国際宇宙ステーションとCOVID-19
掲載:2020年3月26日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Carter Palmer FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)
The International Space Station and COVID-19
March 26, 2020 – by Carter Palmer
国際宇宙ステーション、イメージ 提供NASA/Crew of STS-132
COVID-19の危機は宇宙産業に大きな影響を与えた。
宇宙に現在居る人々はどうなのだろうか?
国際宇宙ステーション(ISS)には、長年にわたって多方面の数多くの宇宙飛行士達が滞在している。
しかしながら、現在では標準の運用手順にいくつかの変更を強いられている。
ロシアの宇宙機関であるロスコスモスは、ISSとの間の乗組員の打ち上げや帰還を遅らせる理由はないと考えている。
現状では、第62次長期滞在搭乗員の3名が4月17日に地球に帰還する予定となっている。交代要員は4月9日にバイコヌールから出発する計画だ。
ロシアはカザフスタンと協力してこれらの予定の実現に取り組んでいる。
現在、打ち上げ日は同じだが、地上での乗組員の応対に関して伝統的な進め方が変更された。
地上の乗組員向けの通常のイベントの指令には、ユーリイ・ガガーリンの遺骨とオフィスがあるスターシティ[1]への訪問が含まれている。
これらのイベントは排除され、3人の搭乗員に有効な2週間の隔離に変更された。
従来の2週間の隔離とは異なり、この措置は宇宙飛行士達がバイコヌールに到着する前に実施されることとなる。
乗務員の方も又、隔離される。
現在、宇宙にいる乗組員に関しては、ミッションの観点からは通常の業務となるようだ。 しかし、地球にいる人々は、宇宙にいる彼らに諸注意と安心を提供したいと考えてきた。 ISSでの生活は、多くの点で隔離のような状況だ。
引退した宇宙飛行士スコット・ケリーは、対処について幾つかのアドバイスをし、将来の乗組員クリス・キャシディはそれに賛成した。
ミッションの遅れは、すでに宇宙産業に影響を与えていた。
ロケット・ラボ[2]は、打ち上げが遅れ、そしてギニア宇宙センターは打ち上げを延期した。
他の業界と同様に、COVID-19の予期せぬ影響がどうなるかを知るにはしばらく時間を要する模様である。(黒豆芝)
[1] Star City:ロシア連邦モスクワ近郊、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターのある町
[2] Rocket Lab:アメリカのロサンゼルスを拠点とする航空宇宙企業