認知戦 パート2 (Eva Sula)
Eva SulaのLinkedInに掲載の記事の認知戦(Cognitive Warfare)に関する論稿のパート2を紹介する。(軍治)
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認知戦
Cognitive Warfare
認知戦(パート2):本当のターゲットは信頼と意思決定
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公開日: 2026年3月10日
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エヴァ・スラ(Eva Sula)は、エストニアの防衛・安全保障戦略家兼アドバイザーであり、デジタル能力、AI、自律性、作戦的統合、防衛変革を専門としている。彼女の活動は、防衛機関、産業界、イノベーション・エコシステム、そしてエンド・ユーザーを結びつけるものであり、特に新興技術を、作戦上有用かつ拡張可能な能力へと転換することに重点を置いている。
エヴァ・スラ(Eva Sula)は政府機関、サイバーセキュリティ、クラウド戦略、防衛関連の分野で幅広く活動しており、ドローン、相互運用性、レジリエンス、情報環境、ウクライナ情勢から得られる教訓といったテーマについて、NATOや欧州の防衛イニシアチブ、同盟国の防衛関係機関、産業界、軍事組織と定期的に連携している。
また、エヴァ・スラ(Eva Sula)は、NATO DIANAにおけるメンタリングやアクセラレーター活動、NATOおよび同盟国圏内のイノベーターとの連携などを通じて、防衛イノベーションやデュアルユース技術のエコシステムを支援している。
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このシリーズのパート1では、認知戦とは何か、そして何ではないのかを明確にした。我々は、ソーシャル・メディアを超えてどのように機能しているか、平和と戦争のグレーゾーンでどのように継続的に展開しているか、そして複数の関係者、ツール、技術がますます関与していることを検証した。しかし、メカニズムを理解することはあくまで第一歩に過ぎない。
より重要な問いはこれである: 認知戦は実際に何を達成しようとしているのだろうか?
答えは情報支配性(information dominance)ではない。本当のターゲットは 信頼。そして信頼を通じて、 意思決定。
現代社会は、信頼のネットワークによって人々や機関が自信を持って意思決定できるように機能している。市民は選挙制度や公共機関を信頼している。政府はインテリジェンス評価を信頼している。市場は金融の安定性やサプライ・チェーンへの信頼に依存している。同盟は約束への信頼と集団防衛に依存している。軍の指揮官は、状況認識(situational awareness)や作戦判断を形成する情報への信頼に依存している。
これらの信頼構造が弱体化または断片化されると、意思決定は遅くなり、ためらいが増し、操作されやすくなる。
まさにここで認知戦が機能する。
すべての人に一つのナラティブを納得させる必要はない。疑念や混乱、断片化が十分に生まれ、集団的な決心が困難になるだけで十分である。
現代の戦略的競争においては、それだけで結果を変えるのに十分である。
戦略的重心としての信頼
現代社会は分散信頼に基づく複雑なシステムである。市民は選挙制度、公的機関、メディア環境、そして自らの権利と義務を規定する法的枠組みを信頼している。経済システムは金融の安定性とサプライ・チェーンへの信頼に依存している。防衛システムは同盟への信頼、抑止の信頼性、国家の強靭性に依存している。
敵対者が信頼をターゲットにするとき、それは集団的意思決定の基盤をターゲットにする。
ロシアが欧州全域で長年行ってきた影響力戦役(influence campaigns)は、このアプローチを明確に示している。多くの作戦は、単に虚偽のナラティブを広めるだけでなく、民主的制度への信頼を損ない、政治的分断を拡大し、政府が無能または腐敗しているという知覚(perception)を育むことを狙ってきた。時間が経つにつれて、この侵食は危機時に社会が結束して対応する能力を弱める。
選挙干渉戦役(election interference campaigns)は、この戦略の最も目に見える現れの一つを示している。アメリカ、フランス、ドイツ、そしていくつかの中東欧諸国での調査は、選挙周期中に公共の言説(public discourse)に影響を与えるための協調的な取組みを記録している。目標は常に特定の結果を保証することではなかった。多くの場合、その到達目標は単に選挙プロセス自体への信頼を損なうことだった。市民が選挙の正当性を疑い始めると、政治の安定は脆弱になる。
この力学は認知戦の中心的な原理を示している。すなわち、不確実性を生み出すことは、虚偽を広めるのと同じくらい強力になり得るということである。市民がもはや制度を信頼しなくなると、意思決定は麻痺する。
しかし、しばしば見落とされがちなのは、これらの取組みがグローバルな規模であることである。信頼をターゲットにした影響力戦役(influence campaigns)は欧州に限られていない。同様のパターンは複数の地域で観察され、しばしば地域の政治的力学や脆弱性に適応している。
欧州
