米国がオープンスカイ協定からの脱退を準備と伝えられる。OC-135の更新に影響
掲載:2019年10月10日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Shaun McDougall FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)
U.S. Reportedly Preparing to Withdraw from Open Skies Treaty, Impacting OC-135 Replacement
October 10, 2019 – by ShaunMcDougall
ネブラスカ州オファット空軍基地から離陸するOC-135Bオープンスカイ航空機:米空軍提供
ホワイトハウスは、34の署名国(北大西洋条約機構のメンバー、旧ワルシャワ協定の東ヨーロッパのメンバー、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ジョージア)での非武装の観測飛行を許可する協定であるオープンスカイ協定からの脱退の発表を準備していると伝えられている。
協定の批評家によると、協定は、ロシアが米国の情報に過度にアクセスする事を許しており、米国は、代わりに衛星による監視によって、オープンスカイ監視の航空機を運用維持する不必要なコストを回避出来るとしている。
オープンスカイ協定の支持者は、この協定は、ロシア軍やその他軍事活動へのより容易なアクセスを提供するとしてこれらの主張に対抗している。
米国の協定からの脱退は、ロシアの協定からの同様の脱退の可能性を生起し、透明性の低下につながる可能性がある。
米国は、1996年に納入された1組のボーイングOC-135B観測機を使用してオープンスカイ・フライトを実施している。
航空機には、赤外線ラインスキャナー、合成開口レーダー、ビデオスキャンセンサーなど、条約で認められているセンサーが装備されている。
オンボードカメラには、低高度写真(地上約3,000フィート)に使用される1台の垂直、2台の斜交KS-87Eフレーミングカメラと、左右にスキャンして各画像を広く掃引するKA-91Cパノラマカメラが含まれている( 約35,000フィートでの高高度撮影に使用される)。
空軍は、これらの航空機の取得プロセスにあるため、条約からの撤退は調達努力をひっくり返す事になる。
空軍は、既存の2機のOC-135Bの更新のために、2019会計年度の調達予算に2億2,220万ドルを盛り込んだが、議会は1機の資金のみをとした。
空軍は、2020年度から2022会計年度にかけて、研究開発予算を段階的に増加し2機目の資金とする計画である。
2020会計年度に5,450万ドルを要求、2021会計年度に7,620万ドル、2022会計年度に3,760万ドルとする予定である。 2020会計年度には契約が予定されていた。(黒豆芝)