カナダは新UAV飛行隊に関する要求を精査;提案要求は後に

掲載:2019年10月21日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Shaun McDougall FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)

Canada Refining Requirements for New UAV Fleet; Request for Proposals Expected Next 
        October 21, 2019 – by Shaun McDougall
カナダは新UAV飛行隊に関する要求を精査;提案要求は後に

ゼネラルアトミック社は、カナダのRPASプログラム向けにMQ-9B SkyGuardianを提案
ソース:General Atomics

カナダ政府は、武装した中高度で長期滞在型無人機の新しい飛行隊の要件を精査するために、一連の無人航空機メーカーと議論している。

新しい航空機は、以前は統合的無人捜索・目標捕捉システム(JUSTAS)として知られている遠隔操縦航空機システム(RPAS)プロジェクトを通じて取得される予定だ。
ゼネラルアトミック社はCAE カナダ、MDA、およびL3 ウェスカム社とチームを組み、MQ-9B スカイガーディアンを提案している。
L3 MASは、IAI社のHeron TPベースのアルテミス無人航空機システムの入札のためにイスラエル航空宇宙産業(IAI)社と協力している。
このプログラムは、2019年7月に正式に要求の精査とレビューの段階に入り、政府と企業チームはプログラムの要求精査のための議論を開始した。
これらの議論は、2020/2021会計年度(2020年4月から2021年3月まで)にリリースされる予定の正式な提案要求書に反映される事になる。
2022/2023会計年度には、遅れがなければ契約が予定される。
デリバリー(注;無人機の)は、2024/2025年に開始できる見込みである。

カナダのUAVの新しい飛行隊への願望は、約20年前に表面化明していたが、それ以来ほとんど進展が無かった。
カナダ空軍は、2007年にゼネラルアトミック社とプレデターUAVの契約を締結する準備をしていたが、競争性の欠如が懸念されたため、プログラムは中止された。

L3はIAIのHeron TPに基づいてArtemis UASを売り込んでいる

ある時点で、政府は新しい2段階のアプローチを纏めていた。
最初の段階では、陸上ミッション用の武装UAVが含まれ、第2段階では、主にカナダの沿岸沖での海上監視と、限定された北極監視のためのシステムを獲得するもの。
この計画は2013年に廃止され、プログラムは振り出しに戻った。
最終的に、政府の文書は、空軍が2005年以来6回、新しいUAV飛行隊を獲得しようとして失敗したことを示している。

JUSTASプログラムの最初の遅れに続いて、カナダ政府はアフガニスタンでの追加のISR能力に対する緊急の要求への暫定的な解決策としてヘロンUAVをリースした。
最初のシステムは2008年10月にカナダにデリバーされ、その後すぐにアフガニスタンに展開した。
ヘロンは、2003年以降稼働していた小型のSPERWER[1] UAVの更新機となった。

RPASプログラムの投資額は発表されておらず、カナダは獲得する航空機の数を特定していない。
政府のDefense Capabilities Blueprint(国防能力の青写真)[2]は、プログラムを分類するためにブループリントで使用される事前設定の資金調達範囲の1つで、プログラムが10億カナダドルから49億9900万カナダドルの非常に幅広い価格範囲に収まることを示している。(黒豆芝)


[1]SPERWERは、フランスのSAGEMが製造する無人航空機で、オランダ軍・カナダ空軍により、アフガニスタンにおける国際治安支援部隊の活動で使用された。
[2] Defense Capabilities Blueprint(DCB):防衛調達と契約機会に関する情報を提供するもので、2018年にDefence Acquisition Guide(防衛取得指針)に代わってオンライン検索可能なデータ出提供されるものとなっている。