米海兵隊の「スタンド・イン・フォースのコンセプト」
2022年5月17日掲載の米海兵隊機関誌ガゼット5月号の記事「機会と課題 – 沿岸域でのパートナーシップ:日本の視点」では、米海兵隊の新たな作戦コンセプトと陸上自衛隊の関係性について述べられていた。
ここでは、米海兵隊の新たな作戦コンセプトの一つである「Stand-in Forces」について紹介をする。32ページにわたるpdf文書にはいくつかの戦史を紹介しているがここでは割愛しているのでご容赦いただきたい。同盟関係にある国の軍隊の作戦コンセプトを理解することの重要性は敢えて言うまでもないが、自らの作戦コンセプトもまた、公表されているか、いないかに、関わらず同盟関係にある相手国の軍事部門に理解してもらうこともまた重要である。(軍治)
スタンド・イン・フォースのコンセプト
2021年12月
はじめに:Forward
我々は以前にもここにいたことがある。我々の歴史の中で、米海兵隊員はしばしば国の前方展開部隊の最先端に立ち、環境を察知し、同盟国やパートナーを安心させてきた。また、米海兵隊員は真に困難な作戦上の問題に直面し、誰も考えつかなかった解決策を打ち出してきた。また、米海兵隊員は、他の部隊が恐れているような争われている各地域(contested areas)の中にも入り込み、勝利を収めてきた。このような歴史的な経過を踏まえ、新たな一歩を踏み出したのが「スタンド・イン・フォースのコンセプト」である。
安全保障環境は常に変化している。今日、安全保障環境は、高度なセンサーや精密兵器の普及と戦略的競争の激化によって特徴づけられている。敵対者は、艦隊や大規模な統合部隊を手の届くところに置くためのシステムや戦術を採用している。このため、敵対者は争われている各地域(contested areas)を盾にした戦略を採用し、その下で同盟国やパートナーに対して戦争によらないさまざまな強制的手段を講じることができる。
米海兵隊の登場である。フォース・デザイン2030の一環として、また意図的に統合用兵コンセプト(Joint Warfighting Concept)に沿った形で、「一体化した抑止(integrated deterrence)」を支援するためのオプションを提供することを意図した「スタンド・イン・フォースのコンセプト」。米海兵隊はスタンド・イン・フォースとして、同盟国やパートナーと肩を並べ、艦隊と統合部隊の目と耳として全ドメインのツールを活用しながら、前方に配置されることになる。
このコンセプトは、最終的に統合部隊指揮官の要求を満たす米海軍戦役(naval campaign)の文脈で実行される。この作戦を行う米海兵隊員は、この米海軍戦役(naval campaign)の偵察と対偵察を、競争の連続体(competition continuum)上のあらゆる地点で行うという永続的なタスクを担っている。必要であれば、これらの部隊は米海軍戦役(naval campaign)を支援するため、指定された区域で海上拒否(sea denial)を行う。しかし、それと同様に重要なのは、米海軍と統合部隊のキル・ウェブを完成させ、必要なときに全ドメインの効果を発揮できるようにすることである。そうすることで、米海兵隊は争われている各地域(contested areas)の内部から艦隊と統合部隊の範囲を広げることができる。
米国の前線の歩哨としての米海兵隊の役割を再活性化するためには、そのアプローチを再考し、その結果を人材育成とそれを支えるプロセスやシステムのガイドとして利用する必要がある。「スタンド・イン・フォースのコンセプト」は、米海兵隊が争われている地域(contested area)内から同盟国やパートナーとともに効果的に作戦する方法を説明することで、このガイドを活性化させる。
スタンド・イン・フォースは、競争の連続体(competition continuum)におけるあらゆる地点で、敵対者の計画を混乱させる。これは重要な声明であり、暴力の閾値以下の戦略的競争において、我々が国家に何を提供できるかを述べている。大胆で、米海兵隊にとって理想的な言葉である。
また、困難でもある。「スタンド・イン・フォースのコンセプト」を考え方から現実のものにするのが困難であることを理解した上で、正しいものにするために、ウォーゲームや実験、演習を行うよう、我々を鼓舞する必要がある。そうすることで、米海兵隊員個人の創意工夫を発揮させ、敵対者に打ち勝つことができ、国家の即応性ある部隊(force-in-readiness)としての役割を維持することができる。
米海兵隊総司令官 デビッド・H・バーガー米海兵隊大将
スタンド・イン・フォースのコンセプト:A Concept for Stand-in Forces
「したがって、一部の人が提唱する、自国の海域に海軍力(maritime power)を保持するという選択肢は、必然的に同盟国を見捨てることになる。これは道徳的にも、法的にも、戦略的にも容認できない。同盟国の戦略は、前方地域で戦うための準備をしなければならない。それは同盟国がいる場所であり、敵対者がいる場所でもある」
米海軍提督ジェームズ・D・ワトキンス, 1986年[1]
目的:Purpose
スタンド・イン・フォース(SIF)は、国家と同盟国やパートナーを安心させるものである。スタンド・イン・フォースは、争われている地域(contested area)内で同盟国やパートナーとともに前進するようデザインされた部隊を設置することにより、敵対者の軍事力の行使を抑止し、艦隊、統合部隊、省庁間、同盟国やパートナーに、敵対者の戦略に対抗するためのより多くの選択肢を提供するものである。
スタンド・イン・フォースは、米国の同盟国、パートナー、その他の利害関係者に向けられた敵対者の悪意ある行動(malign behavior)を特定し、それに立ち向かい、環境と敵対者の能力を理解するために、全ドメインの偵察戦闘(all-domain reconnaissance battle)に勝利する。スタンド・イン・フォースは全ドメインの対偵察戦闘(all-domain counter-reconnaissance battle)に勝利し、パートナーと統合部隊の機動の自由(freedom of maneuver)を守るとともに、敵対者の主導権獲得の試みを中断させる。
武力紛争が発生した場合、スタンド・イン・フォースは同盟国やパートナーとともに争われている地域(contested area)の前方にとどまり、米海軍戦役遂行と統合戦役遂行を支援する。競争の連続体(competition continuum)のすべての地点において、スタンド・イン・フォースは、敵対者の計画を意図的に混乱させる。
「スタンド・イン・フォースのコンセプト」は、新しい能力を生み出し、新しい方法で作戦することである。この意味で、これは部隊デザインと部隊開発のための狙いとする点(aim point)を提供する。その方法と装備を完全に成熟させるためには、実験と演習を繰り返し行う必要がある。
背景:Background
「スタンド・イン・フォースのコンセプト」は、統合部隊に対して対介入アプローチ(counter-intervention approaches)を用いる(あるいは用いると脅す)ライバルに対処するものである。これらの対介入アプローチ(counter-intervention approaches)は、「成熟した精密打撃体制[2](MPSR)」の進歩に依存しており、統合部隊の戦力投射能力とそれを長期的に維持する能力を混乱させるものである。スタンド・イン・フォースは、ライバルが対介入(counter-intervention)の取組みを使用しても、米海軍が主導権を維持できるようにする作戦レベルの対応策を提供する。
このコンセプトは、米海兵隊ドクトリン刊行物(MCDP)1「用兵(Warfighting)」にある米海兵隊の機動戦哲学(maneuver warfare philosophy)の根底にあるもので、「機動とはドメインを問わず、敵に対して何らかの優位性を生み出し、それを利用するために行動を起こすことである」と記述されている。その優位性は空間的なものだけでなく、心理的、技術的、あるいは時間的なものもある[3]。スタンド・イン・フォースは「全ドメイン[4]」の組織であるため、任務を達成するためには、この強固な作戦の定義を理解し、実行しなければならない。
スタンド・イン・フォース・コンセプトは、統合用兵コンセプト(Joint Warfighting Concept)に含まれる作戦アプローチと直接的に整合する。米海兵隊総司令官計画策定指針(Commandant’s Planning Guidance :CPG)は、米海軍の分散型海上作戦(Distributed Maritime Operations :DMO)コンセプトを支援するため、スタンド・イン・フォース・コンセプトの公表を指示するものである。この米海兵隊総司令官ガイダンス(CPG)では、スタンド・イン・フォースがどのように先進基地で支援されるかを説明することで、スタンド・イン・フォースが遠征前進基地作戦(Expeditionary Advanced Base Operations EABO)コンセプトと一体化されることを説明している[5]。
より最近では、「米海軍戦役遂行:戦略的競争における米海兵隊の役割(Naval Campaigning :The Marine Corps’ Role in Strategic Competition)」は、スタンド・イン・フォースなど、拡大する米海軍のコンセプト・ファミリーの大枠を提供した。
このコンセプトは、世界規模の作戦モデル(Global Operating Model’)のコンタクト層とブラント層の活動を主な対象とし、統合部隊がサージ層の作戦に移行することを可能にするものである。このことは、このコンセプトの背後にある抑止の意図を強化し、また、このコンセプトが競争の連続体(competition continuum)全体にどのように適用されるかを示している。
米海兵隊はサージ層で、スタンド・イン・フォース作戦を実施する準備を整えておく必要があるが、その到達目標は、ライバルの意思決定者が対立を激化させる動機を最小化する方法で、このコンセプトを採用することである。
文脈:Context
戦略的文脈:Strategic Context
世界中の潜在的なライバルとその代理人は、何十年もかけて統合部隊の戦力投射の方法と手段を研究し、それに対抗するためのコンセプトと関連能力を開発したのである。これらの対介入戦略(counter-intervention strategies)は、統合部隊の計画や作戦方法を混乱させようとするものである。
そして、この混乱は意思決定を遅らせ、複雑化させ、他の行為主体に統合部隊の能力の程度を疑わせることになる。これは、米国の軍事的な国力要素の有用性を人々がどのように知覚するかに影響を与えるものである。
これらの潜在的ライバルは、米国とその同盟国やパートナーとの関係を混乱させ、低下させるためにあらゆる取組みを払っている。世界各地にある米国の同盟構造は、ライバルが頻繁に(通常は暴力の閾値以下の方法と手段で)攻撃する重要な競争上の優位性である。
同盟国やパートナーを個別に攻撃することは、修正主義者が他国を威嚇して地域覇権を獲得し、国際秩序を解体して彼らの優位性のために再構築するのに役立つ。これらの到達目標を達成するために、彼らは米国の安全保障の保証に疑念を抱かせる必要がある。
