第5世代戦闘機について考える

0

今、第5世代戦闘機について考える
「Fifth Generation Air Combat : Maintaining the Joint Force Advantage」

先に掲載したフォーキャストインターナショナル(FI)社の「Russia to Acquire 76 Su-57s Through 2028」[1]によると、第5世代の戦闘機の導入について、プーチン大統領がロシアの「2028軍備計画」でのその状況について言及し、ロシアも第5世代戦闘機の時代に入ったと報じています。
ロシアでの第5世代戦闘機であるT-50(PAKFA)のSU-57プログラムは、2017年12月5日に、新エンジンを搭載してフライトテストを実施したと報じられて以来、米国同様に「第5世代戦闘機による軍事バランスの優位」のための方策として開発が進んでいる状況にあるようです。
中国についても、昨年のThe Diplomatの1月23日の記事[2]によると、人民解放軍(PLAAF)の新しい第5世代戦闘機であるJ-20A戦闘機が、1月初旬に初の空中戦闘に参加したと報じられ、2016年の11月に広東省珠海(Zhuhai)の航空ショウで初めて2機が飛行する様子を披露して以来、2017年9月の中国国防省のJ-20の運用開始が宣言されるなど、第5世代戦闘機の着々とした整備が進められています。

米空軍の下部機関であるミッチェル研究所が、「Fifth Generation Air Combat : Maintaining the Joint Force Advantage」[3]というレポートを2016年7月に発表しています。

本レポートでは、「第5世代機」の時代は到来し、21世紀の米国のパワープロジェクションの重要な要素になりつつある。」と始められ、 F-22ラプターは、ソ連の航空戦力に優位に対抗できるものとして、冷戦の後に最初に生み出され、空軍において現在10年以上もの間、戦闘空軍で運用されたものであるが、2014年9月「シリア制圧の不屈の意志作戦」戦闘開始時にカギとなる役割を果たしたとしています。
又、米国の行う現在及び将来の統合、共同作戦において、第5世代機がステルス機だとの認識は共有されているが、事前搭載される敵味方の情報と、センサー、電子戦、ネットワーク能力等を融合させる事により、米軍主要指揮官が十分理解していない「想定以上の能力」発揮が可能であると訴えています。
そして、対ISILを初めとして、F-22派遣先から極めて高い評価を得ていると強調しています。
当時の航空戦闘軍司令官のカーライル大将が、第5世代機が近代航空戦において如何に有用であり「核となる戦力」であるかを以下の様に語っています。
「F-22は、全てのアセットの働きを旧式の戦闘機が行うことができなかった方法で、攻撃群の全てを連接し、その能力をより有利に働かせる能力を有している。全体として、将来の航空戦と統合作戦のための偉大な意味をもつものであり、第5世代機は、「将来の戦闘の軍事的な成功への鍵である。」」

本レポートは、元空軍参謀本部の作戦部次長でF-22の訓練部隊を指揮した経験を持つ、F-35準備室長(現 欧州軍司令官空軍大将)のHarrigian少将とF-22のパイオニアで、F-22導入の基幹要員であった太平洋空軍司令部に勤務(当時)するM. Marosko III大佐によって纏められたもので、第5世代機のシステムの特性や現在及び将来の統合・共同戦におけるこれらのアセットの有効性について述べています。
今、世界で第5世代戦闘機の開発・配備が進む中、この第5世代戦闘機の持つ意義を本レポートから改めて読んでみたいと思います。

以下本レポートについて紹介します。(黒豆芝)


Introduction(導入)

