ロシアのウクライナに対する戦争 -現代のクラウゼヴィッツ戦争の複雑性- ⑮ロシアのウクライナにおけるドローン戦 ロシア・セミナー2024

前回の投稿「ロシアのウクライナに対する戦争 -現代のクラウゼヴィッツ戦争の複雑性- ⑭新興技術と破壊的技術は変革をもたらすが、戦争の霧を晴らすことはできない ロシア・セミナー2024」に続いてロシア・セミナー2024の論文集の第14弾(論文の番号は15)を紹介する。この論考は、政治と戦争との関係に関するものである。クラウゼヴィッツが言うように戦争は政治の手段であり、政治的到達目標のために戦争を行うものである。手段としての戦争の結果が政治の目的にかなうものでなければ、政治の側の修正が求められるのは必然である。一般にその責は政治にある者が負うものであろう。国内に対し巧みに政治の狙いを変え、そして国民に対しナラティブにより曖昧にしていく流れを、軍事作戦がロシアの政治的到達目標の変化に与える影響として通読し概観されたい。最後に論考に登場するドローンをイメージしやすいようにネットから転載している。(軍治)

ロシアのウクライナに対する戦争 -現代のクラウゼヴィッツ戦争の複雑性-

Russia’s war against Ukraine -Complexity of Contemporary Clausewitzian War-

15_ロシアのウクライナにおけるドローン戦

15_RUSSIA’S DRONE WARFARE IN UKRAINE

レオニード・ネルシシャン(Leonid Nersisyan)とサミュエル・ベンデット(Samuel Bendett)

レオニード・ネルシシャン(Leonid Nersisyanは、アルメニア応用政策研究所(APRIアルメニア)上級研究員、国防アナリスト。軍事改革、防衛技術、地政学的・地域的安定の相互作用を専門としている。研究テーマは、ロシアとCIS諸国の軍隊、防衛産業と技術、武力紛争、軍備管理。共著に「嵐を待って:南コーカサスとコーカサスの本の嵐(Waiting for the Storm: The South Caucasus and Storm in the Caucasus books)」がある。

サミュエル・ベンデット(Samuel Bendettは、新アメリカ安全保障センターのテクノロジーと国家安全保障プログラムの非常勤シニア研究員であり、CSISヨーロッパ・ロシア・ユーラシア・プログラムのシニア・アソシエイト(非駐在)でもある。ロシアの軍事技術開発、無人・ロボット・自律型軍事システム、人工知能に関する研究に従事。また、米陸軍訓練ドクトリン・コマンドのマッド・サイエンティスト・イニシアチブの名誉「マッド・サイエンティスト」でもある。ロシアの軍事ロボット工学、戦闘自律化、非搭乗型システム、人工知能能力に関するベンデット(Bendett)の分析、見解、解説は、国内外の主要なニュースやメディアに掲載されている。

ロシア・セミナー2024におけるレオニード・ネルシシャン(Leonid Nersisyan)とサミュエル・ベンデット(Samuel Bendett)のプレゼンテーションは、フィンランド国防大学(FNDU)のYouTubeチャンネル(https://youtu.be/P8VA1bT8ADs)8:06:55よりご覧いただける。

はじめに

ロシア・ウクライナ戦争における無人航空機(UAV)の活用は、現在進行中の戦争の特徴として浮かび上がってきた。無人航空機(UAV)はインテリジェンス、監視、偵察(ISR)、砲兵の索敵、戦闘や「神風(kamikaze)」任務への参加に積極的に貢献している。この紛争では、敵対する両軍とも、無人航空機(UAV)の極めて重要な役割を認識しながら、自らの経験や過去の紛争の観察から得た知識を活用している。紛争情勢は無人航空機(UAV)の広範な使用によって大きな影響を受けており、ロシアとウクライナの両国はさまざまな種類のドローンの工業生産に力を入れている。

これらの数多くの無人航空機(UAV)の改良は、戦争のダイナミクスを形成する上でこれらの無人航空機が不可欠な役割を果たしていることを強調し、広範な役割と責任を果たしている。ロシアは、利用可能なドローン技術が少ない状態で戦争を開始したが、既存のギャップを埋めるために継続的な適応を示している。ウクライナにおけるロシアの無人機作戦を研究することは、同国の現代戦(modern warfare)遂行の能力容量を理解するのに役立つだろう。長期化する戦争において、ロシア軍がどのように適応できるかが浮き彫りになるだろう。

このナラティブは、ロシアとウクライナの両軍が無人航空機(UAV)に大きく依存していることを強調し、軍用グレードの無人航空機(UAV)技術のみから、費用対効果が高く、豊富で、消耗品の多い商用ドローンやDIY(do-it-yourself)ドローンが大量に運用される前例のない統合(一体化)への移行を示している。最前線では、部隊、システム、兵器、兵站作戦の有効性と復元性が、無人航空機の巧みな使用と密接に結びついている。

