ロシア・ウクライナ戦争:紛争から2年後の戦略的評価 (AUSA)

ロシアがウクライナに侵略してから2年が経過した。報道では戦争の行く末について様々な評価が見られるところである。ロシアは勝ったとの評価や、ウクライナはアヴディフカ(Avdiivka)からの撤退を機に今後を悲観的に評価するなどのものが一般的であろうと感じている。これまでもMILTERMで紹介してきたAmos C. Fox氏が、米陸軍協会(AUSA)のウェブサイトに戦略的評価の論稿を投稿しているので紹介する。この論稿では、分析の手法として「最終目的(ends)-方法(ways)-手段(means)-リスク(risk)」を用いている。報道ベースの包括的な印象の評価に比べ、より客観的な評価と受け止めても良いのではないかと考えるところである。(軍治)

ロシア・ウクライナ戦争:紛争から2年後の戦略的評価

THE RUSSO-UKRAINIAN WAR: A STRATEGIC ASSESSMENT TWO YEARS INTO THE CONFLICT

 

February 20, 2024

by LTC Amos C. Fox, USA

Land Warfare Paper 158, February 2024

エイモス・フォックス(Amos Fox)はレディング大学の博士課程在籍中で、フリーライター、紛争学者として米陸軍協会(Association of the United States Army)に寄稿している。戦争と戦いの理論(theory of war and warfare)、代理戦争(proxy war)、将来の武力紛争(future armed conflict)、市街戦(urban warfare)、機甲戦(armored warfare)、ロシア・ウクライナ戦争などを研究・執筆。エイモス(Amos)はRUSIジャーナルやSmall Wars and Insurgenciesなど多くの出版物に寄稿しているほか、RUSIのWestern Way of War、This Means War、Dead Prussian Podcast、Voices of Warなど数多くのポッドキャストにゲスト出演している。

要約:IN BRIEF

  • ロシア・ウクライナ戦争における戦略的バランスを検討すると、ロシアが優勢であるという結論に達する。
  • 2024年、ウクライナはロシアによる領土併合と、奪われた領土への兵力増強を覆す見込みは限られている。
  • 米国の資金・物資支援が減少するにつれ、ロシアの攻勢行動からウクライナを防御する能力が低下する。
  • ウクライナは、占領しているロシアの陸上部隊を退去させるために、陸上部隊を大幅に増強する必要がある。

はじめに:INTRODUCTION

ロシア・ウクライナ戦争は3年目を迎えようとしている。この紛争に至るまで、国防・安全保障研究界では、この戦争は膠着状態にあるとする論調があふれてきた。おそらく最も説得力があるのは、ウクライナ軍の元司令官であるヴァレリー・ザルジニ(Valery Zaluzhny)将軍で、2023年11月の『エコノミスト』誌とのインタビューでそのように述べている[1]。一方、著名なアナリストのジャック・ワトリング(Jack Watling)をはじめ、反対のことを力説する者もいる[2]

とはいえ、2年が経過した今、紛争の戦略的バランスを客観的に検証することは有益である。ウクライナが勝っているのか、それともロシアが勝っているのか。ウクライナがロシアに勝つためには何が必要なのか、逆にロシアがウクライナで勝つためには何が必要なのか。さらに、紛争の勝敗を見極めるだけでなく、ロシア・ウクライナ戦争という文脈だけでなく、国防・安全保障研究界全体に通じる顕著な傾向を明らかにすることも重要である。

本稿では、「最終目的(ends)-方法(ways)-手段(means)-リスク(risk)」というヒューリスティックを用いて、こうした疑問を解決する。そうすることで、ロシアとウクライナの現在の戦略的配置を検証することになる。そして、2022年2月にどうであったかではなく、どうあってほしいかでもない。嗜好や願望というレンズを通して紛争を見ると、どのようなアナリストも戦略的状況を見誤ることになる。しかし、この記事の到達目標は、紛争の現実を冷静に見つめ、状況を評価し、2024年に紛争がどのような方向に進む可能性があるかを提示することである。

全体的な結論としては、ロシアがこの紛争に勝利している。ロシアが勝利しているのは、ドンバス自治州、クリミアへの陸橋、そしてクリミア自体の領有という、ロシアが最低限受け入れられる結果を手にしているからである。しかし、この勝利条件は、ウクライナがa)それぞれの領土でロシア軍を撃破し、b)その領土の支配権を奪還し、c)その後のロシアの反攻に対してその領土を保持するのに十分な戦力を生み出せないことに依存している。

ウクライナがロシア軍を撃破し、その地形をすべて占領・保持するために必要な陸上部隊の不足は、いくら精密打撃や長距離火力、ドローン攻撃で補うことはできない。したがって、ウクライナ軍に資源を投入し、陸上部隊を大幅に増強しなければ、紛争ではロシアが勝利する可能性が高い。本稿執筆時点のように、米国のウクライナ支援が凍結されたままであれば、2024年のロシアの勝利は現実的な可能性となる。

下地を築く:状況的意味合い:LAYING THE GROUNDWORK: SITUATIONAL IMPLICATIONS

さらに、国防・安全保障研究界にとっても、いくつかの重要な含意が浮かび上がってくる。第一に、領土を支配するために行われる陸上戦争は、非正規戦争や対反乱、内戦とは本質的に異なる軍事的終末状態を持っている。したがって、軍隊は参戦する紛争に適した軍隊を持たなければならない。

例えば、対反乱軍や治安維持軍は、消耗の戦争(wars of attrition)を闘い勝つために作られた工業化された軍隊(industrialized army)に領土をめぐる戦争で勝つことはできない。これは、政策立案者、軍の上級指導者、戦力設計者が、将来の軍隊を構築しようとする際に、高く評価し、注意深く考慮しなければならないことである。

第二に、領土を支配するために行われる陸上戦争には、その最終目的に適切に沿った軍事戦略が必要である。したがって、軍隊は、その紛争、あるいは軍隊が交戦する紛争の局面に適した戦略を持たなければならない。例えば、精密打撃の中心性に基づいて構築された戦略は、精密打撃の成功を利用するのに十分な陸上部隊を欠いており、領土をめぐる戦争、特に消耗の戦争(wars of attrition)を闘い、勝利するために構築された工業化された軍隊(industrialized army)に対しては勝利できない。

政策立案者と軍の上級指導者は、政治的最終目的と軍事戦略をその手段に応じて定期的に更新し、再構築する必要がある。そうでなければ、非現実的な到達目標を追求するために限られた資源を浪費する無駄な戦略をとってしまうリスクがある。

第三に、反対の声明にもかかわらず、領土の物理的所有が両国の政治的・軍事的勝利の重要な構成要素である場合、物理的量は、この場合、より多くの人的資源は、精密打撃や長距離火力よりも重要である。物理的量は、軍隊が領土を保持し防御することを可能にする。軍隊の物理的量が多ければ多いほど、どのようなタイプの攻撃にも強くなり、使用した弾薬の量、攻撃を行った回数、失った人命のどれをとっても、敗北させるのがより難しく、コストがかかる。

第四に、ウクライナ軍との接触線に沿ったロシアの防御のように、準備され、階層化され、防護された防御は、克服するのが困難である。攻撃側に、(1)占領軍を撃破する、(2)解放された領土に移動する、(3)その領土を支配する、という3つの任務を遂行できる十分な弾力性と資源を備えた陸上部隊がない場合、この難題は飛躍的に増大する。