「第5世代機」の時代は到来し、21世紀の米国のパワープロジェクションの重要な要素になりつつある。
F-22ラプターは、ソ連の航空戦力に優位に対抗できるものとして、冷戦の後に最初に生み出されたものであり、空軍において現在10年以上のもの間戦闘空軍で運用され、今も続く2014年9月「シリア制圧の不屈の意志作戦」戦闘開始時にカギとなる役割を果たした。
その速度性能、機動性能及びステルス性能に加えて、指揮官達は、30年以上前の計画の初期段階に想像しえなかった方法で、ラプターがそのセンサーを活用して素晴らしい状況認識の能力をもたらすことを見出した。
攻撃を実行し、掩護作戦を行い、情報を収集・処理し、リアルタイムでタスクを伝達し、ダイナミックにターゲティング情報を提供するF-22の能力は、「我々の期待を超えてさえいる。」と航空戦闘コマンドの司令官であるハーバート「ホーク」カーライルは、2015年2月に語った。
F-22は、全てのアセットの働きを、旧式の戦闘機が行うことができなかった方法で、攻撃群の全てを連接し、その能力をより有利に働かせる能力を有している。全体として、将来の航空戦と統合作戦のための偉大な意味をもつものである。第5世代機は、「将来の戦闘の軍事的な成功への鍵である。」とカーライルは語った。
F-22及びF-35に用いられている技術は、現代の戦争で比類のない戦闘状況認識(SA)をもたらし、およびより高いレベルで機能することが必要な他のドメイン(戦闘領域)の航空機と戦力の両方を有効にする決定的な手段を提供している。
統合部隊によって使用される第5世代のアセット(戦力、装備品)は、「我が国の戦争に勝利するために必要な非対称な優越をもたらす。」とカーライルが付け加えた。

本文書では、戦争における米国の戦争方法に関して、第5世代機が如何に重要な装備品であるかを解説する事だけではなく、統合軍、共同軍の指揮官や機能構成部隊指揮官、同盟、有志連合の部隊指揮官によって、戦闘においてこれらのシステムどのように使用するかを解説することを目的としている。
また、米国の関係省庁の幹部や議会や一般国民に対して、近代戦において第5世代機の行動(戦闘活動)や戦闘能力の様相の一部について解りやすく解明することも目的としている。
本文書では、第5世代機に関する、「戦力使用のコンセプト」を例証し、定義する。(または、米空軍内ではCONEMPで知られている。)
航空システムに主に焦点を当てているが、この焦点は見落としてはいない。第5世代機と航空宇宙やサイバー機能が含まれるより大きな「第5世代エンタープライズ(複合組織体」との間には本質的な連鎖がある。
このエンタープライズ(複合組織体)はまた、注意力と認識の同等のレベルに値する。しかし、今後10年間の軍構造(戦力構造)における第5世代機の急速な成長は、集合的な複合組織体の重点的な調査を要し、これらの装備は統合軍の戦略的、作戦的および戦術的優位を最大化することを可能にする。

Fifth Generation Aircraft, Defined第五世代航空機、定義)

本稿の目的のために、私たちは “第5世代”機の現代の軍事作戦におけるその意味を定義しなければならない。
第5世代機は、最大の現行の空地の脅威の存在によって定義される高度な競争的戦闘環境の中において、効果的な運用能力を有し、そしてそれらは、予見でき得る将来において有効な運用を期待されるものである。
現在配置されている第5世代機は、空軍のF-22Fと米海兵隊のF-35BライトニングⅡ、そして今年中にIOC(初期運用能力)を達成することを目標としている空軍のF-35Aが含まれる。

