米海兵隊のドクトリンを読む② MDCP 1 Warfighting その3

第1章 戦争の本質

第2章 戦争の理論

第4章 戦争の遂行

第3章 戦争のための準備:Chapter 3 Preparing for War

「最も重要なことは、行動である。行動は、三つの段階を持つ:考えから生まれた決心、命令または実行のための準備と実行そのもの。全て、三つの段階は、意志(will)によって支配される。意志(will)は性格に根ざしている、そして、行動家にとっては知性より性格はより決定的に重要である。意志のない知性(intellect without will)は役に立たない、知性のない意志(will without intellect)は危険である [1]

-ハンス・フォン・ゼークト

「それは、部隊が高い士気の歩兵または砲兵を熟練しただけでは十分ではない:それらは、実行できる熟達した水の中とジャングルの中でも行動できるように熟練しなければならない。―海兵隊の訓練で海兵隊員になる [2]

-アール・H・エリス

平和の時代の軍事の最重要課題は、戦争のために準備することである。その準備を通じて軍は潜在的な侵略に対する抑止力を提供する。国家の遠征即応準備部隊(nation’s expeditionary force-in-readiness)として、米海兵隊は、「どんな気候や場所」においても、あらゆるタイプの紛争でも直ぐに展開できるように維持する必要がある。全ての平時の活動は、戦闘即応性を達成することに焦点を集めなければならない。このことは、高レベルの訓練(組織、装備、専門職としてのリーダーシップ、まとまりのあるドクトリンのそれぞれにおける柔軟性)を意味する。

戦力計画策定:FORCE PLANNING

戦力計画策定は、軍事能力(military capability)の創造することと維持に関連付けられることについて計画する[3]。計画は戦争の遂行と同様に戦争準備のための重要な役割がある。あらゆる計画に鍵となるものは、明確に定義された目標であり、この場合迅速な次元の要求である。

米海兵隊戦力計画策定は、コンセプトベースである。つまり、全ての計画策定は、根源となる一連の共通のコンセプトであり、それは海兵隊部隊が作戦し実行するために鍵となる機能を説明したものである。これらのコンセプトにおいて海兵部隊が求められる任務のタイプとそのように任務を遂行するかを説明する。これらのコンセプトは、必要な能力(capability)を識別し、それらの能力(capability)を開発するために調整されたプログラムを実行するための基礎を提供する。

一連の共通のコンセプトに基づいて、戦力計画策定は、訓練、教育、ドクトリン、組織、人事管理、装備取得を含め平時の米海兵隊のすべての努力を一体化する。努力の結束は戦争の遂行においても必要であるが戦争の準備においても同様に重要である。目標を識別して、方針を計画するこのシステマティックなプロセスは全ての準備の範囲と次元に適用される。

組織:ORGANIZATION

作戦部隊は、前方展開や急速にどのような環境においても遠征の作戦を行うことのできる展開可能な力を提供できるように組織される必要がある。これは、彼らの独特な水陸両用の能力(amphibious capability)を維持することに加えて、作戦部隊が状況に応じて適切な手段で展開する能力(capability)を維持しなければならないことを意味する。

アクティブな作戦部隊は危機や紛争のほとんどのタイプに即座に応答できなければならない。多くの持続的な任務は創設した予備軍からの増強が必要になる。

作戦と訓練のために、海兵隊は、各種の海兵隊空地任務部隊(MAGTFs)を形成する。各種の海兵隊空地任務部隊(MAGTFs)は、地上、航空、戦闘戦務支援と指揮機関からなる任務編成(task organization)である。それらは標準的な構造を持たず、特定の状況に適するように構成される。MAGTFは、単一の指揮官に直面する状況に合わせることができるように諸兵科連合部隊を提供する。状況の変化に応じて、MAGTFを再構成する必要がある。

作戦部隊は用兵のために組織するがむしろその逆に平時にも適応されるべきである。編成表は、展開可能性(deployability特別な状況に耐えうるように任務編成task-organizeするという二つの中心的な実力(ability)を反映しなければならない。部隊は、訓練上、管理上、兵站上の要求によって指図された範囲にだけのタイプによって組織されなければならない。

指揮官は、それらの部隊の間で作戦的な親密性(operational familiarity)を開発するために、支援される側と支援する側の間に習慣的関係を確立しなければならない。このことは、状況により必要な場合には標準以外の関係を排除するものではない。

