COVID-19危機に対処するレオナルド
掲載:2020年4月1日
作成:フォーキャストインターナショナル(FI)社
投稿:Richard Pettibone FI社アナリスト
(この論評は米国人のアナリストが米国内に向けて出したブログです)
Leonardo Dealing with COVID-19 Crisis
April 1, 2020 – by Richard Pettibone
COVID-19のパンデミックは、2020年の初めに世界を移動するにつれて、世界市場を不確実性の時代に陥れた。
このウイルスのインパクトは、防衛製造者にはまだ十分に気づいていないが、上半期には出荷と受注の鈍化が予想され、そして、感染の封じ込めの取り組みが一時的に業務速度を落としたり、業務を停止したりするため、それはおそらく長く続く可能性があるだろう。
イタリアはCOVID-19の被害が最も大きい国の1つであるため、レオナルド社は、パンデミックの震源地の1つになっている。
同社のヘリコプター製造工場は、この病気に最も強い打撃を受けた地域の1つである。
会社は混乱に取り組み、緩和するために行動したが、政府によって課されたロックダウンと労働者のストライキは、来年の会社に有害な影響をもたらすだろう。
パンデミック危機の前に、レオナルド社は、実を結んだ再構築の取り組みを成功裏に開始していた。
そのレオナルド2.0の取り組みの下、同社は2020年代初頭までに2桁の収益性を達成することを目指している。この取り組みにより、プロジェクトのコスト管理が強化され、コアテクノロジーに約5億ユーロ(6億2,400万ドル)が投資された。
レオナルド社は、2019年の売上高が138億ユーロで、2018年の売上高122億ユーロから12%増加した。同社の純利益は、2018年の5億1,000万ユーロに対し、8億2,200万ユーロでと報じた。2019年の受注残高は、2018年の361億ユーロから365億ユーロに増加した。
現在までのこの戦略におけるこれまでの最大の行動は、新しい部門の下での同社の電子事業の再編成であった。名を冠したエレクトロニクス部門は、同社の陸上および海上防衛エレクトロニクス、航空機および宇宙システム、および防衛システム部門の新しい包括的組織である。
さらに、交通管制システムおよび自動化システムの事業ラインも、新しい部門の管轄下となる。
同社によれば、新しい部門は競争相手の組織を反映しており、存続するために必要なクリティカル・マスを持っているため、競争力が高まるととしている。
同社の航空宇宙事業の主力は、レオナルド・ヘリコプターで、2018年の記録に続いて2019年に鈍化した。2018年の急増は、カタールからの28機のNH IインダストリーズNH90ヘリコプターの30億ユーロの受注によるものであった。
ヘリコプターユニットは、MH-139グレーウルフが米空軍のUH-1Nヒューイ更新プログラムの勝者として選ばれたときに大きな動揺を記した。
そのヘリコプターはAW139をベースにしており、ボーイング社が主契約業者として提供している。
レオナルド社は、フィラデルフィア北東部の工場でヘリコプターを組み立て、ボーイング社は、その町の南にあるリドリーパーク施設で軍用のコンポーネントをインテグレートしている。
首尾良く、同社は2020年当初に32機のTH-73A訓練用ヘリコプターの供給業者として米海軍によって選定された。
これらの勝利により、レオナルド社は長年の失望の後、米国市場で確固たる勝利を収めた。
レオナルド社は調達が完了しシングルエンジンのKopter SH09を同社の安定的な取引きに追加。画像:コプター
回転翼航空機市場での存在感を高めるため、レオナルド社は1億8500万ドルで「コプター」を買収してポートフォリオを拡大した。
この動きにより、レオナルド社は回転翼航空機セクターでの地位をさらに強化できると同社は語った。
新しいシングルエンジンのヘリコプターであるコプターSH09は、レオナルド社を以前は極めて露出の少なかったセクターで、製品基盤を迅速かつ容易に拡張可能とする。
スイスの会社の能力は、ハイブリッド/電気推進ソリューションを含む、より破壊的な技術、ミッション適合性及び性能に向けた将来の開発を後押しするだろう。
この買収は、新しいシングルエンジンのヘリコプターの開発を目的とした計画的な投資に取って代わるものだ。
このさらに拡大された製品範囲により、レオナルド社は民間部門でより多くの市場シェアを獲得することを目指している。
固定翼航空機市場では、新しい真実が感じられる。同社の練習機は長年成功を収めてきたが、その成功は鈍化してきている。レオナルド社は、ポーランドとイタリアの現在の注文に取り組んでいるところである。
両方の顧客への納品は終了しているため、2020年代にM-346のラインを維持するためには、製造メーカーは追加注文が必要である。ボーイング社/サーブ社チームがプログラムに選定された2018年9月に、米空軍のT-X練習機の競争に勝つという同社の長年の望みは打ち砕かれた。
とはいえ、航空機の製造は、同社の航空事業の主要な要素を維持している。
ここでは、787、767、A321、ATR、A220、A380航空機などのさまざまな商用および軍事プログラム及びF-35、ユーロファイター、C-27Jなどの軍事プラットフォーム用の大型構造部品を製造している。
将来を見据えて、同社は2つの新しいヨーロッパの新世代戦闘機プロジェクトに取り組んでいる。:イギリス、スウェーデン、イタリアとのテンペストとフランス、ドイツ、スペインとのFCASである。
同社の米国子会社のレオナルド DRSでは、何年にもわたってそれが売却される可能性があるとの推測の後、将来は安全であるように見える。
DRSは、金融危機の直前の2008年に52億ドルで買収された。その後の取引の価値は急落し、DRSの売上は2019年に26億ドル(レオナルド社より低い可能性があるが、昨年の18億ドルの結果よりもはるかに改善されている。)とレオナルド社の年次報告で報告された。
その結果、DRSは売却とレイオフの両方で大幅なコスト削減を行い、従業員数を10,000人から現在の約5,500人に削減した。DRSの売上が増加傾向にあり、米国での成長の増加により、いくつかの施設の拡張がもたらされたため、このリストラは成果を上げているようである。
これまでに行われた行動は、レオナルド社の経営戦略が正しいことを明らかにしている。
短期的にはCOVID-19の影響を受けるだろうが、COVID-19の影響は数年間続く可能性がある、長期的には会社の基盤はそれを乗り越えると見られる。(黒豆芝)