第5世代機には、旧式の航空機とは区別される多くの特徴がある。
これらの特徴は、第1にマルチスペクトルでの低視認性(LO)デザイン形状(レーダー、赤外線、可視の状況認識器材など)であり、これに加えて、探知、追尾、補足する敵のシステムの能力を遅延させあるいは、拒否する自己防御及びレーダー・ジャミング能力である。
これらの航空機はまた、統合されたアビオニクスで特徴づけられ、それは、パイロットに対して正確なリアルタイムの運用状況を提供し、任務後の分析のためのデータのダウンロードを可能にする航空機のマルチスペクトラルなセンサーとオフボード・データの融合と優先順位づけを自律的に行う。
これは、「マン・マシン・チーミング」今日の例である。「先進的なオンボード診断は、航空機の稼働状態の重要な監視を支援し、故障が発生すると、正確に障害を報告し、システム全体のパフォーマンスと信頼性を高める。
弾力性のある通信、航法および識別器材や技術は、これらの重要な能力への敵の妨害や無効化又は、混乱を図る試みへ対抗するように設計された第5世代航空機の重要決定的な特徴である。第5世代戦闘機は、又、友軍のための共通の正確な高度に集約された戦闘空間の状況図を作り出すために、個々の航空機を結ぶ堅牢なネットワークによって強化されている。
航空機とそのサブシステムは又、これまでの旧式の航空機よりもはるかに綿密に統合化されて設計されている。
これは、パイロットが必要な動作を低減させることにより、意思決定の優位性を可能にしながら、決定的な打撃と生存性の最大化を支援している。
全体におけるこれら装備品の効果は、先進的な戦闘機の操縦者をこれまでの(第3世代や第4世代の従来の戦闘機の様に)サブシステムの管理・運用に患わされることなくミッションコマンダーとしての役割に変えることである。その能力にもかかわらず、第5世代機は、現在の戦闘空軍力の一部分しか構成していない。
現在の米空軍の航空機は、平均27年の機齢になっており、上昇し続けている。充分な第5世代機を保有している近代的な戦闘機部隊や爆撃機部隊は、三つの重要な動向を踏まえて、継続的な戦闘とのかかわりに関して重要である。

・現代の統合防空システム(IADS)は、第4世代機が敵陣を効果的に突破し生存の可能性を否定する領域を作り出している。
・脅威(敵となる)の航空機、空対空ミサイル(AAMS)、電子攻撃(EA)、および電子防御システムは、米国の第4世代の戦闘機の能力を凌駕している。
・第5世代の航空機は、多くのシナリオでは戦時における広範な選択肢の自由度を提供し、拮抗する脅威を凌駕する米国の技術的優位を保ち、在来の航空機の状況認識と戦闘効果を増大することによって、フォースマルチプライヤー(戦力増殖器)として働くこととなる。

Understanding Fifth Generation Operations第5世代の作戦の理解)

「F-35ライトニングIIは、将来の米空軍力の要になるであろう。この第5世代システムが、米国の他の軍だけでなく、地球上の最大の戦域で米国の信頼できるパートナーの利益を有利にするために、十分な情報と協力的な方法で、太平洋戦域に完全に統合されることが極めて重要である。」
 ローリ・R.ロビンソン空軍大将、USAF 米国北方コマンド司令官 前太平洋軍司令官

 このような第5世代機として効果的な能力は、その最良のパフォーマンスを発揮するように十分な準備と、統合作戦を完全に遂行しうるよう適正に利用されなければならない。
いずれの第5世代機での成功を達成するためには、搭乗員、整備員、その他の支援員に至るまで全ての人員が、効果的な戦闘作戦を保障するために彼らの役割を最大限に発揮し、その戦力の造成と使用に精通していなければならない。
飛行士は、交戦に陥った場合に、彼らの航空機が脅威に対してどのような性能を発揮するかを直感的に理解しておかなければならない。
彼らは、最新のIADSと敵の航空機に対抗して、最も厳しいシナリオで訓練する必要があり、そして、米軍と同盟軍、有志連合は、同様に、敵の進歩した戦力(空対空、地対空、サイバー脅威)などに対抗する訓練を適切にするため、実践的で、実行可能な計画により戦略を開発しなければならない。
これらの計画と準備は、適切に実働、模擬、想定を組み合わせた(LVC)訓練シナリオと演習を含んでいなければならないのである。
フライトシミュレーター訓練が、旧式の航空機よりもより重要であるという第5世代航空機の背景において追加された重要性である。

現在の国防総省(DOD)の財政見通しを考えると、米軍は改善された忠実度の高い実践的な戦闘シナリオに対するリハーサルのためにLVC環境に益々依存する事になるであろう。
在来機とのトレーニングをより大きく拡大するためには、第5世代シミュレータは、現実のための十分な忠実度を持った、リアルな演習のための他の装備と適切に連接され、航空機による同時リアルタイな実戦的な訓練を提供しなければならない。
運用者に加え、保守担当者は、第5世代機とその重要な低高度レーダー性能を適切に維持するためより多くのトレーニングが求められる。