パンチを与えるようにデザインされた軍隊は、攻撃に成功した後、明け渡された、あるいは解放された領土に前進を続け、その後反攻を食い止めることができないような戦力構造の縦深性を欠いており、防御的任務以外にはほとんど役に立たない。この発見は、将来の部隊は小型軽量で分散して闘うべきだという、将来の戦力構造に関する従来の知恵(wisdom)とは相反するものである。

第五に、カール・フォン・クラウゼヴィッツ(Carl von Clausewitz)は次のように警告している。「私が相手を打倒しない限り、相手が私を打倒するかもしれないと恐れるに違いない[3]。このように、私が支配しているわけではない。私が彼に指図するのと同じように、彼も私に指図するのである」。ロシア・ウクライナ戦争は、クラウゼヴィッツ(Clausewitz)の警告を再確認させた。どちらの軍も相手を完膚なきまでに打ち負かすことができないため、ロシアとウクライナは長い消耗の戦争(war of attrition)に陥っており、これがザルジニ(Zaluzhny)が言及し、ワトリング(Watling)が否定する膠着状態に拍車をかけている。

したがって、行間にある文章は、つまり、戦争に直面したとき、国家は、敵対者の軍隊を打ち負かすと同時に、広大な物理的地形を占領し保持することを含む、最終状態の補足条件を達成することができる軍事力を解き放たなければならないということである。

敵対者の軍隊を撃破しなければ(その構成にかかわらず)、戦術的な軍事的利益はつかの間のものである可能性と常に戦わなければならない。さらに、まず敵対者の軍隊を打ち負かせば、長い消耗の戦争(war of attrition)を短い消耗の戦争(war of attrition)に変えることができる。

ロシアの戦略的評価:RUSSIAN STRATEGIC ASSESSMENT

最終目的:ENDS

ロシアの戦略的最終目的は次のように要約できる。

  • ウクライナ国家を政治的、領土的、文化的に分裂させる。
  • 容認できる政治的・軍事的成果の範囲を支えるために、十分な領土獲得を維持すること
  • 戦略的な物資のオーバーマッチを維持する
  • ウクライナが闘いを継続する能力を、物質的にも、国際社会からの支援に関しても疲弊させる
  • 紛争の異常を常態化する
  • 併合した領土を取り戻すための攻勢作戦を遂行するウクライナの能力を弱体化させ、侵食する。

これらすべての最終目的を総合的に見れば、ウクライナ国家の非国家化がこの紛争におけるロシアの戦略的最終目的であることは明らかである。ラファエル・レムキン(Raphael Lemkin)は、非国家化とは、国家が意図的かつ組織的に、他国の国民性や国民的パターン(文化、自己同一性、言語、慣習など)を侵食または破壊するプロセスであると定義している[4]

2022年2月以降、ロシアの政策と軍事目標は少しずつ変化しているが、ウクライナの非国家化がクレムリンの戦略的最終目的の中心にあることに変わりはない。2022年のクレムリンの目標には、ヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領を失脚させ、ウクライナの自治を終わらせ、ロシアの党派的政治指導者に置き換え、ウクライナの領土の大部分を併合することが含まれていた。

そのために、ロシアのプーチン大統領は当時、ウクライナを「非ナチ化」「非武装化」し、同時にキーウに国際社会の政治的・軍事的同盟のネットワークの中で政治的・軍事的に中立を保つよう強制すると語った[5]。プーチンは2023年12月にモスクワで行った記者会見で、これらの政策目標を再確認した[6]

とはいえ、ロシアの軍事行動は、2022年4月にモスクワが首都キーウへの最初の攻撃に失敗して以来、キーウに向かって前進しておらず、ゼレンスキー(Zelenskyy)やウクライナ政府を政権から排除するための新たな取組みを示していない。しかし、2024年にこのような事態が発生する可能性は十分にある。特に、米国のウクライナ支援が当面凍結されたままであればなおさらである。

しかし、クレムリンは、モスクワがキーウの国際社会からの財政的・軍事的支援とウクライナの領土奪還のための攻勢的軍事活動を継続する物質的手段の両方を凌駕するように、紛争を時間とコストの面で長引かせようとしているように見える。そうすることで、クレムリンはウクライナを戦略的に疲弊させ、その後にキーウに和平交渉を仲介させるつもりなのだろう。

最近指摘したように、ロシアのウクライナに対する領土的野心は、おそらく受け入れ可能な結果のスペクトルに沿って動いている[7]。おそらく、前述のように、ロシアが最低限許容できる結果、つまりクレムリンが戦争を終結させても満足できる最低限の領土保有には、クリミアとクリミアへの陸橋であるドンバスの保持が含まれる(図1参照)。

わかりやすくするため、クリミアへの陸橋にはザポリージャ州とヘルソン州が含まれている。この2つの州は、ドンバスとクリミアの間の統一された地上のつながりを提供している。陸橋が重要なのは、ロシア領内からドンバス占領地とクリミア占領地を結ぶ地上連結をロシアに提供することで、クリミアの統治、防御、保持を簡素化できるからである。

図1:ロシアの潜在的な成果

2024年はウクライナにとって極めて重要な年になるだろう。もし米国がウクライナに友好的な大統領を選出すれば、キーウは2025年も米国からの財政的・軍事的支援を期待できるだろう。一方、ウクライナに友好的な大統領が選出されなかった場合、キーウはロシアの非国家化の取組みから自国を防御するための財政的・軍事的支援が減少することが予想される。

同時に、ウクライナの戦場に中国、北朝鮮、イランの兵器や弾薬が出現していることは、ロシアがこの紛争の消耗的な性質に対応し続けるという独自の課題に直面していることを示している[8] 。

外部からの支援がウクライナでの戦争マシンの維持にどの程度役立っているかは、オープン・ソースの情報では判別が難しいが、外部からの支援によってロシア軍が防御産業の生産と流通の不足の一部を克服できていることは分かっている。

そして、中国、北朝鮮、イランの支援によって、クレムリンはウクライナの軍隊とキーウのロシアへの抵抗力を維持する能力を疲弊させることを到達目標に、時間的、空間的、資源的に紛争を長引かせ続けることができる。

リスク:RISK

ロシアはすでに、ウクライナ侵攻に伴うリスクの多くを乗り越えてきた。経済制裁は初期に大きな打撃を与えたが、ロシアの産業と経済はそうした初期の苦難を吸収し、中国、北朝鮮、イランの支援を含め、多くの課題を相殺する方法を見出した[9]

さらに、西側諸国がウクライナへの兵器支援を徐々に拡大したことで、ロシアはこれらの兵器についても同様に段階的に学習することができ、ほとんどの場合、紛争の初期に、前線全体に効果を生み出すのに十分な密度で導入された場合に生み出された可能性のある「ゲームを変える(game-changing)」効果を無効にすることができた[10]

それどころか、西側諸国からの支援がゆっくりと滴り落ちることで、ロシア軍はそれらの兵器システムを観察し、学び、適応し、西側の技術や火力に対抗する効果的な方法を開発することができた[11]。ロシア軍の学習プロセスによって、紛争初期の恥ずべきパフォーマンスから回復することができ、ウクライナへの第三者的支援という米国をはじめとする西側諸国の戦略に疑問を投げかけることができた[12]

