AI駆動型のデータ管理によるミッション・コマンドの非対称的な優位性 (Parameters)
軍事におけるAI適用の検討や検討に基づく実装が加速度的に行われていると見てよいと思われる。ここで、米陸軍季刊誌の一つであるParametersに掲載の論稿を紹介する。
2017年に開始された米国のProject Mavenはその成果を軍の様々な分野に展開されていると言われている。その中で特に顕著なMaven Smart Systemを使用した指揮・統制分野の変化は著しいものがあるようだ。AI適応の時代に即した米陸軍の指揮・統制の在り方を米陸軍のドクトリン文書の「ADP 3‑13 Information」を基礎として、理論的に展開している内容である。
著者は凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)という新たな枠組みを提案してAI活用の有効性を説いている。
なお、訳にあたって「decision-making」と「decision」を区別している。「decision-making」は意思決定プロセスを意識した意味合いのものと 「decision」は決心・最終判断を意味するものとした表現にしている。このことは、情報戦(Information Warfare)を念頭に置いた時に有効だと考える。(軍治)
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AI駆動型のデータ管理によるミッション・コマンドの非対称的な優位性
Mission Command’s Asymmetric Advantage Through AI-Driven Data Management
Sorin Adam Matei and Kyle Parris Reed
©2025 Sorin Adam Matei and Kyle Parris Reed
The US Army War College Quarterly: Parameters Winter 2025-26
ソリン・アダム・マテイ(Sorin Adam Matei)博士は、パデュー大学教養学部の研究・大学院教育担当副学部長、パデュー大学ブライアン・ラム・コミュニケーション学部のコミュニケーション学教授、そして防衛技術研究に特化したFORCESイニシアチブのディレクターを務めている。マテイ(Matei)博士は、南カリフォルニア大学でヒューマン・コンピュータ・インタラクションを専門とする博士号、タフツ大学で国際関係学の修士号、ブカレスト大学で歴史と哲学の学士号を取得している。彼の主な研究分野は、人間工学およびAIと防衛アプリケーションとのインタラクションを含む、学際的な分野である。
カイル・P・リード(Kyle P. Reed)は、米陸軍の軍事情報准尉であり、パデュー大学の技術博士課程に在籍する博士課程の学生である。彼の研究は、軍事的意思決定における人間とAIの協働についてである。リード(Reed)は、ウェスタン・ガバナーズ大学で情報技術管理の理学修士号と情報技術の理学士号を取得している。彼の主な研究分野は、認知工学、システム思考、そして軍事・防衛分野における社会技術統合(socio-technical integration)である。
要約:人工知能は、決心チェーン(decision chain)を上る複数の現場データを凝縮し、簡潔で質の高い決心指針(decision-quality guidance)を戦術的末端部隊(the tactical edge)に抽出することで、ミッション・コマンドを最適化することができる。本稿では、既存の文献とは異なり、情報の非対称性(information asymmetry)を、制約ではなく、ミッション・コマンドを定義する柱として位置付ける。本稿では、データの凝縮、AI駆動型の蒸留(AI-driven distillation)、そして非対称な情報フローを評価するためのコンセプト的指標を通じて複雑性を管理する、凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)※1を提示する。軍事ドクトリン、アルゴリズム戦(algorithmic-warfare)に関する文献、そして最新の近代化プログラムに基づき、軍事実務家はシステム思考の視点から、AIを活用した指揮・統制が決心の明確性(decision clarity)を高め、ミッション・コマンドの意図を強化する方法を明らかにする。
※1 凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)は、著者等がAIを指揮・統制に活用するための理論モデルとして新たに提示したコンセプトである。
キーワード: 情報の非対称性(information asymmetry)、ミッション・コマンド(mission command)、指揮・統制(command and control)、人工知能(artificial intelligence)、データ管理(data management)
バフムート東方で夜が更ける。旅団レベルの情報将校、ミコラ・シェフチェンコ(Mykola Shevchenko)大尉は、前方の位置から、敵の脅威レベルと信頼度を示すマーカーだけが表示された、雑然とした視界を捉えている。インターフェースの背後では、ウクライナの戦場分析システム「Vezha and Avengers」プラットフォーム※2が、その日の早朝、既にテラバイト単位のドローン映像を処理し、数千のターゲットをタグ付けしている。コンピューター・ビジョンと過去の交戦データを用いて、「Vezha and Avengers」スイートは脅威をフィルタリングし、潜在的なターゲットを反映するように自動的に更新する。上位階層では、アナリストがスイートを活用して、渓谷に集結する敵車両が側面攻撃の可能性を示唆する、より広範なパターンを検知する。報告、リアルタイム画像、時系列オーバーレイを通して形成されるこのAI由来の洞察は、旅団レベルの調整に役立てられている[1]。
※2 ウクライナでは 2023–2025 年にかけて、戦場での情報優勢を確保するために AI と戦場管理システムを統合する取り組みが急速に進んでいる。その代表例が、「Vezha(VEZHA)」(DELTA 戦闘管理システムのストリーミング可視化・統合モジュール)と「Avengers」(ウクライナ国防省イノベーション・センターが開発した AI ターゲット自動識別プラットフォーム)で、これらは セットで運用されるため、ウクライナ軍内部では一体として語られることも多く、「Vezha and Avengers」と表現されている。
しかし、シェフチェンコ(Shevchenko)にとって重要な警報は一つだけだった。装甲車列と思われるものが北3キロメートルの地点で停止している。断続的な熱信号が下車を確認した。AIは、兵站パターンに基づき、この情報が砲兵の集結地点の存在を示している可能性を示唆した。シェフチェンコ(Shevchenko)は、完全なフィードや階層化されたレポートを必要とせず、DELTA戦闘システム※3内のターゲティング・モジュールを通じて攻撃を要請した。数瞬後、渓谷が白く閃光を放った。司令部では、アナリストたちが戦場全体の解析を続けている。しかし、シェフチェンコ(Shevchenko)に必要なのは、その瞬間のミッション・クリティカルな情報だけだった。AIがボリュームを管理し、状況に合わせた洞察を提供するというこの意図的な非対称性は、正確で応答性が高く、データ過多に悩まされない、現代のミッション・コマンドを体現している。
※3 DELTA はウクライナ国防省デジタル部門が開発した、クラウドベースの統合戦場管理・状況認識(SA)システムで、目的はただ一つ「ウクライナ軍がロシア軍より速く「見て(sense)・理解し(make sense)・行動する(act)」ための情報優勢(Information Advantage)を獲得・保持すること」である。
軍事におけるAIの到来は、用兵能力容量(warfighting capacity)の飛躍的な向上を予感させ、ミッション・コマンドは大きな恩恵を受ける態勢にある。ミッション・コマンドは、デザイン上、部下の指揮官がそれぞれの指揮官の戦略的意図に基づき、分権的な方法で作戦を遂行することを可能にする。この指揮方法論は、流動的な戦場において不可欠な俊敏性と即応性を促進する。ミッション・コマンドは不確実な状況下での迅速な対応を要求するため、情報管理は極めて重要である。ブラッドフォード・ウィット(Bradford Witt)とソリン・アダム・マテイ(Sorin Adam Matei)は、パデュー大学のFORCESイニシアチブ※4における研究に基づき、ミッション・コマンドの要件に特化した理論モデルにおいて、指揮・統制における情報の非対称性(information asymmetry)の管理がミッション・コマンドの中核を成すと指摘している[2]。AI駆動型システム(AI-driven systems)は、ミッション・コマンドにおける優れた情報処理への道筋を提供する。AIを綿密に統合することで、現代の戦場に溢れる膨大な量の情報を集約し、最前線指揮官の自律性を維持することで、あらゆる階層における意思決定(decision making)を変革することができる。本稿では、AIとミッション・コマンドの接点、そして(より広義には)指揮・統制におけるAIの役割について考察する。AIは、データの凝縮(condensation)と蒸留(distillation)、そしてコンセプト上の指標(conceptual metrics)を用いて非対称な情報フローを評価することで、複雑性を管理することができる。この凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)は、情報の非対称性(information asymmetry)を大幅に最適化する能力を有しており、ミッション・コマンドを強化し、持続可能な戦略的優位性(strategic advantage)の確保に貢献する。