敵IADSに対する生存率を改善するために、第5世代機の機体の点検やエンジン整備スケジュールのような性能は、能動的に管理されなければならない。
司令官たちは、第5世代機が作戦環境にもたらすユニークな戦闘能力に関して、利用されるこれらの装備品のために、訓練リソースを適切に提供される様に保障しなければならない。
すべての担当者は、第5世代の戦闘機に特化したセキュリティ要件の重要性を理解するように訓練されなければならない。
現実のセキュリティとサイバー・スタンダードを保証する観点から、実際的な訓練に関する秘密扱いの戦闘力の防護のバランスをとることまで、担当者は、同盟国や有志連合の訓練演習や戦闘作戦と同様に日々の効果的なオペレーションのためにセキュリティガイドラインを正しく理解し、実行しなければならない。

最後に、指揮官とサポートするスタッフは、第5世代戦闘機が母機地の駐留時や作戦展開の間、第5世代戦闘機の全世界規模の維持システムを理解しなければならない。
指揮官は、これらの脅威が彼らの第5世代の作戦を維持する能力に対してどのような影響を与えることができるか、変化する脅威の状況を考察し、積極的に探知しなければならない。

Fifth Generation Airpower and Data(第5世代の空軍力とデータ)

第5世代の航空機戦闘は、戦闘場面に信じられないほどの戦闘能力をもたらすが、米国の保有する装備の中で最もデータ依存のマシンの一つであり、その最高の状態で運用するためには大量の情報を必要とする。
第5世代の乗組員と航空機は、友軍、中立、敵のシステムと正確に識別することを可能とするオンボードシステムのミッションデータファイルに依存している。
このデータは、第5世代戦闘機のパイロットが彼らのステルス性能又は低視認性(LO)性能管理を高めることが出来、航空機の生存性を高め、先進的な脅威が近接した作戦中における戦闘場面においても状況認識を維持することができる。
米空軍、他の米軍、同盟国、およびインテリジェンスコミュニティは、これらのファイルを移入し、更新する際に重要な役割を持っている。
このミッションデータは、これらの航空機の内部動作に必要なだけでなく、また、他の航空機への一体化されていないそれらの融合されたセンサー機器を連接する第5世代システムのための能力を含んでおり、戦闘や不測の事態の統合された共通状況図を提供する。
将来的には、第5世代機のユニークな情報収集能力のニアリアルタイムの利用は、より洗練された脅威の環境で運用することがますます必須となってくる。

真の戦闘システムの統合を達成するためには、この融合されたセンサー情報は、米空軍のより多くの在来の航空機部隊によって連接されなければならず、そして、データ・リンクやクラウドベースの通信アーキテクチャを介して、指揮統制ノードを選択しなければならない。
全軍にこの情報をリンクすることによって、指揮官と意思決定者のために実用的な共通のオペレーティングおよび目標図を作成することができる。
センサー、通信プロトコル、およびデータ・リンクが改善し、全ての友軍は、他の戦力(装備)と協力して、第5世代機が生み出すことのできる多層全域のマルチドメイン状況認識を共有することができるようにすべきである。これを効果的に行うために、構成軍の組織全体に亘る通信連接を強化するため、データ・リンク構造とプロトコルの細部に至るシステムの理解が要求される。

Deploying and Sustaining Fifth Generation Airpower(第5世代の軍の展開と維持)

第5世代機の飛行隊は、前の第4世代戦闘機(例えば、F-16、F-15、およびその他のような航空機)のように今日広範囲に展開している。しかし、現代の統合作戦で第5世代航空機の可能性を最大限に生かすために、米空軍の第5世代のコミュニティはいくつかの改善を行う必要がある。