欧州は複雑な政治情勢と戦略的重要性から、影響力作戦の主要なターゲットとなっている。大陸全体で展開された戦役(campaign)は、移民、エネルギー政策、経済的不平等、EU統合に関連する分断を拡大することに頻繁に焦点を当ててきた。ロシアの情報作戦(information operations)は繰り返し欧州連合を分裂的で非効率的だと描こうとし、同時にNATOの安全保障の保証提供する能力への信頼を損なっている。
例としては、2016年のブレグジット国民投票をめぐる影響力戦役(influence campaigns)、フランス大統領選挙中のナラティブ形成の試み、ドイツの政治討論をターゲットとした繰り返される偽情報活動などがある。中東欧州では、ナラティブはしばしば西側の制度を搾取的または信頼できないものとして描き、歴史的な不満を再燃させようとする。
戦略的目標は明確である。欧州の結束を弱め、集団的意思決定を複雑化し、危機時の統一対応を遅らせることである。
北米と南米
北米では、認知作戦(cognitive operations)が政治的言説の分断や内部の分裂の拡大に大きく焦点を当ててきた。2016年の米国選挙干渉戦役(election interference campaign)は、最も広く研究されている例の一つとして今も残っている。調査の結果、ソーシャル・メディア操作、組織的なメッセージング、ターゲット広告の広範な利用が明らかになり、既存の社会的緊張を深めるようにデザインされていた。
これらの戦役(campaign)は選挙操作にとどまらなかった。また、民主的制度、メディア、選挙の正当性そのものへの信頼を損なおうとした。
ラテン・アメリカでは、影響力戦役(influence campaigns)はしばしば異なる形態をとるが、目標は似ている。経済の不安定さ、腐敗、社会的不平等をターゲットにしたナラティブは、政府に対する国民の不信感を深めるためにしばしば拡大される。外部の関係者は時にこれらの力学を利用して地政学的影響力を拡大したり、競合する政治的同盟を弱体化させたりする。
アフリカ
アフリカは地政学的競争が激化する中で、ますます争われる認知空間となっている。ロシアの関係者に関連する情報戦役(information campaigns)は、マリ、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国などの国々をターゲットにしている。これらの戦役(campaign)はしばしば西側のパートナーを新植民地主義的または信頼できないと描き、代替的な安全保障パートナーシップの方が効果的であると提示している。
ワグネル・グループのアフリカでの活動は、軍事作戦が地域の知覚に影響を与えるようにデザインされた協調的なナラティブ戦役(campaign)と並行できることを示した。ソーシャル・メディア、地元メディア、公共デモを通じたメッセージは、国際的な関係者に対する態度を形成し、新たな安全保障体制の正当化に利用された。
こうした文脈では、影響力作戦はしばしば政治的不安定や安全保障危機と密接に結びついている。
中東
中東では、認知戦が長年の地政学的対立と頻繁に交差している。シリア、ガザ、そしてより広い地域の紛争をめぐる競合するナラティブは、情報環境がグローバルな知覚や外交的立場にどのように影響するかを示している。
国家・非国家主体は、地域の住民、国際的な聴衆、「ディアスポラ(diaspora)」コミュニティに影響を与えるようにデザインされたメッセージ戦役(campaign)に取り組んでいる。視覚的証拠、リーダーシップの声明、メディアの枠組みは、現地の出来事に対するグローバルな反応を迅速に形作ることができる。
これらのナラティブ的な戦いはしばしば直接的な紛争地域をはるかに超え、世界中の政治的議論や政策決定に影響を与えている。
アジアとインド太平洋
アジアでは、影響力作戦がますます権力均衡、主権、正当性の知覚形成に焦点を当てている。台湾と南シナ海に関する中国の戦略的メッセージは、長期的なナラティブ戦役(narrative campaign)が争われている問題の地域的およびグローバルな解釈に影響を与えることを示している。
これらの戦役(campaign)の多くは、単なる偽情報に頼るのではなく、特定の地政学的主張を正常化したり、特定の結果を避けられないものとして描くことを狙っている。これらの作戦は、時間をかけて知覚を徐々に変えることで、直接対立せずに戦略的環境を形成しようと試みている。
影響力活動は「ディアスポラ(diaspora)」コミュニティや国際的な学術的議論もターゲットにしており、グローバルなナラティブを形成しようとするより広範な取組みを反映している。
グローバル・パターン
これらの地域全体で、影響力戦役(influence campaigns)にはいくつかの共通点がある。彼らはしばしば、まったく新しいナラティブを創作するのではなく、既存の社会的緊張を利用する。彼らはソーシャル・メディア、伝統的なメディア、外交メッセージ、政治的議論など複数のチャネルを組み合わせている。そして多くの場合、すべての人を説得することではなく、分断を深め、不確実性を生み出そうと狙っている。
同時に、地域ごとに異なる政治的文脈も反映されている。欧州では、しばしば同盟の結束とEU統合に焦点が当てられている。アメリカでは、選挙戦(campaigns)が政治的な分極化(political polarisation)を強調している。アフリカでは、ナラティブはしばしば主権や反植民地主義感情に焦点を当てている。アジアでは、影響力作戦はしばしば正当性や地政学的な位置づけを中心に展開される。