この紛争では、高価なスタンドアロン型無人航空機(UAV)プラットフォームから、より経済的で数の多いドローンへと大きくシフトし、攻撃性と大量配備が重視されるようになった。市販のクアッドコプター型無人航空機(UAV)は、短距離戦術打撃、地上からの攻撃(ground-based assaults)、砲撃のターゲットを発見するために使用され、両当事者にとって重要な戦術的役割を果たしている。部隊や車両の有効性と生存は、敵陣地上空での小型無人航空機(UAV)の巧みな使用にかかっている。ロシアがシャヘド(Shahed)徘徊型弾薬(loitering munitions)を使用することで、ウクライナ軍への圧力が強まり、これらの無人航空機(UAV)の連続的な波に対応するために、防空が弾薬と資源を絶えず支出せざるを得なくなり、結果として大きな不利益を被ることになる。ロシアがウクライナ軍に対して使用したものに適応したケースもあれば、ランセット(Lancet)徘徊型弾薬のように、ロシア軍がその能力容量を戦いに導入できたケースもある。

軍事級ドローンの意味するところ

インテリジェンス、監視、偵察用無人航空機(UAV)

現在進行中のウクライナ紛争において、インテリジェンス・監視・偵察(ISR)ドローンはロシア軍とウクライナ軍の双方にとって不可欠なものとなり、軍事作戦の実施方法を一変させた。これらの無人航空機(UAV)は、砲兵火力(artillery fire)の調整、他の無人航空機(UAV)へのターゲッティング誘導、戦場の継続的な監視など、さまざまな任務で極めて重要な役割を果たしている。戦闘作戦への統合(一体化)は、これらのドローンが提供するリアルタイムのデータなしには、主要な作戦がほとんど考えられないような現代戦(modern warfare)のダイナミズムを浮き彫りにしている。

ロシア軍は、オルラン-10(Orlan-10)、オルラン-30(Orlan-30)、エレロン-3(Eleron-3)、タキオン(Takhion)、グラーナト(Granat)、ツァスタバ(Zastava)、ZALAのようなモデルを含む戦前のISRドローン兵器庫に大きく依存している[1]。以前は、あまり洗練されていない部隊に対する地上からの砲兵(ground-based artillery)やMLRSによる打撃を支援するためにシリアに配備されていたが、ウクライナ侵攻の初期段階ではこの艦隊は当初不在だった[2]。しかし、紛争が激化するにつれて、ロシア軍に多く配備されているオルラン-10(Orlan-10)やエレロン-3(Eleron-3)などのISRドローンの使用が増加した。これらのドローンは、ロシアの偵察・打撃作戦において、ターゲットの識別、追跡、砲兵の調整などを行う重要な役割を担っている[3]。2022年後半には、より先進的で射程距離の長いオルラン-30(Orlan-30)の配備が始まり[4]、ロシアにとって重要なターゲットである米国提供のM777のような長距離砲システムをターゲットとするロシアの能力が強化された。

ロシアは当初、ドローン艦隊の堅牢さにもかかわらず、ウクライナの対抗措置により大きな損失に直面している。戦前にロシアが保有していた2,000機以上のドローンの大部分がウクライナで使用され、その多くが戦闘で失われたと推定されている。この消耗に加え、紛争の大規模化と数十万人の兵士が関与しているため、最大10キロの近距離戦術的カバーが不可欠な軍用グレードのISRドローンが不足していることが明らかになった。

この能力ギャップを埋めるために、ロシア軍とウクライナ軍は、ますます市販のクアッドコプターやDIYドローンに目を向けている[5]。これらのドローンを大量に調達、製造、納入する前例のないボランティア活動(volunteer efforts)に支えられている。この転換は、当面の戦術的ニーズに対応するだけでなく、重要な技術や部品を直接戦場に供給するための、ウクライナとロシアの社会間の技術競争でもある。無人航空機(UAV)の高い消耗率は、軍と民間の技術的取組みを融合させる継続的な供給パイプラインに対する継続的な需要を強調し、革新と適応性が重要な役割を果たす現代戦(modern warfare)の進化する本質を強調している。

中高度長期耐久無人航空機(UAV)

現在進行中のロシアとウクライナの紛争では、中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)が初めて使用され、現代戦(modern warfare)における戦略的意義が示された。これらのドローンは重要な役割を果たしているが、その有効性と生存性は高度な防空システムの厳しさの下で試されている。

紛争の初期段階において、ウクライナは中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)、特にバイラクタルTB-2(Bayraktar TB-2)ドローン[6]を主に攻撃作戦に使用した。これらのドローンは当初は効果的であったが、ロシアが支配地域内の防空能力を強化したため、その脆弱性が明らかになり、これらの無人偵察機が撃墜される割合が高くなった[7]