・第1に、部隊は、IADSを突破し、艦隊を編成する高価値の目標を破壊する戦機を逃すことの無いよう展開反応時間と速度を向上させる必要がある。

・第2に、第5世代の戦闘機部隊は、前方展開機器や人員の所要量を最小限にするために入念に活動し、展開した地域での兵站・維持整備・通信の制限について完全に理解するする必要が有る。

・第3に、空軍は、第5世代機のための代替可能な飛行場を柔軟に増加する様に活動し(空軍が、展開可能な飛行場数を増やすようなこと)、分散された場所におけるこれらの代替手段が作戦や維持整備や指揮統制にどのような影響があるかをより完全に理解する様努力しなければならない。これは、我々の国際的なパートナー(有志連合国)の飛行基地から戦闘活動を行うだけでなく、比較的飛行支援能力の低いロケーションで運用することを含んでいる。限定的な支援基地からの部隊の展開と運用は、何らかの課題を生起する。
米国とその同盟国は、民間の通信や輸送業者が活動していない前方展開地に提供できるように、しっかりと相互支援(兵站と相互通信連接)を確実にしなければならない

・最後に、第5世代機の維持・支援システムは、攻撃に対する抗たん性を確保するために十分な冗長性、代替性を堅固にしていなければならない。この強健性は複数層の戦域で実現される必要があり、維持および支援システムは、実際の活動とサイバー攻撃の両方に対して生き残り、運用することができなければならない。

Successful Employment and Sustainment Across the Spectrum(戦域を越えた戦力使用と維持の成功)

航空戦力の戦闘への使用は、在来の戦闘機と第5世代機が容易に同時に運用することができる寛大な環境から、第5世代機が効果的に運用できる高いに競争的な環境まで戦闘の可能性のある広範囲な戦闘領域にわたって行われるだろう。
寛大であるいは穏やかな競争環境での航空戦力の戦力パッケージは、生き残りと敵への決定的攻撃を最大限に発揮するために在来機と第5世代機を組み合わせることができる。
在来機のセンサーは、単独では脅威を検出するには不十分で、脅威の量に圧倒される可能性があるので、第5世代機は、よく構成されたデータ・リンクを経由した融合した作戦図を共有することにより、ほとんどのユーティリティを提供することができるであろう。-この情報をできる限り多くの在来の戦闘機に情報を普及する通信構造へ供給することで。同様に、在来機は、第5世代機の内部兵装能力のために軍の兵器搭載量を増加している。

現代の第5世代航空機は、それ自体が唯一の例外的な脅威目標であるが、確立されたデータ・リンクを介して第4世代の装備のための目標ソリューションを提供することができる。
これは指揮官に驚異的な量の運用の柔軟性をもたらす。高い競争的な環境下では、航空構成部隊の指揮官は、IADSを回避し、目標を無効化するために第5世代機のみを用いる事になるだろう。
あるいは、第5世代機は、在来機が、比較的行動の自由が保たれ運用できる一時的な又は、特定の許容(または半許容)環境を作りだす敵の防御手段を破壊、又は、その能力を低下させることができる。
これは多くの場合、在来機を投入し、優先目標を破壊することを可能とするものであるため、戦闘パッケージの最前線において運用する第5世代戦闘機に求められるものであり、一旦戦闘が開始されると、敵は、同じように彼らのシステムの運用パラメータを調整することができるものである。
だから、指導者は、適切なインテリジェンス、監視、偵察(ISR)の資産が、第5世代空機や統合部隊の作戦の他の要素を支援するミッションデータの集合体にこの情報を報告することを確実にする必要が生じるのである。
この種のシームレスな情報共有は、全ての同盟軍の装備の最適な使用のためのミッションデータファイルの迅速なリプログラミングや再度のリリースを情報融合可能とするように実施されなければならない。この兵力使用のコンセプトを現実のものにするために、コラボレーションが重要である。