※4 「FORCES Initiative」は Purdue University(パデュー大学)で運営されている取り組みで、正式名称は “FORCES (4S): Strategy, Security, and Social Systems Initiative”で、同大学 College of Liberal Arts に設置され、Discovery Park や Institute for Global (Security and) Defense Innovation との協働で、戦略・安全保障・社会システムに関する研究と教育を推進している。
ミッション・コマンドの基礎
現在の米軍ドクトリンは、ミッション・コマンドを機敏な問題解決と健全な専門的判断の基盤の上にしっかりと位置付けている。米陸軍ドクトリン出版物(ADP)6-0「ミッション・コマンド:陸軍部隊の指揮と統制」に明記されているように、ミッション・コマンドとは「状況に応じた適切な部下の意思決定(decision making)と分権的な実行を可能にする、米陸軍の指揮・統制へのアプローチ」である[3]。特に、上級司令部の意図は、分権的な意思決定(decision making)の機敏性を確保するためのガードレールを確立し、マルチドメイン作戦に必要な同期を維持するメカニズムである。
ミッション・コマンドは同期を必要とするものの、相互に関連する3つの柱を前提とする、より中央集権的なモデルとは異なる。第一に、ミッション・コマンドは部隊の即応性と熟練度の最高水準を前提としている。第二に、ミッション・コマンドは分隊長から上級将校に至るまで、すべての意思決定者(decisionmakers)が共通の精神と戦術的枠組みを共有することを求めている。ADP 6-0が強調するように、効果的なミッション・コマンドには「戦術的および技術的に有能な指揮官、参謀、そして部下が、相互信頼と共通理解の環境の中で活動することが必要である」[4]。このパラダイムの下では、後任の指揮官は皆、ミッションの目的を即座に理解し、混乱なくその後の行動方針を策定しなければならない。
最後に、ミッション・コマンドの本質は単なる準備態勢を超越する。それは、意図的に構造化された情報の非対称性(information asymmetry)にある。ウィット(Witt)とマテイ(Matei)は、最適な指揮・統制は、現場から上方に流れる不均一な情報密度、つまり豊富で詳細なデータと、下方に流れる簡潔で意図重視の指示の対比にかかっていることを強調している[5]。この調整された不均衡を維持することによってのみ、ミッション・コマンドは戦いにおける機敏性と即応性という約束を完全に実現することができる。
実践における情報の非対称性
コンセプトとしての情報の非対称性(information asymmetry)は、一般的に情報の不平等な分配や情報へのアクセスを指す。情報の非対称性(information asymmetry)の存在は、しばしば不利な点と見なされる。当然のことながら、誰もが同等または豊富な情報に接すれば、より良い結果を生み出すと考えられる。しかし、スイス・イタリア大学の組織コミュニケーション研究者であるマーティン・J・エプラー(Martin J. Eppler)とジャンヌ・メンギス(Jeanne Mengis)は、個別の決心(individual decisions)および集団の決心(group decisions)や推論の質は、個人または集団が受け取る情報量と曲線的に相関していることを指摘している[6]。ある程度までは、より多くの情報を受け取ると意思決定の質(quality of decision making)は向上するが、それを超えると、より多くの情報を受け取ると意思決定の質は低下する。したがって、情報非対称性は新たな視点から捉えるべきである。ある主体は、利用可能なすべての情報を意思決定者(decisionmakers)に提示する必要がある、あるいは提示したいのだろうか?それとも、意思決定者(decisionmakers)に関連する情報を選択的にキュレーションすることで、より良い結果が得られるのだろうか?この記事が示唆するように、情報の非対称性(information asymmetry)は、意思決定(decision making)を加速し、より効果的なキル・チェーン(kill chains)を実現するために必要な優位性(advantage)なのである。このコンセプトは、情報過多の影響を軽減する能力があることを証明するかもしれない。
ミッション・コマンドのパラダイムにおいては、現場部隊は当然のことながら、決心チェーン(decision chain)を上っていく大量のデータを生成する。同時に、戦術部隊にフィードバックされる情報は、タイムリーかつ厳選されたものでなければならない。この情報経済は極めて重要であるにもかかわらず、体系化されたドクトリンではなく、根深い慣習によって統制されており、専門的な情報管理ツールによる十分な統制が欠如している。デジタル戦場と統合全ドメイン指揮・統制(Joint All-Domain Command and Control:JADC2)の台頭により、ミッション・コマンドの情報ニーズと新興技術との正式な整合が求められている。
米陸軍の軍事意思決定プロセス(military decision-making process)は、効果的な意思決定(effective decision making)を可能にするためにデータを統合する、組織化された情報の非対称性(information asymmetry)の一形態である。このプロセスは、上級司令部からの任務受領から始まり、任務分析へと進む。そこでは重要な情報が選別され、部下の当面の計画策定ニーズに関連する脅威が浮き彫りになる。計画担当者は複数の行動計画を策定・分析する際に、厳選された情報フィードを要求・分析することで、より焦点を絞った洗練された成果物を作成できる。プロセスが進み命令の作成に至ると、必要なタスクと指示のみが伝達されるため、認知的負荷が最小限に抑えられ、作戦遂行が迅速化される。
軍事意思決定プロセス(military decision-making process)は非対称性を意図しているにもかかわらず、データを効果的に構成・提示できるインテリジェントな情報管理ツールの不足に悩まされることがよくある。手作業によるデータ収集とフィルタリングは参謀の時間を浪費し、分散したシステムは情報共有を遅らせる縦横無尽なシステムを生み出し、静的な概要では刻々と変化する戦場の状況に対応しきれない。計画担当者は多数のスプレッドシートや文書を手作業で調整し、フォーマットし直すため、人的ミスやデータ遅延(data latency)のリスクが増大する。例えば、人工知能(AI)/機械学習(ML)を活用して新たなパターンを特定し、リアルタイムの更新をより迅速に提供できないと、軍事意思決定プロセス(military decision-making process)は膨大な量と速度のデータへの対応に苦労することになる。
階層に関わらず、データの異質性と最適化された非対称性の欠如は、膨大な情報要件に直面する指揮官とその幕僚に影響を与える。彼らは、味方と敵の配置の追跡、環境要因の評価、複雑な計画策定サイクルの調整など、多岐にわたる情報要件に対処しなければならない。指揮官は、膨大なデータセットを取り込み、関連性に基づいて優先順位を付け、実用的な情報を提示できる情報管理システムを導入する必要がある。これは、英国ウォーリック大学の戦争研究教授であるアンソニー・キング(Anthony King)が、現代の師団司令部に関する研究で強調している点である[7]。これらの能力は、状況認識を維持し、賢明かつタイムリーな決心(decisions)を行うために不可欠である。
米陸軍がマルチドメイン作戦に移行するにつれ、最適な情報の非対称性(information asymmetry)を育むことがますます重要になっている。ADP 3-0が強調しているように、あらゆるレベルの指揮官は、戦闘力を効果的に同期させ、収束させるために、指揮・統制戦闘機能とその支援システムに依存している[8]。同期と収束は時間的に制約があるため、指揮・統制システムはAIと機械学習(ML)ツールを慎重に実装する必要がある。国防総省は、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)戦略においてこの方向性をさらに確固たるものにし、敵対者に対する指揮官の観察、方向付け、決定、行動(OODA)サイクルの加速を提唱している[9]。意図的に構成された情報の非対称性(information asymmetry)は、本質的に国防総省の目標をサポートするものである。
人工知能-ミッション・コマンドの強化