ロシア・ウクライナ戦争が現在のロシアにもたらす主なリスクは以下の通りである:(1)米国やNATOがウクライナのために陸上部隊が介入する可能性があること、(2)国内不安の結果として政変が起こる可能性があること、である。米国とNATOが陸上部隊で介入するリスクは低く、戦術核や戦略核でロシアがエスカレートする恐れがあるため、今後もその状態が続く可能性が高い[13]

ロシアがウクライナを核打撃する可能性も低いが、ロシアの政治指導者たちは、好ましくない行為に反対し、抑止するために、定期的に核の脅威を振りかざしている[14]。ロシアの安全保障理事会のドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)副議長は最近、ウクライナが西側諸国が供給する長距離ミサイルでロシア国内のミサイル発射基地を攻撃した場合、ウクライナに核で対抗すると脅した[15]

これは、ロシアが2023年夏に核兵器の一部をベラルーシに再配置したことに続くものである[16]。とはいえ、米軍やNATOの陸上部隊が投入されたり、クリミア半島が失われたりする可能性がない限り、ロシアが実際に核兵器を使用する可能性は依然として低い。

第二のリスク、つまり国内不安が政治的不安定を引き起こすというリスクに対して、プーチンとその支持者たちは、この問題を相殺するために、昔ながらのロシアの方法を使い続けている。逮捕、暗殺、失踪、弾圧は、この難題に対抗し、ウクライナに対する彼の政策に対する国内の反対を抑止するために採用されている主要な方法である[17]

2023年8月のワグネル・グループ代表エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)の暗殺は、おそらくこの手法の最も有名な例だろう[18]。さらに、アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)の定期的な失踪と投獄も、プーチン政権が政治的反対勢力を黙らせようとしているもう一つの例である[19]

長年のクレムリンの子分であったイーゴリ・ギルキン(Igor Girkin)は、2023年中にプーチンとクレムリンのウクライナ戦争への対応に極めて批判的であったが、2024年1月に4年の禁固刑を言い渡された[20]。さらに、ロシア国内では、プーチンが自身の戦争によって引き起こされた強い経済的・国内的動揺を受けて、反対派を黙らせ、異論を罰しようとするため、ジャーナリストへの弾圧が急増している[21]

加えて、元米陸軍欧州司令官のベン・ホッジス(Ben Hodges)米陸軍中将(退役)は、ロシアはウクライナでの戦争に周辺部や農村部から市民を動員していると述べている[22]。これらの人々の多くは少数民族であるため、プーチン(そして多くのロシア人)の社会階層における重要性は低い[23]

ホッジス(Hodges)によれば、モスクワやサンクトペテルブルクなど、ロシアの主要な人口集中地区以外の地域から大々的に撤退させることで、プーチンは戦闘による損失の重荷を遠く離れた地域に押し付け、社会的地位の低い人々に負担させることで、潜在的な国内不安を相殺することができる[24]。そうすることで、プーチンは紛争を継続し、ウクライナと西側の決意を破綻させようとする時間を稼ぐことができる。

手段:MEANS

手段とは、軍事力が実現可能な方法を生み出すために必要な軍事装備やその他の資材のことである。さらに、手段は軍事力の最終目的と手段を結びつける戦略的接着剤として機能する。最終目的の節で述べたように、ロシアの産業界は、ロシア軍部隊の軍備や軍需品に対する需要に挑戦しているように見える。

ウクライナとの戦場におけるロシア軍部隊の方法、つまり作戦アプローチは、資源を大量に消費する。初期のロシア軍の戦闘損失は、ウクライナ軍の頑強な闘いぶりとロシア軍の無策な戦術が相まって、ロシアに大規模な兵站上の難題をもたらした。

さらに、ロシアは、火力で先導し、火力が許す限り漸進的に前進するという、長年のロシアの軍事慣行に従って闘い続けている。しかし、漸進的な進歩は、男性と物資に多大な犠牲を強いることにもなっている。

例えば、ジャック・ワトリング(Jack Watling)とニック・レイノルズ(Nick Reynolds)は、マリウポルとバフムートの会戦におけるロシアの闘いについて、ロシアの軍事的利益を促進するために人海攻撃(human-wave attacks)を用いる「挽肉器戦術(meatgrinder tactics)」に依存していると言及している[25]。2024年2月20日現在、ロシアは404,950人の兵員、6,503台の戦車、338機の航空機、25隻の艦船など、多くの戦闘犠牲者を出している[26]

ウクライナの最高インテリジェンス責任者であるキリロ・ブダノフ(Kyrylo Budanov)が指摘するように、ロシアが代理部隊を利用するのは、陸上兵力の必要量を相殺し、自国の軍隊への負担を軽減しようとする主な方法である[27]

契約上の代理人であるワグネル・グループとドネツク人民軍とルハンスク人民軍(それぞれDPAとLPA)は、どちらも文化的な代理人であり、2022年2月の新たな敵対行為から2023年夏までの間に使用された主要な代理人であった。2023年6月のワグネル・グループのクーデター未遂は、クレムリンのワグネル・グループへの依存を当然冷え込ませた。

同時に、ロシアの軍事作戦は攻勢的でなく、防御的なものとなり、ウクライナの領土をさらに没収するのではなく、すでに併合した土地を維持しようとしている。その結果、モスクワの陸上部隊や使い捨ての歩兵に対する要求はやや低下している。

それにもかかわらず、ドンバスを横断する接触線とクリミアへの陸橋に沿って防御戦を闘うことで、ロシアはドローンと攻撃能力の必要性を高めている。前述したように、ロシアは中国、北朝鮮、イランと良好な外交関係を維持している。このためロシア軍部隊は、ウクライナの戦場で使用する重要な兵器をこれらの国から入手することができる。

このように、経済制裁がロシアの戦争遂行能力を麻痺させる可能性があるにもかかわらず、クレムリンはウクライナとの紛争を継続するために必要な手段を確保するために、経済力と軍事力の基盤を多様化してきた。さらに、これによってロシアは、ウクライナが米国やその他の西側諸国から供与された軍事援助の導入によって得た多くの優位性を克服し、戦場に戦域レベルの静止状態を取り戻すことができた。

別の言い方をすれば、ロシアは手段を多様化することで、国際社会の軍事支援を長引かせ、ウクライナの戦闘継続する能力を疲弊させることを到達目標に、モスクワに有利な膠着状態を生み出し、紛争を継続させている。

ロシアの多様な戦力基盤を考慮すると、2024年まで戦場での停滞(膠着状態)が続く可能性が高い。実際、これがロシアにとって望ましい行動なのだろう。ロシアは、キーウやウクライナの主権争いに友好的でない大統領、つまりウクライナの戦争に対する米国の支援を完全に排除するような大統領を米国が選出することを期待して、次期米大統領選を通じて紛争を長引かせようとしているのだろう。

方法:WAYS

方法とは、行為主体が最終目的を達成するために、その手段を尊重しながら模索する具体的な方法のことである。方法とは、多くの支援する作戦線(lines of operation)または取組み目標(lines of effort)から構成されている。さらに、戦略の方法(ways)の中には、多くの補完的な戦役(campaigns)や作戦が同時に存在することもある。

さらに、分類学的な立場から言えば、戦略の方法の中で支配的なアプローチや作戦線(lines of operation)または取組み目標(lines of effort)は、しばしば戦闘員の一般的な戦略の略語となる。その意味で、ロシアの戦略は疲弊戦略(strategy of exhaustion)とみなすことができる。