米空軍の部隊は、他の米軍や選択する同盟軍や有志連合に要求された時に教訓を共有することができるようにしなければならない。
セキュリティに関するバランスをとると同時に国際的なパートナーとの情報共有は、将来の第5世代戦闘機の使用を成功に導くために卓越したものとなるものである。
統合や連合の訓練や演習又戦術会議や訓練レビューウ委員会のようなフォーラムでのクロストークでさえも、大切な教訓であり能力開発の機会をもたらすものとなるであろう。
加えて、整備員や兵站要員だけでなく第5世代のパイロットを確保し、主要軍や司令部や主要指揮官へ情報を知らせる統合部隊の配置にあるスタッフを主要な配置をつけ、広域な組織体のリソースの計画と意思決定を適切にする必要が有る。

第5世代機のメンテナンスも又、戦闘作戦のための軍の準備を確保する慎重な計画策定を要求する。
第5世代機は、在来機のようにフライトシステムやエンジンを維持するために同様の整備上の配慮を必要とするとともに第5世代機の低視認性(LO)の特性を維持するための追加の要求事項が存在する。
この追加事項は、別の複雑なレベルの米空軍の指揮官が、事前に管理しなければならない。
空軍は、後方企業が、駐屯地や作戦展開している間の双方で、第5世代戦闘機のそのユニークな戦闘力をどのようにサポートすることができるか理解していなければならない。
戦闘機が展開中、指導者や指揮官は、米軍のその他の軍やパートナー国の物流ネットワークを通じて、第5世代の装備をどのように有利に利用するか理解していなければならない。
これらの維持に関する課題の答えが見いだされた場合、特定の戦闘行動、演習の訓練、その他の第5世代機を含んだ他の交戦の変化時期に関して迅速に分析されるべきである。

第5世代機は、どんな不測事態に関しても広範囲の様々なオプションを提供することができる。
これらの航空機が、米国およびパートナーの国の軍にどのように非対称な利点を提供することができるかを可視化することは困難なことであるのだけれど、第5世代機が、米国と連合している隣国が敵国の侵略に対して対応するのに有効となるシナリオを予測することは、困難なものではない。

Scenario 2026: Seizing The Advantage(シナリオ2026Advantageを掴み取る)

これらの可能性のある危機の一つ、2026年米空軍は現在、在来機と第5世代機の混合の軍を配置している。
海外の主要な地域における緊張の高まりを受けて、米国本土(CONUS)に配置された航空機は、他の装備と一緒に動員されている。
敵の支援するサイバー攻撃は、第5世代機の展開をサポートするF-35 ALISシステムを含む秘密区分の無いコンピューターシステムを直ちに攻撃目標としようとしても、サイバー防護とバックアップ能力の組み合わせによって敵の攻撃を成功裏に防御することとなる。

将来の戦闘任務のために米本土にある第5世代機が離陸したと同時に、第5世代機部隊の一部の部隊は、迅速に展開し、どんな配置においても一個飛行隊以上の集中配備を効果的に避けて多くの軍事基地や民間飛行場に分散させている。
従って、敵の計画担当者や目標選定者は、前方展開航空機に対する先制の一撃を成功させるための弾道ミサイルやクルーズミサイル攻撃を効果的に実施することができず、第5世代機の任務は、大した影響なしに継続される。一部の遠征飛行場は、航法支援設備や航空管制統制施設を保有しているものの、2026年までには、F-35とF-22のパイロットは、自律型の全天候型の作戦を実行する様に対応している。(悪天候下での着陸のような場合、滑走路を見つけるために航空機自身のセンサを用いる。)
これはまた、戦闘の勃発の時に利用可能な多くの飛行場が劇的に増加しているため、展開に必要な人員と装備の数を減らしているものである。