これらの違いにもかかわらず、根本的な目標は一貫している。すなわち、制度への信頼を弱め、社会を分断し、意思決定を複雑化することである。
これらの活動のグローバルな規模は、認知戦が地域的な例外ではないことを示している。これは現代の戦略的競争のシステム的な特徴である。
そして、信頼が集団的意思決定の基盤であり続けるため、敵対者にとって最も魅力的なターゲットの一つであり続けている。
脆弱性としての社会的結束
認知戦はまた、社会が圧力下で機能する社会の織物をターゲットにする。民主主義は共有された規範、国民の信頼、そして集団的な復元性に大きく依存している。これらの要素により、社会は衝撃を受け止め、難しい決断を議論し、危機が生じた際にも結束して行動することができる。これらの規範が弱体化または断片化されると、危機への対応は遅くなり、より争われ、持続が著しく困難になる。
敵対者がまったく新しい社会的分断を作ろうとすることはほとんどない。代わりに、既存の緊張を特定し、それを増幅させる。移民論争、経済的不平等、アイデンティティ政治、文化的な対立などは、協調的な影響力活動の肥沃な土壌となり得る。目標は必ずしも特定の見解を全人口に説得することではない。むしろ、分断を深め、合意形成がますます困難になり、必要な安全保障上の決定さえも政治的に有害になることだ。
前述の地域的パターンは、これらの力学が実際にどのように展開するかを示している。欧州では、影響力作戦が移民、エネルギー政策、ロシアとの関係に関する議論を頻繁に利用している。北米では、選挙や制度の正当性をめぐる分断が、不信感を増幅させるようにデザインされた連携した戦役(campaign)によって繰り返しターゲットとなってきた。アフリカや中東の一部では、ナラティブはしばしば主権、反植民地主義感情、知覚した外部からの干渉に焦点を当てている。アジアやインド太平洋地域では、メッセージングが地政学的紛争における正当性や必然性の知覚を変えることを頻繁に狙っている。テーマは地域ごとに異なるが、根本的な目標は一貫している。すなわち、機関への信頼を損ない、集団的意思決定に必要な結束を断片化することである。
欧州内では、分裂そのものが繰り返しのターゲットとなっている。防衛費、戦略的自律性、エネルギー依存、産業競争に関する意見の相違は、情報戦役(information campaigns)を通じてしばしば拡大される。これらのナラティブは、欧州を分断され、集団的な行動ができない、あるいは外部パートナーに過度に依存していると位置づけている。その意図は、世間の知覚(public perception)に影響を与えるだけでなく、政策議論を複雑化し、欧州の機関や同盟内での調整された対応を遅らせることにもあった。
その影響は政治や公共の言説(public discourse)にとどまらない。社会的結束は経済的・産業的な復元性と密接に関連しており、防衛セクターも含まれる。サプライ・チェーン、技術開発、産業協力は、政府、企業、国際パートナー間の信頼に大きく依存している。技術依存、産業の弱体化、供給不足を強調するナラティブは、防衛即応性や戦略的自律性に関する政治的議論に影響を与える可能性がある。これらのナラティブはしばしば正当な懸念と誇張や歪曲を混ぜ合わせており、真のリスクを軽視しているように見えずに反論するのが特に困難である。
防衛イノベーションのエコシステムは、こうした力学に特に敏感である。スタートアップ、研究機関、防衛技術分野の新規参入者は、投資枠組み、調達プロセス、長期的な政策の安定性への信頼に依存している。防衛エコシステムを機能不全、腐敗、あるいは既得権力に支配されていると描くナラティブは、イノベーションや参加を妨げる可能性がある。これにより、現代防衛がますます依存する新興能力のパイプラインが弱体化している。
近年では、敵意あるナラティブも防衛産業能力をより直接的にターゲットにしている。弾薬不足、生産制限、サプライ・チェーンのボトルネックに関するメッセージは、これらの課題の規模を誇張する形で強調されている。一部の懸念は正当であるが、戦略的目標はしばしばシステム的な弱さの印象を作り出し、防衛準備に対する国民の信頼や長期投資の持続に対する政治的意欲を損なうことである。
軍事組織自体もこれらの圧力から免れているわけではない。軍隊は社会の中で活動し、正当性、募集、政治的支持のために国民の信頼に依存している。軍事機関の信頼性、防衛政策の正当性、軍事能力の有効性を問うナラティブは、徐々にその信頼を損なう可能性がある。この侵食は、時間とともに政治的意思決定や防衛支援の社会的意欲の両方に影響を与える可能性がある。
したがって、認知戦は公共の議論やソーシャル・メディアの議論の範囲をはるかに超えて機能している。経済構造、産業エコシステム、防衛能力開発にまで及んでいる。社会、産業、国家安全保障機関を結ぶ結束をターゲットにすることで、敵対者は効果的な防衛の基盤を弱めようとしている。
この意味で、社会的結束は単なる政治的・文化的な問題ではない。それは戦略的なアセットである。そして認知戦において、戦略的アセットこそが敵対者が弱体化させようと狙うものである。
同盟と国際協力への信頼
同盟国間の信頼も認知戦における重要なターゲットの一つである。同盟は条約や軍事力だけでなく、パートナー同士が共通の脅威の知覚、戦略的優先事項、必要に応じて行動する政治的意志を共有するという信頼に基づいて築かれる。その信頼が崩れ始めると、非常に有能な同盟であっても効果的に対応するのは困難になる。