これらのライバルは、争われている地域(contested area)での艦隊の行動の自由に対して、特に反干渉戦略(counter-intervention strategies)を適用する。彼らは、我々の作戦区域を有用な範囲外に押し出すことを意図した海上拒否(sea denial)能力を開発する。この海上拒否(sea denial)の試みは、同盟国やパートナーを守る艦隊の能力を混乱させようとするもので、その結果、ライバルが同盟国やパートナーに対して、その強制的な手段の全重量を適用する自由を与えることになる。
米国の戦力投射が阻害されることで、ライバルは、対介入コンセプト(counter-intervention concepts)と対介入能力(counter-intervention capabilities)による軍事的な隠れ蓑の下で自由に政治的到達目標を追求することができるようになる。この隠れ蓑の下で、彼らは暴力の閾値以下である強制的な方法を用いて、近隣諸国を威嚇し、彼らの政治的到達目標を達成させ、米国の利益を損なうのである。
地理的文脈:Geographic Context
中華人民共和国(PRC)は統合部隊にとってペーシングの課題である。したがって、このコンセプトは全世界に適用できるが、インド太平洋軍(INDOPACOM)責任地域がスタンド・イン・フォースのコンセプトの焦点になるのが適切である。
中国共産党(CCP)は政府を挙げて中華人民共和国(PRC)の影響力を拡大し、米国の影響力を弱め、米国とその同盟国やパートナーとの間にくさびを打ち込み、国際的に認められた地理的、政治的、経済的、外交的境界線の外で権威主義の中華人民共和国(PRC)システムを支持する新しい国際規範を育成している。
中華人民共和国(PRC)は、コンセンサスの誤りを認識し、紛争地域に対する主張、台湾に対する主権の主張など、北京の好みに従うよう地域の近隣諸国を強制するために、増大する力を適用しようとしている。
海洋ドメインでは、中華人民共和国(PRC)がライバルの主張者を威嚇し、増大する空軍・海軍・海洋法執行プラットフォームを使って、中国が争われている各地域(contested areas)を効果的に支配していることを東南アジア諸国に知らしめた。
中華人民共和国(PRC)は長距離システムの量と質を拡大し続け、戦力を投射する能力を高め、通常手段を用いてこの地域の米軍と同盟国の基地を危険にさらしている[6]。同時に、中華人民共和国(PRC)は核戦力の強化と近代化を進めている。
米海軍の観点から、上記の要約は、中華人民共和国(PRC)が第一列島線の内側で海上覇権を行使し、その外側で制海権を握る可能性が高まっていることを概説している。このことは、米国がこの地域の同盟国やパートナーを支援し、必要であれば防衛を支援する能力を脅かし、これらの同盟国やパートナーが中華人民共和国(PRC)のあらゆる強制的手段の影響を受けやすくなることを意味する。
事実上、中華人民共和国(PRC)の到達目標は、米国をこれらの島々から追い出し、米国や国際社会の干渉を受けずに他国を強制的に支配できるようにすることである。
地理的には、スタンド・イン・フォースは米海軍遠征部隊を沿岸部に配置するためのコンセプトであり、本質的に海洋的な性格を持っている。沿岸域で作戦する各遠征部隊は、その効果を最大限に発揮するために、他の艦隊の部隊と作戦を一体化する必要がある。
このコンセプトは、主にペーシングの課題に取り組むためにデザインされたが、世界のどの地域にも適用可能である。特定の地域に適用する場合、このコンセプトが持つ海上での特性が、その使用方法を形作る。コンタクト層とブラント層で争われている地域(contested area)内部に留まることができるスタンド・イン・フォースは、さまざまな戦域で米海軍および統合指揮官にとって有用である。
作戦環境[7]:The Operating Environment
「スタンド・イン・フォースのコンセプト」は、場所に関係なく、ダイナミックな作戦環境においてうまく機能する必要がある。米海兵隊員は、その環境が以下のような一般的な特徴を持つことを想定しておく必要がある。
第一は、「成熟した精密打撃体制(MPSR)」の拡散である。世界各地で、あらゆるレベルの主体(非国家主体を含む)が、複数のドメインで戦闘空間(battlespace)を正確に感知し、迅速に攻撃する能力を発揮している。
例えば、1967年にエジプトが運用する対艦巡航ミサイルによってINSエリアットが沈没した海上ミサイル時代の幕開け、世界初の全ミサイル海上戦闘(all-missile naval battle)となった1973年のヨム・キプール戦争、1980年代の南大西洋戦争とタンカー戦争、戦闘被害のほぼ全てが無人システムによってもたらされた2020年のナゴルノ・カラバフ戦争などがその例であり、この傾向はさらに研究すべき価値がある[8]。
海洋ドメインでは、「成熟した精密打撃体制(MPSR)」の威力がますます増大し、敵対行為が始まると「まず効果的に攻撃する[9]」という米海軍の格言が強化される。
「インテリジェンス、監視、偵察、ターゲット(ISR-T)」能力の継続的な向上は、コンピュータ能力の急速な向上とコストの急落という傾向によってもたらされ、「成熟した精密打撃体制(MPSR)」の基本的な特徴となっている。このことは、「成熟した精密打撃体制(MPSR)」の普及を加速させると同時に、特に国家間の競争においてISRパリティをもたらす。
このようにパリティが高まっていることの意味はたくさんある。スタンド・イン・フォースのコンセプトにとって最も重要なことは、ISRのパリティが、競争の連続体(competition continuum)における各ポイントで、正確な海洋ドメイン認識(maritime domain awareness :MDA)を持つことに重点を置いていることである。
また、争われている地域(contested area)内で効果的に作戦するためには、全ドメインでシグネチャを制御し、マスキングし、効果的な欺瞞を行うことができることの重要性が増す。より安価で強力なコンピューティング・パワーは、電磁波スペクトラムにも同様の影響を与え、特に指揮・統制のための電磁波スペクトラムの使用に課題を生じさせる。
「成熟した精密打撃体制(MPSR)」による保護のもと、潜在的なライバルは暴力の閾値以下での活動を利用し、より広範な武力紛争を引き起こすことなく政治的到達目標を達成することができる。
米国と対峙する敵対者はしばしば「サラミ・スライス(salami slicing)」戦略を採用し、比較的小さな利害関係で戦争を行うか脅すか、あるいは局地的な侵攻、併合、その他確立した国際秩序のルール違反という形で既成事実(faits accomplis[10])を受け入れるかという選択肢を統合部隊に突きつけてくるのだ。
長距離偵察・攻撃複合体の要素を実戦配備した敵対者、あるいは他の能力(長距離精密打撃で増強された非正規戦など)を有する敵に直面した場合、米国は多かれ少なかれ抑止される可能性がある。敵対者の求める目標が比較的軽微に見える場合、抑止効果を克服しようとする米国のインセンティブは、それに応じて低下する。
永続的なプレゼンスがない場合、「成熟した精密打撃体制(MPSR)」は米国が戦略的距離からアクセスを再確立することを非常に難しくする。対介入戦略(counter-intervention strategy)の「最終目的(ends)」はある地域へのアクセスを拒否することであり、戦略の「方法と手段」はそれを支援するために作られる。拒否された地域へのアクセスを外部から得ようとすることは、対介入アプローチ(counter-intervention approach)と対称的な反応であり、避けるべきものである。
多種多様な形態の情報の収集、配布、および使用は、作戦環境の不可欠な部分であり、スタンド・イン・フォースの作戦に影響を与える。軍事情報の入手、伝達、保護は、競争の連続体(competition continuum)におけるあらゆる地点で争われることになる。
ライバルたちは、商業的手段やソーシャル・メディアを利用して、自分たちの活動を説明するナラティブをコントロールし、自分たちの政治的到達目標を達成しやすい方法で聴衆に影響を与えようとする。
最後に、最も重要なこととして、米国が世界中に持つ同盟とパートナーシップは、非常に大きな力の源であり、独自の優位性を持っている。これらの同盟は、共通の利益と価値を推進し、集団安全保障の重荷を背負うことを支援する。
米国は同盟国やパートナーとともに、共通の課題に取り組み、コストを分担し、協力の輪を広げることができる。特に、同盟国やパートナーがそれぞれの比較優位性を最大限に活用する場合、このような作戦環境の側面の優位性を認識し活用することは、大きな機会を提供することになる[11]。
中心となる考え:Central Idea
スタンド・イン・フォースの定義:Stand-in Forces Defined
スタンド・イン・フォースは、潜在的または現実の敵対者の計画を意図的に混乱させるために、海上の縦深防御の最先端(leading edge of a maritime defense in depth)として、争われている地域(contested area)内の競争の連続体(competition continuum)に沿って作戦するようにデザインされた、小さいが致死性があり、低シグネチャ、移動性、維持と持続が比較的簡単な部隊である。
状況に応じて、米海兵隊、米海軍、沿岸警備隊、特殊作戦部隊、省庁間、同盟国やパートナーからの要素でスタンド・イン・フォースを構成する。
成功の理論:Theory of Success
日常的な活動では、スタンド・イン・フォースは、敵対者の行動の自由を奪う、連携した海上の縦深防御(maritime defense in depth)の前縁を確立することで、潜在的な敵対者を抑止する[12]。同盟国やパートナーとの協力がもたらす影響は、いくら強調してもし過ぎることはない。敵対者の計画を弱体化させる鍵であり、スタンド・イン・フォースのプレゼンスが永続的でなければならない主な理由である。
また、スタンド・イン・フォースは、ライバルの到達目標を達成するために暴力の閾値以下[13]の方法と手段を使おうとすることにコストを課すために、国力の他の要素(特に外交と情報)と活動を一体化することによって抑止する。
スタンド・イン・フォースの永続的な機能は、艦隊と統合部隊が、競争の連続体(competition continuum)上のあらゆる地点で偵察戦闘(reconnaissance battle)と対偵察戦闘(counter-reconnaissance battle)に勝利するのを助けることである。スタンド・イン・フォースは、暴力の閾値以下で接触を獲得し維持する(ターゲットの管理(target custody)を確立し、潜在的敵対者のセンサーを識別する)ことによって、これを行うのである。
これにより、スタンド・イン・フォースは悪意のある行動(malign behavior)を特定し、それに対抗するための支援を行い、万が一武力紛争が発生した場合、統合部隊は効果的な先制攻撃を行い、敵の行動を阻止することができる。
スタンド・イン・フォースは指示されれば、艦隊の作戦を支援するため、特に海上の要衝(chokepoint)付近で海上拒否作戦(sea denial operations)を行う。スタンド・イン・フォースは、有機的なセンサーや兵器システムを使ってキル・ウェブを完成させるだけでなく、有機的な能力を米海軍や統合の全ドメイン能力と一体化することで、海上拒否(sea denial)を行うことができる。