戦闘作戦を開始した時、同盟国からのF-35戦闘機に加えて、米軍の第5世代機(米本土や前方展開基地にある装備)は、事前の安全や維持整備、兵站、C2計画に関する考察や演習のお蔭で、作戦の初期段階において効果的に統合し、融合することとなる。
そこには、このような不測事態だけのために何年にもわたって主要な同盟国とパートナー国と率直な関係を築き上げてきたために、作戦を構築するマルチレベルセキュリティに関して何の驚きもない。開戦の間、戦闘は、双方のサイドからの航空機による航空優勢のための戦闘に集中し、競争的な領土上でぶつかることになる。
強度のレーダーや通信妨害は、米国や同盟軍に立ちはだかるが、データ・リンクと通信アーキテクチュアーを通じて得られた共通作戦図(COP)が支援している間、第5世代機は、そのネットワークされたマルチスペクトラルなセンサーで敵の航空機を発見し、目標とするよう有利に働く。
在来の航空機は、最も危険な脅威から離れて運用するが、彼らは実行中の作戦のために致命的に重要な縦深の多層的防御を提供する。
紛争の初日、F-35は場合によっては彼らの作戦基地に帰投する。―その一部は、敵のミサイル攻撃から重大な被害を受けていることが発見される。
緊急事態対処計画(コンティンジェンシー・プラン)を実行すると、戦闘機は近くの民間の飛行場に進路変更(転向)し、そして、運用配置にある他のF-35に乗り換える操縦者の交代手順を使用、重大な飛行場での攻撃にもかかわらずこれらの戦闘機は、戦闘を継続することが可能となる。
一例では、アメリカ空軍のF-35は、飛行中に機能の不具合が発生し、所属する展開基地に帰投することができない場合、オーストラリアのF-35空軍基地に回投することとなっている(強制的にそうなる)。
オーストラリア空軍(RAAF)の整備兵は、米軍の整備、再発進準備作業と同様の方法で、米空軍のF-35を直ちに修理し、再兵装し、燃料搭載をすることができる。
次の日には、戦線を離脱したF-35は、戦闘オペレーションに復帰する事になる。
また、戦闘の初期段階で、一部の民間航空機は、飛行場の攻撃によって被害を受け、民間の後方支援の運用を停止している。
これに呼応して、緊急対処計画では、分散飛行場への予備補用品、武器、および燃料の十分な供給を可能にするため、民間と軍の流通チャネルを繋いでいる。この取り組みは、敵のクルーズミサイルや弾道ミサイルの在庫が枯渇するか破壊されるまでの数週間これらの地域を維持する。

作戦が継続される間、F-22、F-35、B-2およびB-21のようなステルス戦闘機が、多くの敵の先進的な移動型地対空ミサイル(SAM)配備の戦闘状況下における競争的領域上を作戦遂行し得る唯一の戦闘機であることが明らかになる。
第5世代戦闘機は、旧来の戦闘機が、(敵の)先進的な地対空ミサイルの長射程と決定的な攻撃能力に対して脆弱であるため、これらの旧来の戦闘機が主戦場からが離れている間に、空対空戦闘で敵の殆どを駆逐する。
幸いなことに、F-35は、そのステルスの特性と電子戦器材を組み合わせた高度な地理位置測定能力を使用し、敵の多くのSAMを無効化し、F-35の行動の自由を絶えず強化できる統合軍の作戦を可能としている。共同航空作戦センター(CAOC)に対する強い動的、非動的な攻撃にもかかわらず、CAOCがオフラインになった時でさえも、全ての軍の作戦を可能にするよう特別に設計され、事前に計画され配分された指揮統制(C2)手順を使用して、航空部隊指揮官は、在来及び第5世代の戦闘機部隊の指揮統制を実施することができるのである。
これらの手順は、戦闘の準備段階において配分された僅かな周波数の通信システムと作戦目的を達成するよう分散された作戦を確実にするため特別に整えられた指揮官の指令に依存している。
これらの分散された作戦の重要な要素として、F-35とF-22は、その高度なセンサーや長距離通信能力を使用している。
戦闘機は、1,000マイル以上もあるような漠然とした目標地域よりももっと漠然とした少ない最小限の情報で離陸している。
目標への経路上において、第5世代戦闘機は、最小限の給油機、脅威及び目標の情報しか受けないが、作戦飛行場に戻る前に侵入し、識別し、成功裏に目標攻撃を実施することができるように十分に情報更新を実施できる。
敵による作戦地域に対する攻撃の間に、弾道ミサイル攻撃によって一部の作戦要員や整備要員は戦死により損耗している。
連合軍はこれらの損耗人員を補てんし、米国の援軍が到着するまで現在の作戦速度(テンポ゚)を維持する。戦闘が継続する間、第5世代機は、より穏やかな脅威環境を作り出すために、競争領域において先進SAMを探し出し、減殺し、破壊する。
これによって、在来機は、第5世代機と並んでカウンターパートとしての作戦が可能となる。この第4、第5世代戦闘機の混合体が、米国と連合軍が優位を獲得するために必要とする柔軟で、大規模で、縦深性のある兵装を提供するので、第4、5世代機が同時に活動する成熟した統合体系と完全な作戦能力は、戦闘場面でのターニングポイントであることを証明する。