NATOとEUの協力は、この信頼関係に大きく依存している。集団防衛の取り決めは、加盟国が危機が生じた際に約束が守られ、共同で下された決定が実施されると信じることを求める。認知作戦(cognitive operations)はしばしば、同盟を信頼できない、分裂している、あるいは戦略的に一貫性のないものとして描くことで、この自信を損なおうとする。
アメリカと欧州間の緊張を強調したナラティブは、その明確な例を示している。ロシアの影響力戦役(influence campaigns)は、欧州の防衛がアメリカの安全保障の保証に過度に依存しているという主張を繰り返し強調しつつ、同時にアメリカの欧州安全保障への政治的コミットメントが信頼できない、あるいは条件付きであることを示唆している。これらのナラティブは大西洋の両岸に疑念を生むようにデザインされている。もし欧州社会がアメリカの信頼性に疑問を持ち始めたり、アメリカの聴衆が欧州のパートナーシップの価値を疑問視し始めたりすれば、NATOの抑止態勢を支える結束力はより脆弱になる。
防衛費、負担分担、戦略的自律性をめぐる議論は、こうしたナラティブの土壌として特に肥沃な土壌となっている。欧州国内の独立防衛能力強化に関する議論は、しばしば欧州諸国間の分断を誇張したり、大西洋を越えた協力を弱体化させたりする形で語られる。同様に、産業政策、貿易紛争、エネルギー依存に関する意見の相違は、西側同盟が根本的に不安定であるという知覚を生み出すために拡大される。
中国の同盟関係へのアプローチはやや異なるパターンをたどる傾向があるが、戦略的目標は似ている場合もある。中国の影響力活動は、ユーロ・アトランティック地域での露骨な偽情報戦役(disinformation campaigns)に大きく依存するのではなく、経済的影響力、外交メッセージ、長期的なナラティブ形成を重視することが多い。多極化、経済パートナーシップ、開発協力に関するメッセージは、しばしば中国を、内部的に分裂していると描かれる西側同盟よりも安定的かつ実利的なパートナーとして位置づけようとしている。
これらの取組みは特にアフリカ、東南アジア、ラテン・アメリカの一部地域で顕著であり、これらの地域では戦略的メッセージがインフラ投資、貿易関係、技術協力と結びついていることが多い。経済の信頼性や政治的中立性の知覚を形成することで、中国は各国が戦略的整合の選択肢をどのように捉えるかを徐々に影響を与えることができる。
しかし、ユーロ・アトランティックの文脈では、ロシアは認知作戦を通じて同盟の緊張を最も積極的に利用する主体であり続けている。ロシアのナラティブはしばしばNATOの拡大を攻撃的だと描き、西側の安全保障の保証の正当性を疑問視し、欧州国内や欧州の首都とワシントン間の政治的対立を強調する。これらのナラティブは、調整されたメディアメッセージ、外交声明、影響力ネットワークによって強化され、政治的議論にすでに存在する分断をさらに強化している。
これらの戦役(campaign)の影響は、特に危機の際に顕著になる。同盟の意思決定は迅速な協議、政治的連携、そして共有された状況理解に依存している。信頼が弱まると、調整は遅くなり、より争われるようになる。集団的対応のわずかな遅れでも、特に急速に動く安全保障環境では戦略的な結果が変わることがある。
同盟の防衛産業的次元もこの文脈でますます重要になっている。共同調達プログラム、サプライ・チェーン統合、産業協力は、複数の国の政府、企業、機関間の信頼に依存している。パートナーの信頼性を疑ったり、産業依存関係を誇張したり、生産のボトルネックを強調したりするナラティブは、これらの協力的枠組みへの信頼を損なう可能性がある。
例えば、弾薬生産、防衛製造能力、技術的依存関係に関する議論は繰り返し拡大され、防衛産業能力の強化におけるより広範な進展を時に覆い隠してしまうことがある。これらの議論にはしばしば正当な懸念が含まれているが、敵意あるナラティブはしばしば強さよりも弱さを強調する形で描かれる。
この意味で、認知戦は単に政治的同盟をターゲットにするものではない。また、軍事能力を支える産業および技術のエコシステムもターゲットとしている。パートナー間の信頼を損なうことで、敵対者は政治的結束と集団防衛を支える産業基盤の両方を弱めようとする。
この力学は、危機の際に特に危険であり、同盟は迅速かつ決定的に行動しなければならない。集団防衛は軍事能力だけでなく、必要に応じてパートナー同士が協力して行動するという自信にも依存している。
したがって、その自信を損なうことこそが認知戦が追求できる最も強力な目標の一つである。
今起きている紛争における認知戦
ウクライナ戦争は、認知戦の現代における最も包括的な例の一つである。
ロシアの作戦は物理的な戦場をはるかに超えて広がっている。2014年以降、モスクワはウクライナの政治的正当性を損なうことを狙った持続的な戦役(campaign)を展開し、ウクライナを失敗または人工国家として描き、西側の支援を支援ではなく不正な干渉として位置付けている。これらのナラティブは、ウクライナ国内の士気とキーウへの国際的な支持を弱めるようにデザインされていた。
ロシアのメッセージはまた、制裁を効果的でないものとして、軍事援助をエスカレート的手段として、ウクライナの抵抗を最終的に無駄にするなど、西側の意思決定を形作ろうと試みている。これらの取組みは、国営メディア、代理メディア、ソーシャル・メディア・ネットワーク、そして複数言語にわたる調整されたメッセージングの幅広いエコシステムによって支えられている。