ドクトリン:DOCTRINE

ドクトリンは戦争の本質と理論からそれの準備と遂行までに関する米海兵隊の基本的な信条を教えるものである[4]。ドクトリンは、戦争と闘いの方法(way of fighting)について特殊な考え方を確立する。戦闘において海兵隊を先導する哲学と専門家意識のための委任と共通言語を与える。要するに、我々の専門の職務を実践する方法を確立する。このように、ドクトリンは調和した行動と相互理解にとっての基礎を提供する。

米海兵隊のドクトリンは、海兵隊総司令官によって公式に作られ出版物としたものである。我々のドクトリンは、特有な状況で適用されるような手順にはなっておらず、一般的な指針を述べたものであり、適用に当たっては判断を必要とする。従って、ドクトリンは権威はあるが、規範的でない。

専門職としての意識:PROFESSIONALISM

米海兵隊ドクトリンは、海兵隊のリーダーの間で専門の力量(professional competence)を必要とする。国家防衛の軍事プロとして、海兵隊のリーダーは、戦争遂行の真の専門家である。彼らは、行動と知性の個人であり、「ことをやる」ことに熟練していて、一方で同時に軍事的術(military art)に精通している。彼らは決心において断固として自立する、また、彼らは、実行において精力的でもありしつこい[5]

軍の仕事は考える専門職である。あらゆる海兵隊員は、戦争の術と学(art and science of war)の学生であることを期待される。将校は、特に軍事理論と軍事史についての知識と時間を超越した教訓に基づくしっかりした根拠を備えていることを期待される。

リーダーは、彼らの職務の重要な責任の強い感覚を備えていなければならず、彼らが戦争に費やす資源は、人間の命である。

米海兵隊の戦い(warfare)のスタイルは、最も低い次元まで大胆さと主導性を好む知的なリーダーを必要とする。大胆さは、戦闘力を生み出すためのリーダーの重要な道徳的な特徴である。主導性、即ちその人の自身の判断に従って行動したいという意欲(willingness)は、大胆さのための前提条件である。極端に伝えられるこれらの特徴は、無謀さをリードするが、我々は過度の大胆さから生じる若いリーダーによる誤り(error)は学習の必要な部分であると認識しなければならない[6]。我々は、このような誤り(error)には手加減して対処しなければならず、「無欠点運動(zero defects)」心理が働いてはならない。「無欠点運動(zero defects)」を廃止することは、我々が懲罰の脅威によって大胆さまたは主導性を抑えないことを意味する。このことは指揮官が間違い(mistake)に関して部下に助言しないことを意味するものではなく、建設的な批判は学習の重要な要素である。但し、愚かにまたは無謀に行動するということを部下に免除するものではない。

我々は大胆さや主導性を抑えるのではなく、間違いにもかかわらず(in spite of mistakes両方の特徴を激励し続けなければならない。他方、我々はひどい怠慢や臆病による誤り(error)に対処しなければならない。我々は、命令の不足を怠慢を正当化する理由として、受け入れてはならず、状況の必要事項として、主導性をとることは各々の海兵隊員の義務である。我々は、責任の回避または必要なリスクを大目に見てはならない。

従って、信用(trust)はリーダーの間の本質的特徴であり、信用(trust)は部下の実力(ability)に対する上級者によるものと上級者の力量(competence)と支援に対する若年者によるものとがある。信用(trust)は得られなければならない、そして、信用(trust)を弱体化する行動は厳しく非難されなければならない。信用(trust)は、信頼(confidence)と親密性(familiarity)の産物である。仲間の間の信頼(confidence)は、示された専門の技術に起因する。親密性(familiarity)は、共有経験と共通の専門の哲学(philosophy)に起因する。

伍長から将軍までのリーダーの間において階級の相違に関係なく正直と率直さに基づかなければならない。指揮官が決心に至り述べるまで、たとえ上級者の反対意見にあったとしても、部下は正直に専門の意見を提供することが彼らの義務と考えなければならない。しかし、一旦、決心に到達したならば、まるで彼ら自身のものであるように若年者は支えなければならない。上級者は部下に対して率直さを激励しなければならず、彼らの階級章を振りかざしてはならない。個人の昇進を目的とした迎合、即ち「イエスマン」の振舞いは容認できない。

訓練:TRAINING

全ての訓練の目的は、戦闘において勝つことができる戦力を開発することである。訓練は効果的に戦うための鍵であり、したがって、平和時の軍隊の主たる努力(main effort)である。しかし、訓練は戦争の開始を、中止させてはならず、訓練は、戦闘の教訓に順応するため戦争の間も続けなければならない。