ロシア側には、3種類の中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)が配備された。国産の「オリオン[8]」と「フォルポストR(Forpost-R)[9]」、そしてイランから供与された「モハジャ-6(Mohajer-6)[10]」である。オリオン(Orion)ドローンは、紛争初期にはKAB-20レーザー誘導爆弾によるターゲット打撃に惜しみなく使用された。それでも、いくつかのユニットを失った後、すぐに出番が少なくなった。これは、生産能力の限界と、ウクライナの防衛に対する脆弱性の認識を示唆している。

フォルポストR(Forpost-R)は、10年以上前に入手したイスラエルのデザインを国産化したものだが、その活躍の場は限られている。戦闘での使用例はほとんど公表されておらず、運用数が少ないために戦場での影響力が限定的であることを示している。ロシアの国営メディアがオリオン(Orion)とフォルポストR(Forpost-R)の生産と配備について沈黙しているのは、これらの高度な無人航空機(UAV)の製造を維持する上での根本的な課題を反映しているのかもしれない。ロシアのアナリストからの洞察によると、これらのドローンは現在、直接戦闘よりもむしろ、主にインテリジェンス、監視、偵察(ISR)の役割をサポートしている可能性がある[11]

イランのモハジャ-6(Mohajer-6)は、ウクライナが撃墜された後に回復したことだけが注目され、公開された情報からはほとんど姿を消している[12]。限られた情報は、一般的な秘密主義を強調し、おそらくこの無人航空機(UAV)の戦闘における非効率性または限定的な使用を強調している。

バイラクタルTB-2(Bayraktar TB-2)を含むすべてのドローンは、同様の脆弱性を共有している。レーダー断面積が大きく、速度が遅く、飛行経路が予測しやすいため、探知されやすい。これらの特性は、十分に装備された防空網にとって格好のターゲットとなる。この脆弱性が緩和されるのは、敵に有効な防空能力がないシナリオか、敵の防空を制圧・破壊する作戦(SEAD/DEAD)が成功した後であり、ドローンがリスクを抑えて活動できるようになる。

その脆弱性にもかかわらず、こうした無人航空機(UAV)を活用する傾向は続いている。ウクライナはドローン開発プログラムを進めており、より重く、より堅牢な無人航空機(UAV)のデザインに注力している。一方、ロシアは将来の軍事調達・開発戦略において自動化と無人システムを重視しており、これは中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)を軍に統合(一体化)することへの継続的なコミットメントを反映している[13]

ウクライナ紛争やその他の地域紛争における中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)の性能に影響され、中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)に対するグローバルな視点も進化している。トルコ、中国、イランなどの国々は、大型戦闘無人航空機(UAV)を積極的に開発・配備しており、将来の国際安全保障力学において、これらのシステムが重要な役割を果たすことを示唆している。同時に、イエメンを拠点とするフーシ派に対する欧米の進行中の作戦は、米国製MQ-9リーパー(MQ-9 Reaper)のような高性能な中高度・長時間耐久型(MALE)ドローンの脆弱性を浮き彫りにしている[14]

まとめると、中高度・長時間耐久型(MALE)無人航空機(UAV)は脅威の高い環境では限界があることを示してきたが、技術の進歩と現代および将来の紛争における役割の戦略的評価によって形成され、その開発と使用は今後も続くだろう。

徘徊型弾薬の意味合い-軽徘徊型弾薬

ロシア軍は、シリア紛争や2020年のナゴルノ・カラバフ紛争での有効性から学び、徘徊型弾薬の使用を戦略に大きく取り入れている。これらの弾薬は現代戦(modern warfare)において重要な資産であることが証明され、KUBやランセット(Lancet)ドローンのような国産モデルの開発と配備を促している[15]

2021年2月から運用されているKUBは、オペレーターが事前に設定した座標に従ってターゲットに到達するが、ランセット(Lancet)の亜種はより洗練されたアプローチを利用する。これらのドローンは偵察無人航空機(UAV)によって誘導され、ターゲットをピンポイントで捉え、オペレーターはリアルタイムで飛行経路を調整することができる。特に西側が提供する長距離砲プラットフォームに対して、これらのドローンへの依存が高まっていることは、ロシアの軍事作戦における戦略的重要性を強調している[16]

戦争2年目以降、ランセット-3(Lancet-3)型の配備が著しく増加したが、これはおそらく生産能力が強化されたためであろう。

ロシアのロスタルマー(Lostarmour)のウェブサイトのデータによれば[17]、ランセット-3(Lancet-3)の1566回の使用記録のうち、約70%のターゲットが外れたか、損傷したか、あるいは結果が不明であり、残りの30%は破壊に成功している。当初、ランセット(Lancet)は戦車や重装甲車両をターゲットとしていたが、重装甲のターゲットに対する有効性が低いことから、より効果的に砲兵や防空システムを交戦することに重点を移した。