これらのドクトリン的基盤の上に構築されたミッション・コマンドは、現在そして将来の戦場においてAIと意義ある統合を迫られている。AI技術は、インテリジェントな検知(detection)、蓄積(storage)、融合(fusion)、そして決心(decision)の支援を通じて、最適な情報フローの構築を可能にする。このワークフローを慎重に実装すれば、精緻な認識を生み出し、適応的な意思決定サイクル(decision-making cycles)を加速させ、分権型の指揮官の能力をさらに強化しながら戦略的意図を維持することができる。ルドヴィカ公共サービス大学の軍事戦略教授であるフェレンツ・ファゼカス(Ferenc Fazekas)は、現在の技術競争によって、両陣営はマルチドメインで加速化された戦いを遂行できるようになると主張している。そこでは、適切に実装されたAI搭載システム(AI-enabled systems)が、伝統的な意思決定モデル(decision-making models)では機能不全に陥る状況において、作戦上の優位性(operational advantages)を生み出し、主導権を維持するのに役立つでしょう[10]。
しかし、AIの潜在能力を認識することと、それを効果的に活用することは同じではない。センサーネットワークとAI駆動型分析(AI-driven analytics)の拡大は、アナリストに前例のない戦場の可視性を提供し、この可視性を上級指揮官の手に直接渡すことを可能にする。しかし、この透明性こそが、リーダーがあらゆる戦術的決心(tactical decision)に介入する誘惑に駆られ、特に敵対勢力がAI駆動型戦の戦略(AI-driven warfare strategies)を強化する中で、ミッション・コマンドの分権型俊敏性が侵食され、マイクロマネジメントが優先されるリスクを冒すことになる[11]。ロバート・J・スパロウ(Robert J. Sparrow)とアダム・ヘンシュケ(Adam Henschke)は、有人および無人のチーム編成に関するParametersの記事の中で、自動化バイアス(人々がAIを過信する傾向(特にAIが信頼できることが証明されている場合))が従来の指揮系統を逆転させ、AIシステムを事実上、人間のチームを指揮する役割に置く可能性があると警告している[12]。これらの考慮事項はすべて妥当であるが、AIを後付けで追加したり、すべての制御をアルゴリズムに委ねたり、中央集権的な指揮へと徐々に移行させたりするものではない。むしろ、AIの分析能力を微調整することで、あらゆるレベルで情報の優位性(information advantages)を生み出し、綿密な運用統合を通じて分権型のイニシアチブを維持することが目標である。AI搭載システム(AI-enabled systems)の重要な特徴は、状況に応じて適切な量の情報を非対称的に収集、識別、伝達する能力である。現場から収集する情報は、現場に送り返す情報よりも多くあるべきである。
コンピューター・ビジョンによって小隊長がリアルタイムの地形分析を行えるようになり、エージェントAIによって旅団員の選択肢が調整され、戦域レベルの兵站を導く予測分析ツールが実現する様子を想像してみて欲しい。各階層は、それぞれの機能に合わせて調整された情報をより容易に理解し、活用できるようになる。こうした意図的な調整によって、分権化されたアクターが膨大なデータ・ストリームや冗長な報告の管理負担から解放され、それぞれの領域で卓越した能力を発揮できる、復元性のある意思決定エコシステム(decision-making ecosystems)が育まれるだろう。
さらに、AIを活用した指揮・統制は、摩擦点を明らかにし、敵の配置を特定し、最適な射撃解決策を提案し、タイムリーな決心支援(decision support)を提供する可能性を秘めていることが、確固たる証拠によって示されている。この技術的枠組みは単なるツールセットにとどまらない。指揮官の参謀のデジタルな拡張機能となり、戦場全体における意思決定(decision making)を迅速化し、より豊かにする。
指揮・統制における現在の取り組み
急速に成熟しつつあるAIを活用した指揮・統制技術は、米陸軍とその同盟国の兵器庫にも導入されている。AIを用いた実験の増加は、一連の革新的な取り組みを通じて、指揮・統制へのAI統合の基盤を築きつつある。これらの取り組みは、AIとインテリジェント・データ管理が、膨大で複雑なデータ・ストリームをタイムリーで実用的な洞察へと洗練させることで、理想的な情報フローを形成し、あらゆる階層における分権型意思決定(decentralized decision making)をいかに強化できるかを示している。しかし、情報の非対称性(information asymmetry)は、測定可能なベンチマークを持つ明確な目標ではなく、暗黙的な影響に過ぎないため、各プログラムには依然として改善、実装、そして普及拡大の余地が残されている。
次世代の指揮・統制(NGC2)
「次世代指揮・統制システム(NGC2)」は、米陸軍の最先端の近代化プロジェクトであり、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションを統合された共有データ層の上に統合するモジュール式のオープンエコシステムを通じて、指揮・統制を再構築することを目的としている。「次世代指揮・統制システム(NGC2)」のデザインは、縦割りのシステムを解体し、あらゆる戦闘機能が流動的でアクセス可能な情報の流れに収束する統合環境を構築する[13]。「次世代指揮・統制システム(NGC2)」は、分断されたシステム間で煩雑な手作業による情報転送を行う代わりに、膨大な情報フローを一貫した作戦図へと整理する。プロジェクト・コンバージェンス・キャップストーン5は、「次世代指揮・統制システム(NGC2)」によって通信速度が向上し、作戦テンポが加速し、意思決定の質(quality of decision making)が向上したため、大きな期待が寄せられました[14]。「次世代指揮・統制システム(NGC2)」の真の革新性は、情報を構造化し、分散した入力を調和のとれたデータ環境に統合する能力にある。この指揮・統制アーキテクチャにより、部隊全体の指揮官は、垂直配置か水平配置かを問わず、それぞれの任務に最も関連性の高い知見に即座にアクセスできる。
メイヴン・スマート・システム(Maven Smart System :MSS)
第18空挺軍団のスカーレット・ドラゴン(Scarlet Dragon)演習※5を通じて改良された「メイヴン・スマート・システム(Maven Smart System :MSS)」は、特にターゲティングにおいてAIの革新的な可能性を示すものである。公表されているように、攻撃勧告のための衛星画像の処理にはかつて12時間を要していたが、現在では1分未満で完了する[15]。この改善は、ソフトウェア開発の迅速な反復によるものである。「メイヴン・スマート・システム(MSS)」は、広域監視-ターゲティング(Broad Area Surveillance-Targeting)と呼ばれる技術に機械支援による物体検出技術を採用することで、このスピードを実現している。「[広域監視-ターゲティング(Broad Area Surveillance-Targeting)]アルゴリズムは、複数のセンサーとプラットフォームからのデータを融合し、アナリストとオペレーターに、指揮官の責任範囲(AOR)内に存在する敵システムの優先順位に基づいた詳細な評価を提供する」[16]。「メイヴン・スマート・システム(MSS)」は、画像分析から意思決定(decision making)、攻撃後の評価に至るまでのデータフローを自動化することで、ターゲティング・プロセスを大幅に効率化し、エラーと手作業による非効率性を削減する[17]。
※5 米陸軍 第18空挺軍団(XVIII Airborne Corps) が主催する、AI・データ融合・センサー/シューター統合の実験・実証演習シリーズで、2020年に始まったものである。当初は軍団本部地下でのテーブル・トップ演習で、現在は年3回実施する大規模「イノベーション演習」である。参加者は米陸軍・米海軍・米海兵隊・米空軍・NGA(国家地理空間情報局)、産業界、学術界、同盟国にわたり、主目的をAI活用、データ融合、ターゲティング高速化、統合全ドメイン指揮統制(CJADC2)の実用化としている。これは、第18空挺軍団が新技術・新戦術を試し、実戦投入につなげる “テストベッド” と位置づけられている。
米陸軍インテリジェンス・データ・プラットフォーム(AIDP)
「米陸軍インテリジェンス・データ・プラットフォーム(AIDP)」は、戦場データを生データからリレーショナル構造化された情報へと変換するためのプラットフォームを提供する共有分析環境であり、脅威検知、ミッション・プランニング、迅速な発見を促進する。公表されているように、このプラットフォームはわずか1年で優先戦域全体に展開され、「情報上の優位(an information edge)」を獲得する上でますます不可欠になっている[18]。
「米陸軍インテリジェンス・データ・プラットフォーム(AIDP)」は、将来のビッグ・データ分析とAI/MLのイテレーションに合わせて進化するように構築されている。しかし、「米陸軍インテリジェンス・データ・プラットフォーム(AIDP)」の現在の自動化機能は、データを継続的に収集・処理することで包括的な運用状況を把握し、マルチドメイン運用におけるより迅速な情報処理を可能にする[19]。
ウクライナのDELTAシステム