また、スタンド・イン・フォースは、海上拒否作戦(sea denial operations)を支援するために、競合する重要な海上地形を確保、掌握、支配して優位性の立場を得るための十分な有機的機動力および攻撃力を有している。
上記を行うことで、スタンド・イン・フォースは、敵がその到達目標を達成するために対処しなければならない作戦上の問題となる。スタンド・イン・フォースは、低シグネチャ、高移動性、分散性、および欺瞞の使用により敵の発見とターゲット化が困難にし、無視できない作戦上の能力を提示することで、敵にコストを課している。
彼らの小さなフットプリントとパートナーシップへの重視は、スタンド・イン・フォースをより大きな米国のフォーメーションよりもホスト国にとって負担の少ないものにする。
スタンド・イン・フォースは、以下のように採用されている。
- 争われている各地域(contested areas)における艦隊、統合部隊、連合の状況認識を向上させ、競争の連続体(competition continuum)において友軍の意思決定を支援する。
- 同盟国やパートナーの防衛を支援する永続的な前方展開態勢により、米国の安全保障の保証を維持する。スタンド・イン・フォースは他国と連携して前方で作戦し、悪意ある行動(malign behavior)を特定し、全ドメインの偵察を通じて潜在的な敵対者と環境に関する知識を獲得する。スタンド・イン・フォースの日常的な活動は、競争への一体化したアプローチを支援する。
- 潜在的な敵対者を抑止する。抑止が成功するためには、潜在的な侵略者の思考を形成する必要がある[14]。スタンド・イン・フォースの抑止能力は、同盟国やパートナーに信頼を与え、彼らの目標達成に役立つものでなければならない。
- 潜在的な敵対者の能力やアセットなど、潜在的なターゲットの管理(custody of potential targets)を獲得し、維持する。
- 潜在的敵対者の作戦方法の理解を開発し、潜在的敵対者の通常の活動(すなわち「生活パターン」)のベースラインを確立する。
- 受動的・能動的な対偵察により、あらゆるドメインで敵対者または潜在的な敵対者が優位性を獲得する能力を否定する。
- キル・ウェブを完成させる。キル・ウェブにより、小部隊に分かれた部隊または分散した部隊から、軍の境界内および境界を越えてタスクを与え、再度タスク化するためのアセットを迅速に特定、選択することができる。スタンド・イン・フォースは、艦隊と統合部隊がキル・ウェブを完成させるのを支援する[15]。
- 特に海上交通の要所とその周辺において、敵対者の運動の自由(freedom of movement)を否定する。スタンド・イン・フォースは、他の米海軍、統合、連合軍のセンサーや兵器と有機的なセンサーや兵器を一体化し、重点地域の海上拒否(sea denial)のための戦闘管理者として機能する。スタンド・イン・フォースは艦隊の作戦コンセプトの一部としてこれらの作戦を実行し、敵の機動の自由(freedom of maneuver)を制限することによって艦隊が利用できる選択肢を増やす。
- 海上拒否作戦(sea denial operations)を支援するため、競合する重要な海上地形を確保、掌握、統制する。
- 潜在的敵対者の計画を混乱させる。敵対者は、現在の統合部隊を混乱させるように部隊をデザインしているが、スタンド・イン・フォースの創設は、逆に、武力紛争の脅威の下で敵対者の狙いを達成しようとする試みを複雑化し、挫折させることになる。武力紛争が発生した場合、スタンド・イン・フォースは海上の縦深防御の前方部隊(forward element of a maritime defense-in-depth)として戦闘空間(battlespace)を拡大し、米海軍の機動と統合部隊のアクセスを支援することで、敵対者の行動の自由を制限する。
考え方の支援と計画策定上の考慮事項:Supporting Ideas and Planning Considerations
「偵察、監視、インテリジェンス情報の効果的な融合は、火力の伝達と同じように重視されなければならないほど重要である。逆に、偵察と遮蔽の成功は相対的なものであるため、援護、欺瞞、混乱、攪乱によって敵の偵察を妨害することは非常に重要な意味を持つ」
米海軍大佐(退役)ウェイン・ニューズ、1986[16]
概要:Overview
海上の縦深防御の最先端(leading edge of a maritime defense in depth)を確立するためには、その地域の潜在的敵対者とその到達目標、方法、強み、弱点を重視した状況を推定することから始まる。この推定は、地域の同盟国やパートナーの防衛上の必要性を考慮し、地域の地理的要因が潜在的敵対者、地域の同盟国やパートナー、および米海軍戦役遂行(naval campaigning)に及ぼす影響を研究するものである。
見積りは、艦隊、海上構成部隊(maritime component)、および各戦闘軍指揮官(combatant commanders)の作戦計画を分析することによって締めくくられる。この見積りは、条件の変化や敵対者の適応を考慮し、基本的な仮定を再検討するために、全ドメインを含み、定期的に更新されなければならない。コンタクト層[17]における永続的な取り組みは、長期にわたって効果を維持するために頻繁な調整を必要とする。
また、この見積りでは、指揮の配置(command arrangements)を含むスタンド・イン・フォースの報告メカニズムをどのように構築するかについても案内している[18]。
スタンド・イン・フォースが艦隊指揮官や統合部隊指揮官に提供するようにデザインされている情報の優位性は、報告構造のデザインが不十分だと、損なわれる可能性がある。スタンド・イン・フォース報告は可能な限り合理化し、意思決定者がタイムリーな判断を下せるよう、腐敗しやすい情報を迅速に届けられるようにする必要がある。
スタンド・イン・フォースは、争われている地域(contested area)で作戦する部隊の行動を指揮するために、柔軟な指揮配置を用いる。例えば、状況によっては、米海兵隊主導の陸上司令部のために働くこともある。
この米海兵隊主導の司令部は、海兵遠征部隊(MEF)、または海兵遠征部隊(MEF)の主要な下位司令部(師団、翼、兵站群)の1つで、艦隊司令官のために働くタスク・グループまたはタスク・フォースの役割を果たすことができる。他の場合、作戦指揮系統は統合部隊海上構成部隊指揮官(Joint Force Maritime Component Commander :JFMCC)の権限の下で、海兵遠征部隊(MEF)司令部を経由することができる。
これらの中間司令部は、隣接する米海軍のタスク・グループとタスク・フォース、戦域統合部隊海上構成部隊指揮官(JFMCC)、同盟国やパートナーとの間で、情報、インテリジェンス、統連合火力、空域調整、後方支援などの機能を果たすことになる。こうした指揮の配置(command arrangements)が時間の経過とともに変化しても、海洋ドメイン認識(MDA)図や同盟国・パートナーとの関係を維持するよう配慮する必要がある。
スタンド・イン・フォースは、可能な限り最小の部隊を使用して接触を獲得し維持する。これは、選択肢を維持し、最小限の戦闘力を危険にさらし、前方地域の兵站要件を最小化するために行う。具体的な態勢は見積りによって決定されるが、一般的には以下のガイドラインに従って設定される。
戦力態勢は潜在的敵対者と接触することを優先するが、残存性と争われている地域(contested area)内部の後方支援負担を可能な限り軽くする必要性とのバランスをとるものである。この論理に従えば、潜在的敵対者と最初に接触する最前線の部隊は、通常、無人である。次に、有人・無人の地域は、チームミングによって特徴付けられる。
その目的は、前方部隊の統制、有人・無人センサーの追加層の作戦、同盟国やパートナーとの作戦一体化、無人システムが前進する際の指示と支援を行うことである。追加層は、主要兵器システム、必要な兵站支援、追加の指揮・統制要素(必要な場合は前方武装・給油ポイントもあり得る)をホストする。
多大な後方支援や人力の支援を必要とするものは、理想的には、争われている地域(contested area)外部の海上や陸上に配置され、争われている地域(contested area)内部のフットプリントやシグネチャを最小限に抑えることができる。このコンセプトでは、長時間・長距離の無人システムは、可能な限り争われている地域(contested area)外部で寝泊まりすることを想定している。
スタンド・イン・フォースはこの態勢を確立し、同盟国やパートナーとの既存の関係を構築することで、コンタクト層における米海軍戦役遂行(naval campaigning)を支援するためにそれを利用する。これらの関係は、スタンド・イン・フォースがどのように同盟国やパートナーに具体的な支援を行うかを通知し、また、ホスト国の沿岸地域からどこでどのように作戦できるかに反映される。
必要なレベルのアクセスを実現するには、戦闘軍指揮官(combatant commander)への指揮系統を通じた緊密な調整と、省庁間パートナー、特に国務省との緊密な連携が必要である。スタンド・イン・フォースは、安全保障協力、治安部隊の支援、演習などの事象を通じて、関係を深め、海洋ドメイン認識(MDA)図を開発する。
最終的にスタンド・イン・フォースは、同盟国やパートナーと共に日常的かつ一貫して前方で作戦することを目指す。これは、スタンド・イン・フォースが永続的なプレゼンスを達成するための多くの方法を説明するものである。
コンタクト層の沿岸作戦地域から、スタンド・イン・フォースは潜在的敵対者の抑止内で支援するための偵察を行う。スタンド・イン・フォースは、焦点を置いた収集により、悪意ある活動(malign activity)を検知し、情報作戦(information operations)を支援し、統合部隊に早期警戒を提供する。
これらの収集は、省庁間や同盟国・パートナーの抑止の取組みを支援するためにも使用されている。スタンド・イン・フォースは、抑止をより効果的にするための補完的な能力を提供する。これらの取組みの到達目標は、悪意ある活動(malign activity)を続けるにはコストがかかりすぎることを納得させることで、敵対者の意思決定者の思考に影響を与えることである[19]。
スタンド・イン・フォースがより大きな力の目と耳であることを示すことで、より大きな統合部隊のプレゼンスと決意を示すことができる。これは、復元性があり残存可能な前方配置部隊による拒否によって、抑止に貢献する。スタンド・イン・フォースは、省庁間、同盟国、パートナーの目であり耳である。
スタンド・イン・フォースの偵察、対偵察、移動性の基準には、沿岸の海側でも陸側と同じように容易に移動できる能力が必要である。例えば、海岸近くの浅瀬で艦隊の偵察を行う、起こり得る敵対者の沿岸船からの収集を防ぐ、敵対者の「インテリジェンス、監視、偵察、ターゲット(ISR-T)」を凌ぐテンポで機動する、などのニーズである。
このような移動性は、部隊の後方支援配分ネットワークを完成させるためにも必要である。米海兵隊は、哨戒艦、沿岸艦、商用艦など、さまざまな小型船を使用できるようにする必要がある。沿岸海域の移動を可能にするため、このコンセプトでは、スタンド・イン・フォースが有機的な舟艇を採用し、同盟国やパートナーからそうした支援を受けるよう調整し、またはホスト国にある商業舟艇を借りて作戦することを想定している。
