているとしている。

2035年までに、米陸軍は統合部隊が必要な時期と場所でスピードと効力範囲を通して相手を圧倒する力を提供するマルチドメイン能力の調整された戦力姿勢で機動し、勝つことを可能にする。

将来の侵略を阻止するために、統合部隊は闘って勝つための動じない実証された実力を有しなければならない。米陸軍のマルチドメイン作戦のコンセプトは、統合部隊指揮官と国の政策立案者に、世界規模で一体化され、急速に発展している危機の場合に追加の信頼できるオプションを提供すると同時に、同盟国とパートナーを保証するものであるとしている。

詳細は、Army Multi-Domain Transformationをご覧いただきたい。

ここで紹介するのは、これまでも何度か紹介してきたマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)と、陸軍参謀総長文書の最終章にある「VI. Change: Getting to the MDO Aimpoint」の中に出てくる米陸軍の即応性(readiness)のために現在も適用されている2017年度からの「持続可能な即応性モデル(Sustainable Readiness Model :SRM)」に代わる「地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)」、そして、パートナー国の能力を向上するために2018年2月に運用を開始した「米陸軍安全保障部隊支援旅団(SFABs)」についての米議会の調査レポートの抜粋である。この3つについての調査は軍事地上部隊の専門家のアンドリュー・フェイケルト氏によるものである。(軍治)

米陸軍のマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)

米陸軍の新地域別調整即応・近代化モデル

米陸軍安全保障部隊支援旅団(SFABs)

米陸軍のマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)

The Army’s Multi-Domain Task Force (MDTF)

Updated March 29, 2021

マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)の意義:The Significance of the Multi-Domain Task Force

米国議会は、復活したロシアと中国がもたらす米国の国家安全保障に対する脅威の高まりについて懸念を表明した。米陸軍は、この脅威に対処するために、新しい作戦コンセプト、技術、兵器、および部隊を必要とするマルチドメイン[空、陸、水、宇宙、サイバー、情報]環境で作戦できなければならないと主張している。マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は、この取り組みの陸軍の自称「組織の目玉」である。

マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)とは何か?:What is a Multi-Domain Task Force (MDTF)?

米陸軍参謀総長文書#1:2021年3月16日付けの「米陸軍マルチドメイン変革-競争と紛争における勝利への備え」は、マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)を「全てのドメインにおける敵対者(adversary)の接近阻止・領域拒否(A2/AD)ネットワークに対して、全てのドメインにある精密効果と精密射撃を同期させるようにデザインされた戦域レベルの機動要素であり、統合部隊が、作戦計画で示された役割を遂行することを可能にする」と記述している。

接近阻止/領域拒否(A2 / AD)とは何か? 接近阻止(Anti

Access)は、前進する軍隊が作戦地域に入るのを防ぐためにデザインされた、通常は長距離の行動、活動、または能力として定義される。領域拒否(Area Denial)は、作戦地域内での敵対者部隊の行動の自由を制限するようにデザインされた、通常は短距離の行動、活動、または能力として定義される。兵器システムに関しては、脅威A2 / AD防御は、階層化され一体化された長距離精密攻撃システム、沿岸対艦能力、防空、および長距離野砲とロケット・システムで構成されると想定されている。

マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は、米軍部隊の行動の自由を支援することを意図している。マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は、作戦的レベルから戦略的レベルまで拡張可能であり、統合部隊司令官のニーズを支援するように修正できる。マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)はまた、支援されている指揮官に、統合の対A2 / AD活動の有効性を計画、一体化、統制、追跡、および評価する実力(ability)を提供する。

米陸軍は、各マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)に、すべてのドメインでの敵対者の活動を24時間監視可能な全ドメイン作戦センター(ADOC)を持つことを意図している。

マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)の目的は何か?:What is the Purpose of MDTFs?