全ての将校と徴募された海兵隊員は、同程度の初心者用の訓練を経験し、それは、実質的に、社会化のプロセスである。この訓練は、全ての海兵隊員に共通の経験、誇り高い伝統、一連の価値と仲間であることの共通の絆を提供する。これは海兵隊員を作りだす基本的な最初のステップである。

基本的な個々の技術は戦闘を効果的にする本質的な基盤であって、重く強調されなければならない。職業的な専門性に関係なく、全ての海兵隊員は基本的な戦闘技能の訓練をする。同時に、部隊技能は、とても重要である。それらは、単に個々の技術の蓄積でなく、個々の技術の妥当性は、部隊技能が満足できることを自動的に意味しない。

各々の階層の指揮官は、彼らの次元で実力を達成するために必要な訓練を実施できるよう部下に十分な時間と自由を割り当てなければならない。それらは、より高次元の要求が部下に自主的な部隊訓練の十分な機会を阻害しないよう保証しなければならない。

若いリーダーの間で主導性を開発できるように、戦闘のように訓練の遂行は分権化していなければならない。上級指揮官は、到達目標と標準を確立して、訓練の意図を伝えて、訓練のために主たる努力(main effort)を確立することによって、訓練に影響を与える。一般にどのように訓練するかについて指図することを控えなければならない。

訓練計画は、実用的で、挑戦的で、進歩的な到達目標を反映しなければならず、個々のおよび小さな部隊技能から始めて、完全な共同部隊である海兵隊空地任務部隊(MAGTF)において最高点に達するようにする。一般に、戦闘のための組織は、訓練のための組織でもなければならない。つまり、各種の海兵隊空地任務部隊(MAGTFs)を含む部隊は指定された場合、増援の場合、支援任務の場合について完全に補えるように訓練しなければならない。

集成訓練(collective training)は、教練と演習から成る。教練は、それがタスクの進歩的な繰り返しによって実力を強調する小さな部隊訓練の形である。教練は、スピードと調整を確実にするために変化なく繰り返し実行されなければならない標準化された技術と手順を開発する効果的方法である。例は、射撃訓練、飛行前の準備または即応行動である。対照的に、演習は模擬された戦闘状況の下で部隊と個人に戦術の訓練をする。演習は、できる限り戦争の状況に近くなければならず、つまり、それらは不確実性(uncertainty)、ストレス、無秩序(disorder)と敵対している意志(opposing will)の形で摩擦(friction)の状況をつくらなければならない。この最後の特徴は、最も重要であり、対抗し、自由統裁の演習はそれを可能にすることで我々は兵法(the art of war)を実践できる。指図されるか、「缶詰」のシナリオは、戦争の真髄(essence of war)である独立した、敵対した意志(opposing will)の要素を排除する。

批判的な自己分析は、成功した後でさえ、改善への本質的事項となるので、批評することは訓練の重要な部分である。それらの目的は、教訓を訓練から引き出すことである。その結果、事象の記憶が弱まる前に、訓練を完了した直後に批評を実行しなければならない。批評は、オープンで率直な対話の雰囲気で持たれなければならず、そうすることは批評が貢献する方法である。我々は順調に進んだことよりも間違い(mistake)の中から同じだけ学ぶので、間違い(mistake)を認めそれを議論する意思がなければならない。もちろん、間違い(mistake)を認めるという部下の意欲(willingness)は、それらを大目に見るという指揮官の寛容さに依存する。我々は戦争では同じことが二度と起きないということを認識し、我々がある行動をとった理由となぜそれらの結果をもたらしたかという意味では批評の対象を、我々がとった行動に多くの焦点に集めてはならない。

軍事専門教育:PROFESSIONAL MILITARY EDUCATION

軍事専門教育(professional military education : PME)は創造的で思考するリーダーを開発するように設計されている。リーダーシップ研修の初期段階から、指導者の経歴は、発展のための継続的、進歩的なプロセスとして見られるべきである。各段階で、海兵隊員はその後の準備をすべきである。

リーダーの経歴の初期段階は、実質的には見習いである。彼らの経歴を通して役に立つ理論とコンセプトの基盤を学ぶ一方で、リーダーは、要求と学習を理解して、特殊な戦場に関連する手順と技術を適用することに焦点を当てる。これは、彼らが飛行士、歩兵、砲兵、または兵站要員としてのやり方を学ぶということである。それらは進歩するので、リーダーはそれぞれの分野を習得し、戦場における技術および手順の相互関係を理解するよう努めるべきである。この段階での海兵隊員の到達目標は戦争の戦術的次元の専門家になることである。