米国の能力は成熟し続けているが、ウクライナのDELTAシステムは、米国およびNATOのシステムとの相互運用性が実証されており、運用可能なAI対応の指揮・統制の説得力のある証拠を提供している。DELTAシステムは、単純なデジタルマップから、ウクライナ軍全体にサービスを提供する包括的なクラウド・ベースのエコシステムへと進化した[20]。システムのAI機能(Avengersアプリケーションなど)は、数千の同時ビデオストリームを分析することで敵の装備を自動検出し、Vezhaプラットフォームは無人航空機からの映像を処理し、アナリストが毎日多数の偵察物体を識別および分類できるようにする[21]。これらの機能は、「メイヴン・スマート・システム(MSS)」のターゲティング効率に匹敵するが、活発な前線全体で運用規模で動作する。DELTAシステムの最も重要な検証は、2024年7月に行われたNATOの連合戦士の相互運用性、探索、実験、検証、演習(Coalition Warrior Interoperability eXploration、eXperimentation、eXamination、eXercise:CWIX)※6で行われ、システムは10か国の15の異なる指揮・統制システムとの互換性を正常に実証した[22]。「次世代指揮・統制システム(NGC2)」、「メイヴン・スマート・システム(MSS)」、「米陸軍インテリジェンス・データ・プラットフォーム(AIDP)」の開発が進む中、DELTAシステムは、統合型AI対応マルチドメイン指揮・統制システムが、同盟国やパートナーとのリアルタイムの連携を維持しながら決定的な優位性(decisive advantages)を発揮できることを具体的に証明している。この相互運用性は、本稿で提示したAI対応の非対称ミッション・コマンド・アプローチが、同盟国との共同作戦や統合作戦を通じて生成される異種データストリームを統合するための優れたソリューションとなり得ることを示している。
※6 NATO 連合軍が毎年ポーランド・ビドゴシュチ(Bydgoszcz)のJoint Force Training Centre(JFTC) で実施する、NATO 最大級のデジタル相互運用性(interoperability)試験演習で、正式名称を「Coalition Warrior Interoperability eXploration, eXperimentation, eXamination eXercise」といいCWIXと称される。これは単なる「演習」ではなく、「探索(exploration):新技術や新機能の調査」、「実験(experimentation):仮説技術の試験」、「検証(examination):基準適合性の確認」、「演習(exercise):実運用を模した統合作業」という 技術開発+運用実証+戦術検証の複合プログラムである。
これらのシステムは、単なる段階的なアップグレード以上の意味を持つ。AIを活用したミッション・コマンドへの戦略的進化を象徴するものであり、そこではデータが作戦上の知識(operational knowledge)へと洗練される。これらの取り組みは、決心のタイムライン(decision timelines)を短縮し、現代の戦場における取り組みを同期させることで、今日の情報過多の紛争に必要な決心の優位性(decision advantage)を高める。しかし、最適な情報の非対称性(information asymmetry)は、ドクトリン的に強調され、技術的に実現されるまでには至っていない。AI/MLワークフローは、データの凝縮(condensation)と蒸留(distillation)という意図的なプロセスを具体化するように構成することができ、非対称情報フローをミッション・コマンドのゴールド・スタンダードとして確立することにつながる。
ミッション・コマンドのための凝縮・蒸留フレームワーク
よりシンプルな情報環境向けにデザインされた従来の指揮・統制構造は、過剰なデータに圧倒され、決心の麻痺(decision paralysis)、遅延、そして上級司令部への過度な依存につながることがよくある。こうした状況は、指揮所が消費するデータのごく一部しか有効に活用していないことに一因がある。参謀は、兵站および作戦上のニーズをほぼリアルタイムで追跡する手段を有している。しかし、そのデータの多くは適切に収集されておらず、効率的なワークフローに取り込まれて作戦を最も効果的に推進することはあまりない。対照的に、AIを活用したミッション・コマンドは、凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)を通じて前進への道を提供する。このモデルは、ミッション・コマンドの中核原則に忠実でありながら、マルチドメイン作戦全体にわたって情報の優位性(information advantage)を生み出すための、意図的かつ構造化されたアプローチを提供する。
凝縮(condensation):作戦上の優位性のための生データの構造化
この文脈における「凝縮(condensation)」とは、大量の非構造化データセットを、リアルタイムの決心支援(decision support)に活用できる構造化されたリレーショナル表現に変換することを意味する。「凝縮(condensation)」は、データを運用上有用なものにするための手段である。現代のAIワークフローにおいて、「凝縮(condensation)」は必須である。「凝縮(condensation)」は、分析のスピードを高め、迅速かつ有意義な洞察を提供するために不可欠である[23]。
現代のデータベース・インフラストラクチャは、非構造化データに基づいて関係性、パターン、そして意味を特定することで、より迅速な洞察を可能にする[24]。グラフ・データベースとベクター・データベースは、この現代のインフラストラクチャの例である。グラフ・データベースは、人、場所、出来事、そして資源間の動的な関係性をマッピングすることを容易にし、例えば、隠れた敵ネットワークの発見や兵站管理に役立つ[25]。グラフ・データベースは、特に諜報活動において、分析業務に大きな可能性を秘めている。ベクター・データベースは、様々なメディア形式にわたる非構造化データのセマンティックなリンクを容易にすることで、グラフベースのシステムを補完することができる。これらのリンクは文脈化された埋め込みを生み出し、キーワード・マッチングよりも深い発見を可能にする。これらの技術を組み合わせることで、二重の凝縮効果(double-condensation effect)を生み出し、生データから状況理解への移行を加速させることができる。これは意思決定者(decisionmakers)を支援する上で不可欠である。現在および新興のコンピューター・ビジョン技術も、特に無人航空機や衛星によって収集される膨大な量の画像において重要な役割を果たしている。セマンティック・セグメンテーションや自動ラベリングといった技術により、道路、水路、建造物といった戦場の重要な特徴を、人間の介入なしに抽出することが可能になる[26]。「メイヴン・スマート・システム(MSS)」はその顕著な例である。コンピューター・ビジョンをターゲティング・ループに組み込むことで、「メイヴン・スマート・システム(MSS)」は画像解析にかかる時間を数時間から数分にまで短縮し、ミッション・コマンドのスピードと主導権を直接的に向上させる[27]。
しかし、凝縮(condensation)だけではループは閉じない。構造化データは、任務に関連する洞察へと変換されなければならない。このステップで蒸留(distillation)が役立ち、凝縮された入力データを意思決定レベルの出力(decision-grade outputs)へと精製する。これまで人間が行っていたタスクを自律的に実行するインテリジェント・エージェントやソフトウェアは、凝縮されたデータを用いて、運用上の推奨事項を提示したり、行動方針を分析したり、物流上の制約を予測したりすることができる[28]。
この凝縮・蒸留パイプライン(condensation-distillation pipeline)は、情報の非対称性(information asymmetry)の原則と直接的に整合している。あらゆるレベルの部隊が膨大で豊富なデータストリームを取り込む一方で、AIはそれらを凝縮・蒸留し、意図をサポートするのに必要なデータのみを返す。意図に過負荷をかけることはない。その結果、部隊は作戦命令のスリム化、機敏な機動の計画策定、そして自律性の向上を促進できる。これらは特に戦術的末端部隊(the tactical edge)において重要である。これらの優位性(advantages)は、帯域幅の制約や競合するネットワークによって大量のデータの移動が妨げられる、劣化、拒否、断続、制限された環境においてさらに顕著になる。このような状況では、AIを活用したデータのキュレーションと優先順位付けによって意思決定(decision making)が確実に実行され、作戦のテンポが維持される。
蒸留(distillation):構造化データを決心の優位性(Decision Advantage)に精製する
凝縮(condensation)がデータに形と秩序を与えるとすれば、蒸留(distillation)はデータに意味と方向性を与える。まさにここで、情報の非対称性(information asymmetry)の可能性が真に発揮される。上流の豊富な情報が下流の明瞭性へと変わり、指揮官はノイズに埋もれることなく行動できるようになる。蒸留(distillation)は、最も洗練された状態において、凝縮されたデータプールを継続的にスキャンし、重要なパターンを抽出し、予測的な洞察と推奨事項を提示することで決心の質(decision quality)をさらに高めるAIエージェントとなる可能性がある。現代の計算インフラストラクチャ、データ・エンジニアリング、そして機械学習は、これを可能にし、戦争のペースに合わせて拡張可能とする。