抑止力を高めるために、スタンド・イン・フォースは情報環境における作戦を利用して、ライバルの意思決定者や影響力のあるターゲットとする聴衆の思考に影響を与える準備をしなければならない。このことは、計画策定上重要な意味を持つ。
部隊は、各情報関連能力の使用権限がどこにあるかを特定し、特定のトリガー(例えば、スタンド・イン・フォース収集手段で撮影した写真のソーシャル・メディア公開に対する事前承認)が満たされた時点でその使用について調整する必要がある。
また、スタンド・イン・フォースは「一体化した抑止(integrated deterrence)」を実践している。これは、単独で行動するよりも大きな成果を得るために、統合部隊、省庁間、同盟国・パートナー国と活動を調整することを意味している[20]。
スタンド・イン・フォースは、潜在的な敵対者のフォーメーション、プラットフォーム、およびセンサーを特定し、そして追跡し、これらの要素に固有の全ドメインの特性を特定するのに役立つ。さらに、スタンド・イン・フォースは、敵対行為が発生した場合に、潜在的敵対者がどのように偵察を行うかを特定する。
接触がブラント層の活動に移行すると、スタンド・イン・フォースは致死性および非致死性の手段を用いて敵対者の偵察の取組みを打ち負かす。敵対者のセンサーと偵察方法(コンタクト層での持続によって収集)の識別と特性を活用して、偵察/対偵察の機動の計画(scheme of maneuver)を立て、実行する。
一般に、スタンド・イン・フォースの偵察は敵対者のターゲットに対する艦隊や統合部隊の攻撃を支援し、その対偵察任務は敵対者が艦隊や統合部隊を感知して攻撃するのを阻止するものである。
スタンド・イン・フォースは、敵対者のセンサーを妨害するために、致死性および非致死性の手段を用いて機動を支援する。この混乱は、争われている地域(contested area)外部に位置する有人・無人チームがセンサーの混乱の優位性を利用し、争われている地域(contested area)に進入して戦術的タスクを実行し、戦争われている地域(contested area)から退出する機会を提供する。
このような戦闘力のパルスは、敵対者のバランスを崩し、敵対者の計画を混乱させ、艦隊の機動力を高める機会を提供する。また、スタンド・イン・フォースへの補給など、優先順位の高い補給物資を争われている地域(contested area)内部に移動させる際にも、同様のパルス方式を使用することができる。
指示されれば、スタンド・イン・フォースは艦隊の機動と作戦を支援するため、あるいは敵対者の計画を(運動の自由(freedom of movement)を奪うことで)混乱させるために海上拒否作戦(sea denial operations)を行う。ほとんどの場合、スタンド・イン・フォースは海上拒否(sea denial)に適用できる有機的資源に制約があり、計画策定時の分析(特に艦隊の計画の分析)に基づき、適用する場所に優先順位をつける必要がある。
計画策定において、スタンド・イン・フォースは、ある地域を敵対者に与えないことが、艦隊司令官の機動の計画(scheme of maneuver)をいかにサポートするか、あるいは敵対者の混乱を最大化させるかを決定する。
スタンド・イン・フォースは、自軍のセンサーと兵器の両方、および米海軍と一体化されたセンサーと兵器を適用することによって、海上拒否(sea denial)を支援する。この一体化により、スタンド・イン・フォースは戦闘空間(battlespace)を拡大し、敵対者を最大射程距離(スタンドオフ兵器の最大射程距離を含む)で攻撃する柔軟性、指定区域で奇襲射撃を行う待ち伏せ精神、またはその両方の組み合わせが可能になる。
スタンド・イン・フォースは、センサー・データを海洋ドメイン認識(MDA)図に入力し、争われている地域(contested area)内部で米海軍と統合のキル・ウェブを完成させるのに十分な接続性を持つことによって、後続部隊の投入を支援するものである。スタンド・イン・フォースはまた、敵対者のセンサーを破壊したり、敵対者のフォーメーションを攻撃したりして、敵対者の収集を混乱させ、後続部隊の行動の自由度を高めることも支援する。
永続的な前方プレゼンスの維持:Maintain Persistent Forward Presence
スタンド・イン・フォースにとっての永続性とは、同盟国やパートナーに永続的で信頼できる安全保障の保証を示すこと、潜在的敵対者のフォーメーションやシステムのターゲットの管理(target custody)を維持すること、敵対者の運動の自由(freedom of movement)をタイムリーに否定できることである。
競争の連続体(competition continuum)の暴力の閾値以下では、海上の縦深防御(maritime defense in depth)の最先端は、スタンド・イン・フォース任務(特に永続的な偵察と対偵察機能)に貢献する部隊の混合で構成される可能性が高い。この混成部隊(常駐、ローテーション、演習など)は、以下に述べるように、潜在的なライバルに志向すること、同盟国やパートナーのニーズを満たすことで、関連する永続性を提供することができる。
成熟した精密打撃体制(mature precision-strike regime :MPSR)を特徴とする作戦環境では、潜在的敵対者との接触を獲得し維持することが重視される。最初に見たものが、最初に方向を定め、最初に決断し、最初に効果的に攻撃することができ、圧倒的な優位性を獲得することが出来る。
スタンド・イン・フォースが海上の縦深防御の前方基地(forward edge of the maritime defense in depth)として役立つためには、いったん潜在的敵対者のシステムやフォーメーションと接触したら、それが作戦区域を離れるまで、あるいはその管理(custody)が戦役上(campaign)意味をなさなくなるまで、接触を維持する必要がある。
スタンド・イン・フォースの資源は限られているため、部隊や米海兵隊員個人が作戦地域内を巡回する中で、優先順位をつけ、ターゲットの管理(target custody)を維持する方法を決定する必要がある。残存能力を確保しつつ、接触を維持することは、永続性に不可欠な要素である。
同盟国やパートナーは、スタンド・イン・フォースのコンセプトにおいて重要な役割を果たす。スタンド・イン・フォースは、特にその主権的沿岸域で、同盟国との提携作戦(partnered operations)を実施することを意図している。ホスト国と部隊の関係の質は、スタンド・イン・フォースの作戦の範囲と柔軟性に影響する。
そのような同盟国やパートナーと協力的な作業関係を確立し維持することは、当然の要件である。同盟国やパートナーは、スタンド・イン・フォースのプレゼンスが潜在的な敵対者を抑止するのに十分であると見なす必要がある。このようなホスト国の意思決定者が、その安全保障の保証を大きく左右する。
関係の質は、長期的にスタンド・イン・フォースの有効性に影響を与える。例えば、部隊が現地で購入できるものや、ホスト国に事前配備できるものについて、機会を拡大したり、制限を設けたりすることで、後方支援に影響する。
また、スタンド・イン・フォースが商用通信とどのように一体化できるか、電磁スペクトラム(EMS)で何が放射できるか、物資や機材の制約などを決めることで、シグネチャ管理にも影響を与えるだろう。情報共有の合意は、国家的な警告だけでなく、その関係における信頼度にも依存し、共通作戦図(common operating picture)に大きな影響を与える。
これらの例はすべてを網羅しているわけではないが、この関係の重要な側面のいくつかを示している。スタンド・イン・フォースとホスト国の関係の重要な本質を理解することは、このコンセプトの不可欠な要素である。
永続性の最後の要素は、スタンド・イン・フォースが適時に海上拒否(sea denial)を支援する能力である。「適時」とは、潜在的敵対者に相対するものである。スタンド・イン・フォースは、潜在的敵対者の計画を挫くのに十分な速さで、実現可能な海上拒否(sea denial)の機動の計画(scheme of maneuver)を実行できなければならない。
この相対的な速度は、上記のターゲットの管理(target custody)の議論に依存する。また、敵対者の運動の自由(freedom of movement)を奪うのに十分な兵器システムを射程内に置くことが必要である。これらの兵器は、スタンド・イン・フォース、米海軍、または統合システムに固有のものである可能性がある。スタンド・イン・フォースが適時に海上拒否(sea denial)を行うには、米海軍と統合のキル・ウェブへの適切な接続性を維持する必要がある。
海上偵察戦闘および対偵察戦闘に勝つ:Win the Maritime Reconnaissance and Counter-Reconnaissance Battle
海上偵察と対偵察の実施は、スタンド・イン・フォースの永続的な機能である。部隊内のすべての要素は、この機能の実行または支援に重点を置いており、その主要な側面は2つある。第一は、艦隊の作戦を支援するために、潜在的敵対者に志向することである。
もう1つは、スタンド・イン・フォースに対する脅威、特に優位性の立場を得るためと部隊の残存性を確保するための脅威に焦点を当てるものである。いずれの場合も、環境に関する作戦関連情報の収集と保護は、この永続的な機能の重要な側面である。
スタンド・イン・フォース海上偵察とは、艦隊が効果的な火力を発揮するために、敵の位置を十分に把握するためのスタンド・イン・フォースによるすべての取組みを指す。スタンド・イン・フォース海上対偵察とは、敵が艦隊の位置を特定できないようにするためのスタンド・イン・フォースによるすべての取組みを指す。スタンド・イン・フォースは海上偵察と海上対偵察を行うとき、艦隊の目と耳の延長線上にある存在となる。
収集の優先順位付けは、まず艦隊/海上構成部隊指揮官の優先インテリジェンス要求(PIRs)から行われる。収集要件の他の情報源には、戦闘軍指揮官(combatant commander)の優先インテリジェンス要求(PIRs)と、多くの場合、同盟国やパートナーの情報要求(information requirements)が含まれる。
優先順位を決定した後、スタンド・イン・フォース計画担当者は全ドメインの収集計画を策定する。この計画は、スタンド・イン・フォース全体の機動の計画(scheme of maneuver)の基礎となるもので、争われている地域(contested area)内部で可能な限り軽いフットプリントで目標を達成するものである。
例えば、スタンド・イン・フォースは作戦環境の変化に適切に対応するために防御的サイバースペース作戦能力を必要とするが、攻撃的サイバースペース作戦(OCO)能力については外部勢力に依存することができるかもしれない。また、争われている地域(contested area)内部のフットプリントをさらに軽くするために、スタンド・イン・フォースは宇宙とサイバー・ドメインのスタンド・オフ・フォースを全ドメインの機動の計画(scheme of maneuver)に一体化するための自動化ツールと関連経路を開発する予定である。
スタンド・イン・フォースの海上偵察の取組みは、海上戦闘空間(maritime battlespace)を拡大することを狙いとしている。そうすることで、まだ近接して接触していない潜在的敵対者の要素を交戦にさらすことになり、潜在的敵対者のタイムテーブルを混乱させ、敵対者の指揮・統制を複雑にし、敵対者の計画を挫折させることになる。
