合成環境は兵士の訓練の仕方を変える-米国議会上院軍事委員会の議会証言から

米陸軍は、現在有する統合訓練環境(Integrated Training Environment  : ITE)を近年の仮想現実等の技術の進展を取り入れた新たな訓練環境へと移行しつつある。

これは、マティス前国防長官の近接戦闘致死性タスクフォース(CCLTF)を達成するものでもある。米陸軍はこの新たな訓練環境を合成訓練環境(synthetic training environment :STE)として、研究開発を進めており、2018米国会計年度の研究開発事業のプログラム管理からスタートしている。これは、米陸軍の6つの近代化優先事項の一つであり、兵士の致死性能力の向上の中の、総合的訓練環境(STE)として機能横断的チーム(Cross-Functional Team:CFT)によって進められている。

2020米国会計年度の予算要求には、合成訓練環境(synthetic training environment :STE)の構成要素の多くが含まれている。

以下は、2019年5月9日に行われた米国議会上院軍事委員会での、Subcommittee on Readiness: Fiscal Year 2020 Budget Request for Military Readinessと題する米陸軍、米海軍、米海兵隊、米空軍の各副参謀総長の議会証言の中の一部について触れた米陸軍協会(Association of the United States Army :AUSA)の記事である。5分足らずの議会証言(1:50:55~1:54:30)では、米陸軍にとどまらず各軍種の副参謀総長が仮想現実等の技術を取り入れた訓練の有効性を述べている。

合成環境は兵士の訓練の仕方を変える:Synthetic Environment Will Change How Soldiers Train

https://www.ausa.org/news/synthetic-environment-will-change-how-soldiers-train

Monday, May 20, 2019

米陸軍は兵舎を離れることなく、兵士が戦闘のために訓練する方法を変革しようとしている。

没入型で現実的な合成訓練環境(synthetic training environment :STE)を兵士向けに創造することは米陸軍の近代化における最優先課題の1つであり、2017年以来、機能横断型チーム(cross-functional team :CFT)がその目的に専念してきた。仮想およびゲーム業界が成長し進歩し続けていることで、このチームは順調に進捗している。

「これは最先端の技術である」と、米陸軍副参謀総長James C. McConville米陸軍大将は語り、 「それは私たちが兵士を訓練する方法と戦闘で兵士が活動する方法を変えようとしている」とも語った。

Capitol Hillでの議会証言の間、McConville米陸軍大将は合成訓練環境(synthetic training environment:STE)を仮想現実訓練(virtual reality training)と同等であるとし、それは現場での現実世界の訓練を補完するようにデザインされていると述べた。

「我々の兵士たちにできることは、仮想現実(virtual reality)に入り、彼らが達成するための準備ができているという任務を訓練することである」と彼は言った。

仮想訓練環境(virtual training environment)により、兵士と部隊はその実際の任務を30〜40回繰り返すことができ、実践訓練のための時間と空間が与えられることになる、とMcConville米陸軍大将は語った。

「彼らは橇(sled)に何度も打撃を与えることができ、それから彼らは実際に我々が開発しているのと同じ装備を持って行って任務を実行することができる」と彼は言った。

 

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