米下院は国防予算(歳出)法案を通過
掲載:2019年6月20日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Shaun McDougall FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)
House Passes Defense Appropriations Bill June 20, 2019 – by Shaun McDougall
下院は国防予算(歳出)法案を通過
米国下院は、ホワイトハウスの要求額を170億ドル下回る国家安全保障活動への資金を提供する国防予算(歳出)法案を含む、4つの個別の支出法案が纏められた9,850億ドルの一括連邦予算案を可決した。「ミニバス」[1]は、7人の民主党員とすべての共和党員が法案に投票し、225-203の投票で可決された。
下院の国防予算(歳出)法は、国家安全保障のための7,330億ドルの総額を支持しており、ホワイトハウスがその要求を7,500億ドルに増額する以前に政府が当初2020会計年度に当初計画していた水準と一致する。
下院軍事委員会からの独立した国防権限法に基づく予算案も7,330億ドルの国家安全保障関連予算の総額を支持している。
国家安全保障予算総額の内には、国防総省、エネルギー省の原子力防衛プログラム、およびDoD以外の国防関連活動が含まれている。その予算のうち米国防総省の予算7,132億ドルは、基本資金で6,451億ドル、海外緊急事態対策費(戦費)で681億ドルである。
その国防法はホワイトハウスと上院からの抵抗に直面するだろう。なぜなら双方が7,500億ドルの国家安全保障予算を支持しているからだ。
さらに、予算管理法は現在、2020会計年度の国家安全保障への支出を5,760億ドルに制限している。
つまり、防衛支出法案は、各方面からの支援のレベルにかかわらず、現在の形で制定することはできない。
ホワイトハウスは、支出制限の影響を受けない海外緊急事態対策家会計に1,000億ドル近くを組み入れることによってこの上限を回避しようとした。下院法案は、その抜け穴の資金を基本予算に戻した。
議員達は、この規模の国防予算を成立させるために、BCA(予算管理法)の支出の上限についてより広範な合意に達する必要がある。
2020会計年度は10月1日に始まるので、議会が予定通りに予算を通過したいのであれば、交渉が行われるためにほんの数か月しか残されていない。
とりわけ、議員達は過去10年間で期限内に1つの国防予算(2019年度予算支出法案)しか可決していないので、交渉は2020会計年度の年度開始をはるかに超えていく可能性がある。(黒豆芝)
[1] 議会の審議プロセスとして12の予算法案は、予算委員会が作成した幾つかの独立法案を一つのパッケージの「minibus」としてまとめて議会を通過するのが通例で、2020会計年度の予算は、3つの「minibus」に分割されていた。今回は、1つめの「minibus」として、労働省、保健社会福祉省、および教育省の支出措置を含む国防総省、国務省およびその他の海外事業、 エネルギーと水のプロジェクトがまとめられていた。
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