最初のマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は、ワシントン州の統合基地ルイス-マコードで実験部隊として2017年に創設され、その能力をテストし、マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)戦力デザインの一部として含まれる装備品と各部隊の要件を開発するためのさまざまな実験と演習に参加した。米陸軍によると、マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)の目的は以下である。

□ 競争の間、「危機または紛争への急速な移行を支援するために、敵対者との接触を獲得し、維持する」こと。

□ 危機の間、「戦闘軍司令官に柔軟な対応オプションを提供することにより、敵対者を阻止し、環境を形成する」こと。そして、

□ 紛争が生じた場合、「統合の行動の自由を可能にするために敵対者のA2 / ADネットワークを無力化する」こと。

マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)の組織 :MDTF Organization

図1の図は、概念的な汎用マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)を示している。

図1.概念的な汎用マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)

 米陸軍参謀総長文書#1:「米陸軍マルチドメイン変革-競争と紛争における勝利への備え」2021年3月16日の12ページ

注:HIMARS:現在米陸軍および米海兵隊で使用されている高機動砲兵ロケット・システム。明示的には述べられていないが、描かれている最初の軍事インテリジェンス(MI)中隊は地上に焦点を当てていると想定され、2番目の軍事インテリジェンス中隊はその軍事シンボルに基づいて宇宙に焦点を当てていると想定されている。

米陸軍は、各マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は戦闘軍指揮官のニーズに合わせて調整されるため、実際には、図1の概念的なマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)には、割り当てられた作戦戦域の要件に応じて、より多くの、より少ない、または他のタイプの部隊が含まれる場合がある。さらに、図1に示されている中距離能力(MRC)中隊と長距離極超音速兵器(LRHW)中隊は、現在、確立された米陸軍部隊ではない。米陸軍は現在、2023年度に最初の中距離能力(MRC)および長距離極超音速兵器(LRHW)部隊を配備することを計画している。

各マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)のための米陸軍の各種計画:Army Plans for MDTFs

米陸軍は5つのマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)を構築することを計画している。2つはインド太平洋地域に合わせて配置されている。1つはヨーロッパに合わせ、 1つは北極圏に駐留し、複数の脅威に向けられている。そして、グローバルな対応のために調整された5番目のマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)である。現在、MDTF-1はワシントン州の統合基地ルイス・マコードに本部を置き、米陸軍太平洋軍と連携している。

米陸軍はヨーロッパにMDTFを駐留させることを公表:Army Announces MDTF Stationing in Europe:

2021年4月13日、米陸軍は、2021年9月16日の発動予定日でドイツにMDTFを駐留させると発表した。MDTF-ヨーロッパは、米陸軍のヨーロッパとアフリカを支援する予定である。MDTF-ヨーロッパは野戦砲部隊、複合防空部隊とミサイル防衛部隊、インテリジェンス、サイバースペース、電子戦、および宇宙部隊、航空と旅団の支援要素で構成される。MDTF-ヨーロッパに配属された兵士とその家族は、米陸軍ヴィースバーデン駐屯地(ドイツ)の一員となる予定である。

議会の潜在的な問題:Potential Issues for Congress:

米国議会の潜在的な問題は、以下を含むが、これらに限定されない。

□ 汎用マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)(図1に示されている)には何人の兵士が割り当てられるか?米陸軍はマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)を作成するために追加の最終強度を要求するか?そうでない場合、米陸軍はこれらの新しい部隊に必要な兵士をどのように獲得するか?他の軍種にはマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)に割り当てられた人員がいるか?

□ マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)1が現在ワシントンの統合基地ルイス-マコードで運用されているが、米陸軍はいつ残りの4つのマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)を「立ち上げる」つもりか?

□ 残りの4つのマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)のいずれかが予備役(米陸軍州兵と米陸軍予備)で創設されるか? そうでない場合、そうしない米陸軍の根拠は何か?

□ 米陸軍は残りの4つのマルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)をどこに配置する計画か?関連する軍事建設(MILCON)の要件は何か?