また、スタンド・イン・フォース海上偵察は、分散した艦隊や他の統合部隊(理想的には、同盟国やパートナーの能力も含まれる)のキル・ウェブを完成させることによって、利用できる選択肢の数を増やすことを狙いとしている[21]。この戦闘空間(battlespace)拡大の脅威を潜在的敵対者に示すことは、スタンド・イン・フォースの抑止価値の重要な構成要素である。
コンタクト層における海上対敵偵察は、潜在的敵対者の収集方法と手段を明らかにし、「この敵対者の作戦の基本方針は何か、艦隊に対してどのように収集するのか」という疑問に答えるものである。また、潜在的敵対者の艦隊や同盟国、パートナーに対する情報収集を妨害するために、非致死性の手段を適用することを意味する場合もある。
暴力閾値以上では、スタンド・イン・フォースは敵対者の収集を拒否し、艦隊司令官に行動の自由を与える。これは、敵のセンサーを混乱させ、破壊する(欺瞞、攻勢的サイバー作戦(OCO)、物理的攻撃などによる)という形をとることができる。また、スタンド・イン・フォースが敵対者の偵察の取組みを妨害するために、限定目標の攻撃や急襲を行うこともあり得る。
スタンド・イン・フォースの海上偵察と対偵察の最終到達目標は、競争の連続体(competition continuum)のあらゆる地点で、敵対者に対する状況認識で艦隊司令官に優位性をもたらすことである。偵察は、敵対者の位置と行動を十分に把握し、艦隊が効果的な行動を取れるようにすることである。対偵察は、敵対者が艦隊に対して効果的に感知し、理解する能力を打ち負かすものでなければならない。
理解を深めるために、スタンド・イン・フォースは全ドメイン機動を行い、潜在的敵対者にセンサーや収集方法を起動させることで、彼らが現在どのように偵察を実施しているのかを明らかにする。また、特定のセンサーの技術的特性や、潜在的敵対者が偵察に用いる戦術、技術、手順の両方における潜在的敵対者の長所と短所を明らかにすることができる。
これらの機動の全ドメイン的な側面は、潜在的敵対者の手法を理解する上でのギャップをなくすために重要である。(近くの「コンタクト層における情報のための戦い」と題する灰色のボックスは、1960年代に統合部隊がこの種の情報のために暴力の閾値以下で「戦った」歴史的な例について説明している)。
武力紛争における情報のための闘いは、いくつかの形態をとることができる。スタンド・イン・フォースや他のセンサーで観測できるような敵の反応を引き起こすことを意図した闘い、敵の偵察アセットを破壊して二次的脅威の上層部を味方の収集にさらし、敵の決心サイクルに影響を与える可能性のある闘い、スタンド・イン・フォースが収集を実行できる位置に到達するための闘いなどである[22]。
スタンド・イン・フォースは、現地での人的情報収集から宇宙空間での収集方法の理解まで、潜在的敵対者の戦力収集方法と手段を発見することで、残存性のための対偵察を行っている。また、武力紛争が起こる前に明らかにすべきではないスタンド・イン・フォースの特定の能力を潜在的敵対者に知られないようにするために行われる。
武力紛争になれば、スタンド・イン・フォースは敵対者の収集に関する知識を利用して、(欺瞞、移動などの技術によって)より速いテンポを確立し、致死性と非致死性の両方の手段を使って、これらの収集を混乱させることができる。
最後に、海上偵察と対偵察では、ターゲットの管理(target custody)の維持が重要な計画上の考慮事項である。部隊が作戦地域内を巡回する際、ある部隊から次の部隊への保管(custody)の引き継ぎは、計画的な計画策定と実行が必要である。
永続性の節で述べたように、スタンド・イン・フォースの構成は時間とともに変化する。また、特定のホスト国に常時駐留しているとは限らないので、隣接するホスト国や海上のアセットからターゲットの管理(custody of some targets)を維持する必要がある場合もある。管理(custody)を維持するための計画策定は、このような変化を考慮に入れなければならない。
非致死性の強制的行動やその他の悪意のある活動を抑止、検出、暴露、および対処する。:Deter, Detect, Expose, and Counter Nonlethal Coercive Behavior and Other Malign Activities
スタンド・イン・フォースは、そのプレゼンスと能力がライバルの意思決定者の思考に影響を与え、彼らが米国の利益と同盟国・パートナーの利益にとって有益な選択を行うようにすることで抑止する。スタンド・イン・フォースは、艦隊や統合部隊、省庁間、同盟国やパートナーとの抑止の取組みを組み合わせることで、「一体化した抑止(integrated deterrence)」を実践するようデザインされている。
インド太平洋軍(INDOPACOM)で海上の縦深防御(maritime defense in depth)を確立することで、もしエスカレートが起きれば、潜在的敵対者の海上アセットが危険にさらされることを示すことができる。スタンド・イン・フォースはその防衛の最前線として、警戒的なターゲットの管理(target custody)を行い、必要であれば主要な海上交通の要衝(chokepoint)を拒否する能力を発揮する。
スタンド・イン・フォースは、センサーや兵器を適切に配置することで、海上の自然な阻止位置を増強し、沿岸域を優位性で利用することができる。
スタンド・イン・フォースを米海軍や統合部隊のキル・ウェブと一体化し、その配置を工夫することで、海上戦闘空間(maritime battlespace)の奥行きを広げ、敵対者の計画を混乱させたり、打ち破ったりすることができるようになる。ライバルの意思決定者にこのことをうまく示すことで、彼らの部隊に海上での聖域がないことを示すことができる。スタンド・イン・フォースのプレゼンスは、敵対者の部隊を危険にさらす。
多くの場合、強制的な行動や悪意のある活動(malign activity)の検出は、スタンド・イン・フォースによって直接対抗されることはない。その代わり、スタンド・イン・フォースの検知によって、他の統合部隊、省庁間、同盟国やパートナーによる対抗行動が可能になる。したがって、スタンド・イン・フォースは、検知の取組みを集中させるために、これらの予想される対抗行動について十分な理解を持たなければならない。
スタンド・イン・フォースは、収集、沿岸機動性の提供、指揮・統制の強化など、パートナー国の能力格差を埋めることで、これらの対抗行動を支援する。パートナー国が悪意ある活動に対抗し、主権を行使するために行動を起こすとき、スタンド・イン・フォースは周辺または水平線のすぐ上で監視を行うこともできる。
強制的な行動や悪意ある活動(malign activity)に直接対抗するために、スタンド・イン・フォースは非致死性の機動を行い、威嚇的または強制的な優位性の立場を得ることができる。この機動の多くは、情報環境または電磁スペクトラム(EMS)における機動という形をとる。このコンセプトが成熟するにつれ、スタンド・イン・フォースを行う米海兵隊員は、悪意ある活動に直接対抗するために、さらに非致死性の能力を開発する可能性がある。
海上での敵の行動の自由を拒否する:Deny Enemy Freedom of Action at Sea
スタンド・イン・フォースは指示があれば、米海軍戦役遂行(naval campaigning)を支援するため、特に海上交通の要衝(chokepoint)付近で海上拒否作戦(sea denial operations)を行い、敵の運動の自由(freedom of movement)を奪い、タイミングとテンポを乱すことによって、敵の計画を妨害する。
スタンド・イン・フォースは有機的なセンサーや兵器システムを用いて海上拒否(sea denial)を行うが、米海軍や統合のセンサーや兵器を海上拒否(sea denial)の作戦コンセプトに一体化することによっても、海上拒否(sea denial)を行うことができる。これにより、戦闘空間(battlespace)を拡大し、敵システムの縦深を攻撃し、敵の相互支援能力を低下させる。
スタンド・イン・フォースが艦隊司令官に従属する場合、海上拒否(sea denial)を行うための任務と目的は、特定のタスク(specified task)として提供される。あるいは、スタンド・イン・フォースが支援部隊または隣接部隊の役割を担っている場合、海上拒否(sea denial)の任務と目的は、艦隊、海上構成部隊、または統合部隊指揮官の戦役の到達目標を分析することにより導き出すことができる。
完全な海上拒否(sea denial)は、指定された地域内の海洋ドメインの5つの次元[23]すべてを含む。つまり、スタンド・イン・フォースは、各次元でのセンシングを、その作戦図(operating picture)に一体化する能力を持たなければならない。もしスタンド・イン・フォースが海上拒否(sea denial)を行う場所で各次元を感知する手段を持たない場合、その能力を提供するセンサーにネットワーク接続する能力が必要である。
スタンド・イン・フォースはその後、敵対者が兵器システムの射程に入ったところで攻撃するか、敵対者が要衝(chokepoint)に近づくまで待って、集中攻撃、奇襲攻撃、またはその両方を組み合わせて、敵の地域を拒否するのに役立つ。スタンド・イン・フォースは、他の米海軍および統合部隊のセンサーや火器(致死性および非致死性)を、意図的に海上拒否(sea denial)の機動の計画(scheme of maneuver)に一体化する。
スタンド・イン・フォースによる海上拒否(sea denial)は、敵対者が計画を実行するために克服しなければならない硬い表面を敵対者に提示することもある。あるいは、海上拒否(sea denial)は、敵対者の部隊を脆弱な別の地域に追いやるようにデザインされた、艦隊、海上構成部隊、または統合部隊の諸兵種連合(combined arms)の一部である場合もある。いずれの場合も、海上拒否(sea denial)は敵対者のテンポとタイミングを乱し、敵対者の主導権獲得能力を奪う。
米海軍・統合部隊導入の条件の整備:Set Conditions for the Introduction of Naval and Joint Forces
スタンド・イン・フォースは、最初の偵察戦闘(reconnaissance battle)と対偵察戦闘(counter-reconnaissance battle)を闘い、敵対者の計画を混乱させることで主導権を獲得し、米海兵隊・統合部隊が争われている各地域(contested areas)の中に侵入するリスクを下げることで、米海兵隊・統合部隊導入の条件を設定する。
スタンド・イン・フォースは、暴力閾値以下の潜在的な高価値ターゲットの管理(custody of some targets)を獲得・維持することで、米海軍と統合部隊が任務を迅速に遂行できるよう、その頭出し(cueing)をする。スタンド・イン・フォースはまた、敵対者の「インテリジェンス、監視、偵察、ターゲット(ISR-T)」部隊の位置を特定し、有機的アセットまたは統合キル・ウェブを通じて攻撃することにより、敵対者が米海軍や統合部隊を妨害する能力を混乱させたり、否定したりすることも可能である。
例えば、スタンド・イン・フォースは目標情報を開発するために、ターゲットを管理(custody)し、その特性を判断し、争われている地域(contested area)内部から米海軍および統合指揮・統制アーキテクチャへのリンクを提供し、また、第三者のターゲッティングを受け入れ、提供することによって、ターゲット情報を開発する。スタンド・イン・フォースはまた、沿岸機動(littoral maneuver)と統合キル・ウェブによる火力を組み合わせるなど、諸兵種連合(combined arms)の適用を通じて貢献する。