将校は開発し続けることで、習熟度の範囲を広げ戦争の作戦的次元にまで拡張する必要がある。この段階では、将校は戦術や技術の専門家だけであってはならなく、連合部隊、水陸両用戦、遠征作戦を理解しておく必要がある。上位の次元では、将校は統合と多国籍の環境で海兵隊空地任務部隊(MAGTF)の用兵能力(warfighting capability)を明瞭に表現して、適用して、一体化することが完全に出来なければならず、全ての次元の兵法の専門家でなければならない。

米海兵隊の軍事専門教育を実現する責任は三つの層からなる。その責任は教育機関だけではなく指揮官や個人にもある。

教育機関は、戦争の術や学(art and science of war)の正規の教育を行うために設立され、それは米海兵隊、下位のコマンド、または外部の機関によって管理された学校で構成される。すべての専門学校、特に将校の学校では、機械的学習による知識付与ではなく、軍事的判断のための才能の開発に焦点を当てるべきである。教育機関によって行われる勉学は、個人に完全な経歴の準備を与えることもできなく、全ての個人にまで至ることができるというわけでない。むしろ、それは指揮官や個々の勉学によって得られる基盤の上に築かれるものである。

全ての指揮官は、部下の専門家としての成長を指揮の主要な責任と考えなければならない。指揮官は、部下との関係を教師と生徒の関係として促進する必要がある。指揮官は、彼らの部下のために継続した専門教育プログラムを行うことを期待され、それは軍事判断と意思決定を開発することを含み、職業的な専門に関係する一般的な専門の科目と特有専門的な科目を教えることである。一般的な専門職開発のための有用なツールは監修された読書プログラム、図上演習、ウォーゲーム、会戦研究、地形研究が含まれる。指揮官は、彼らの部下の成長を、指揮官自身を写す鏡面反射として見なければならない。

最終的に、あらゆる海兵隊員には、武力の専門職(profession of arms)を勉強する個々の責任がある。軍職の知的な内容としての戦い(warfare)の歴史と理論に対する関心も知識もないリーダーは、外観上リーダーであるだけである。戦争の術と学(art and science of war)の自主的な勉学、物理的な状態を維持するために重要で、少なくとも同等であり、同じ時間を受けるべきである。これは、将校にとっては特に真実であり、結局のところ考える力が将校の主要な武器となる。

人事管理:PERSONNEL MANAGEMENT

戦争は人間が行うことを基礎としているので、効果的人事管理は、成功にとって重要である。このことは、特に機動戦(maneuver warfare)のドクトリンにとっての真実であり、個人的な判断と行動の上に成り立つものである。我々は、所定の等級と職業的な専門は全ての海兵隊員が、交換可能であるというわけではないことを認識しなければならず、そして、隊員を特有な実力(ability)と気質(temperament)に基づいた仕事に任命しなければならない。このことは、指揮任務に最適である人々と参謀任務に最適である人々があることを認識することを含む、しかしどちらか一方を不利にするということではない。

人事管理システムは、部隊と参謀の範囲において、結束、チームワーク、潜在的な理解を育てる意味で人事的安定度を達成しなければならない。我々は、戦争の犠牲者が、人事的安定度に影響を与えることを認識し、部隊を安定させることがまず最初にあって、次に犠牲者を収容し、交代者を補充する。

最終的に、昇格と昇進政策は、責任を受け入れて、主導性を働かせたいという意欲(willingness)に報いなければならない。

装備:EQUIPPING

装備は運用や維持が簡単で、信頼性があり、そして、他の装備との相互運用性がなければならない。専門操作訓練は最低限とすることが必要とされる。さらに、それの使用にあたっては確立したドクトリンと戦術に一致するよう装備は設計されなければならない。主な考慮事項は、戦略的で戦術的な揚陸力であり、それは戦略機動力のための海上輸送であり、上陸用舟艇・ヘリコプターであり、垂直/短距離離陸であり、船から岸までの戦術的機動性のための上陸航空機であり、これらは上陸作戦の間の米海兵隊の信用に関わるものである。もう一つの鍵となる考慮は、限られた支援基盤による未開発な戦域での使用適性と支援可能性であり、それは、米海兵隊の部隊が作戦する際にしばしば期待するものである。

研究開発コストと配備時間を最小にするために、米海兵隊は可能な最も大きい範囲で、既存の能力(capability)、即ち「商用にある既製(off-the-shelf)」技術を活用する。