2024年までに、ランセット-3(Lancet-3)は短距離徘徊型弾薬として好まれるようになった。射程距離は最大60kmで、ウクライナの大砲やMLRSシステムにとって大きな脅威となる。ウクライナの軍事レポートは、ランセット(Lancet)の高度な誘導システム、小型、静かな動作、レーダーによる検出を困難にする複合材料に注目している。しかし、ドローンの速度が遅く(時速100キロまで)、弾頭が小さい(最大5キログラム)ため、うまく防護されたターゲットに対する効果は限定的である[18]

この「神風(kamikaze)」ドローンの広範な配備は、ウクライナ軍に大きな困難をもたらした。ランセット(Lancet)攻撃は通常30~40分続き、戦術レベルでロシアの地上部隊に重要な支援を提供する。しかし、その使用はロシアの特殊部隊と移動偵察グループに限られているとされ、より広範な歩兵の利用が制限される可能性がある。ランセット(Lancet)は、目視による識別と空中のユニット数の評価が最も困難な23時から6時にかけて、特に危険かつ効果的であると考えられている[19]

ウクライナの報告によれば、ランセット(Lancet)はしばしばオルラン-10(Orlan-10)やオルラン-30(Orlan-30)の偵察無人航空機(UAV)、イランから供与されたモハジャ-6(Mohajer-6)と一緒に配備され、ターゲッティング能力を高めている。ロシアのメディアは、ZALAドローンもこの統合(一体化)されたアプローチの一部であり、作戦の影響を最大化するために複数の無人航空機(UAV)タイプを協調的に使用していることを強調している。これらのドローンの戦略的配備は、ロシアの軍事戦術における重要な進化を反映しており、現代の紛争における徘徊型弾薬の重要な役割を強調している。

徘徊型弾薬の意味合い-重徘徊型弾薬

イラン製のシャヘド(Shahed)徘徊型弾薬[20]は、ロシア軍の兵器庫の中で極めて重要な構成要素となっており、多数の短距離ISRドローンと長距離戦闘用ドローンの不在との間の重要な能力ギャップを埋めている。イランからこれらの無人偵察機を大量に入手したことで、ロシアはウクライナの民間インフラや一部の軍事ターゲットに対して、ほぼ継続的に打撃を行うことができるようになった。

シャヘド-136(Shahed-136)とシャヘド-131(Shahed-131)は、ロシアでゲラン-2(Geran-2)とゲラン-1(Geran-1)に改名され、多くの市販部品が組み込まれている。モスクワとテヘランは、両国間の直接的な軍事的取引を曖昧にするため、これらのドローンを国産として販売している。

全地球航法衛星システムと慣性航法システムの両方を利用するシャヘド・ドローン(Shahed drones)は、主に静止したターゲットに対して配備される。その高い消耗率(90%)にもかかわらず、ウクライナの社会と政府に圧力をかけるためにモスクワが好んで使用するツールであり続けている。ゲラン(Geran)の改良型には、ロシアのグロナス(GLONASS)を統合(一体化)してナビゲーションを強化したものがあり、ドローンが徘徊して最適な攻撃パターンと構成を選択できるようになっている。さらに、その弾頭は、初期デザインからの進化を反映し、ダメージを増加させるために再構成されている[21]

これらのドローンはすべて「ゲラン(Geran)」という呼称で運用されており、ロシアがイランから供給されたキットから大量に組み立てる能力を有していることを示している。ロシアで使用されているこれらのドローンの正確な数は不明だが、報告によれば、ロシアはウクライナの防空に対する損失をほとんど心配することなく、最大50機のドローンを同時に大量に発射することができる。

シャヘド(Shahed)/ゲラン(Geran)ドローンの軍事ターゲットに対する有効性は依然として限定的だが、その配備により、ウクライナの防御側はこれらの脅威を探知・迎撃するために多大なリソースを割かざるを得ない。この戦略的使用はウクライナに多大なコストを課し、民間インフラと軍事資産の保護の間で難しい決断を迫られる。特筆すべきは、夜間にさまざまな方向から攻撃したり、ウクライナ領空を長時間徘徊する複数のシャヘド・ドローン(Shahed drones)を含む戦術が、ウクライナの防衛戦略にとってますます懸念されるようになっていることだ。こうした戦術は、ウクライナの弾薬供給を枯渇させ、追撃(follow-up attacks)のために防御陣地を明らかにする可能性を狙っている。

紛争が長引くにつれ、ロシアは従来のミサイルに代わる経済的な選択肢として、シャヘド(Shahed)/ゲラン(Geran)無人機に依存し続けることが予想される。数千機の無人航空機(UAV)を製造できる生産施設の設立計画を含め、モスクワとテヘランの間で進行中の協力関係は、これらのドローンの戦略的重要性を強調している。費用対効果に優れ、ウクライナの大部分をカバーできる広範な射程を持つシャヘド(Shahed)徘徊型弾薬は、ロシアの軍事戦略において重要な位置を占めており、生産規模が拡大するにつれて配備が拡大する可能性がある。