ロシアの疲弊戦略は、5つの取組み目標(lines of effort)に分けることができる。

  • 将来の交渉を支援するために、領土の獲得を段階的に増加させる。
  • 領土の獲得を強化し、ウクライナがその土地を奪還しようとする取組みを阻止する
  • ウクライナの攻勢能力を破壊し、併合した領土を奪還しようとする将来の試みを阻止する
  • 米国と西側の軍事支援を凌駕するために紛争を一時的に長引かせる
  • 紛争を時間的・空間的に長引かせ、ウクライナの人的資源の予備を超えるようにする。

紛争初期、ロシアの戦略はウクライナ領土の征服に重点を置いていた。その規模については議論が分かれるところだが、ロシアの軍事作戦は、キーウ、ドニエプル川の両岸に並行する州、ドニエプル川以東のすべての州をウクライナとロシアの国際境界線まで占領するつもりであることを示していた。

この作戦は失敗に終わったが、ロシアはドンバス自治州の支配を拡大し、クリミアを維持し、2014年から2015年にかけての戦役の到達目標であったクリミアへの陸橋を手に入れることができた[28]

上記の「手段」の項で述べたように、ロシアは2023年まで限定的な領土獲得を試みた[29]。これ以上ウクライナの領土を獲得するのは、交渉のためだけの可能性が高い。そのため、ロシアとウクライナが紛争終結を交渉しなければならない局面に至った場合、ロシアは交渉の切り札としてウクライナの領土の一部を「返還(give back)」することで、真に望むもの、すなわちクリミアとクリミアへの陸橋であるドンバスの保持を維持することができる。

この傾向は2024年まで続くだろう。ロシアは、両国間の交渉が実を結んだ場合、おそらく交渉上の立場を改善する目的で、接触線に沿って領土を拡大しようとすることが予想される。

さらにロシアは、ウクライナの手持ち物資と予備兵力の両方を枯渇させることで、ウクライナの戦争の取組みを頂点に至らせようとしている。プーチンは、ロシアは現在61万7000人の兵士が紛争に参加していると述べている。ウクライナ国内の戦闘部隊の数は不明だ[30]

とはいえ、マリウポル、バフムート、アヴディフカなどの重要な会戦は、ロシアにとっては厳しいが、ウクライナにとっては深刻な懸念である。ウクライナに対するロシアの人口優位は、端的に言えば、クレムリンがキーウよりもはるかに深い井戸から軍隊を生み出せることを意味する。

そのため、ロシアはウクライナに対する人口の優位性を生かし、血みどろの消耗の会戦(battles of attrition)でウクライナの戦力を疲弊させ続けている。ウクライナ軍を絶頂に至らせようとするクレムリンの試みは、成功の兆しを見せている。

たとえば2023年12月、ゼレンスキー(Zelenskyy)は軍司令官たちが50万人の追加兵力を求めていると述べた[31]。ゼレンスキー(Zelenskyy)は、この数字がウクライナの市民社会に与える影響について「非常に深刻だ」と述べた[32]。ブダノフはさらに最近、ゼレンスキー(Zelenskyy)に同調し、さらなる兵力の動員なしにはウクライナの立場は不安定になると述べた[33]

したがって、ロシアの疲弊戦略(strategy of exhaustion)はうまくいっているように見える。ロシアの量は、先に述べたロシアの最低限受け入れ可能な結果、すなわちクリミアとクリミアへの陸橋であるドンバスの保持という線に沿って紛争を凍結させた。

この現実は、クリス・カヴォリ(Chris Cavoli)米陸軍欧州軍司令官兼欧州連合軍最高司令官大将が力強く述べていることに反している。「精密さは量に勝る。この秋、ウクライナ軍はそれを示した。しかし、それが機能するには時間が必要であり、その時間は通常、空間で買うことになる。だから、この方法を使うには、時間と引き換えに空間が必要なんだ。我々全員にそれがあるわけではない。我々の思考と計画策定において、それを補う必要がある」[34]

米国や西側諸国が提供した精密打撃は、紛争初期のウクライナを助けたかもしれないが、ロシアの領土保持の意図と相まって、ロシアの質量はカヴォリ(Cavoli)の仮説を否定している。さらに、カヴォリ(Cavoli)が言う「時間のために領土を犠牲にする」というのは、実際にはウクライナの政治的・軍事的目標よりもむしろロシアの有利な方向に作用している。

ウクライナ軍が不本意ながらロシアの陸上部隊に割譲した土地は、精密打撃では奪還できそうにない。ウクライナがロシアの陸上部隊を撃退し、奪還した領土を支配し、その後のロシアの反攻から領土を守るためには、統合火力と精密打撃の支援を受けた相当規模の陸上部隊が必要となる。

ロシアの戦略的評価:まとめ:RUSSIAN STRATEGIC ASSESSMENT: SUMMARY

戦争における勝利が、敵対者の政治的・軍事的目標を犠牲にして、一方の国家がその政治的・軍事的目標を達成することで定義されるとすれば、2年間の紛争を通じてロシアが優位に立っているように見える(表1参照)。ロシアの疲弊戦略(strategy of exhaustion)と領土併合戦略は、ロシア経済とロシア国民に多大な犠牲を強いながらも、機能しているように見える。

ロシアは、疲弊戦略を実行するために必要な戦争備蓄を維持するために、拠点を多様化させなければならなかったし、領土を獲得するために必要な齧って保持する戦術(bite-and-hold tactics)を実行するために、ロシア国民に大きな犠牲を強いなければならなかった。

ロシアは現在、ほぼ防勢に回っており、接触する時間帯に沿ってその位置を保っていることを考えれば、ロシア国民への被害は来年には減少するだろう。さらに、ロシアが防御陣地を固めていることを考えれば、2024年まで戦場での優位は保たれるだろう。

最終目的(Ends)

リスク(Risk) 手段(Means)

方法(Ways)

l   ウクライナ国家を崩壊させる

l   受け入れ可能な政治的・軍事的結果の範囲を支えるのに十分な領土獲得を維持する

l   戦略的な物質的優位( overmatch)を維持する

l   ウクライナの抵抗継続能力を疲弊させる

l   紛争の異常を常態化する

l   ウクライナの併合領土奪還作戦遂行能力を削ぎ、侵食する。

l   米国および/またはNATOが陸上部隊で介入

l   国内不安による政変

l   国際パートナーの多様な基盤

l   代理人部隊

l   大規模陸上部隊

l   ウクライナに消耗の戦争を闘ように強いる

l   ウクライナの陸上部隊を壊滅させる(すなわち、疲弊戦略)

l   接触線沿いで膠着状態を強いる

表1:ロシアの戦略

ウクライナの戦略的評価: UKRAINIAN STRATEGIC ASSESSMENT

最終目的:ENDS

ウクライナの焦点は、ロシアの占領から領土を解放し、ドンバスとクリミアの主権回復を含むロシアとの1991年の国境を回復することにある[35]。それ以上に、ウクライナは西側諸国との結びつきを強めるために働き続けている。

安全保障支援パートナーシップから欧州連合(EU)加盟への取り組みまで、ゼレンスキー(Zelenskyy)と彼の政府は、国際社会からの政治的、軍事的、経済的支援を維持し、獲得するために外交チャンネルを押し広げ続けている[36]

EUに加盟し、国際社会からの支持を維持し続けるというキーウの取組みは、ウクライナの領土からロシア軍(ロシアの代理勢力も含む)を排除するという目標よりも、はるかに現実的であることは間違いない。