Conclusion: Employing Our Advantage for Joint and Combined Force Operations
(結論:統合、連合軍の作戦への我がアドバンテージの使用)

第5世代の空軍力を使用する上位の概念は、これらの重要な航空戦のシステムのための作戦上の必要性を展開し、定義する。
しかし、将来の戦闘でこれらの航空機の使用は、航空機それ自体よりもいくつかの段階および展開の様相に細心の注意が必要である。
これらの様相は、高度な計画、準備、ミッションデータの有効活用と普及、第5世代機の展開がどのように実施され、実際の戦闘で使用設計され、どのように適切な兵站と整備維持の活動が実施されているかを含んでいる。
上記の潜在的な将来の戦闘シナリオは、これらの構成要素のそれぞれが近代的な航空作戦や統合戦闘作戦でどのように協力して作戦を成功裏に収めることができるかを示している。

第5世代機は、意思決定権者にただ一つのソリューションを提供できるものではないが、それら(第5世代機)は、戦略的抑止に貢献する価値の戦力(能力)として、又、進歩した航空戦力の層としての能力、又、将来の統合軍の作戦に対して欠くことのできない強固な軍の造成能力としての作戦上の万能戦力としてその価値を証明する。本書で説明した第5世代の空軍力の構成要素に加えて、戦力使用の将来の概念は、いくつかの統合的な優先事項に集中することを目指すべきである。
これらの領域は、在来型と第5世代機の間の連携を洗練し、第5世代の空中プラットフォームの連接を改善し、航空宇宙とサイバー戦力との統合を改善し、又、統合、共同軍の作戦の他の構成軍との第5世代プラットフォームのインテグレーションを含むものである。

これらの分野で統合の優位性は、クラウドベースのアーキテクチャを創造する目標に向かって進むことを援助する。―――航空、宇宙、サイバー軍の全ての構成要素(部隊、軍)は、広い地域にわたって拡散し、割り当てられた作戦を実行することに貢献する。
すべてのドメイン(戦域)からの戦力の補完的な使用は、将来の戦闘活動の実効性を高め、脆弱性を補うのに役立つ。これらの概念を探求する必要性は、増加する一途にある。

来る10年では、第5世代機は、潜在的な敵が使用する近代的な兵器システムの高度化に対抗するために、米国と同盟国に明確な戦略的優位性を与えるように十分に増加し、充実していくであろう。
これらの潜在的な敵の兵器システム、つまり航空機からのクルーズミサイル、先進的なSAM及びサイバー戦力は、現在、世界中の競争地域の不安定化を生み出す一因である。
第5世代機は、我々に軍事バランスを優位に戻すために極めて重要である。
選択された在来型の戦闘機に対する慎重なインテグレーションと投資に加えて、十分な数の第5世代機戦力の充実は、来るべき年に起こるであろうと多くのものが書いたようなシナリオにおいて、我々の国益を確保するオプションのより広い範囲を、米国と同盟国にもたらす統合作戦の実行可能性を向上する。



[1] http://milterm.com/archives/516

[2] 「China’s New 5th Generation Fighter Takes Part in First Air Combat Drill」
https://thediplomat.com/2018/01/chinas-new-5th-generation-fighter-takes-part-in-first-air-combat-drill/

[3] http://media.wix.com/ugd/a2dd91_bd906e69631146079c4d082d0eda1d68.pdf