参謀やアナリストが膨大な量のデータを手作業で精査し、意味や推奨事項を探す代わりに、蒸留ツール(distillation tools)がキュレーションを行い、指揮官の重要情報要求(CCIR)に基づいて重要な情報のみを浮き彫りにする。このプロセスは賢明な意思決定(decision making)の基盤を築き、米陸軍教訓センターの不朽の真理である「作戦の成功には、利用可能な情報と知識に基づいた判断に基づいた、タイムリーかつ効果的な決心(decisions)が求められる」という真理を直接的に裏付けている[29]。
AIを活用した蒸留の機能
次のリストは、蒸留(distillation)が実際にどのように行われるかを概説している。
・ 作戦上の問い合わせへの回答。機械支援ワークフローは、指揮官の重要情報要求(CCIR)や戦場での質問(例えば、「敵の最も弱い集中地はどこ?」など)に継続的に回答できる。機械支援ワークフローは、一般的な回答ではなく、文脈に基づいたリアルタイムの洞察を提供する。これらのワークフローは、現在および過去の販売データに基づいて顧客行動を予測するために業界で使用されているSalesforce Einstein※7とコンセプト的に類似している[30]。
※7 Salesforce Einstein(アインシュタイン)とは、Salesforceの各製品に組み込まれたAI(人工知能)機能群の総称で、予測分析、自動化、自然言語処理などを通じて、顧客体験の向上と業務効率化を支援する。
・ 行動方針の構築。リスク、タイミング、リソース消費といった要素をモデル化することで、AIエージェントは優先順位の高い行動方針を提案できる。このプロセスは商用AIにおける次善策ロジックを模倣しており、指示ではなく選択肢を提示することでミッション・コマンドを支援する[31]。トム・ホーキンス(Thom Hawkins)とアレクサンダー・コット(Alexander Kott)が指摘するように、決心支援ツール(decision aids)は指揮官の決心空間(decision space)を拡大しつつも、最終的な判断を人間に委ねることができる。これにより、急速に変化するシナリオにおいて、より革新的で制約の少ない選択肢が提示される[32]。
・ 実行可能なナラティブへと要約する。指揮官に数十もの個別報告を大量に送りつけるのではなく、蒸留(distillation)によって複雑な情報を簡潔な推奨事項にまとめる。橋の崩落に関する40件もの最新情報を受け取る代わりに、大隊長は次のようなメッセージを受け取るだろう。「主要補給路が危険にさらされている。4時間以内に目標青経由の代替ルートを推奨」。すぐに状況が明確になり、決心(decision)が容易になる。データ蒸留(data distillation)の新たな分野であるデータ・ストーリーテリングは、このプロセスに不可欠な要素となるべきである[33]。
実践における凝縮・蒸留フレームワーク
凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)の実践例として、退役フランス陸軍将軍のジル・デスクロー(Gilles Desclaux)、タレスグループのAIおよび認知システム研究者のダミアン・マリオン(Damien Marion)、フランス・ボルドーの国立高等認知学校の創設者ベルナール・クラヴェリー(Bernard Claverie)は、「重要な情報の処理および評価のための拡張ニア・リアルタイム計測器」と呼ばれる機械支援プロセスを作成した[34]。指揮官と参謀は当然、決心の質(decision quality)に影響を与える可能性が最も高い質問にすべてのインテリジェンス収集と分析を集中させる3〜5個の指揮官の重要情報要求(CCIR)を定義することからプロセスを開始するだろう[35]。ビデオ、レポート、オープンソース情報などの複数の自動データフィードは正規化され、さらなる分析のために保存される。さらに、指揮官の重要情報要求(CCIR) はサブコンポーネントに分割され、単純な情報 (たとえば、橋の損傷の検出) ではルールベースのエンジンを使用してアラートをアクティブ化するが、より複雑な情報 (たとえば、敵の部隊の姿勢の変化) では、意思決定(decision making)と 指揮官の重要情報要求(CCIR) の改良のために人間と機械のチームを活用する[36]。
重要情報処理・評価のための拡張型準リアルタイム機器(ARIM)では、すべてのアクティブな指揮官の重要情報要求(CCIR)アラートが単一パネルのダッシュボードに送られ、指揮官と参謀はそこで証拠を確認し、推奨される行動方針を選択する。アラートの精度を評価し、しきい値を調整し、必要に応じて再調整するための機能として、人間によるレビューが組み込まれている[37]。凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)によって実現されるこの永続ループ・システムのコンセプトは、決心空間(decision space)を継続的に洗練させ、指揮官の最優先事項が戦略的意図と調和し、作戦環境の中心に据えられることを保証する。ベンジャミン・ジェンセン(Benjamin Jensen)とマシュー・ストロマイヤー(Matthew Strohmeyer)は、より包括的でありながら類似したプロセス「適応型参謀(Adaptive Staff)」を考案した。これは、AIエージェントと人間のファシリテーターが連携して、リアルタイム・データに基づいて計画を生成、洗練、調整するプロセスである。このプロセスを通じて、AIと人間はインテリジェンス融合、作戦の計画策定、兵站調整、そして火力管理を連携させ、包括的かつ迅速な意思決定(decision making)を実現する[38]。
国防総省の統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)戦略が指摘したように、成功の鍵は今や「敵対者の能力に比べて指揮官の情報と決心のサイクル(information and decision cycle)がより速く機能することを保証する情報の可用性と使用を最適化すること」にある[39]。重要な情報の処理と評価のための拡張された準リアルタイム機器モデルで強調されているように、凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)は、その出力が共通作戦状況図(COP)と呼ばれることが多い指揮官の戦場のデジタル・ビューに直接送られる場合にのみ、その潜在能力を最大限に発揮し、そこで精選された洞察を実行可能な認識(actionable awareness)に変換できる。
共通作戦状況図(COP)と情報の非対称性
ミッション・コマンドの情報の非対称性(information asymmetry)を維持するために、将来の 共通作戦状況図(COP) には自動化された凝縮・蒸留パイプライン(condensation-distillation pipelines)を組み込む必要がある。
・ 凝縮(condensation) は、作戦環境のあらゆる側面から生の入力を収集し、そのデータをリレーショナル・データベースとセマンティック・データベースに構造化する。
・ 蒸留(distillation) は、構造化されたデータを、カスタマイズされた視覚化と、それ自体が語る推奨事項に変換する
このパイプラインを通じて、分隊長(squad leader)から戦域指揮官(theater commander)まで、すべての指揮官は必要な情報を受け取る。上層部では戦略パターンが、末端部(the edge)では的確な洞察が得られる。情報の流れは意図的に不均一に保たれている。戦術部隊は意図の範囲内で迅速な主導権獲得を可能にする情報のみを参照し、上級司令部は戦場の全深度にアクセスできる。このビジョンは、情報は現代戦において武器としても資源としても機能するという、新たなドクトリンと一致している[40]。AI駆動型共通作戦状況図(COP)(AI-driven COP)は、友軍が情報をより効果的に活用することを可能にし、決心のサイクル(decision cycles)を加速し、認知負荷を軽減し、分散した作戦全体にわたって主導権を強化する。
ドクトリンは、共通作戦状況図(COP) を「ユーザーの要件に合わせて調整され、複数のコマンドで共有される共通データと情報に基づいた、指揮官の関心領域内の関連情報の単一の表示」と定義している (ADP 6-0) [41]。この定義は存続している。しかし、AI 強化の戦場でデータが取り込まれ、フィルター処理され、提示される方法は進化する必要がある。特に、共通作戦状況図(COP) を通じて情報の非対称性(information asymmetry)を調整する技術が進化する必要がある。従来の 共通作戦状況図(COP) は、生のフィードや適切にキュレーションされていないフィードによって機能しなくなることが多すぎる。センサーが増加し、通信が増加すると、意思決定者(decisionmakers)は勇気づけられるのではなく、埋もれてしまう可能性がある。規律ある凝縮(condensation)とスマートな蒸留(distillation)がなければ、共通作戦状況図(COP) は意思決定の優位性(decision advantage)を生み出すエンジンではなく、麻痺の記念碑になる。同じ画面に単にデータを重ねても、意思決定(decision making)は鋭敏にならず、鈍くなる。最も効果的な 共通作戦状況図(COP) は、現実の複雑さを反映しながらも、すぐに実行可能である。 共通作戦状況図(COP) のオーバーレイは、適切にデザインされた飛行計器がパイロットを誘導するのと同じように、次の動きを直感的に提案する必要がある。