古典的なボード・ゲーム「リスク」は、ウクライナが何をしなければならないかを見事に例えている。「リスク」では、プレイヤーは地図上の領土の一部を要求したり奪還したりするために、領土を占領している軍隊を攻撃して打ち負かさなければならない。攻撃側が守備側を破った場合(そしてその場合)、攻撃側は1つだけでなく2つのことをしなければならない。

攻撃側は軍隊を征服した領土に移動させなければならないだけでなく、攻撃を開始した領土に少なくとも1つの軍隊を残さなければならない。事実上、攻撃を成功させれば戦闘力は拡散し、これは攻撃中に被った損失の上乗せとなる。

それでもなお、攻撃側は新たに獲得した領土と攻撃元の領土との間で、適切な軍隊のバランスを見極めなければならない。どちらかの領土のバランスが崩れれば、敗れた占領者による反攻の格好のターゲットとなる。

ウクライナはまさにそのような立場に置かれている。しかし、領土のごく一部を奪還するために攻撃するだけでなく、ウクライナは領土の20%近くを取り戻す努力をしなければならない[37]。この問題をさらに深刻にしているのが、ロシアの占領軍の規模である。

前述したように、プーチンはロシアが紛争に投入した兵士の数は67万人で、これはモスクワが最初に投入した19万人の侵攻部隊から200%以上増加したことになる[38]。プーチンの数字を検証するのは難しい。また、この数字が戦闘部隊と支援部隊、ウクライナで作戦する部隊と紛争にコミットしているがロシアで作戦する支援部隊をどのように分けているのかを確認するのも難しい。

それにもかかわらず、議論のために、670,000人のロシア軍全員がウクライナにいると仮定しよう。攻撃を成功させるには、1つの防御測定単位ごとに3つの測定単位が必要(3:1)であるという従来の攻撃者から防御者へのヒューリスティックを使用し、個々の部隊を測定単位として使用すると、ウクライナの攻撃を成功させるには、上記の順序を実行するために200万人以上の兵士が必要になることがわかる。

ウクライナからロシアの陸上部隊を撤退させ、反攻の可能性が高いウクライナを維持するために必要な兵力は本当に200万人なのだろうか?古今東西のアナリストの中には、3:1という比率には欠陥がある、あるいは適切でない、あるいはその両方があると指摘する者もいる[39]。あるいは、カボリが示唆したように、現代の技術が陸上部隊の必要性を奪っているのだろうか?

長距離精密打撃、あらゆる種類のドローン、優れた標的情報は、補完的な兵器とインテリジェンスが常に行ってきたこと、つまり、競争する陸上部隊の前進や防御態勢を支えてきたが、それに取って代わってはいない。

さらに、技術は、それが支援する作戦だけでなく、それが克服しようとする敵対的な作戦の両方の文脈で見なければならない。

もし、ロシアの戦略が現時点では領土を維持することに主眼を置いており、そのためロシア軍は防御作戦を実施することに集中しており、ウクライナの陸上部隊には、攻撃(attack)-撃破(敗北)(defeat)-占領(occupy)-防御(defend)の一連の諸兵科連合作戦を実施するための数がないというのが正しいのであれば、精密打撃、ドローン、ターゲッティング情報は、無益な戦略的立場のための粉飾かもしれない。

この観点から見ると、キーウの戦略はバランスを欠いている。つまり、キーウの最終目的は手段の限界を超えている。このような状況が、紛争を消耗の戦争(war of attrition)と特徴づける一因となっている。

リスク:RISK

対ロシア戦争に勝利するためのウクライナの戦略にとって最大のリスクは、米国の政治的、財政的、軍事的支援を失うことである。他の欧州のパートナーからの支援の喪失は、重要性の高い順にそれに続く。これについては、他の出版物でも多くのことが書かれているので、本節ではその他の戦略的リスクについて検討する。

キーウにとって最大の戦略的リスクのひとつは、軍事力を疲弊させたり拡散させたりして、ロシアの陸上部隊がますます脆弱な位置から攻撃を仕掛け、ウクライナの土地をさらに没収することである。例えば、2023年夏のウクライナの反攻は、ウクライナの戦線にいわゆるソフト・スポットを作り出し、そこから局地的な反攻が作戦上の突破口を開く可能性がある。

しかし、ゼレンスキー(Zelenskyy)と彼の政府が本当にウクライナの全領土をロシアから解放するつもりなら、この状況は戦略的軍事計画担当者が考慮しなければならないことだ。

加えて、クリミアの奪還は状況を一変させる可能性がある。プーチンはクリミアがロシアのレッド・ラインであると表明しており、核による報復は、半島を奪還しようとするウクライナの合法的な試みと重なる可能性が高いことを示している[40]

従って、プーチンのレッド・ラインは、キーウの政策立案者や戦略家がクリミアを奪取し保持しようとする試みを実行に移す前に考慮しなければならないものである。プーチンのレッド・ラインはブラフかもしれない?そうかもしれない。しかし、核攻撃の脅威は、プーチンが核兵器をベラルーシに移動させ、紛争初期に核攻撃兵器をウクライナの近くに配置し直したことと相まって、この脅威の信憑性を示している。

手段:MEANS

ウクライナの戦略的最終目的に関する節で詳述したように、ウクライナが政治的・軍事的目標を達成するのを妨げている最大の資源は人的資源である[41]。ザルジニ(Zaluzhnyi)が最近のエッセイで述べているように、ウクライナの募集と維持の問題は、固定人口、人的資源を分担する連合軍の不在、2年間にわたる戦死者その他の死傷者と相まって、ウクライナをこのような立場に追い込んでいる[42]

たとえキーウが徴兵制を開始したとしても、彼らがこの立場を克服できる可能性は高くない。上記の3:1の計算を考慮すると、キーウがウクライナからロシアの陸上部隊を排除したいのであれば、理論的には200万人以上の訓練された軍隊を生み出す必要がある。

さらに、技術愛好家の言う通り、精密打撃兵器やドローン、高度なインテリジェンスによって、3対1の比率を2対1、あるいは1.5対1にまで開放戦闘でシフトさせることができれば、その優位性は市街地での防御側に戻るだろう。これは、国際人道法を考慮するためであり、また、より多様な作戦環境におけるターゲティングの課題でもある。

この文脈に当てはめると、計算はさらに難しくなる。トレバー・デュピュイ(Trevor Dupuy)は、「攻撃側に対する3:1の戦力比の要求は、それに関わる振舞いやその他の戦闘変動要因に関するある程度の知識がなければ、有益な価値を持ち得ない」と書いている[43]

そのため、作戦環境、相手のタイプ、歴史的にどのような闘い方をしてきたかといった要素も、状況に当てはめなければならない。理論上も軍事ドクトリン上も、市街地の作戦環境では攻撃側と防御側の比率が3:1から6:1に増加することを示唆している[44]

ウクライナの占領地域には多数の都市があり、キーウ軍が通過しなければならない前線の広さと縦深を考えると、これは大きな課題となっている。仮に、ロシア軍はドネツク市、マリウポリ、メリトポリ、シンフェロポリ、セバストポリなどの要衝を突破し、必要な兵力が3:1から6:1に連動したネットワークを形成し、ウクライナがロシア軍を撤退させるために必要な全体的な戦闘力を増大させる可能性がある。

