COVID-19の宇宙産業への衝撃

掲載:2020年4月15日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Carter Palmer FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)

COVID-19 Impacts on the Space Industry
April 15, 2020 – by Carter Palmer

COVID-19のパンデミックが世界を席巻するにつれ、多くの産業が浮舟にとどまろうとしている。
宇宙に関わる政府や企業は、この新しい状況に対して異なる反応を示している。
一部の着手事業には前進しているものもあれば、そうではないものも有る。
一部の試験には続行されるものもあれば、遅延しているものもある。
一部の企業にはまだ運営されているものもあれば、他の企業は閉鎖されているものもある。
宇宙産業はこのような異常時に新しいベースラインを見つけているのか?

ロケットの打ち上げ

ロケットの打ち上げは継続されている。;
しかしながら、多くの打ち上げ会社は将来の打ち上げを後退させている。
たとえばロケット・ラボは当面の打ち上げを中止した。
ギアナ宇宙センターは、飛行を一時停止したが、アリアンスペースはまだバイコヌールから打ち上げている。
ソユーズMS-16、は4月9日に国際宇宙ステーションの新しい乗員とともに打ち上げられた。そして、SpaceXは、4月16日にケネディ宇宙センターからスターリンクの打ち上げを計画している。
GPS 3衛星の打ち上げ計画は遅れており、中国[1]はまだ打ち上げる。

製造

人工衛星や打ち上げ用のロケットは建造され続けているが、全体的に労働者の削減を進めている。
この削減により、完了日が後退する見込みである。
その間、一部の製造は完全に中止された。例えば、ソユーズ-2の生産は、パンデミックにより中止された。

試験

打ち上げの遅延にもかかわらず、ロケット・ラボはまだ試験を実施中だ。
彼らは4月9日にヘリコプターを介してブースターを正常に回収した。
ボーイングはまた、今年後半に別の無人のスターライナーをテストすることを発表した。

倒産

おそらく宇宙産業の商業面から出てくる最大のニュースは、COVID-19の状況によるOneWebの倒産だ。まだ早い段階だが、他の企業も同様の運命をたどる可能性がある。
業界は様々な方法でパンデミックに取り組んでいる様に見える。
企業と国は様々な方法で設立され、さまざまな任務と目標を持っているので、対応の組み合わせは意外なことではない。
数週間が経過するにつれて、COVID-19に関する宇宙産業からのよりまとまりのある答が見つかるだろう。(黒豆芝)


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[1] 中国政府は2020年6月までに中国版全地球測位システム(GPS)「北斗」を完成し、高精度の位置情報など総合的なサービスの提供を始める予定で、今後6月までに北斗の衛星を更に2基打ち上げる計画。