複雑性の管理:参謀のデジタル・ツインとしてのAI
究極的には、AIは、人間の意思決定(human decision making)を強化するために最も重要な情報を継続的に収集、分析、そして強調表示する、洗練されたデジタルカウンターパートとして機能するべきであり、軍指揮官の代替となるべきではない。人間の意思決定(human decision making)を支援するためにAI対応デジタルツールを使用することは、結果なしに行われるものではなく、人間の関与を維持することの重要性を強調する重要な戦略的影響をもたらす[42]。その狙いは、決定的な行動を促す重要な洞察をより迅速かつインテリジェントに、そして合理化された方法で提供することを促進することである。この枠組みでは、人間の指揮官が最終的な権限と説明責任を保持し、AIが情報の流れを巧みに管理することで、ミッション・コマンドの有効性と焦点が維持される。さらに重要なのは、AIエージェントなどのデジタルの参謀を活用することで、多数のアナリストの作業と従来の情報処理方法を削減できることである。AIエージェントは、生死に関わる死活的な決心(vital, life-and-death decisions)について助言を行うために必要とされる、重要な上級参謀に取って代わるべきではないが、これらの参謀に必要な支援要員の数を削減することができる[43]。そのメリットは情報提供だけにとどまらない。ロシア・ウクライナ戦争が示すように、現代の戦い(modern-day warfare)において、膨れ上がった人員は司令部を脆弱にする。人間と知能機械の役割、責任、そして相互依存関係を最適化しつつ、技術に従属することなく、軍隊が成功するであろうことは疑いようもない[44]。
この進化を活かすため、米陸軍は、情報がどのように流れ、抽出され、そしてリアルタイムで成果に繋がるのかを測定するための、規律あるアプローチの運用化も検討すべきである。情報の非対称性(information asymmetry)を意図的に評価する枠組みをデザインすることは、人間と機械のチーム構造における信頼と自信の構築に役立つ可能性がある。この評価は、有意義なフィードバック・ループを通じて意思決定の機敏性(decision-making agility)を高めることにも繋がるだろう。
情報の非対称性:コンセプトから測定可能なものへ
AI強化型ミッション・コマンドの潜在能力を最大限に引き出すには、凝縮(condensation)と蒸留(distillation)を常に精査し、微調整していく必要がある。情報フローの速度、精度、そして戦術的影響を測定することが不可欠である。そうすることで初めて、指揮官は情報の非対称性(information asymmetry)を脆弱性ではなく戦力増強要因として確実に活用できるようになる。
情報の非対称性(information asymmetry)における根本的な課題は、データの量と扱いにくいワークフローである。フィルタリングされていないセンサー・フィードの奔流と旧来のプロセスは、意思決定者(decisionmakers)を誤った方向に導く可能性がある。真のチャンスは、非対称の情報ワークフローを目的を持って活用し、収集から洞察への道筋を合理化することにある。成功の鍵となるのは、信頼できる分析と情報配信のスピードである。適切な情報を迅速に提供することは、戦場の情報分野における熟練度の高さを示すことができる。
情報の非対称性(information asymmetry)を実行可能な指標に変換するには、凝縮・蒸留パイプライン(condensation-distillation pipeline)全体にわたって定性的な指標と定量的な指標の両方を適用する必要がある。このコンセプトは、よく知られているOODAループの中でより容易に理解できる。
・ データ密度(観察:observe)。1分間にセンサー・イベント、信号、または入力が何件到着するかを追跡する。密度が高いほど、より広範な状況認識が可能になるが、処理能力も高まる。
・ 融合遅延時間(方向付け:orient)。生の入力データを決心に必要なデータ(decision-ready data)に変換するのに必要な時間を測定する。遅延時間(latency)が短いほど、指揮官は最小限の遅れで構造化された洞察を得ることができる。
・ 決心サイクルの圧縮(決定:decide)。検知から方向づけ、推奨、命令発行、そして行動に至るまで、情報がどれだけ速く伝達されるかを把握する。OODAループの各段階にタイムスタンプを付与することで、ボトルネックが明らかになり、システムの再調整が可能になり、より効果的な情報管理が可能になる。例えば、米陸軍士官学校の学術シミュレーションにおいて、システム・エンジニアリングの学生が実施した試験では、AIによる決心支援ツール(AI decision aids)によって、センサーから射撃者までの間隔が11.0分から7.7分に短縮され、OODAサイクルが約30%短縮された[45]。
・ ユーザーの信頼(行動:act)。AIの出力に対する指揮官の信頼度と、それに基づいて行動する意欲を反映する定性的な指標を提供する。推奨事項がどの程度頻繁に採用されているかを追跡する行動分析により、リアルタイムのフィードバックが得られ、継続的な改善が可能になる。
こうしたコンセプト的指標を運用化することで、米陸軍はデータ駆動型適応(data-driven adaptation)の文化をさらに醸成することができる。こうして、凝縮(condensation)と蒸留(distillation)は生きたフィードバック・ループとなり、AIを活用したワークフローがマルチドメイン作戦の絶え間なく変化する要求に合わせて進化していくことを保証する。
実装上の課題
新興技術の統合は、米陸軍の機敏性にとって依然として課題となっている。米陸軍最高技術責任者のアレックス・ミラー(Alex Miller)は、「我々は多くの技術的負債とプロセス的負債を抱えていた。技術が進化し、民間企業がエッジ・プロセッシング、データ分析、クラウドに本格的に参入するにつれて、既存のプロセスでは迅速な変化に対応できない状況が続いていた」と率直に認めている[46]。 トーマス・W・スパー(Thomas W. Spahr)も、リーダーはAIシステムが継続的なメンテナンスを必要とし、その効果を維持するにはアナリストとエンジニアの専任時間が必要であることを認識すべきだと指摘している[47]。米陸軍は、第18空挺軍団のスカーレット・ドラゴン(Scarlet Dragon)のような取り組みを拡大し、ソフトウェア・エンジニアを運用上の問題に直接関与させ、プログラマーと戦闘員間のリアルタイムのコラボレーションを促進する必要がある。よりスマートで迅速な調達と組み合わせることで、これらの対策は開発サイクルを短縮し、従来の制約を解消し、民間のイノベーションを迅速に戦闘員(warfighters)の手に委ねることができる。このように技術的負債とプロセス的負債の両方を削減することで、時間の経過とともに組織の機敏性が再構築され、継続的な変革の文化が維持されるだろう。
AIを活用したミッション・コマンドの導入は、技術的な考慮事項を超えた課題にも直面する。「壊れていないものは直さない」という健全な考え方は、軍隊であろうとなかろうと、あらゆる組織において有用であることが証明されている。しかし、慣れ親しんだ環境から生まれる保守主義は、AIや自動情報管理に抵抗するだろう。AIツールを指揮・統制に導入する際には、従来の指揮・統制アーキテクチャや、機械(AI)を活用した計画策定(machine-in-the-loop planning)への組織的な抵抗を考慮する必要がある。しかし、マイケル・S・ファーマー(Michael S. Farmer)が主張するように、拡張技術のない人間の認知能力は、戦いの進化する本質に耐えられないだろう[48]。AIを活用したミッション・コマンドに代わるものは、無意味である。AIを活用するということは、人間の判断力を置き換えるのではなく、強化することを意味する。
訓練と教育は更なる課題を提示する。ミッション・コマンドの哲学(mission-command philosophy)は信頼と主体性を重視しているが、兵士がAIツールが判断力や自律性を損なうと認識した場合、これらの資質が損なわれる可能性がある。包括的な訓練プログラムでは、AIが人間の意思決定(human decision making)を置き換えるのではなく、強化することを示す必要がある。AI教育を専門的な軍事教育課程、さらには駐屯地の日常業務に統合することで、AIへの信頼と安心感を高めることができるだろう。
AIをミッション・コマンドに統合することは、ドクトリン策定の課題も提起する。ミッション・コマンド・ドクトリンは既に確立されているものの、情報の非対称性のコンセプトとAIを活用した決心支援(AI-enabled decision support)を明確に組み込むために改訂する必要がある。例えば、ADP 6-0は、AIを活用した環境における情報フローの最適化に関するガイダンスの拡充から恩恵を受ける可能性がある。