□ 中距離能力(MRC)中隊および長距離極超音速兵器(LRHW)中隊(2023年度まで活性化されるスケジュールにはない)以外に、マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)の一部として形成する必要がある他の新しい部隊は何か?それらの役割は何であり、これらの部隊はいつ運用可能になるか?これらの部隊は、開発中も特定の装備品を必要とするか?

□ 戦域および戦闘軍司令官のアセットとして、マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は統合部隊を支援するためにどのように作戦・運用するか?

□ 将来の作戦にも同盟国が関与する可能性があると仮定すると、マルチドメイン・タスク・フォース(MDTF)は同盟国と連合パートナーをどのように支援するか?

米陸軍の新地域別調整即応・近代化モデル

The Army’s New Regionally Aligned Readiness and Modernization Model

Updated March 9, 2021

米陸軍の即応性が議会にとってなぜ重要か?:Why Is Army Readiness Important to Congress?

米陸軍は、即応性(readiness)を、敵がもたらす脅威に関係なく、すべての敵の敗北を含む、あらゆる範囲の軍事作戦を実施するための軍隊の能力として定義している。したがって、即応性(readiness)は、各部隊がどれだけ適切に人員を配置し、装備し、訓練し、指導するかの機能である。議会は、その立法、監視、承認および歳出の役割において、米陸軍がその全範囲の軍事作戦を遂行できることを保証する上で重要な役割を果たしている。

米陸軍提案の「地域別調整即応性および近代化モデル」:The Army’s Proposed Regionally Aligned Readiness and Modernization Model (ReARMM)

過去に、米陸軍は、人員、装備、訓練、高い作戦テンポ(一般に、訓練または作戦のために兵士や部隊がホームステーションから離れる時間として定義される)と財源の不足を含む多くの要因のために即応性(readiness)が乏しいことに苦労していると主張した。2020年10月、米陸軍は新しい地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)を公表した。これは、2022年までに導入されることを望んでいる。このモデルは、任務、訓練、近代化を遂行することに専念する期間と作戦テンポ(OPTEMPO)とのより良いバランスをとることを意図したものである。米陸軍は、即応性(readiness)の問題を正しくするためにするために、即応性(readiness)と装備の近代化を改善するために多大なリソースとリーダーシップを投資し、部隊が最新の装備を使用できるようにすることを維持する。

米陸軍は、過去の「即応性(readiness)の焦点が持続不可能な作戦テンポ(OPTEMPO)をもたらし、部隊、指導者、兵士および家族に重大な要求を課し、部隊にストレスをかけた」ことを認めた。米陸軍は、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)が即応性(readiness)と近代化を改善するだけでなく、兵士とその家族の両方へのストレスを和らげることを期待している。

現在の即応性(readiness)と近代化の課題:The Current Readiness and Modernization Challenge

陸軍総軍(FORSCOM)の副司令官であるレオポルド・キンタス米陸軍中将は、米陸軍の現在の即応性(readiness)と近代化の課題について次のように説明している。

今日、米陸軍部隊は予測不可能な環境で、そして間違いなく不安定な環境で作戦している。部隊は、その可用性に基づいてローテーション任務に配置され、これらの任務は、ほんの数例を挙げると、場所、期間、人員配置、即応性の要件、および装備が異なる。今日の近代化は、それに合う窓を見つけることができるとき、または他の行動と同時に発生する。毎週、毎月、毎年は兵士の絶え間ない変化と高いテンポで満たされている。我々の兵士と家族は多くのテンポに対処できるが、予測不可能性が、部隊に信じられないほどのストレスを結果としてもたらしている。

