FCASの初期実証機フェーズ1A契約を締結

掲載:2020年2月13日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Daniel Darling FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)

FCAS Initial Demonstrator Phase 1A Contracts Awarded (FCASの初期実証機フェーズ1A契約を締結)         February 13, 2020 – by Daniel Darling

2月12日、フランスとドイツの両政府が共同での最初の枠組み(フェーズ1A)契約を締結し、3か国の将来の戦闘航空システム(FCAS、又はフランス語でSCAF (SystèmeCombatAérienFutur))が正式に開始された。

2019年6月のパリ航空ショーでの実物大模型の発表からフェーズ1Aの実証機契約の署名までの遅れは、少なくとも2,500万ユーロ以上の防衛関連プロジェクトは、連邦議会(連邦議会)の予算委員会による個別の承認の対象となるというドイツの要求によって生じていた。
フランスのフロランス・パルリ国防大臣と業界関係者からの圧力にもかかわらず、ドイツ議会は、フランスと共同で合意した1億5500万ユーロの予算のうち、ドイツ政府の7750万ユーロのシェアを2月12日まで承認しなかった。その結果、実証機フェーズ契約の公式な開始への方法が明確になった。

FCASの3番目のパートナーであるスペインは、現在フランスとドイツと拠出するシェアについて交渉中であり、今年後半に参加する予定だ。
このプロジェクトにおけるスペインの産業の取り組みは、インドラ社によって監督される。

フランスとドイツが締結した契約は、ダッソー・アビエーション、エアバス、MTUエアロ・エンジン、サフラン、MBDA、及びタレスにまでに拡大された。
FCASの核には、第6世代の新世代戦闘機(NGF)があり、これはフランスが開発をリードするエレメントである。

NGFはドローンの群れと連携して運用するものであり-無人戦闘エアリアル・ビークル(UCAV)は「リモートキャリア」(RC)と呼ばれ、武器プラットフォームおよび高度なセンサーとして機能する。共同して機能するこれらの2つのシステムは、次世代兵器システム(NGWS)と総称される。
NGWSは、前述のFCASである大規模なネットワーク化されたシステムに組み込まれる予定である。FCASには、欧州中高度長期滞空型(MALE)遠隔操縦航空機システム(RPAS)、超低観測性UCAV、将来の巡航ミサイル、および共通のソフトウェア・アーキテクチャー及び航空戦闘クラウド(ACC)と呼ばれる広範なネットワークを介して将来の運用シナリオで共同して運用するその他の空中プラットフォームが含まれる。

フランスとドイツが共同で締結したフェーズ1A契約は、実証機の初期開発作業と革新的な技術の成熟を含む18か月の期間に亘る。

焦点を当てている技術実証機の概念は、多様な要素に関係している。
これらには、NGF(メインパートナーとしてのエアバスと共にダッソーがプライム契約者。)、無人システムのリモートキャリア(メインパートナーとしてのMBDAと共にエアバスがプライム契約者。)、航空戦闘クラウド(メインパートナーとしてのタレスと共にエアバスがプライム契約者。)、エンジン(サフランとMTUのパートナーシップ)が含まれる。
NGF及びリモートキャリアの機体、それらのシステム、シミュレーション環境、インテグレーション及び試験計画、および初期生産計画の立案等全ては、フェーズ1Aスタディの重要な部分を成している。

戦闘機技術実証機で2026年までに飛行試験を実施することが目標となっている。(黒豆芝)