結論
情報の非対称性(information asymmetry)(ミッション・コマンドを他の指揮スタイルと区別する中核的な特徴)を意図的に最適化することで、米陸軍はあらゆる階層にわたる作戦を変革することができる。凝縮・蒸留フレームワーク(condensation and distillation framework)を構成することで、この変革を実現するための構造化されたアプローチが提供される。非構造化データを構造化されたインテリジェントなリポジトリに凝縮し、その情報を決心の質を高める洞察(decision-quality insights)へと蒸留することで、AI搭載システム(AI-enabled systems)は、取組みの統一(unity of effort)を損なうことなく、分権型の意思決定(decentralized decision making)を強化できる。
このフレームワークは、AIがリアルタイムで継続的にデータを凝縮・抽出し、指揮官の重要情報要求(CCIR)に回答する持続的なフィードバック・ループを提案している。この動的なフローにより、指揮所は作戦環境の変化に迅速に対応することができ、共通の計画策定サイクルにおける一般的な非効率性の重圧によってミッション・コマンドが停滞するのを防ぐ。「次世代指揮・統制システム(NGC2)」、「米陸軍インテリジェンス・データ・プラットフォーム(AIDP)」、「メイヴン・スマート・システム(MSS)」などの新興システムは、適切に管理された情報フローが、複雑で競合する状況下における適応力、スピード、そして主導性を向上させることを既に実証している。
凝縮・蒸留フレームワーク(condensation-distillation framework)は、AIを分析的なアドオンから参謀のデジタル・ツインへと変革し、作戦上のニーズを予測し、指揮官のスタイルに合わせた推奨事項を提示し、人的リソースが逼迫した状況でもテンポを維持できるようにする。このフレームワークは、特に戦闘力の力学(a dynamic of combat power)としての情報の重要性を踏まえ、データの構造化とストーリーテリングの重要性を高める。
総合的に考えると、技術革新だけでは成功は保証されない。組織文化、ドクトリン、訓練、そしてリーダーシップ育成は、同時に進化していく必要がある。兵士と指揮官は、AI強化システムが人間の判断に取って代わるのではなく、ミッション・コマンドの基本原則をどのように強化するのかを理解することで、AI強化システムへの信頼を築く必要がある。ドクトリンには、情報フローの管理と階層間の最適な情報の非対称性(information asymmetry)の醸成に関する明確な指針が組み込まれるべきである。実装においては、システム統合の課題、データ・ガバナンス、ネットワークのレジリエンス、そしてAI支援による意思決定(AI-supported decision making)の倫理的側面に継続的に対処していく必要がある。
ミッション・コマンドの機敏性を維持するには、AIを規律ある主導性と作戦上の優位性(operational advantage)を実現する手段として、リーダーシップの代替ではなく、その目に見えない延長として活用することが不可欠である。AI駆動型の世界においてミッション・コマンドの精神(the spirit of mission command)を維持することは、偶然に起こるものではない。最初のバイトから敵の防御を突破する最後の一撃に至るまで、情報の非対称性(information asymmetry)を意図的に制御することによって実現されるのである。
免責事項:本記事で議論されているすべてのシステム、シナリオ、および技術は、オープンソース、学術的、またはコンセプト的な資料に基づいている。本記事には機密扱いの運用データが含まれていたり、示唆したりするものではない。
ノート
[1] この架空のシナリオは説明のためのものであり、公表されている一般的な現在または近い将来の機能を指す。
[2] ブラッドフォード・ウィット(Bradford Witt)とソリン・マテイ(Sorin Matei)著「指揮官のためのミッション・モデリング:測定可能な代理変数の使用による作戦効果の向上」、ミリタリー・レビュー(2023年3~4月):35~42ページ、および「FORCESイニシアチブ:戦略、安全保障、社会システム」、パデュー大学、2025年8月23日アクセス、https://www.cla.purdue.edu/research/forces-initiative/index.html。
[3] 陸軍省本部(HQDA)「ミッション・コマンド:陸軍部隊の指揮と統制(Mission Command: Command and Control of Army Forces)」、陸軍教義出版物(ADP)6-0(HQDA、2019年7月)。
[4] 陸軍省本部(HQDA)「ミッション・コマンド:陸軍部隊の指揮と統制(Mission Command: Command and Control of Army Forces)」。
[5] ウィット(Witt)とマテイ(Matei)著「指揮官のためのミッション・モデリング」、35~42ページ。
[6] マーティン・J・エップラー(Martin J. Eppler)とジーン・メンギ(Jeanne Mengis)著「情報過負荷のコンセプト:組織科学、会計、マーケティング、MIS、および関連分野の文献レビュー」『情報社会』 20巻5号(2004年):325-44頁。
[7] アンソニー・キング(Anthony King)著「コマンド:21世紀の将軍(Command: The Twenty-First-Century General)」(ケンブリッジ大学出版局、2019年)。
[8] 米陸軍省本部(HQDA)「作戦(Operations)」、ADP 3-0(HQDA、2025年3月)。
[9] 国防総省「統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)戦略の概要(Summary of the Joint All-Domain Command & Control (JADC2) Strategy)」(国防総省、2022年3月)。
[10] フェレンツ・ファゼカス(Ferenc Fazekas)著「ミッション・コマンドと人工知能」、陸軍アカデミーレビュー28巻2号(2023年)。
[11] ジェームズ・ジョンソン(James Johnson)著「インテリジェントマシン時代のOODAループの自動化:デジタル時代の指揮・統制における意思決定における人間の役割の再確認」『国防研究』 23巻1号(2023年):43~67ページ。
[12] ロバート・J・スパロウ(Robert J. Sparrow)とアダム・ヘンシュケ(Adam Henschke)著「ミノタウルス、ケンタウルスではない:有人・無人チームの未来」『パラメータ』第53号(2023年春):115~130ページ、https://press.armywarcollege.edu/parameters/vol53/iss1/14/。
[13] カーリー・ウェルチ(Carley Welch)著「陸軍、次期プロジェクト収束前に師団レベルでNGC2向け統合データレイヤーを展開へ」、Breaking Defense、2025年3月31日、https://breakingdefense.com/2025/03/army-to-deploy-integrated-data-layer-for-ngc2-at-division-level-before-next-project-convergence/。
[14] クレア・ハイニンガー(Claire Heininger)著「プロジェクト・コンバージェンスで次世代C2を実験する兵士たち」、米陸軍、2025年3月17日、https://www.army.mil/article/283805/soldiers_experiment_with_next_generation_c2_at_project_convergence。
[15] 「Maven Smart System」、ミサイル防衛アドボカシー・アライアンス、2025年8月10日アクセス、https://missiledefenseadvocacy.org/maven-smart-system/。
[16] クリストファー・A・シャブリエ・モンティホ(Christopher A. Chabrier‑Montijo)著「XVIII Airborne Corps BAS-T Employment」、米国野戦砲兵協会、2024年3月13日、https://www.fieldartillery.org/news/xviii-airborne-corps-bas-t-employment。
[17] エメリア・S・プロバスコ(Emelia S. Probasco)著「技術連合の構築:Project Mavenと米国第18空挺軍団が国防総省向けにソフトウェアと人工知能を運用化した方法(Building the Tech Coalition: How Project Maven and the U.S. 18th Airborne Corps Operationalized Software and Artificial Intelligence for the Department of Defense)」(安全保障および新興技術センター、2024年8月)。