民間用ドローンの意味合い

ISRと戦闘

現在進行中のウクライナ紛争では、民生用ドローン、特に中国製のDJIとオーテル(Autel)の変種が、すべての交戦国によって軍事作戦に統合(一体化)されるという前例のない事態が起きている。これらの商業用クアッドコプターは、現代戦(modern warfare)の新たな象徴となり、インテリジェンス、監視、偵察(ISR)、ターゲッティング、直接戦闘任務で極めて重要な役割を果たしている[22]

ウクライナは、ロシアの侵攻が始まった当初から、こうしたドローンを使い始めた最初の国だった。商業用ドローンは通常、前線から最大10km離れた場所で単独または2機1組で飛行し、1機がISRデータを提供し、もう1機が弾薬投下を行う。ロシア軍もウクライナ軍も、戦術的優位性を得るためにこれらのドローンを集団で使用している。例えば、1機のドローンが敵対者の防御線を照らし、反応を誘発し、敵の位置を明らかにし、それを軽爆弾や手榴弾を搭載した他のドローンによってターゲットにされる。

両軍の兵士は、建物や塹壕、さらには移動中の車両など、さまざまな戦闘状況でドローンを操作することに習熟し、状況認識と作戦能力を高めている[23]。これらのドローンの使用は、夜間作戦や複雑な突撃シナリオにまで及び、地上部隊に重要な支援を提供している。

2023年に戦争が進むにつれ、当初は戦術用ドローンが不足していたため、ロシア軍はボランティア活動(volunteer efforts)によって供給される商用ドローンに大きく依存するようになった。戦術レベルの状況認識の維持には不可欠だが、これらのドローンは、双方が採用する高度な航空・電子戦(electronic warfare)防御のために高い消耗率に直面している。このため、ロシアのコメンテーターやボランティアからは、分隊や小隊レベルまで軍に装備させるため、国内のクアッドコプター生産を大幅に増やすべきだという声が上がっている。

ロステック(Rostec)やアルマズ・アンテイ(Almaz-Antey)のようなロシアの防衛産業大手は現在、軍用および民生用のクアッドコプターの生産を拡大しようとしている。しかし、中国製部品への依存が続いていることや、国内生産の拡大に課題があることから、こうした取り組みの成否は不透明なままだ。

DJIはロシアとウクライナでドローンを販売しないことを公式方針としているが、DJIの無人航空機(UAV)は保守と運用が簡単なため、ロシアとウクライナの兵士に高い人気を誇っている。Matriceのような大型のDJIモデルは、より強力なマルチローターデザインにより、より重い弾薬を搭載して投下することができる「爆撃機(bombers)」として機能するように改良されている。

双方はドローンの戦術を絶えず改良し、その保守と運用のためのマニュアルを作成し、特に電子戦(electronic warfare)における脆弱性に対抗するために取得と修理の戦略を調整している。より貴重なユニットを配備する前に、安価なドローンを使って電子戦(electronic warfare)のアセットを偵察するなどの革新もある[24]。その他の戦術としては、敵部隊を混乱させるために、ドローンを空中突入に使ったり[25]、催涙ガスを届けたり[26]、夜間爆撃を行ったりすることがある。

ドローンは広範囲に使用されているにもかかわらず、その全体的な有効性を判断することは依然として困難である。成功した作戦の映像を共有するのが両陣営の主流であるため、失敗した作戦に関するデータが不足している。英国を拠点とする英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の報告書によると、ウクライナはロシアの電子戦(electronic warfare)や防空対策によって、毎月最大1万機の無人航空機(UAV)を失っている可能性がある[27]。この数字は、その作戦上の重要性にもかかわらず、打撃任務における民間ドローンは、現状では費用対効果が低い可能性があることを示唆している。

一人称視点(FPV)のドローン

2024年までに、一人称視点(FPV)ドローンは、一般的に小型で高速であり、静止しているターゲットや移動しているターゲットに対する迅速な戦術的打撃のために、現代戦(modern warfare)の中心的存在となっている。「神風(kamikaze)」ドローンと呼ばれるこれらのドローンは、兵士やボランティアによって組み立てられることが多く、RPGや迫撃砲のようなペイロードを搭載し、時速100kmで飛行する。これらのDIYドローンは、組み立てに500ドルから2000ドルという費用対効果の高い消耗品であり、戦闘とインテリジェンス・監視・偵察(ISR)の両方の任務において、より低速で高価なDJIタイプのクアッドコプターに取って代わり始めている。