さらに、ウクライナがロシアの陸上部隊をウクライナから排除できた場合、反乱の問題も方程式に入ってこなければならない。物理的な領土を奪還することと、その領土に住む人々の忠誠心を確保することはまったく別のことだ。ドネツク州とルハンスク州の大部分とクリミア全域は、10年間ロシアに占領されている。

これらの地域の住民の政治的忠誠心、文化的帰属意識、国内政治は、現時点では確実とは言い難い。したがって、ドンバスとクリミアで反乱が起きる可能性は、失われた領土を取り戻し保持するための作戦を実施するために必要な手段、この場合は人的資本を計算する際にも考慮しなければならない。

野戦砲、ミサイル、防空ミサイルなど、必要な弾薬はすでに不足しており、ウクライナの弾薬不足は2024年まで加速しそうだ。これは、ザルジニ(Zaluzhnyi)が最近のエッセイで、ウクライナが生き残り、ロシアに勝利するために必要なものについて述べたもう一つの懸念である[45]。この記事を書いている時点では、議会はウクライナに対する国防総省の最新の資金要求を承認していない。

それが実現するかどうかはまだわからない。とはいえ、議論を続けるために、議会が2024年3月に資金を承認すると仮定してみよう。しかし、その時点までに、資金不足はウクライナへの支援の遅れを生み、すでに脆弱な弾薬の状況を悪化させ、はるかに危機的な状況を生み出す可能性がある。

現状では、ウクライナの部隊は陣地を守り、前線を維持することしかできない段階に近づいている[46]。ウクライナの部隊は、弾薬が不足しているため、ロシア軍の防御帯を整然と突き破り、ロシア軍の陸上部隊を一網打尽にするような強力な攻勢作戦を行うことはできないだろう。

また、議会がウクライナ向けの資金を承認してから、軍がその資金に関連する装備をウクライナ軍に提供できるようになるまでの時間と、ウクライナ軍がその装備を戦場で使用できるようになるまでの時間との間にタイムラグが生じる。

議会が承認してからウクライナ軍が現地で装備を使用するまでの間、ロシアの戦術的・作戦的な軍事的構成作戦のリスクが高まる一方、ウクライナの防勢作戦成功のリスクは低下する。

したがって、ウクライナの弾薬危機を悪用し、先に述べたように、後々交渉上の立場を強化するために領土を追加で獲得しようとするロシアの陸上部隊が、今後数カ月のうちにウクライナの戦線に侵入しようとすることが予想される。

方法:WAYS

ウクライナの戦略的最終目的と、ウクライナのリスクと手段の両方がその最終目的にもたらす課題を検討した結果、方法はかなり単純な議論となった。ウクライナの限られた人員と弾薬ベースでは、ウクライナが攻勢的にできることはすでに限られている。

ウクライナのロシア軍が実際に67万人に迫り、3対1(あるいは6対1)の比率が正確な計画上の考慮事項だとすれば、キーウは最低でも、クリミアとクリミアへの陸橋であるドンバス地方を奪還するための200万人規模の軍隊の人員、資材、弾薬を捻出しなければならない。

さらに、これはウクライナの成功に続く反攻や、新たに解放された地域での反乱の可能性を考慮していない。

マイケル・コフマン(Michael Kofman)とフランツ=ステファン・ガディ(Franz-Stefan Gady)は、このテーマに関する最近の対話の中で、このことに言及し、当面の間、ウクライナ軍は、接触線に沿った防御作戦と、小隊規模を超える作戦はほとんどなく、小規模で限定された目的の攻勢に限定されることを示唆した[47]

戦争に勝つ方法とは言い難いガディ(Gady)のウクライナの立場に関する評価はコフマン(Kofman)の評価よりも楽観的だが、両アナリストともキーウの軍隊にとって2024年は非常に困難な年になることを示唆している。戦略的バランスを考えれば、ガディ(Gady)とコフマン(Kofman)の言う通り、2024年のウクライナは、ロシアの突破を防ぐのに十分な戦力で接触線を防御する以上のことをするのはかなり難しいだろう。アヴディフカはその一例だ。

ドネツク州の接触線沿いに位置するアヴディフカは、現在の紛争のホット・スポットである。ロシアの陸上部隊は、領土併合を拡大し、ウクライナの戦闘継続能力を疲弊させる目的で、この都市でウクライナの人員、物資、装備を消耗させる「肉弾攻撃(meat assaults)」を続けている[48]

数カ月にわたる闘いの末、ロシアはこの都市の占領を目前に控えているようだ[49]。現時点では正確な死傷者数を特定するのは難しいが、この都市をめぐる争いで人員と資源が枯渇するなか、双方の数千人の兵士が死亡したとの報告がある。

アヴディフカでの攻撃のようなロシアの強固な攻撃から戦線を維持することが、2024年までのウクライナの作戦の最大範囲になると思われる。

ウクライナの戦略的評価:まとめ:UKRAINIAN STRATEGIC ASSESSMENT: SUMMARY

最も基本的な所見は、ウクライナはドンバス、クリミアへの陸橋、あるいはクリミアを奪還するのに必要な規模と期間の攻撃作戦を絶頂に達しており、その能力はないということだ。さらに、ウクライナ軍がロシアをウクライナ領内から排除するには、陸上戦力の大幅な増強が必要となる。

精密打撃と空軍力は、この試みに役立つだろうが、ウクライナの歩兵と機甲部隊は、依然として地形の中に移動し、ロシアの陸上部隊の地形を一掃し、地形を保持し、ロシアの反攻に打ち勝たなければならない。

したがって、2024年までウクライナが大規模な攻勢を仕掛けることはないだろう。ウクライナは、ロシアの保有する領土をかじるために1つか2つの小規模な攻勢を試みるかもしれないが、それ以上の大規模なものはウクライナの手段を超える。

ウクライナに対する米国の支援が長期間凍結されたままであれば、ロシアとの接触線を維持するだけのウクライナの能力はさらに悪化するだろう。米国の兵器、弾薬、軍事装備は、ウクライナの自衛能力にとって不可欠である。

支援がなければ、ウクライナの補給網、砲兵部隊、陸上部隊は日ごとに脆弱さを増していく。それは、ウクライナ軍を通して弱点が拡散し、キーウが有用な軍事戦略を展開できなくなることを意味する。要するに、2024年はウクライナにとっても、政治的・軍事的目標を達成するウクライナの能力にとっても、暗澹たるものになりそうなのだ。

最終目的(Ends)

リスク(Risk) 手段(Means)

方法(Ways)

l   主権の維持とウクライナの理念

l   ロシアが支配している領土の解放

l   国際的な支援の維持

l   米国と国際的な支援の喪失

l   限られた資源を使い果たす

l   犯罪は核対応のレッド・ラインかもしれない

l   限定的な攻勢しかできない陸上部隊

l   人的資源基盤の縮小

l   国際的に供給される長距離打撃、ドローン、インテリジェンス

l   陣地戦(戦闘力を維持するため)

l   限定的な目標の攻撃、長距離火力とドローン打撃でロシア軍を苦しめる

表2: ウクライナの戦略

しかし、ウクライナに対する米国の支援が比較的早期に解除されれば、ウクライナの自衛能力は若干低下するものの、すぐに回復する可能性が高い。とはいえ、ウクライナが抱える人的資源の問題から、2024年中に大規模な攻勢をかけることはできないだろう。

米国や他の西側諸国からの長距離精密打撃、空軍力、インテリジェンスの流入は、人的課題の一部を軽減するのに役立つだろうが、その懸念を完全に取り除くことはできない。したがって、敵対する塹壕網に整列した部隊の消耗的粉砕は、2024年を通して紛争を特徴づける可能性が高い。