スタンド・イン・フォースはまた、友軍部隊が敵対者の有効な攻撃にさらされる範囲を広げ、戦闘空間(battlespace)のかなり前方で友軍の行動(攻撃、反撃、防御の再構築)の機会を作り出し、敵の計画を混乱させる[24]。
攻撃範囲を広げることは、争われている地域(contested area)に入ることなく、スタンド・オフ・フォースがその能力を発揮し、破壊の可能性を最大化するのに役立ち、また、特に他の米海軍や統合部隊が到着する前に、敵が戦闘力を蓄積し、地域優位性を生み出す能力を妨害することができる。
争われている各地域(contested areas)における宇宙作戦、サイバー作戦、電磁スペクトラム(EMS)の作戦を低下させ、混乱させ、否定する敵対者の行動は避けられない。このような作戦は、艦隊や統合部隊に提供される位置・航法・タイミング(positioning, navigation, timing :PNT)・通信サービスを妨害することになる。スタンド・イン・フォースは、このような敵対者の行動を軽減するために十分な位置を占めている。
例えば、敵対者が争われている地域(contested area)内の全地球測位衛星信号の受信を妨害した場合、スタンド・イン・フォースは地上または航空機システムを通じて隣接する艦隊のアセットに位置・航法・タイミング(PNT)サービスを提供することができる。同様に、スタンド・イン・フォースの一次通信、代替通信、非常時通信、緊急通信は、敵対者の妨害を克服するための代替通信経路を艦隊と統合部隊に提供することができる。
最後に、決められた場所と時間で敵の「インテリジェンス、監視、偵察、ターゲット(ISR-T)」能力を混乱させるスタンド・イン・フォースの能力は、敵の妨害のリスクを低減した状態で、他の部隊が争われている地域(contested area)に出入りする機会を作り出すものである。例えば、スタンド・イン・フォースは海上急襲とセンサーへのマルチ・ドメイン攻撃を組み合わせ、敵の注意をそらし、争われている地域(contested area)に進入するこれら他部隊の感知能力を妨害することができる。
同盟国とパートナーに補完的な能力を提供:Enable Allies and Partners with Complementary Capabilities
スタンド・イン・フォースは、同盟国やパートナーが自国の海洋主権を確保するのを支援する方法と手段を提供するためにデザインされたものである。スタンド・イン・フォースのプレゼンスは、スタンド・イン・フォースが海上の縦深防御の最先端(leading edge of a maritime defense in depth)を担っていることを(提携作戦(partnered operations)、二国間演習(bilateral exercises)、諸兵種連合参謀訓練(combined staff training)などを通じて)適切かつ定期的に示すことと相まって、同盟国やパートナーとの信頼関係を構築するものである。
また、このような活動は、スタンド・イン・フォースとホスト国部隊との関係を深める。このような関係を構築することが、「一体化した抑止(integrated deterrence)」の実現に向けた最初の一歩となる。
スタンド・イン・フォースは永続的プレゼンスを活用して、同盟国やパートナーの海上安全保障上の課題と、潜在的敵対者をどのように抑止する計画かについて、理解を開発し、繰り返し更新している。この理解から、スタンド・イン・フォースは、ホスト国部隊の能力を活用し、提携作戦(partnered operations)でこれらの抑止の取組みを支援する方法を開発する。
スタンド・イン・フォースとホスト国が補完的な能力を適用して行う提携作戦(partnered operations)は、潜在的敵対者に向けられた抑止の大きな機会を提供する。例えば、小規模ながら有能な沿岸警備隊を有するホスト国にとって、スタンド・イン・フォースに備わるインテリジェンス、監視、偵察(ISR)能力は、その抑止効果を最大化する方法で沿岸警備隊の適用に焦点を当てるために利用できる。
スタンド・イン・フォースは、センサー・ネットワークの相互運用性を向上させる機会に常に注意を払う必要がある。理想的には、スタンド・イン・フォースの関係構築により、選択した同盟国やパートナーを、共有センサー・ネットワークを通じて、共通作戦図(common operating picture)に一体化することである[25]。当初、スタンド・イン・フォースは二国間訓練、演習、および提携作戦(partnered operations)において、これを能力として実証することを目指すべきである。到達目標は、時間の経過とともに、これを多国間能力として構築することである。
残存性:Survivability
スタンド・イン・フォースは、「見つけにくく(hard to find)、殺しにくい(hard to kill)」アプローチを適用して、争われている地域(contested area)内部で生き残るようにデザインされている。見つけにくいというのは、スタンド・イン・フォース自体に適用される対偵察戦闘(counter-reconnaissance battle)に勝つということである。
これはまず、潜在的敵対者を理解すること、そして彼らがどのように収集を行うかを理解することから始まる。到達目標は、軽いフットプリント、移動性、機動性、シグネチャ管理(SIGMAN)、そして欺瞞を組み合わせることによって、これらの収集を打ち負かすことである。
スタンド・イン・フォースは、従来人が行っていた作業を自動化し、効果的な作戦に必要な米海兵隊員の数を減らすことで、軽いフットプリントを実現している。例えば、火力支援タスクを自動化すれば、必要な監視員を減らすことができ、その結果、生命維持や移動に必要な量を減らすことができる。このアプローチのデザイン側面には、インテリジェンスの生産、活用、普及(PED)、火力支援タスク、兵站の提供などが含まれる場合がある。
効果的な作戦行動に必要な米海兵隊員数を減らすということは、現在のやり方と比較すると、各米海兵隊員がより多くのタスクをこなす能力を持たなければならないことを意味する。例えば、現在の慣例では、1人の米海兵隊員が無線監視を行い、もう1人がインテリジェンス、監視、偵察(ISR)を管理しているかもしれない。将来は、1人の米海兵隊員が両方のタスクを同時にこなせるようになるかもしれない。
これは、結果として生じるタスクの負荷を管理できるように、自動化を適用する方法についての洞察を与えるものである。また、この例は、スタンド・イン・フォースを行う米海兵隊員の選抜、教育、訓練に必要な変更点のいくつかを示している。個々の米海兵隊員は、拡大された期間にわたって複数のタスクを効果的にこなせるかどうか、評価される必要がある。
そして、その潜在能力を実証した米海兵隊員を教育・訓練することで、複数のタスクを効果的に遂行するために必要なスキルを身につけなければならない。スタンド・イン・フォースのコンセプトの進化に伴い、米海兵隊の教育・訓練プロセスも進化していかなければならない。
スタンド・イン・フォースのデザインは、「回避」のコンセプトを通じて、争われている地域(contested area)内部フットプリントをも軽くする。回避とは、争われている地域(contested area)内部の兵站、維持、人員の支援に依存しない能力を適用することで、スタンド・イン・フォースが効果的に作戦できるようなシステムおよび関連手順を、目的をもって開発することである。
その代わり、これらの支援機能は、争われている地域(contested area)の外部に存在し、外部のベッドダウン・サイトから移動して任務を遂行し、再びベッドダウン・サイトに戻るのに十分な範囲と耐久性を持っている。また、回避とは、特定の人員集約的なプロセスを争われている地域(contested area)の外部に移動させることである。
シグネチャの管理は、スタンド・イン・フォースを見つけにくくするものであり、装備と訓練の両方に影響を与える。潜在的敵対者がどのように戦力を収集するかを知ることは、スタンド・イン・フォース装備の開発に情報を与え、潜在的敵対者がスタンド・イン・フォースのシグネチャを感知することを困難にするようにデザインされるべきである。
スタンド・イン・フォースはまた、検出可能なシグネチャを最小化し、マスクする方法で作戦する必要がある。スタンド・イン・フォースの訓練場には、このシグネチャを感知し、訓練部隊のシグネチャ管理能力に関するフィードバックを提供する能力が必要である。
「殺しにくい(Hard to kill)」とは、敵対者がどのようにターゲティングを行うかを理解し、移動、分散、センサー自体の破壊によってそれらの取組みを否定することによって、敵対者がスタンド・イン・フォースをターゲティングすることを困難にすることである。
例えば、スタンド・イン・フォースは、潜在的敵対者の宇宙戦力がどのように前方の位置に集中するかを学ぶと、センサーが上空を飛行するたびに、位置を変更する変位スケジュールを確立する。分散して作戦することで、スタンド・イン・フォースは敵対者が収集とターゲッティングのリソースをどのように配分するかを決めるのを難しくしている。
欺瞞:Deception
スタンド・イン・フォース・コンセプトを成功させるためには、欺瞞を理解することが重要である。欺瞞は、欺瞞ストーリーから始まる。これは、欺瞞ターゲットに望ましい知覚を持たせるために描かれる行動や能力の概要のことである。欺瞞のターゲットとは、欺瞞計画の焦点となる政治的、経済的、軍事的意思決定者である[26]。
ターゲットのインテリジェンス、監視、偵察ネットワークは、意思決定者に欺瞞のストーリーを伝えるために使われるチャンネルである(これには技術的、非技術的な収集手段と、人々が配信のために情報を処理しパッケージ化する方法の両方が含まれる)。
欺瞞は、欺瞞者の任務の達成に寄与する特定の行動(または不作為)を、ターゲットとなる意思決定者に取らせるという、望ましい結果を得るために使用される[27]。偵察戦闘(reconnaissance battle)に勝つために、スタンド・イン・フォースはライバルの欺瞞の取組みに勝たなければならない。対偵察戦闘(counter-reconnaissance battle)に勝つためには、スタンド・イン・フォースはライバルの部隊についての収集の取組みに打ち勝たなければならない。スタンド・イン・フォースの活動を覆い隠すために、欺瞞は重要な役割を担っている[28]。
戦略・作戦レベルでは、スタンド・イン・フォースはライバルの意思決定者を躊躇させるために、より高度な欺瞞計画に貢献することになる。作戦・戦術レベルでは、スタンド・イン・フォースは争われている地域(contested area)内部での残存能力を高めるために、混乱した状況を提示する必要がある。スタンド・イン・フォースの欺瞞は、ライバルにエネルギーとリソースを消費させ、欺瞞の霧を突き破ろうとするコストを強いることになる。
また、欺瞞は、武力紛争時だけでなく、連続した戦略的競争において、潜在的敵対者のアプローチの重要な要素である。彼らは、自分たちの真の到達目標をあいまいにするメッセージを作り、そのメッセージを国力のあらゆる要素にまたがる利用可能なあらゆるチャネルを通じて強化する。