一人称視点(FPV)ドローンは手頃な価格とスピードを提供するが、数日で習得できるDJIドローンに比べ、熟練したパイロットを必要とする。一人称視点(FPV)ドローンの習得には、そのスピードと電子戦(electronic warfare)やその他の対策の影響を受けにくいことから、少なくとも3週間はかかる[28]。ウクライナ軍は一人称視点(FPV)ドローンを効果的に活用した最初の国であり、ロシアの戦車や装甲車をターゲットにした。2024年までには、大量の一人称視点(FPV)ドローンがロシア軍で使用されるようになるだろう[29]。しかし、多くのコメンテーターは、ウクライナがドローンの調達と製造のための資源を早くから組織的に動員しているため、まだ優位に立っている(holds an edge)と考えている。

これらのドローンを供給し、組み立てる取り組みは、主にボランティア主導で行われている。ロシアでは、こうした取り組みが断片的であるため、部隊間でドローンの入手可能性にばらつきが生じている。対照的に、ウクライナはUnited24ドローン獲得構想(United24 drone acquisition initiative.)のもと、より集中的なアプローチを実施している。

一人称視点(FPV)ドローンもDJI型ドローンも、諸兵科連合作戦にドローンを統合(一体化)するコンセプトが最近開発される以前は、地上部隊でアドホックに使用され、有機的な戦術能力となっていた。兵士たちは、一人称視点(FPV)ドローンは2キロ離れた窓から高速で手榴弾を発射することができ、地上戦のダイナミクスを根本的に変えると表現している。低コストで、どこにでもあり、使いやすいことから、理想的な戦術システムであり、電子戦(electronic warfare)の影響を受けやすく、パイロットの専門知識があまり必要でないなど、民間モデルの脆弱性を克服するようにデザインされた軍用一人称視点(FPV)徘徊型弾薬の将来の開発に影響を与える可能性が高い[30]

ドローンや機材を供給するロシアのボランティア組織の役割にも注目が集まっている。小規模なボランティア活動と、より重要な構想(initiative)を区別する必要があり、多くの場合、政府とのつながりがある。例えば、資金力のあるグループは、ソフトウェアの改造や弾薬投下能力の追加など、ドローンを組織的にアップグレードしている[31]。ワグネル・センター(Wagner Center)や、元ロシア官僚のドミトリー・ロゴジン(Dmitry Rogozin)が率いる皇帝の狼(Tsar’s Wolves)といった組織は[32]、資金力と技術力に優れ、ドローンの継続的な供給を可能にしている。

ロシアでの重要なボランティア活動(volunteer efforts)には、Okoデザイン局によるPrivet-82「神風(kamikaze)」ドローンの開発が含まれる。このドローンは航続距離30kmを誇り、最近国防省(MOD)の認証に合格し、大量生産が計画されている[33]。また、プロジェクト・アーチエンジェル(Project Archangel)は、ランセット(Lancet)ドローンの費用対効果の高いバージョンを製造することを狙いとしており、10倍安く、航続距離は25km[34]と言われている。

結論

無人航空機(UAV)は、ウクライナ紛争を通じて極めて重要な役割を果たし、さまざまな戦術的目的のために軍用ドローンと商業用ドローンの両方を使用する方向に大きくシフトし、現代戦(modern warfare)に影響を与えている。この戦争で注目すべき点のひとつは、モスクワがイランのシャヘド(Shahed)無人偵察機を取得したことで、これは外国の技術を統合(一体化)し、長距離ドローンの作戦における能力格差に対処するための戦略的な動きである。

この紛争のトレンドは、より高価な独立型無人航空機(UAV)プラットフォームから、より安価で大量に配備できる無人機への移行である。こうした消耗品のようなドローンは、戦術的に大きな有用性を示しており、近距離戦術打撃、地上からの攻撃(ground-based assaults)、従来型の砲撃(artillery barrages)のターゲットの発見などに使用されている。ロシアによるシャヘド(Shahed)徘徊型弾薬の広範な使用は、ウクライナの防空を著しく緊張させ、持続的なドローンの波に対抗するために相当な弾薬と資源を必要としている。

これまでの紛争では、バイラクタルTB-2(Bayraktar TB-2)のような中高度・長時間耐久型(MALE)ドローンが大きな影響を与えたにもかかわらず、ロシア・ウクライナ戦争では、強固で重層的な防空システムのため、その効果は限定的であった。逆に、軽量な徘徊型弾薬は非常に効果的であることが証明されており、小型で飛行高度が低いため、探知や迎撃が困難であり、今回の紛争、そして将来の紛争でも継続的に使用される可能性を示している。

ソーシャル・メディアは、ウクライナをめぐるドローン戦争において重要な役割を果たし、既存のナラティブを強化し、新たなナラティブを生み出し、能力と脆弱性に対する認識を高め、ボランティア主導の資金調達や技術的努力によって戦闘員の取組みを支援する役割を果たした。紛争のこの側面は、ロシアとウクライナの社会から大きな支持を受け、ドローン技術の急速な革新を実証した。