結論:CONCLUSION

ロシア・ウクライナ戦争は現在、膠着状態にある。この膠着状態は、一方は併合した領土の保持に重点を置き、もう一方は、その目標を達成する手段を持たない敵対勢力を領土から退治することに重点を置いた、競合する戦略の結果である。それぞれの国の最終目的とのバランスを考慮すると、現在のところロシアが戦争に勝っている(表3参照)。

ロシアはウクライナの領土のかなりの部分を支配しており、残忍な陸上戦(land warfare)以外の手段でその領土から追い出すことはできないだろう。さらに言えば、ウクライナがクリミアとクリミアへの陸橋であるドンバスを解放し、保持するために必要な戦力を捻出できるかどうかは議論の余地がある。

ウクライナの占領地の解放を達成するために必要な数の軍隊、戦闘部隊、攻撃能力を生み出すには、国際的な連合が必要になる可能性が高い。この国際連合が実現する可能性は極めて低い。

「はじめに」で述べたように、領土をめぐって行われる陸上戦争は、非正規戦争や対反乱、内戦とは異なる軍事的最終目標を持つ。さらに、戦略の最終目的は、まずその手段によって支えられなければならず、次に、その最終目的を達成するための資源に制約された方法によって支えられなければならない。

したがって、精密打撃戦略やフットプリントの軽いアプローチでは、相手の軍隊を物理的に破壊し、その領土を占領することを基本として戦争を闘うために作られた工業化された軍隊(industrialized armies)を打ち負かすのに十分な戦力は得られない。圧倒的な火力を提供し、侵略者の領土に殺到することができる堅牢な陸上部隊は、20世紀の武力紛争の遺物ではなく、戦争の未来である。

これは欧州特有の紛争の特徴ではなく、ジョン・マクマナス(John McManus)が指摘するように、第二次世界大戦中の太平洋戦域での米軍の作戦において、東アジアでも証明されたことである。例えば、マクマナス(McManus)は、米軍はフィリピン侵攻時に、ノルマンディー侵攻時よりも多くの師団を起用したと指摘している[50]

中国と台湾の紛争シナリオに関して政策立案者が直面する考慮事項を考えると、マクマナス(McManus)の知見とウクライナで露呈した戦争の現実を考慮に入れることは有益である。中国が併合を意図して台湾に侵攻する場合、ロシア・ウクライナ戦争と同様の要素を考慮する価値がある。台湾に侵入し、掃討し、保持するためには、大規模で強固な陸上部隊が必要となる。

さらに、ウクライナにおけるロシアの作戦は、量が精度に勝るのであって、その逆ではないことを示している。精密さは戦場の一点での戦術的勝利をもたらすかもしれないが、有限の一点での勝利は戦略的勝利をもたらすことはないだろう。

さらに、ロシアの量の戦略(mass strategy)を「愚かだ」と否定するのは的外れだ。ロシアが戦略的勝利を収めれば、その方法がいかに怪しげなものであろうと、それほど非論理的であるはずがない。結局のところ、ロシアのウクライナでの作戦は、特に領土の併合戦争において、国家が獲得したものを真に強固なものにし、反攻に対する軍事的勝利をヘッジする方法として、量(mass)が有効であることを示している。

最終目的(Ends)

リスク(Risk) 手段(Means)

方法(Ways)

ロシア

l   ウクライナ国家を崩壊させる

l   受け入れ可能な政治的・軍事的結果の範囲を支えるのに十分な領土獲得を維持する

l   戦略的な物質的優位( overmatch)を維持する

l   ウクライナの抵抗継続能力を疲弊させる

l   紛争の異常を常態化する

l   ウクライナの併合領土奪還作戦遂行能力を削ぎ、侵食する。

l   米国および/またはNATOが陸上部隊で介入

l   国内不安による政変

l   国際パートナーの多様な基盤

l   代理人部隊

l   大規模陸上部隊

l   ウクライナに消耗の戦争を闘ように強いる

l   ウクライナの陸上部隊を壊滅させる(すなわち、疲弊戦略)

l   接触線沿いで膠着状態を強いる

ウクライナ

l   主権の維持とウクライナの理念

l   ロシアが支配している領土の解放

l   国際的な支援の維持

l   米国と国際的な支援の喪失

l   限られた資源を使い果たす

l   犯罪は核対応のレッド・ラインかもしれない

l   限定的な攻勢しかできない陸上部隊

l   人的資源基盤の縮小

l   国際的に供給される長距離打撃、ドローン、インテリジェンス

l   陣地戦(戦闘力を維持するため)

l   限定的な目標の攻撃、長距離火力とドローン打撃でロシア軍を苦しめる

優位性

ロシア

l   ロシアは負けないことで勝たなければならない。ウクライナはロシア軍を領土から追い出すことで勝たなければならない。

ロシア

l   ウクライナの資源問題は巨大な戦略的リスクを生み出す。

ロシア

l   ウクライナの限られた人的資源と国際社会への依存は、ウクライナを極めて脆弱にしている。

ロシア

l   ロシアはより大きな資源基盤を持っているため、ウクライナとその限られた手段に対して疲弊戦略をとることができる。

表 3: ロシア・ウクライナ戦争:戦略的バランス

最後に、ロシア・ウクライナ戦争は、戦術的勝利と勝利の間のシーソーのような推移から自国を守るために、敵軍を排除することがいかに重要であるかを示している。クラウゼヴィッツ(Clausewitz)は、破壊されていない軍隊は常に戦場に戻り、敵対者の狙いを弱める可能性があると主張している。

ウクライナがロシア軍を排除し、ウクライナの戦場から排除できないことは、キーウがウクライナで積極的に狙いを追求するクレムリンと絶えず格闘しなければならないことを意味する。

ウクライナは、ウクライナ国内のロシア軍を壊滅させ、解放された領土を占領・保持するために必要な破壊的な戦闘能力と相まって、大規模な戦力を生み出すことができない。つまり、この消耗の戦争(war of attrition)は、ウクライナがプーチン軍をウクライナから追い出すために必要な戦力を生み出すことができるか、ウクライナが戦略的に疲弊して紛争をやめざるを得なくなるか、あるいは両当事者が紛争終結を決断するまで続くことになる。

結果はどうあれ、2024年もロシアはウクライナを戦略的に疲弊させようとする可能性が高い。一方、キーウは、ロシア軍を破壊し、領土を解放するために必要な軍隊を募集し、訓練しようとしながら、接触線に沿った位置を維持するために最善を尽くす。

ノート

[1] “The Commander-in-Chief of Ukraine’s Armed Forces on How to Win the War,” Economist, 1 November 2023.

[2] Jack Watling, “The War in Ukraine is Not a Stalemate,” Foreign Affairs, 3 January 2023.

[3] Carl von Clausewitz, On War, trans. and eds. Michael Howard and Peter Paret (Princeton, NJ: Princeton University Press, 1984), 77.

[4] Raphael Lemkin, Axis Rule in Occupied Europe: Laws of Occupation, Analysis of Government, Proposals for Redress (Concord, NH: Rumford Press, 1944), 80–82.

[5] Guy Faulconbridge and Vladimir Soldatkin, “Putin Vows to Fight on In Ukraine Until Russia Achieves its Goals,” Reuters, 14 December 2023.