過去と現在の米陸軍の即応性モデル:Past and Current Army Readiness Models

「即応性モデル(Readiness Models)」という用語は、米陸軍が、戦闘軍司令官が作戦に利用できる準備ができた部隊を生成するプロセスを指している。1980年代から2006年まで、米陸軍は、潜在的な海外の敵対者との闘いに焦点を当てたさまざまなレベルまたは階層(tier)(多くの場合「C」格付または「C」レベルと呼ばれる)で人員配置、装備化、訓練された部隊を備えた「階層型即応性モデル(Tiered Readiness Model)」を採用していた。米陸軍予備役(RC)(米陸軍州兵[ARNG]および米陸軍予備[USAR])は、主に戦略的予備役の役割に格下げされていた(つまり、米正規陸軍 [RA] の能力容量を超える危機または緊急事態の場合に採用する)。2001年9月11日の余波、およびアフガニスタンとイラクでの戦争の余波である2006年に、米陸軍は、これらの紛争にローテーション展開のために完全な人員配置、装備化、訓練された部隊を提供するようにデザインされた「米陸軍生成モデル(ARFORGEN)」を採用した。米陸軍生成モデル(ARFORGEN)は、3つの異なる年次サイクル(展開後のリセット(Reset)サイクル、訓練と準備完了(Train and Ready)サイクル、および展開(Deploy)サイクル)で構成され、すべての部隊が即応性の所定のレベルを達成するために進行した。米陸軍生成モデル(ARFORGEN)の下では、ほとんどの米正規陸軍 (RA)部隊は3年サイクルで作戦・運用し、米陸軍予備役(RC)部隊は5年サイクルで作戦・運用していた(米正規陸軍 (RA):2年の準備、1年利用可能、米陸軍予備役(RC):4年の準備、1年利用可能)。

2014年、米国がイラクとアフガニスタンの部隊レベルを下げ始め、ロシア、中国、北朝鮮、イランからの脅威に再び焦点を合わせたとき、米陸軍は米陸軍生成モデル(ARFORGEN)がもはやそのニーズに十分でないと判断した。米陸軍は2017年度から「持続可能な即応性モデル(Sustainable Readiness Model :SRM)」の実装を開始した。持続可能な即応性モデル(SRM)の下での米陸軍の到達目標は、2023年までに米正規陸軍 (RA)および米陸軍州兵(ARNG)の旅団戦闘チーム(BCT)の3分の2(66%)の戦闘の即応性(combat readiness)を達成することであった。米陸軍生成モデル(ARFORGEN)とは異なり、持続可能な即応性モデル(SRM)の下では、米正規陸軍 (RA)部隊の固定進行サイクルはなく、米陸軍予備役(RC)は 5年間の訓練と展開サイクルを継続した。現在、米陸軍は持続可能な即応性モデル(SRM)を使用して部隊を生成している。

地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)を意図通りに機能させる方法:How ReARMM Is Intended to Work

伝えられるところによると、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)は、米陸軍部隊を、紛争中に配備される可能性のある世界の一部で専門知識を開発するのを支援するために、様々な戦域におよそ1年間割り当ててことを意図している。各部隊はまた、潜在的な作戦のために新しい戦域固有の装備品を取得することになる。このモデルはまた、兵士により多くの予測可能性を提供することを意図としていたため、各部隊はドクトリンを洗練し、必要に応じて戦域固有の要件に基づいて部隊を再編成する時間を持つことになる。

米陸軍によると、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)は現在、全米陸軍(米正規陸軍 (RA)、米陸軍州兵(ARNG)、および米陸軍予備(USAR))全体で部隊の運用と近代化を一体化および同期化する計画策定目的で承認されている。地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)の優位性には、次のようなものがある。