ウクライナが先進的なドローン技術に対する欧米やトルコの支援の恩恵を受けている一方で、ロシアのドローン開発は、国際的な制裁と国内経済の低迷の中で生産を維持することに大きく依存している。課題にもかかわらず、ロシアは絶えず革新を続け、新たな解決策を見出している。

ドローン戦争はダイナミックな進化を遂げており、双方が能力のギャップを埋め、新たな技術に適応するための新たな解決策を模索している。ドローン技術の迅速な適応は、前線での戦闘の矢面に立ち続ける地上部隊にとって極めて重要である。安価で高速な一人称視点(FPV)ドローンの導入は重要な進化を遂げ、新技術の適応性と迅速な統合(一体化)が極めて重要であることを示している。

2024年までに、革新的な措置を講じたにもかかわらず、ロシアのドローン産業は、安価で消耗品の一人称視点(FPV)タイプのドローンの需要を満たすという課題に直面している。この状況は、ロシアの軍事・防衛部門内の調整と統合という広範な問題を浮き彫りにしており、ドローン戦(drone warfare)の進化に歩調を合わせるためには、より迅速に適応する必要があるかもしれない。

戦争が進むにつれて、ロシア軍もウクライナ軍もさまざまなクラスの無人航空機(UAV)やドローンを探求し、統合(一体化)し続けている。これは紛争の当面の結果を左右するだけでなく、世界的に搭乗員なしの航空機技術(uncrewed aerial technology)の将来を形作るかもしれない。ウクライナで進行中の進展は、現代のドローン戦(drone warfare)の日常的な青写真を提供し、軍と世界の防衛産業の双方にリアルタイムでの適応と革新を促している。

参考

オルラン-10(Orlan-10) オルラン-30(Orlan-30) エレロン-3(Eleron-3)
タキオン(Takhion) グラーナト(Granat) ツァスタバ(Zastava)
ZALA バイラクタルTB-2(Bayraktar TB-2) フォルポストR(Forpost-R)
モハジャ-6(Mohajer-6) オリオン(Orion) KUB
ランセット-3(Lancet-3) シャヘド-136(Shahed-136)
ゲラン-2(Geran-2)ロシア名
シャヘド-131(Shahed-131)
ゲラン-1(Geran-1)ロシア名
DJI- Matrice オーテル(Autel) Privet-82

ノート

[1] Jeffrey Edmonds and Samuel Bendett: “Russia’s Use of Uncrewed Systems in Ukraine,” CNA, March 3, 2023, https://www.cna.org/reports/2023/05/russias-use-of-drones-in-ukraine.

[2] Ibid.

[3] Jack Watling and Nick Reynolds: Meatgrinder: Russian Tactics in the Second Year of Its Invasion of Ukraine, https://static.rusi.org/403-SR-Russian-Tactics-web-final.pdf.

[4] “ВСУ Захватили Самый Современный Дрон РФ ‘Орлан-30’: В Чем Его Особенности [UAF Seized the Most Modern RF Drone ‘Orlan-30’: What Are Its Features],” ФОКУС, August 6, 2022, https://focus.ua/digi- tal/524625-vsu-zahvatili-samyy-sovremennyy-dron-rf-orlan-30-v-chem-ego-osobennosti

[5] “DIY” refers to “do-it-yourself” technologies that can be readily assembled from commercial components. In this case, it refers to FPV drones.

[6] Baykar Technology | Bayraktar TB2, accessed August 13, 2023, https://baykartech.com/en/uav/bayraktar-tb2/.

[7] Oliver Parken and Joseph Trevithick: “Ukrainian Fighter Pilots Call B.S. on Need for Gray Eagle Drones,” The Drive, accessed June 15, 2023, https://www.thedrive.com/the-war-zone/ukrainian-fighter-pilots-call-bullshit-on-need-for-mq-1c-gray-eagle-drones.

[8] John Pike: “Orion UAV / Inokhodets, ‘Ambler,’” Orion UAV, accessed August 13, 2023, https://www.globalsecurity.org/military/world/russia/orion.htm.

[9] “Reconnaissance Drone,” Military Today, accessed August 13, 2023, http://www.military-today.com/aircraft/forpost.htm.

[10] Emma Helfrich: “Iranian Mohajer-6 Drones Used By Russia Loaded With Western Parts,” The Drive, accessed August 13, 2023, https://www.thedrive.com/the-war-zone/iranian-mohajer-6-drones-used-by-russia-loaded-with-western-parts.

[11] Сергей Птичкин: “Российские Беспилотники-Наблюдатели и Дроны-Камикадзе Показывают Успешную Работу в Тандеме в Ходе Спецоперации,”[Russian Surveillance Drones and Kamikaze Drones Demonstrate Successful Collaboration During Special Operation], Российская газета, accessed June 1, 2023, https://rg.ru/2022/08/09/odni-nabliudaiut-drugie-atakuiut.html.