[18] 「クラウドベースの情報ツールAIDPが世界中の陸軍部隊に展開」サイバーセキュリティ&情報システム情報分析センター、2024年11月5日更新、https://csiac.dtic.mil/articles/cloud-based-intel-tool-aidp-rolls-out-to-army-units-globally/。
[19] ショーン・ネソー(Shawn Nesaw)著「クラウドベースの情報ツールAIDPが世界中の陸軍部隊に展開」、プログラム執行オフィス – 情報・電子戦・センサー、2024年10月9日、https://peoiews.army.mil/2024/10/09/277811/。
[20] カテリーナ・ボンダル(Kateryna Bondar)著「ウクライナはすでに機能的なCJADC2技術を保有しているのか?(Does Ukraine Already Have Functional CJADC2 Technology?)」(戦略国際問題研究所、2024年12月)。
[21] ボンダル(Bondar)著「機能的CJADC2テクノロジー」
[22] 「戦場のイノベーション:ウクライナのDELTAシステムがCWIX24で同盟国の相互運用性への道を開く」NATO同盟軍変革司令部、2024年7月12日、https://www.act.nato.int/article/delta-system-cwix/。
[23] トーマス・W・スパー(Thomas W. Spahr)著「Raven Sentry:アフガニスタンにおける兆候と警告のためのAIの活用」、Parameters54、第2号(2024年夏)、https://press.armywarcollege.edu/parameters/vol54/iss2/9/。
[24] ヴィンセント・シュウ(Vincent Hsu)他著「コンテンツ認識ストレージクライアントL1によるAI結果の強化(Enhancing AI Results with Content-Aware Storage Client L1)」(IBM、2025年5月)。
[25] アレクサンダー・グットフレインド(Alexander Gutfraind)とマイケル・ゲンキン(Michael Genkin)著「隠蔽ネットワーク分析のためのグラフデータベースフレームワーク:欧州におけるイスラム国ネットワークへの応用」、Social Networks 51(2017年10月):73–85頁;ホン・ヨンチェ(Young-Chae Hong)とジン・チェン(Jing Chen)著「インダストリー4.0のサプライチェーンレジリエンスを強化するグラフ・データベース」、International Journal of Information Systems and Supply Chain Management 15、第1号(2022年1月):1–17頁。
[26] アンドモーガン・R・フィッシャー(Andmorgan R. Fisher)他著「異なるコンピューティング・システム間でのセマンティック画像セグメンテーションのための畳み込みニューラルネットワークの使用(Use of Convolutional Neural Networks for Semantic Image Segmentation Across Different Computing Systems)」、ERDC/GRL TR-20-7(米国陸軍工兵隊エンジニア研究開発センター、2020年3月)。
[27] 「メイヴン・スマート・システム」
[28] シドニー・J・フリードバーグ・ジュニア(Sydney J. Freedberg Jr.)著「AI変革モデルが空軍の実験で戦闘参謀の意思決定を『7倍』加速」、Breaking Defense、2025年6月20日、https://breakingdefense.com/2025/06/ai-transformational-model-accelerates-battle-staff-decision-making-seven-fold-in-air-force-experiment/。
[29] 陸軍教訓センター著「ミッション・コマンドを支援する知識管理の実行:上級リーダー向け入門書(Executing Knowledge Management in Support of Mission Command: A Primer for Senior Leaders)」、機関誌第18-02号(米国陸軍、2017年11月)。
[30] 「Salesforceにおける人工知能(AI)」Salesforce、2025年8月23日アクセス、https://www.salesforce.com/artificial-intelligence。
[31] 曹龍兵(Longbing Cao)と成章朱(Chengzhang Zhu)著「自動意思決定のためのマルチパーティインタラクション学習によるパーソナライズされた次善のアクション推奨」、プレプリント、arXiv、2021年8月19日、https://arxiv.org/abs/2108.08846。
[32] トム・ホーキンス(Thom Hawkins)とアレクサンダー・コット(Alexander Kott)著「誇大広告を超えて:AI対応のミッション・コマンドにあなたが思っているよりも近い理由」、Modern War Institute at West Point、2022年5月4日、https://mwi.westpoint.edu/beyond-the-hype-why-were-closer-to-ai-enabled-mission-command-than-you-think/。
[33] ソリン・アダム・マテイ(Sorin Adam Matei)とルーカス・ハンター(Lucas Hunter)著「データ・ストーリーテリングはデータを使ったストーリーテリングではない:科学コミュニケーションとデータジャーナリズムにおけるストーリーテリングのフレームワーク」『情報社会』第37巻第5号(2021年):312-22頁。
[34] ジル・デスクロー(Gilles Desclaux)他著「強化されたマルチドメイン指揮官の重要な情報要件(CCIR)プロセスを通じた『敵の心を読む』」(プレゼンテーション、第24回国際指揮・統制研究技術シンポジウム、メリーランド州ローレル、2019年10月)。
[35] 展開可能訓練課統合参謀本部J7著「洞察とベストプラクティスの焦点ペーパー:指揮官の重要な情報要件(CCIR)(Insights and Best Practices Focus Paper: Commander’s Critical Information Requirements (CCIRs))」、第4版(統合幕僚監部J7、2020年1月)。
[36] デスクロー(Desclaux)他著「心を読む」
[37] デスクロー(Desclaux)他著「心を読む」
[38] ベンジャミン・ジェンセン(Benjamin Jensen)とマシュー・ストロメイヤー(Matthew Strohmeyer)著「ナポレオン軍の参謀再考:エージェント戦争と軍事作戦の未来」(戦略国際問題研究所、2025年7月)。
[39] 国防総省、国防総省「統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)戦略の概要(Summary of the Joint All-Domain Command & Control (JADC2) Strategy)」
[40] 米陸軍省本部(HQDA)「情報(Information)」、ADP 3-13(HQDA、2023年11月)。
[41] 米陸軍省本部(HQDA)「指揮官および幕僚の組織と作戦(Commander and Staff Organization and Operations)」、FM6-0(HQDA、2022年5月)。
[42] ジョンソン(Johnson)著「OODAループの自動化」、43-67ページ。
[43] フリードバーグ(Freedberg)著「AI変革モデル」
[44] ジョン・N.T・シャナハン(John N. T. Shanahan)著「AI時代の軍事C2の再考 – 革命、退化、あるいは進化」(特別競争研究プロジェクト、2024年)。
[45] トーマス・ミッチェル(Thomas Mitchell)他著「任務の有効性のための人工知能と自動化支援による指揮・統制の意思決定支援を評価するための分析フレームワーク」(プレゼンテーション、ドナルド・R・キース将軍記念会議、ニューヨーク州ウェストポイント、2023年5月4日)。
[46] ジェン・ジャドソン(Jen Judson)著「米陸軍、次世代指揮・統制に弾みをつける」、国防ニュース、2025年4月1日、https://www.defensenews.com/land/2025/04/01/us-army-punches-the-gas-on-next-gen-command-and-control/。
[47] スパール(Spahr)著「レイヴン・セントリー」。
[48] マイケル・S・ファーマー(Michael S. Farmer)著「関連性のスピードで4次元計画:人工知能を活用した軍事意思決定プロセス」、ミリタリー・レビュー(2022年11-12月)。