同時に、ウクライナは認知戦が防御的かつ戦略的にも用いられることを示した。ウクライナの機関、ジャーナリスト、市民社会は、オープンソースのインテリジェンス、戦場記録、戦略的コミュニケーションを効果的に活用し、敵意あるナラティブに対抗している。衛星画像、ドローン映像、ロシアの戦争犯罪の証拠の迅速な公開は、グローバルな世間の知覚(global public perception)形成と国際的な政治的支持を強化してきた。アナリストは、ウクライナが信頼性と透明性を維持することで西側の聴衆の間で情報環境の重要な部分を獲得していることを広く指摘している。
これらのナラティブの戦いは政治的意思決定に直接的な影響をもたらした。国際的な軍事支援、制裁体制、外交的立場はすべて、紛争を取り巻く知覚環境(perception environment)の影響を受けている。ウクライナが自らのナラティブに対する信頼を維持する能力は、長期的な国際的支援を維持する上で重要な役割を果たしてきた。
中東でも同様の動態が見られ、紛争をめぐる競合するナラティブがほぼリアルタイムでグローバルな知覚を形作っている。イスラエル、ガザ、地域の関係者が関与する紛争の際、政治指導者の映像や発言、急速に流布するメディア・コンテンツが国際的な世論(international public opinion)や外交的対応に影響を与える。競合する関係者は、国際的な同情を動員したり、政治的圧力を形成したり、反対派の正当性を否定したりするために出来事を枠組みにしようとする。現代の紛争では、こうした知覚の会戦(perception battles)がしばしばキネティックな作戦と同時に展開される。
他の地域では、認知戦がまだ始まっていない状況でも機能しうることを示している。インド太平洋地域では、台湾周辺の影響力作戦が明確な例を示している。中国の戦役(campaign)は、偽情報、サイバー作戦、そして台湾の政治的正当性、米国との関係、そして中国再統一の必然性に関する世間の知覚(public perception)形成を狙ったメッセージを組み合わせている。台湾当局の調査では、偽情報の拡散や台湾政府への信頼を損なうようにデザインされた大規模な偽アカウントネットワークや連携したメッセージが特定された。
これらの活動はしばしば軍事シグナルを伴い、台湾周辺での大規模な演習や武力の示威が行われる。こうした行動は軍事力を示すだけでなく、地域の勢力均衡や政治的必然性に関する知覚形成も目的としている。
これらの地域では、認知戦は他のハイブリッド圧力と並行して展開されることが多い。例えばベネズエラが関わる危機の際、正当性、制裁、外部干渉をめぐる競合するナラティブが国際的な政治的立場や外交的対応を形作ってきた。いくつかのケースでは、対立する勢力がメディアのメッセージや情報戦役(information campaigns)を利用して、国内の政治闘争を民主運動や外国支援による不安定化のいずれかとして位置づけてきた。
これらの事例が示しているのは、認知戦が孤立して起こることは稀であるということである。代わりに、軍事作戦、外交圧力、経済措置、サイバー活動と並行して活動している。物理的な対立と認知的な競争は互いに強化し合い、知覚とナラティブが戦略的結果に影響を与える複雑な戦闘空間を作り出している。
現代の紛争においては、領土の支配が依然として重要である。しかし、国内の人々、同盟国、国際的な聴衆が出来事をどのように解釈するかを形作ることも同様に重要になっている。
多くの場合、知覚をめぐる戦いは最初の銃声が鳴るずっと前から始まり、戦闘が終わった後も長く続く。
防衛計画策定と軍事指揮への影響
軍の指揮官や防衛計画担当者にとって、信頼の喪失と知覚の操作は、伝統的な戦場をはるかに超えた新たな作戦上の課題をもたらす。
現代の軍事的意思決定は信頼できる状況認識(situational awareness)に依存している。インテリジェンス評価、センサー・ネットワーク、衛星画像、オープンソースのインテリジェンス、サイバー監視、そしてますますAI支援による分析が、作戦環境の全体像構築に寄与している。指揮官はこれらの情報の流れを継続的に統合し、戦力態勢、エスカレーション管理、作戦実行に関する意思決定を行う必要がある。
これらの情報ストリームが操作されたり歪められたり、毒されたりすると、意思決定の完全性自体が脆弱になる。
敵対者はサイバー作戦、影響力戦役(influence campaigns)、データ操作技術の組み合わせを通じてこの脆弱性をますます悪用している。偽のシグナル、操作された画像、捏造されたデータポイント、あるいは意図的に誤解を招くナラティブは、インテリジェンス・システムや分析プロセスに混乱をもたらす可能性がある。複雑な作戦環境では、比較的小さな歪みでも決定のチェーンに波及し、誤った評価、遅延対応、または優先順位の不一致を生じさせることがある。
人工知能はこの環境において強力な能力と新たなリスクの両方をもたらす。AI駆動のツールは膨大なデータを処理し、パターンを検出し、人間の分析者が圧倒してしまう分析ワークフローを加速させることができる。同時に、これらのシステムは供給されるデータの完全性に非常に敏感である。操作された訓練データ、敵対的な入力、あるいは汚染されたオープンソース情報は、オペレーターがすぐには見えない形で分析出力を歪めてしまうことがある。
これにより新たな認知的攻撃面が生まれる。敵対者は指揮官を直接ターゲットにするのではなく、指揮決定が依存するデータ環境をターゲットにすることができる。