□ 地域の優先順に対する各部隊の調整

□ 計画し、訓練し、近代化するために利用可能な時間の最適化

□ 各部隊への各種能力を付けるための予測可能な窓の創造

□ 米陸軍がマルチドメイン部隊へ変革し、米陸軍と統合部隊に準備のできている部隊の予測可能な供給を可能にする、そして

□ 米陸軍予備役(RC)の装備担当者、人事管理者に対する予測可能性の構築

米陸軍は、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)は、一貫性のある管理可能な作戦テンポ(OPTEMPO)を容易にし、訓練と部隊運用の予測可能性を高め、近代化の取り組みを優先するようにデザインされていると主張している。もともと地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)の下で、米陸軍は、訓練サイクル中に部隊に装備品を配送する現在の慣行とは対照的に、部隊に新しい装備品を装備化するための予測可能な6か月のサイクルを作り出すことを意図していた。また、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)の一部として、米陸軍は、同じ規模、タイプ、および近代化レベルの少なくとも3つの部隊を、既知の各部隊に対する統合参謀本部の要件に合わせて調整することを意図していた。それはまた、各戦闘軍にとって、ローテーション部隊間で重複することなく、ローテーション部隊を提供することであった。戦闘軍の下に調整された各米陸軍部隊は、装備品と兵器システムの共通性を確保するために、同じ割り当てられた近代化レベルを持っていたものだった。米陸軍はまた、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)が部隊の追加の前方駐留や、米陸軍部隊の既存の地域配置への即時の変更を作成しないことにも留意していた。

地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)の実装:ReARMM Implementation

伝えられるところによると、米陸軍は演習とテストを完了した後、2021年10月1日(米会計年度2022年度の開始)からすべての陸軍構成部隊に地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)を実装することを計画している。現役各部隊は、2020年に計画された6か月のサイクルではなく、近代化、訓練、任務の適格性の8か月フェーズでサイクルする。米陸軍州兵部隊と米陸軍予備部隊は、米陸軍当局によって時間の長さは提供されていないが、延長されたフェーズを持つことになる。

議会の潜在的な問題:Potential Issues for Congress

米陸軍は、地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)に対する期待と認識された利点を公に述べたが、モデルが実際にどのように機能するかについてはほとんど議論されていない。さらに、全米陸軍のこの大きな規模の変化は、以下を含むがこれらに限定されない、議会の監視に関する多くの潜在的な問題を引き起こす。

□ 以前に計画されていた6か月のサイクルとは対照的に、米陸軍が現役部隊に8か月のサイクルを使用するのはなぜか?

□ 米陸軍は、2021年10月1日より前に、米陸軍州兵と米陸軍予備の延長フェーズ(サイクル?)に関する情報を公開する計画はあるか?この情報が現在公開されていないのはなぜか?

□ 地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)は、米陸軍の14年で3番目となる即応性モデルを表している。これらのモデルは米陸軍部隊の人員配置、装備化、訓練に大きな影響を与えるため、4〜5年ごとに即応性モデルを変更すること自体が、米陸軍部隊、兵士、家族へのストレスの一因となる可能性はあるか?

□ 地域の戦闘軍指揮官は地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)の開発においてどのような意見を持っており、日々の実行においてどのような役割を果たすことが期待されているか?地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)部隊が戦闘軍指揮官の期待を満たしているかどうかを米陸軍に通知するメカニズムはあるか?

□ 地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)は他の軍種の即応性モデルと整合または支援しているか?これは統合部隊の即応性にどのように影響するか?

□ 予備役は米陸軍部隊と能力の主要な源である。地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)の開発において予備役はどのような役割を果たしたか?米陸軍生成モデル(ARFORGEN)と持続可能な即応性モデル(SRM)には、予備役に対して異なる「ルール」とプロセスがある。これは地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)にも当てはまるか?

□ 地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)は、兵士と部隊の作戦テンポ(OPTEMPO)をより適切に管理し、潜在的に削減することをどのように意図しているか?これは、以前の即応性/戦力生成モデルとどのように異なるか?

□ 2020年10月13日、米陸軍長官のライアン・マッカーシーは、米陸軍の即応性の焦点は、個人、分隊、小隊、および中隊レベルの訓練にあると述べている。その到達目標は、自殺、性的暴行、および潜在的な人種差別/過激主義の問題の急増に対処するために、より低いレベルで部隊の結束を構築することである。地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)はこれらの問題にどの程度具体的に対処するつもりか?

□ 地域別調整即応性および近代化モデル(ReARMM)を完全に実装および維持するには、どのような追加のリソース(人員、装備、訓練、施設など)が必要か?