取得は、確立した作戦と機能的なコンセプトに基づく双方向プロセスとして、補完し合うものでなければならない。特に長期にわたって、プロセスは戦闘要求を識別し、これらの要求を満たすための装備を開発しなければならない。可能な限り、我々は敵の弱点の分析をこれらの要求の基礎としなければならず、それらの弱点を活用するために、装備を開発しなければならない。同時に、プロセスは既存の装備の明らかな有用性を見落としてはならない。

装備は戦闘効果を増加するためだけに役に立つものである。装備のどんなモノでも操作訓練、整備、電源または燃料、輸送などの支援を必要とする。能力(capability)の予想される強化は、これらの支援要求を正当化する、そして、装備の運用にあたってはこれらの要求にあわなければならない。

取得努力は、環境の幅広い範囲での有用性を踏まえた要求に応じて専門化の要求とバランスを取らなければならない。一般に装備の能力(capability of equipment)を増加することは、専門装備を益々開発することを必要とする。ますます専門化する装備は、対抗策の弱点が増える傾向がある。この問題への一つの解決案は、装備を単一のファミリー化で開発せずに、装置タイプ別に多様性を維持することである。

できる限り、適用技術と手順は、装備の配備と作戦部隊での有用性の間で遅れを最小にした装備で、並行して開発されなければならない。同じ理由から、最初の操作訓練は、装備の配備に先行もしなければならない。

二つの危険性が、装備に関してあり、それは技術への過度な依存と技術的能力(technological capability)を最大限に活用することへの怠慢である。技術は、人間の実力(ability)を向上させることによって、戦争の方法と手段を強化することができるが、技術は戦争を行うプロセスから人間を排除できなく、また、排除してはならない。よりよい装備は全ての病気に対する治療法であるというわけではなく、欠けている状態と戦う教義的なそして戦術的な解決案は、追求されもしなければならない。技術的発達によって得られるどんな優位性も、誰かにとっては一時的であり、戦術的な、あるいは、その技術への対抗策を常に見つけられるため技術の影響を少なくする。さらに、我々は過度に装備に依存してはならず、我々は装備が使用不能になると、もはや効果的に機能することができなくなる。最終的に、我々は技術の使用において、規律を訓練しなければならない。先進の情報技術は特に部下に対し厳密で絶対的な統制を持続しようと誘惑するが、そのことは米海兵隊の指揮の哲学(philosophy of command)と相容れないものである。

結論:CONCLUSION

二つの基本的な軍事機能があり、それは戦争を行うことと戦争の準備をすることである。現在の戦争遂行に寄与しないどんな軍事活動も、可能な将来のための準備に寄与する場合に限って正当と認められる。明確に、我々は遂行と準備を切り離すことができない。準備の失敗は戦場での被害を導くものであり、それらは緊密に関連しなければならない。

ノート

[1] Hans von Seeckt著「兵士の考えること」G. Waterhouse訳 (London: Ernest Benn Ltd., 1930) p. 123

[2] FMFRP 12-46,「ミクロネシアでの前進基地作戦」(1992年8月)41ページ。FMFRP 12-46は、Earl H. Ellis少佐によって1921年に書かれた「作戦計画712」の歴史的な再版である。

[3] 戦力計画策定:「軍事的な能力の創造と維持と関連している計画策定。それは主に軍関係省と軍務の責任であって、それが国防長官から軍関係省と軍務までわたる運営管理コントロール中で遂行される」 (Joint Pub 1-02)

[4] ドクトリン:「軍隊またはその構成部隊が国家目標を支持して彼らの行動を導く基本原則。それは権威あるが、適用において判断を必要とする」 (Joint Pub 1-02)

[5] Field Manual 100-5, 暫定的な野外勤務令:作戦(陸軍省によって出版)(Washington, D.C.: Government Printing Office, 1939) p. 31.

[6]「指揮官において、大胆な行為は、大失敗であることが証明することになる。にもかかわらず、それは他のものと同じ基盤の上で考えられない賞賛に値する誤りである。幸せな間の悪い大胆さが頻繁に生ずる陸軍ではそれは土壌の豊かさを示す繁茂した雑草である。無謀さえ-つまり、目的のない大胆さ-軽蔑されない:基本的に、それは勇敢さから起こる。そして、この場合それは抑制されない情熱で考えによって噴出する。大胆さが服従に反抗する時だけ、つまりそれが表明された指揮を挑戦的に無視するとき、それは危険な攻撃として取り扱われなければならない;その時、その生来の質や命令が従われなければそれは阻止されなければならない、そして、戦争において、服従は基本的に重要である」 クラウゼヴィッツ、pp. 190-191

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