防衛計画策定においては、この現実により広範な作戦上の即応性の理解が求められる。計画策定はもはやキネティックな能力、兵站、兵力展開だけに集中できなくなる。情報環境自体が作戦上の効果の重要な要素となる。防衛計画担当者は、知覚、情報の流れ、社会的ナラティブが軍事作戦とどのように相互作用し、国内支援と国際的な対応の両方を形作るかを考慮しなければならない。
西側の防衛システムはこの分野で特に構造的な課題に直面している。多くの国では、重要な情報が組織のサイロに分散し、複雑な分類体制や互換性のないデータ・システムに制約されている。インテリジェンス・データ、作戦上のデータ、オープンソース情報はしばしば別々の環境に存在し、効果的に統合するのが難しい。アナリストや指揮官は、流動的な分析エコシステムではなく、切り離されたデータベース、静的なプレゼンテーション、官僚的な報告構造の中を進むことになるかもしれない。
機密情報の防護には分類が不可欠であるが、過度な区分けは意図せず状況認識(situational awareness)を弱めてしまうことがある。重要な洞察が孤立したシステムに埋もれたり、制度の枠内に閉じ込められたままであれば、一貫した作戦上の全体像を描く能力はより困難になる。同時に、敵対者はオープンな情報環境を悪用し、複数のデータ・ソースを迅速に統合して連携した戦役(campaign)を展開できるようになっている。
その結果、逆説が生じる。西側の機関はしばしば強力な物理的・サイバー防御-ファイアウォール、安全な施設、機密ネットワーク-を構築するが、認知的脆弱性は断片化された情報エコシステムや遅い決心プロセスを通じて現れる。
指揮官にとっては、より複雑な決心の景観が生まれる。作戦計画策定は、敵の動き、兵站、火力だけでなく、情報の流れが同盟国、敵対者、国内の聴衆の間でどのように知覚を形成するかも考慮しなければならない。物理的なドメインでの意思決定は情報環境全体に瞬く間に影響を及ぼし、政治的議論、同盟の調整、国際的な正当性に影響を与える。
社会的信頼が高い国々は、この点で特に微妙な課題に直面している。信頼は効率的な統治、強靭な制度、強力な文民・軍の協力を可能にする戦略的な強みである。フィンランドはしばしば、制度の信頼性と社会的結束が国家の復元性に寄与するこの高信頼環境のモデルを代表している。
エストニアはこれらの特徴を多く共有しているが、歴史的経験はやや異なる社会的態勢を形作っている。数十年にわたり持続的なハイブリッド圧力に直面してきたエストニアは、情報脅威や社会の強靭性に対してよりオープンに表現されたアプローチを発展させることが多かった。情報操作やハイブリッド影響に関する国民の意識は、国家安全保障の議論の一環として積極的に育まれてきた。
これらの違いは、信頼が強みであると同時に潜在的な弱点としても機能しうることを示している。高信頼社会は、機関の正当性を保つことで迅速に動員できる。同時に、敵対者が情報環境を操作したり、突然の知覚ショックを生み出したりして信頼を悪用すれば、その結果として大きな混乱が生じる可能性がある。
軍の指揮官にとっては、さらなる責任のレイヤーが生まれる。危機時の意思決定は社会から切り離されて行われるものではない。政治指導者は公の正当性を維持し、同盟は相互信頼を維持し、防衛機関は信頼性を保たなければならない。知覚が作戦の現実と大きく異なる場合、資源を動員し、国民の支持を維持し、戦略的な一貫性を維持する能力がより困難になる。
認知戦はまさにこの結果を目指している。信頼を損ない、知覚の断片化、情報環境の歪曲を通じて、敵対者は意思決定プロセス自体を複雑化することを狙っている。
そして、決心が遅くなり、ためらいが増し、政治的に制約ができたとき、戦略的優位性(strategic advantage)はそれに応じて変化する。
認知的圧力を過小評価する危険性
認知戦における最大の危険の一つは、偽情報そのものの存在ではない。偽りのナラティブ、プロパガンダ、影響力戦役(influence campaigns)は何世紀にもわたり存在し、社会は歴史的にそれらを認識し対抗することを学んできた。
より深い危険は、意思決定を支えるシステムへの信頼が徐々に失われていくことにある。
市民が制度に不信感を持ち、同盟国同士が互いの信頼性を疑い、指揮官が受け取った情報の完全性を疑い始めると、意思決定の全体的な構造が脆弱になる。問題はもはや特定の情報が真偽かどうかだけではない。問題は構造的なものになる。明快さを生み出すはずのシステム内に不確実性が広がってしまう。
敵対者はそのような環境で議論に勝つ必要はない。彼らは十分な疑念、ノイズ、断片化を導入すれば、反応を遅らせたり、集団的決定を分断したりする。
現代の紛争環境では、決心の迅速さがしばしば決定的である。NATOやその他の先進防衛システム全体の軍事ドクトリンは、テンポ、主体性、そして敵対者よりも迅速に決心サイクルを進める能力を重視している。認知戦は、決心のチェーン内でためらい、不確実性、情報的摩擦を生み出すことで、この優位性を直接的にターゲットにする。
この圧力は微妙な形で現れることがある。インテリジェンス評価が争われたり政治的に敏感になったりすることがある。世論のナラティブが作戦の現実から大きく逸脱することがある。同盟国は脅威知覚や対応策で一致に苦しむことがある。意思決定者は迅速に調整が難しい相反する情報源に直面しることもある。
これらの効果は単一の手術だけで起こることは稀である。むしろ、情報エコシステムや政治システムの脆弱性を突く持続的な戦役(campaign)を通じて、時間をかけて蓄積される。