米陸軍安全保障部隊支援旅団(SFABs)

Army Security Force Assistance Brigades (SFABs)

Updated March 25, 2021

安全保障部隊支援(SFA)とは何か?:What Is Security Force Assistance (SFA)

安全保障部隊支援(SFA)は、「合法的な当局を支援するために、地方、受入国、または地域の治安部隊を生み出し、運用し、維持するための統一された行動」と定義されている。定義上、「治安部隊には、軍隊だけでなく、警察、国境部隊、その他の準軍事組織、およびその他の地方および地域の部隊も含まれる」安全保障部隊支援(SFA)には、外国の治安部隊(FSF)の組織化、訓練、装備、再建、および助言が含まれる。

 背景:Background

国防総省は、「イラクとアフガニスタンでの軍事作戦と多くの将来の作戦は、受入れ国(HN)または他の外国の治安部隊(FSF)の能力と能力容量の開発に集中するだろう」と述べている。安全保障部隊支援(SFA)の活動は、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、南アメリカで行われている。過去には、特殊作戦部隊が安全保障部隊支援(SFA)任務の大部分を処理していたが、時間の経過とともに安全保障部隊支援(SFA)の要件が高まるにつれて、従来の部隊がこれらの任務の実施においてより積極的な役割を担うようになった。従来の部隊の安全保障部隊支援(SFA)任務は通常、米陸軍の主要な用兵組織である旅団戦闘団(BCT)に割り当てられていた。安全保障部隊支援(SFA)任務の本質上、旅団戦闘団(BCT)の首脳部(将校および上級および中級下士官(NCO))は通常、安全保障部隊支援(SFA)任務を実施するために配置され、ほとんどの若年下士官(NCO)および兵士はホームステーションに留まった。この状況は、リソースの観点からは実用的ですが、ホームステーションに残っている旅団戦闘団(BCT)兵士に多くの即応性(readiness)の懸念を引き起こした。そのような懸念の1つは、安全保障部隊支援旅団(SFAB)任務のために旅団戦闘団(BCT)から首脳部が剥奪されたことであり、残りの兵士は個人および分隊レベルでの訓練に限定され、部隊の即応性(readiness)のレベルが低くなった。

安全保障部隊支援旅団(SFABs)設立するための米陸軍の計画:The Army’s Plan to Establish SFA

安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、戦術(旅団以下)レベルで安全保障部隊支援(SFA)を実施できる必要がある。2018年5月、陸軍は6つの安全保障部隊支援旅団(SFAB)を設立すると発表した。5つは現役の構成部隊に、1つは陸軍州兵(ARNG)に設置される。安全保障部隊支援旅団(SFAB)は当初、約500人の兵士で構成されるように計画されていた(旅団戦闘団(BCT)は、タイプに応じて4,400〜4,700人の兵士で構成される:装甲旅団戦闘団(ABCT)、歩兵旅団戦闘団(IBCT)、またはストライカー旅団戦闘団(SBCT))。主に上級の軍事作戦専門職(MOS)の範囲を含む。米陸軍はまた、ジョージア州フォート・ベニングに軍事顧問訓練アカデミーを設立し、関連するトピックとスキルに関する6週間のコースを実施することを計画した。

米陸軍はまた、必要に応じて、安全保障部隊支援旅団(SFAB)を、主要な戦闘作戦を実施できる完全に機能する旅団戦闘団(BCT)に拡張することを計画している。この場合、安全保障部隊支援旅団(SFAB)の要員は、安全保障部隊支援旅団(SFAB)を旅団戦闘団(BCT)に変換するために必要な要員と設備の拡張を受け入れる将校として機能する。これらの新しく有人で装備された旅団戦闘団(BCT)は、それぞれの戦闘任務を遂行するために訓練される。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の配置:SFAB Stationing