これらのライバルは、スタンド・イン・フォースに対して、自分たちの真の意図と行動を隠すような図を見せようとする。これは、スプーフィング、ジャミング、マルチ・ドメイン・デコイ(物理、EMS、サイバーなど)のような技術の適用によって起こるため、全ドメインに大きな影響を及ぼす。
欺瞞は、作戦環境における不変の特徴である。中華人民共和国(PRC)とロシアは近年、欺瞞を駆使して混乱を引き起こし、十分なためらいを与えて対応を遅らせ、武力紛争を引き起こすことなく到達目標を達成している。
スタンド・イン・フォースは、武力紛争が発生してもすぐにターゲットにされないよう、コンタクト層で欺く必要がある。このため、暴力の閾値以下の欺瞞を実践することが、スタンド・イン・フォースの全体的な復元性に大きな役割を果たす(図解は灰色の枠内を参照)。
後方支援:Sustainment
スタンド・イン・フォースのコンセプトは、兵站に関する回避と冗長性の考え方に依拠している。つまり、争われている地域(contested area)内部で兵站を持続させるためには、スタンド・イン・フォースはそもそも、兵站を重視するシステムをそこに配置することを避けるべきであるということである。その代わり、物流量の多いシステムは、可能な限り争われている地域(contested area)の外部で寝かせるべきである。
争われている地域(contested area)内部で後方支援をする必要がある場合、米海兵隊員は、成熟した精密打撃体制(mature precision-strike regime :MPSR)の殺傷力を克服するために、必要な各要素の支援を得るための2つ以上の方法を計画するという観点から考える必要がある。
争われている地域(contested area)内部で行われる永続性には、既存の技術に対する新たなアプローチと、以下のような新たな能力の開発が必要である。
- 自動化とデータ・サイエンスの適用による供給流通の強化。例えば、予防保守(predictive maintenance)を行うために必要な補修部品を機械学習で特定し、それを無人システムで配送することで、配分の強化が実現できるかもしれない。
- スタンド・イン・フォースのデザインから雇用まである。スタンド・イン・フォースのライフサイクル全体における需要削減。例えば、ハイブリッド車や完全電気自動車のようなデザイン上の特徴を盛り込むことで、将来の燃料需要を削減できる一方、供給規律のベストプラクティスに関する重点的な訓練により、短期的な需要を削減することも可能である。
- スタンド・イン・フォースの投射と維持を可能にする高度な米海軍基地として機能するハード化・復元性のある施設。
- 必要な在庫と装備を厳選したホスト国に配備する。敵対者の収集を破壊するため、この物資は、現地の適度な商業アセットで輸送できる共通のコンテナに収容し、頻繁に移動できるようにし、比較的安価で豊富なデコイを使用できるようにすべきである。
- 適切な供給者のいない作戦地域での流通に関連する課題を回避するための現地契約。契約は、敵対者の収集に脆弱なシグネチャを提供するが、これは欺瞞とシグネチャ管理計画によって軽減することができる。
- 必要な時に必要な能力を構成すること、または組み立てること。モジュラー・システム、ソフトウェア定義機能、積層造形(additive manufacturing)(3D印刷)はすべて、こうした機能を実現するためのツールであり、情報や物資の流れを削減するものでもある。
- 争われている地域(contested area)内部のスタンド・イン・フォースと争われている地域(contested area)外部の配信ノードを結ぶことができる小型で豊富な船舶と、敵対者の収集を欺き、遅らせるためのマルチ・ドメイン・デコイを組み合わせる。スタンド・イン・フォースは、民間船舶免許を持つ米海兵隊員による商業船舶のリースなど、これらの船舶の選択肢を拡大する必要がある。
- 敵対者の収集を局所的かつ一時的に撃破することで、争われている地域(contested area)にレーンを作り、永続的な物資の供給と米海軍および統合の兵站事業体への接続を可能にする。
結論:Conclusion
第二次世界大戦中と戦後、米国の統合部隊は、通常兵力を地球上のほぼどこにでも投射できる能力を身につけた。この間、潜在的な敵対者がその戦力投射を妨害することは(不可能ではないにしても)困難であった。
成熟した精密打撃体制(mature precision-strike regime :MPSR)の普及と米国の手法の綿密な研究により、効果的な対介入戦略(counter-intervention strategies)が開発された。スタンド・イン・フォースのコンセプトは、この進化を認識し、相対的な優位性を統合部隊に戻そうとするものである。
スタンド・イン・フォースのデザインと開発には、以下に挙げるような教訓がある。
- スタンド・イン・フォースは、永続的な海上偵察と対偵察の機能を包含している。この機能を成功させるには、全軍が貢献し、スタンド・イン・フォースはこれを基礎として人員配置、訓練、装備されなければならない。したがって、スタンド・イン・フォースは、艦隊および統合部隊と直接情報を共有するために必要なシステムおよびプロセスを備えていなければならない。
- スタンド・イン・フォースは、艦隊および統合部隊指揮官のために海上戦闘空間(maritime battlespace)を拡大する。そのためにスタンド・イン・フォースは、武力紛争時に奇襲を防ぎ、海上戦闘空間(maritime battlespace)の縦深で敵を効果的に攻撃するために十分な、組織、統合、パートナーの「インテリジェンス、監視、偵察、ターゲット(ISR-T)」のネットワークを拡張する。
- 西太平洋の艦隊のための海上偵察は、長距離をカバーするスタンド・イン・フォースの必要性を意味する。前述したように、最先端は通常、無人プラットフォームで構成されることになる。そして、これらのシステムは、偵察機として適切に機能するための範囲と耐久性を有していなければならない。このコンセプトが意図したとおりに機能するためには、戦力開発は、航続距離と永続性の要件を満たすために、数日から数週間で測定される耐久性を備えた無人航空機、地表、地中のシステムを提供する必要がある。
- スタンド・イン・フォースは、既存および新規の米海軍および統合指揮・統制(例:統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)、米海軍プロジェクト・オーバーマッチ、空軍先進戦闘管理システム(ABMS)、など)に一体化される。新しいアプローチは、火災の調整の方法を変える可能性がある。火力の要請と承認は、自動化と機械学習による意思決定補助の適用により、平坦化される。致死性ある火力を提供し、ターゲットを攻撃するのに最適な位置にいるプラットフォームは、自動化されたプロセスに従って要求に直接対応することになる。スタンド・イン・フォースの開発は、このような変化を予測する必要がある。
- スタンド・イン・フォースは、物理的および仮想的(サイバーおよびEMS)なデコイを展開するなど、競争の連続体(competition continuum)におけるあらゆるポイントで欺瞞作戦を行う。
- スタンド・イン・フォースは、敵対者の欺瞞の取組みに対抗するためにセンサーを局所的に調整する能力など、敵対者のそれらを欺瞞する取組みを認識し、克服することができる。
- スタンド・イン・フォースの後方支援は、回避と冗長性に依存する。
- スタンド・イン・フォースの戦力構築を支援する訓練場と射撃場は、全ドメインの欺瞞作戦の実践、シグマンの測定とフィードバック、米海軍と統合のキル・ウェブへの接続(またはシミュレーション)、分散作戦の遂行を可能にする。訓練場と実弾射撃場は、仮想的・建設的訓練の利用を増やすことで補完できる。
スタンド・イン・フォースは前方に留まり、同盟国やパートナーと共に作戦し、海上の縦深防御の最先端(leading edge of a maritime defense in depth)を確立する。スタンド・イン・フォースは艦隊の目となり耳となり、戦闘空間(battlespace)に縦深を加えて、潜在的敵対者の海上アセットを危険にさらし、聖域を与えないようにする。
スタンド・イン・フォースは同盟国やパートナーを力づけ、彼らの取組みを補完することで、侵略の抑止や悪意ある活動(malign activity)への対処を支援する。スタンド・イン・フォースは指示されれば、敵対者のテンポとタイミングを狂わせる海上拒否作戦(sea denial operations)を行う。スタンド・イン・フォースは敵対者の計画を混乱させ、米国とその同盟国やパートナーは相対的な優位性を取り戻すことができる。
ノート
[1] ADM James D. Watkins, USN, as quoted in John B. Hattendorf, D.Phil., and Peter M. Swartz, Editors, “U.S. Naval Strategy in the 1980s: Selected Documents,” Newport Papers 33, Naval War College Press, 2008, p. 212.
[2] Gen David H. Berger, USMC, “The Case for Change: Meeting the Principal Challenges Facing the Corps,” Marine Corps Gazette, June 2020, pp. 8-9. The trend toward the increasing range and lethal effect of military technology is a common element of the history of modern warfare. Accompanying the development of range and lethality at every stage has been the advance of the ability to apply that lethality effectively to military ends through the necessary command, control, communications, computer, intelligence, surveillance, and reconnaissance (C4ISR) organizations and technologies. These trends are very long standing.
[3] MCDP 1, p. 72.
[4] Stand-in forces do not need organic capability in each domain. Rather, they need the ability to integrate all domains into their operations, and collections efforts. SIF must be able to see where gaps in collections exist in any domain so that they can act decisively to eliminate those gaps.
[5] CPG, p. 10.