ロシアはこのアプローチに何十年も投資してきた。「認知戦」という用語が西側の戦略的議論に入るずっと前から、ソ連および後のロシアのドクトリンは情報対決戦略(information confrontation strategy)と反射的統制戦略(reflexive control strategy)を強調し、敵対者の状況の知覚の仕方や決心に影響を与えるようにデザインされていた。これらのアプローチは、単に相手を説得することに注力するのではなく、意思決定が行われる環境を作り出し、敵対者をロシアの戦略的目標に沿った選択へと導くことを狙っている。
2000年代初頭、特に2014年以降、ロシアの影響力作戦は西側の政治的結束、民主的機関への信頼、安全保障政策の知覚を体系的にターゲットにしてきた。選挙干渉戦役(election interference campaigns)、組織的な偽情報網、社会的分断をめぐるナラティブの拡大は、西側の意思決定構造に対する信頼を長期的に弱める取組みに寄与している。
重要なのは、これらの戦役(campaign)が正当な懸念と操作されたナラティブを混ぜ合わせている点である。移民、エネルギー政策、経済的不平等、防衛費に関する議論は、民主主義社会の中で既に存在している。認知作戦(cognitive operations)はこれらの緊張を増幅させ、制度的無能や制度的衰退というより広範なナラティブと結びつける。時間が経つにつれて、市民が公式情報や政治的指導者に対してますます懐疑的になる環境が生まれる恐れがある。
その結果は公共の言説(public discourse)をはるかに超えている。防衛計画策定、危機対応、同盟の調整はすべて、政治・軍事指導者が自信と正当性を持って行動できるかどうかにかかっている。意思決定者が不信感、情報争い、政治的分裂を特徴とする環境で活動すると、決定的な行動の閾値は著しく高くなる。
もう一つの課題は、現代の情報エコシステムの複雑さにある。防衛機関は、インテリジェンス収集システム、サイバー監視、オープンソース情報、デジタル・コミュニケーション環境など、複数のドメインで大量に生成されるデータにますます依存している。これらのデータ・ストリームを一貫した状況認識(situational awareness)に統合することは、依然として大きな技術的・組織的課題である。
多くの西側諸国では、情報は機関のサイロに分断され、この種のハイブリッド情報環境向けにデザインされていない重複する政策枠組みによって管理されている。機密制度、官僚的な報告構造、互換性のない技術システムは、指揮官や政策立案者が迅速に行動するために必要な情報の統合を遅らせる可能性がある。
これにより、敵対者が情報の豊富さと断片化の両方を同時に利用できる環境が生まれる。膨大な量のデータが利用可能であるが、それを迅速に検証・統合・解釈する能力は依然として不均一である。
したがって、認知的圧力を認識するには、いくつかの警告サインに注意を払う必要がある。制度的失敗の明確な証拠なしに制度への不信感が高まることは、ナラティブ操作の成功を示している可能性がある。作戦上の現実と世間の知覚(public perception)の乖離が拡大していることは、情報環境が積極的に形成されていることを示している。明確な戦略的利害関係があるにもかかわらず、危機時の決心の麻痺は、認知的圧力が政治的・制度的信頼に影響を与えていることを示唆することがある。
おそらく最も危険な結果は正常化である。社会が徐々に持続的な疑念や情報の断片化に適応すると、信頼の侵食はほとんど目に見えなくなることがある。制度は機能し続けているが、信頼度は低下し、決心サイクルは遅くなり、操作に対する脆弱性も高まっている。
認知戦はまさにこのような環境でこそ効果を発揮する。
そして意思決定システムの完全性が損なわれると、その影響は情報のドメインをはるかに超えて広がる。戦略的安定性、危機管理、そして最も重要な時に国家や同盟が行動できる能力に直接影響を与える。
信頼と決心優位性の防護
したがって、認知戦に対抗するには、個々の主張を事実確認したり、すでに拡散した後の偽情報に対応する以上のものが必要である。これらのアプローチは、根本的な脆弱性ではなく、症状に対処する。真の課題は、社会、政府、防衛機関を超えて信頼できる意思決定を可能にするシステムを強化することにある。
認知戦の本質は、意思決定が行われる環境の完全性をターゲットとしている。その完全性を守るには、複数の相互接続のレイヤーへの注意が必要である。
まず、意思決定を支える情報およびデータ環境は強靭でなければならない。インテリジェンス・システム、センサー・ネットワーク、オープンソース分析、AI支援ツールは、政治指導者と軍事指導者の状況認識(situational awareness)の基盤をますます形成している。したがって、これらのデータ・ストリームの完全性を確保することが不可欠である。データの出所、検証メカニズム、安全な分析プロセスは、防衛計画策定の不可欠な要素となっておらず、後付けにしてはならない。
第二に、新興技術における透明性と説明責任が極めて重要である。人工知能は急速に分析プロセス、決心支援ツール、作戦計画策定に組み込まれつつある。これらのシステムは分析能力を大幅に強化できるが、新たな攻撃面も生じさせる。操作された訓練データ、敵対的な入力、または不透明なアルゴリズム出力は、基礎的な操作をすぐに明らかにせずに分析を歪めることがある。したがって、人間の監督、システム・デザインの透明性、堅牢な検証プロセスの維持が不可欠である。
