ドイツ国防大臣は、トルネードの更新計画を正式に決定

掲載:2020年4月22日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Daniel Darling FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)

German Defense Minister Makes Tornado Replacement Plans Official
April 22, 2020 – by Daniel Darling

ドイツの国防大臣であるアネグレット・クランプ-カレンバウアーは、パナヴィア・トルネード戦闘機の更新プログラムを2機種のプラットフォームに分割するとの決定を4月21日、議会に発表した。
長い間噂となっていた購入計画は、93機のユーロファイタータイフーンと30機のボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネット、さらに15機のボーイングEF-18Gグラウラー電子戦機の調達を求める事となる。 

ユーロファイタ-タイフーンの購入は、トルネードに更新予定の将来の55機に加え、ドイツ空軍飛行部隊の古いトランシェ1ユーロファイターを新型機により段階的に退役させるというクアドリガ・プロジェクトでカバーされる追加の38機のタイフーンとなる予定である。

スーパーホーネットは、現在トルネード飛行部隊に任されている核運搬の役割で使用されることとなる。トルネードは、NATOにデュアルケイパブルエアクラフト(DCA)として公表されており、それは、B61核無誘導弾を利用した核供給の役割が課せられている可能性がある。
一方、EA-18Gグロウラーは、電子戦任務対応のトルネードECR型機の更新機として提供される。ドイツ空軍はこれらのプラットフォームのうち約28機を運用している。

現在の計画では、ドイツは2025年にトルネード飛行部隊の段階的な退役を開始したいと考えており、その頃より新型の戦闘機が理想的に到着し始めまる事を想定している。
能力ギャップが生じないようにするために、トルネード飛行部隊は2030年までドイツ空軍で就役を継続し、その時までに新戦闘機が運用可能になる予定である。

報告書は、政府の連立相手の1つである(社会民主党)や、外国調達の注文よりも地方の優先権を求める国の労働組合など、分割購入の決定に対するドイツの政治的スペクトルの左派からの不満を指摘している。(黒豆芝)

デンマークへ輸送中のスーパーホーネット、デンマーク空軍、地上作戦で飛行。イメージ