[12] “Оперативний ЗСУ” [Operational ZSU], Telegram, accessed July 8, 2023, https://t.me/operativnoZSU/45825.

[13] “В ‘Рособоронэкспорте’ Рассказали о Трендах Развития Мирового Рынка Вооружений [In ‘Rosoboronexport’ They Talked About Trends in the Development of the Global Arms Market],” TACC, accessed June 1, 2023, https://tass.ru/armiya-i-opk/17810273.

[14] John Gambrell: “Yemen’s Houthi rebels claim shooting down another US MQ-9 Reaper drone as footage shows wreckage,” APNews.com, May 17, 2024, https://apnews.com/article/yemen-houthi-us-drone-israel-hamas-war-b440499cd3e96851088a5dd765864f5b.

[15] KUB and Lancet are loitering munitions made by the Kalashnikov Enterprise (part of Rostec). They have a range of 40-50 km.

KUBとランセット(Lancet)は、カラシニコフ・エンタープライズ(ロステック傘下)が製造した徘徊型弾薬である。射程距離は40~50キロ。

[16] Jeffrey Edmonds and Samuel Bendett: “Russia’s Use of Uncrewed Systems in Ukraine,” CNA, March 3, 2023, https://www.cna.org/reports/2023/05/russias-use-of-drones-in-ukraine.

[17] “Use of Lancet loitering munition in SVO zone,” accessed May 8, 2024, https://lostarmour.info/tags/lancet.

[18] “Colonelcassad.” Telegram. accessed June 1, 2023, https://t.me/boris_rozhin/82583.

[19] Ibid.

[20] “Loitering munition / Kamikaze-Suicide drone – Iran”, July 15, 2023, https://www.armyrecognition.com/iran_unmanned_ground_aerial_vehicles_systems/shahed-136_loitering_munition_kamikaze-suicide_drone_iran_data.html.

[21] Paul Iddon: “TailTailor-Made Shaheds: Iranian Drones Are Being Modified To Russian Specifications,” Forbes, February 12, 2023, https://www.forbes.com/sites/pauliddon/2023/02/12/tailor-made-shaheds-iranian-drones-are-being-modified-to-russian-specifications/?sh=65aafc4c4e91.

[22] Stewart Bell and Jeff Semple: “Exclusive: How a 15-Year-Old Ukrainian Drone Pilot Helped Destroy a Russian Army Column – National,” Global News, June 7, 2022, https://globalnews.ca/news/8893672/15-year-old-ukrainian-drone-pilot-russian-column.

[23] Andrey Kots: “Они Изменили Представления о Войне’ Кого Готовят в Донбассе,” [They changed the perception of the war], РИА Новости, December 9, 2022, https://ria.ru/20221209/drony-1837208016.html.

[24] “Два майора” [Two Majors], Telegram. January 7, 2023, https://t.me/dva_majors/7536.

[25] “Game of Drones,” Telegram, February 20, 2023. https://t.me/droneswar/5958.

[26] “Беспилотники (дроны, БПЛА, UAV) [Unmanned Aircraft (Drones, UAVs)], Telegram, February 17, 2023. https://t.me/uav_tech/12311.

[27] Jack Watling and Nick Reynolds: Meatgrinder: Russian Tactics in the Second Year of Its Invasion of Ukraine, https://static.rusi.org/403-SR-Russian-Tactics-web-final.pdf.

[28] Yan Bratskiy: “FPV Drone Operators Share Insights on Training in Air Defense Zone,” Zvezda, May 2, 2023, https://tvzvezda.ru/news/20235251-agXB4.html.

[29] “Беспилотники (дроны, БПЛА, UAV) [Unmanned Aircraft (Drones, UAVs)], Telegram, February 17, 2023. https://t.me/uav_tech/12311.

[30] Yevgeniy Vagin: “В России впервые показали портативный складной дрон “Боец 75” [For the First Time in Russia, Portable Folding Drone ‘Boets 75’ Presented,] TASS, May 18, 2023, https://tass.ru/armiya-i-opk/17778375.

[31] Two interviews conducted by the author with anonymous sources involved in upgrading the DJI Mavic UAVs for Russian troops (September 2022).

[32]Хроника оператора БПЛА [Operator’s Chronicle]” Telegram, accessed June 1, 2023,  https://t.me/xronikabpla/4430.

[33] “Game of Drones”. Telegram. accessed June 11, 2023, https://t.me/droneswar/7152.

[34] “В России Создали Бюджетный Аналог Дрона-Камикадзе ‘Ланцет’ с Дальностью Полета До 25 Км [Russia Creates Budget Alternative to Kamikaze Drone ‘Lancet’ with a Flight Range of Up to 25 km],” TASS, June 6, 2023, https://tass.ru/armiya-i-opk/17935781.