[6] Office of the Director of National Intelligence, Annual Threat Assessment of the U.S. Intelligence Committee, 9 April 2021, pp. 6-8.
[7] Gen David, H. Berger. USMC, ”The Case for Change”. 6 Aug 2020. https://mca-marines.org/wp-content/uploads/The-Case-for-Change.pdf, accessed 1 Dec 2021.
[8] Nicole Thomas, et al., “What the United States Military Can Learn from the Nagorno-Karabakh War,” Small Wars Journal, pp. 8-9, https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/what-united-states-military-can-learn-nagorno-karabakh-war, accessed 8 Apr 2021.
[9] Gen David H. Berger, USMC, ADM Michael M. Gilday, USN, and ADM Karl l. Schultz, USCG, Naval Doctrine Publication (NDP) 1, Naval Warfare, p. 54.
[10] Something that has already happened or been done and presumably cannot be changed, Cambridge English Language Dictionary, https://dictionary.cambridge.org/us/dictionary/english/fait-accompli, accessed 5 July 2021.
[11] President Joseph R. Biden, Jr., Interim National Security Strategic Guidance, March 2021, p. 10.
[12] Two actors determine if a defense is “credible.” The first (and most important) actor is the potential adversary, or the actor the U.S. wants to deter. The potential aggressor must believe in the effectiveness of the defense enough so that they do not take the unwanted action. The second actor is the ally or partner the defense is intended to protect. They must believe in the effectiveness of the defense enough that they will be willing partners in establishing it.
[13] For a more complete description of the threshold of violence on the competition continuum, see MCDP 1-4 Competing, pp. 2-19 to 2-20.
[14] Consistent with Michael J. Mazzar, “Understanding Deterrence,” RAND, 1-2, this concept defines deterrence as the practice of discouraging or restraining someone (usually a nation-state) from taking unwanted actions, such as an armed attack. It involves an effort to stop or prevent an action, as opposed to the closely related but distinct concept of “compellence,” which is an effort to force an actor to do something. Deterrence by denial tries to deter an action by making it infeasible or unlikely to succeed. Deterrence by punishment threatens severe penalties (including nuclear attack or economic sanctions) if the action does occur.
[15] DARPA, “Creating Cross-Domain Kill Webs in Real Time,” https://www.darpa.mil/news-events/2020-09-18a, accessed 21 May 2021.
[16] Wayne Hughes, Fleet Tactics: Theory and Practice. Annapolis, MD: U.S. Naval Institute, 1986.
[17] 2018年の米国の国防戦略で世界規模の作戦モデル(Global operating model)の考えが示された。その中で、米国と敵対する国家との地政学的な関係性としてコンタクト層、ブラント層、サージ層、ホームランド層の4層が示されている。この4つの層の意味合いは、①武力紛争のレベル以下で、より効果的に競争できるようにする。(コンタクト層)②敵対者の攻撃を遅延させ、劣化させ、または拒否する。(ブラント層)③戦争に勝利した部隊を急増させ紛争の段階的拡大を管理する。(サージ層)④米国本土を防衛する。(ホームランド層)である。(引用:https://www.marines.mil/News/News-Display/Article/2708002/dynamic-force-employment/)
【参考記事】https://warontherocks.com/2018/10/not-yet-openly-at-war-but-still-mostly-at-peace-the-marine-corps-roles-and-missions-in-and-around-key-maritime-terrain/
[18] Per NDP-1, p. 51, “Command arrangements include decisions made with respect to how forces are task-organized, what tasks each formation is assigned, what area of operations they are responsible for, who commands the different formations, and the command relationships among commanders.”
[19] Thomas G. Mahnken et. al., Deterrence by Detection: A Key Role for Unmanned Aircraft Systems in Great Power Competition, CSBA, 2020, pp 6-9.
[20] Gen David Berger, “The Marine Corps and the Future of Warfare,” The Brookings Institute, 18 May 2021, https://www.brookings.edu/events/the- marine-corps-and-the-future-of-warfare/, accessed 14 June 2021.
[21] GEN Donn A. Starry, “Extending the Battlefield,” Military Review, March 1981, p. 32.
[22] Nathan Palisca, What Do We Mean When We Say “Fight For Information”? https://www.benning.army.mil/armor/eARMOR/content/issues/2017/ Summer/pdf/3Palisca17.pdf, accessed 30 April 2021.
[23] These five dimension include: (1) seaward (both surface and subsurface); (2) landward (both surface and subterranean); (3) the airspace above; (4) cyberspace; and (5) the electromagnetic spectrum.
[24] Starry, “Extending the Battlefield,” p. 38.
[25] Matthew Kosnar, et al., Costs, Risks, and Benefits of U.S. Force Posture Options, NDU Paper, 2013, p. 52.
[26] Marine Corps Warfighting Publication 5-10 (MCWP 5-10) Marine Corps Planning Process, 10 August 2020, pp. 169-170.
[27] Jonathan F. Solomon, “Maritime Deception and Concealment: Concepts for Defeating Wide-Area Oceanic Surveillance-Reconnaissance-Strike Networks,” Naval War College Review, Vol. 66 No. 4, Autumn 2013, p. 7.
[28] Chairman of the Joint Chiefs of Staff Instruction 3211.01 establishes the review criteria for deception concepts and plans. Deception planners must follow the specific administrative and security procedures established by that document to ensure that their plans are approved by the appropriate authority. For further discussion of deception operations, see Joint Publication 3-13.4, Military Deception.