第三に、信頼できる機関は認知操作(cognitive manipulation)に対する最も強力な防御手段であり続けている。危機の際に機関への公共の信頼は即興で作り上げることはできない。透明性、能力、説明責任を通じて時間をかけて構築・維持されなければならない。強い制度的正当性を維持する社会は、ナラティブ操作や情報ショックに抵抗する能力が高い。
社会の復元性も重要な役割を果たす。影響力作戦の仕組みを理解している人々は、操作されにくく、敵意あるナラティブを意図せずに増幅する可能性も低い。教育、メディア・リテラシー、情報脅威への世間の認識(public awareness)は、特に情報が自由に流れる開かれた社会において、より強靭な認知環境に寄与する。
同時に、認知戦に対抗するには、決心システム内で人間の判断力を改めて重視する必要がある。人工知能は膨大な情報を処理し、人間の分析者が見落としがちなパターンを浮き彫りにできるが、戦略的推論、文脈的理解、倫理的判断に代わることはできない。自動化システムへの過度な依存は、特に敵対者が意図的にそのシステムにデータを供給するデータを操作する場合、新たな脆弱性を生むリスクがある。
最終的に、人間の判断力こそが認知操作(cognitive manipulation)に対する最終的な防衛手段である。指揮官、政策立案者、アナリストは、前提に疑問を投げかけ、分析結果に異議を唱え、情報環境が意図的に形成されていることを認識する能力を保持しなければならない。
これは単なる技術的な課題ではない。戦略的な課題である。
認知戦は、信頼、制度への信頼、同盟への信頼、情報への信頼、そして最終的には集団行動を導くシステムへの信頼を損なうことで決心に影響を与えようとする。
したがって、その信頼を維持することは、現代の政府、社会、防衛組織が直面する最も重要な課題の一つである。
複雑な競争と急速な情報のフローによって定義される時代において、 決心の優位性はますます認知的完全性に依存している。そして、その完全性を守ることは、現代の安全保障における決定的な課題の一つとなりつつある。
さらなる参考文献と推奨情報源
NATOイノベーション・ハブ – 認知戦 https://www.innovationhub-act.org/sites/default/files/2021-01/20201208_CW_Final.pdf
NATO主任科学者室 – 認知戦報告書 https://www.sto.nato.int/publications/STO%20Technical%20Reports/STO-TR-SAS-167/$$TR-SAS-167-ALL.pdf
欧州対外行動局 – 外国情報操作および干渉(FIMI) https://www.eeas.europa.eu/eeas/foreign-information-manipulation-and-interference-fimi_en
ランド研究所 – 偽情報への効果的な対抗 https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR4373.html
ハイブリッド脅威対策欧州高等研究所 https://www.hybridcoe.fi
米陸軍戦争大学 – 情報優位性と認知的次元 https://press.armywarcollege.edu
マイクロソフト脅威インテリジェンス – オペレーションとAIに影響を与える https://www.microsoft.com/en-us/security/security-insider/intelligence-reports
NATO連合軍変革コマンド(ATO) – 認知戦コンセプト開発 https://www.act.nato.int/activities/cognitive-warfare/
NATO戦略コミュニケーション高等研究所(COE) – 研究および出版物 https://stratcomcoe.org/publications
NATO協力サイバー防衛高等研究所(COE) – ハイブリッド作戦および情報作戦研究 https://ccdcoe.org/library/
欧州議会調査サービス – ハイブリッド脅威と情報操作 https://www.europarl.europa.eu/thinktank/en/document/EPRS_BRI(2021)698843
EU DisinfoLab – 偽情報ネットワークの調査 https://www.disinfo.eu/publications/
カーネギー国際平和基金 – 情報戦および影響力作戦 https://carnegieendowment.org/research/topic/information-warfare
戦略国際問題研究所(CSIS) – 認知戦と情報競争 https://www.csis.org/topics/information-operations-and-cognitive-warfare
スタンフォード・インターネット・オブザーバトリー – 影響力作戦とオンライン操作 https://cyber.fsi.stanford.edu/io
オーストラリア戦略政策研究所 – 情報戦争と戦略的ナラティブ https://www.aspi.org.au/report-category/information-warfare
アトランティック・カウンシル – デジタル・フォレンジック・リサーチ・ラボ(DFRLab)調査 https://dfrlab.org


Eva Sula