米陸軍によると、安全保障部隊支援旅団(SFAB)をいかに配置する。

□ 第1安全保障部隊支援旅団(1st SFAB)-ジョージア州、フォート・ベニング

□ 第2安全保障部隊支援旅団(2nd SFAB)-ノースカロライナ州、フォート・ブラッグ

□ 第3安全保障部隊支援旅団(3rd SFAB)-テキサス州、フォート・フード

□ 第4安全保障部隊支援旅団(4th SFAB)-コロラド州、フォート・カーソン

□ 第5安全保障部隊支援旅団(5th SFAB)-ワシントン州、統合基地ルイス・マコード

□ 第54安全保障部隊支援旅団(米陸軍州兵)(54th SFAB)-フロリダ州、ジョージア州、イリノイ州、インディアナ州、オハイオ州、テキサス州内の各大隊

米陸軍はまた、ノースカロライナ州フォート・ブラッグの米陸軍総軍(FORSCOM)内に、安全保障部隊支援旅団(SFAB)の訓練と即応性監督を遂行するための指揮要素である安全保障部隊支援コマンド(SFAC)を設立した。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の組織:SFAB Organization

アフガニスタン復興特別監察官によると:

安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、36の多機能顧問チームで編成された約800人の要員で構成され、各チームは12人の顧問と8人の警備員で構成され、パートナー国の軍隊の開発を支援する。米陸軍によると、各顧問チームには、指揮官、下士官、2人の機動顧問、衛生兵、統合部隊の運用者、通信将校、整備士、インテリジェンス・アナリスト、および兵站、作戦、爆発物の専門家が配置される。すべてが安全保障部隊支援旅団(SFAB)の後方支援を提供しながら、アフガニスタンの対応者に助言する任務を負っている。安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、兵站、工兵、または野戦砲を専門とする18の機能的な顧問チームを運用することもできる。各治安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、パートナー国でのすべての安全保障部隊支援旅団(SFAB)作戦の調整を担当する1つ星の将軍(准将)によって率いられている。

現在の安全保障部隊支援旅団(SFAB)任務と作戦・運用での役割:Current SFAB Mission and Role in Operations

米陸軍によると

安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、世界中でアメリカの関係を前進させる独自の能力を備えている。競争中、安全保障部隊支援旅団(SFAB)は信頼、相互運用性、およびパートナーの能力を構築する。危機的状況では、安全保障部隊支援旅団(SFAB)により、統合部隊と省庁間チームは調整作業を強化することで迅速に対応できる。紛争では、安全保障部隊支援旅団(SFAB)はパートナーとの調整を強化し、完全な任務が可能な旅団に拡大することができる。

今日、安全保障部隊支援旅団(SFAB)はアフリカとアジアで活動している。将来的には、安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、12人のメンバーからなる小さなチームをさまざまな国にローテーションし、必要に応じてそれらを置き換えて、軍から軍への持続的なプレゼンスを確立する。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、安全保障支援と協力任務を専門としている。常設の任務を持つ恒久的な組織として、部隊は、従来の旅団戦闘チームと特殊部隊を解放しながら、以前の臨時の「助言と支援」編成よりも協調したコミットメントを示す。安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、統合部隊のプレゼンスを可能にし、信頼を築き、将来の危機に対応する実力を生み出す。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の地域別調整:SFAB Regional Alignment

米陸軍によると、安全保障部隊支援旅団(SFAB)は以下のように地域別に調整される。

□ 第1安全保障部隊支援旅団(1st SFAB)-米南方軍

□ 第2安全保障部隊支援旅団(2nd SFAB)-米アフリカ軍

□ 第3安全保障部隊支援旅団(3rd SFAB)-米中央軍

□ 第4安全保障部隊支援旅団(4th SFAB)-米欧州軍

□ 第5安全保障部隊支援旅団(5th SFAB)-米インド太平洋軍

□ 第54安全保障部隊支援旅団(米陸軍州兵)(54th SFAB)-未定

米陸軍は、安全保障部隊支援旅団(SFAB)は地域的に調整されているが、必要に応じて割り当てられた地域の外に配備できることに注意している。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の人事的考慮:SFAB Personnel Considerations