[6] Harriet Morris, “An Emboldened, Confident Putin Says There Will Be No Peace in Ukraine Until Russia’s Goals are Met,” Associated Press, 14 December 2023.

[7] Amos Fox, “Myths and Principles in the Challenges of Future War,” Association of the United States Army, Landpower Essay 23-7, 4 December 2023.

[8] “China’s Position on Russia’s Invasion of Ukraine,” US-China Economic and Security Review Commission, 31 December 2023; Robbie Gramer, “Iran Doubles Down on Arms for Russia,” Foreign Policy, 3 March 2023; Kim Tong-Hyung, “North Korea Stresses Alignment with Russia Against US and Says Putin Could Visit at an Early Date,” ABC News, 20 January 2024.

[9] Tong-Hyung, “North Korea Stresses Alignment with Russia”; “China’s Position on Russia’s Invasion of Ukraine”; Darlene Superville, “The White House is Concerned Iran May Provide Ballistic Missiles to Russia for Use Against Ukraine,” Associated Press, 21 November 2023.

[10] Matthew Luxmoore and Michael Gordon, “Russia’s Army Learns from Its Mistakes in Ukraine,” Wall Street Journal, 24 September 2023.

[11] Margarita Konaev and Owen Daniels, “The Russians Are Getting Better,” Foreign Affairs, 6 September 2023.

[12] Jack Watling and Nick Reynolds, Stormbreak: Fighting Through Russian Defences in Ukraine’s 2023 Offensive (London: Royal United Services Institute, 2023), 15–19.

[13] Bryan Frederick et. al., Escalation in the War in Ukraine: Lessons Learned and Risks for the Future (Santa Monica, CA: RAND, 2023), 77.

[14] “Bluffing or Not, Putin’s Declared Deployment of Nuclear Weapons to Belarus Raises Tensions,” Associated Press, 27 July 2023.

[15] “Russia’s Medvedev Warns of Nuclear Response if Ukraine Hits Missile Launch Sites,” Reuters, 11 January 2024.

[16] “Ukraine War: Putin Confirms First Nuclear Weapons Moved to Belarus,” BBC News, 17 June 2023.

[17] Steve Gutterman, “The Week in Russia: Carnage and Clampdown,” Radio Free Europe/Radio Liberty, 19 January 2024.

[18] Samantha de Bendern et al., “Prigozhin May Be Dead, but Putin’s Position Remains Uncertain,” Chatham House, 24 August 2024.

[19] Gutterman, “The Week in Russia: Carnage and Clampdown.”

[20] Robert Picheta et al., “Pro-War Putin Critic Igor Girkin Sentenced to Four Years in Prison on Extremist Charges,” CNN, 25 January 2024.

[21] Robert Coalson, “How the Russian State Ramped Up the Suppression of Dissent in 2023: ‘It Worked in the Soviet Union, and It Works Now,’” Radio Free Europe/Radio Liberty, 31 December 2023.

[22] Ben Hodges, “Ukraine Update with Lieutenant General (Retired) Ben Hodges,” Revolution in Military Affairs [podcast], 1 January 2024.

[23] Sven Gunnar Simonsen, “Putin’s Leadership Style: Ethnocentric Patriotism,” Security Dialogue 31, no. 3 (2000): 377–380.

[24] Hodges, “The Ukraine Update.”

[25] Jack Watling and Nick Reynolds, Meatgrinder: Russian Tactics in the Second Year of Its Invasion of Ukraine (London: Royal United Services Institute, 2023), 3–8.

[26] The Kyiv Post keeps a running tally of these figures and other Russian losses in a ticker across the top of their homepage: https://www.kyivpost.com.

[27] Christopher Miller, “Kyrylo Budanov: The Ukrainian Military Spy Chief Who ‘Likes the Darkness,’” Financial Times, 20 January 2024.

[28] “Ukraine in Maps: Tracking the War with Russia,” BBC News, 20 December 2023.

[29] Constant Meheut, “Russia Makes Small Battlefield Gains, Increasing Pressure on Ukraine,” New York Times, 22 December 2023.

[30] Jaroslav Lukiv, “Ukraine Seeks Extra Soldiers – President Zelenskyy,” BBC News, 19 December 2023.

[31] Lukiv, “Ukraine Seeks Extra Soldiers.”

[32] Lukiv, “Ukraine Seeks Extra Soldiers.”

[33] Miller, “Kyrylo Budanov: The Ukrainian Military Spy Chief Who ‘Likes the Darkness.’”

[34] Christopher Cavoli, “SACEUR Cavoli – Remarks at Rikskonferensen, Salen, Sweden,” NATO Transcripts, 8 February 2023.

[35] Olivia Olander, “Ukraine Intends to Push Russia Entirely Out, Zelenskyy Says as Counteroffensive Continues,” Politico, 11 September 2022; Guy Davies, “Zelenskyy to ABC: How Russia-Ukraine War Could End, Thoughts on US Politics and Putin’s Weakness,” ABC News, 9 July 2023.

[36] Angela Charlton, “Ukraine’s a Step Closer to Joining the EU. Here’s What It Means, and Why It Matters,” Associated Press, 14 December 2023.

[37] Visual Journalism Team, “Ukraine in Maps: Tracking the War with Russia,” BBC News, 20 December 2023.

[38] “Russia-Ukraine Tensions: Putin Orders Troops to Separatist Regions and Recognizes Their Independence,” New York Times, 21 February 2022.

[39] John Mearsheimer, “Assessing the Conventional Balance: The 3:1 Rule and Its Critics,” International Security 13, no. 4 (1989): 65–70; Michael Kofman, “Firepower Truly Matters with Michael Kofman,” Revolution in Military Affairs [podcast], 3 December 2023.

[40] Vladimir Isachenkov, “Putin Warns West: Moscow Has ‘Red Line’ About Ukraine, NATO,” Associated Press, 30 November 2021.

[41] Maria Kostenko et al., “As the War Grinds On, Ukraine Needs More Troops. Not Everyone Is Ready to Enlist,” CNN, 19 November 2023.

[42] Valerii Zaluzhnyi, “Modern Positional Warfare and How to Win It,” Economist, accessed 24 January 2024.

[43] Trevor Dupuy, Numbers, Predictions, and War: Using History to Evaluate Combat Factors and Predict the Outcome of Battles (Indianapolis, IN: Bobbs-Merrill Company, Inc., 1979), 12.

[44] Army Training Publication 3-06, Urban Operations (Washington, DC: Government Printing Office, 2022), 5-23.

[45] Zaluzhnyi, “Modern Positional Warfare and How to Win It.”

[46] Olena Harmash and Tom Balmforth, “Ukrainian Troops Face Artillery Shortages, Scale Back Some Operations – Commander,” Reuters, 18 December 2023.

[47] Kofman, “Firepower Truly Matters”; Franz-Stefan Gady, “A Russo-Ukrainian War Update with Franz-Stefan Gady,” Revolution in Military Affairs [podcast], 30 November 2023.

[48] Joseph Ataman, Frederick Pleitgen and Dara Tarasova-Markina, “Russia’s Relentless ‘Meat Assaults’ Are Wearing Down Outmanned and Outgunned Ukrainian Forces,” CNN, 23 January 2024.

[49] David Brennan, “Avdiivka on Edge as Russians Proclaim ‘Breakthrough,’” Newsweek, 24 January 2024.

[50] “Ep 106: John McManus on the U.S. Army’s Pacific War,” School of War [podcast], 16 January 2024.