当初、米陸軍は志願者のみで安全保障部隊支援旅団(SFAB)を配置することを計画しており、米陸軍は入隊した安全保障部隊支援旅団(SFAB)志願者に5,000ドルのインセンティブを支払う。旅団および大隊レベルのリーダーは、安全保障部隊支援旅団(SFAB)で奉仕するために選ばれる前に、旅団戦闘団(BCT)で相応の地位にすでに無事に奉仕している必要がある。米陸軍はまた、以前に安全保障部隊支援旅団(SFAB)に務めた中隊長およびの最初の軍曹を務めた将校および下士官も望んでいる。

早期採用と定着の問題 :Early Recruiting and Retention Problems

第1安全保障部隊支援旅団(SFAB)の2018年のアフガニスタンへの配備は、多くの人員関連の不足を明らかにしたと伝えられている。アフガニスタン復興特別監察官(SIGAR)によると:

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の人員配置は、現役の米陸軍と州兵の志願者の募集に基づいている、顧問の経験が好ましいが、第1安全保障部隊支援旅団(1st SFAB)の約20%は以前に配備されたことがなかった。米陸軍は志願者に多くのインセンティブを提供したが、第1安全保障部隊支援旅団(1st SFAB)は出発する日まで職を埋め尽くしていた。

加えて、

第1安全保障部隊支援旅団(1st SFAB)は、採用の課題だけでなく、定着の問題にも苦しんでいなかった。理由は簡単で、顧問の役割は、軍における経歴向上ではないと見なされ続け、第1安全保障部隊支援旅団(1st SFAB)の70%まで高い離職率に貢献している。

その後の安全保障部隊支援旅団(SFAB)の活性化と展開で、同様の人事関連の経験があったかどうかは不明である。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の訓練:SFAB Training

軍事顧問訓練アカデミーでの訓練に加えて、多くの安全保障部隊支援旅団(SFAB)メンバーは、場合によっては16週間もの言語訓練を受けることになっている。兵士はまた、外国の兵器、高度な医療訓練、運転手訓練、および生存、回避、抵抗、および脱出(SERE)技術に関する訓練を受けることになっている。

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の装備:Equipping SFABs

安全保障部隊支援旅団(SFAB)の兵士には、標準的な個人用装備(兵器、保護マスクなど)と、部隊防護のために乗組員が使用する兵器(.50口径および7.62 mm機関銃)を装備したさまざまな戦術用車輪付き車両が発行される。さらに、安全保障部隊支援旅団(SFAB)には、指揮、統制、通信、コンピューター、インテリジェンス、監視、および偵察(C4ISR)能力が必要である。

議会の潜在的な問題:Potential Issues for Congress

□ プレゼンスが限られている安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、競争の激しい地域での安全保障部隊支援(SFA)の適切な解決策か?

□ 安全保障部隊支援コマンド(SFAC)の組織と任務は何か?

□ 6つの安全保障部隊支援旅団(SFAB)と安全保障部隊支援コマンド(SFAC)の活性化に関連する装備品、車両、および軍事建設(MILCON)の要件は何か?

□ 安全保障部隊支援旅団(SFAB)に十分な資格のある志願者がいるか、それとも兵士が通常の米陸軍部隊に日常的に割り当てられているのと同様の方法で兵士がこれらの部隊に割り当てられているか?

□ 安全保障部隊支援旅団(SFAB)の人事関連の問題に対処するために米陸軍はどのような措置を講じたか?

□ 以前の安全保障部隊支援旅団(SFAB)の展開と関連する教訓に基づいて、安全保障部隊支援旅団(SFAB)の組織、装備品、および訓練にどのような種類の修正が加えられたか?

□ 安全保障部隊支援旅団(SFAB)が旅団戦闘団(BCT)に再生される場合、戦闘任務を遂行できるように、安全保障部隊支援旅団(SFAB)を人員、装備、訓練するのにどのくらい時間がかかるか?