プロジェクト・コンバージェンス:統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)実験の場 Joint Force Quarterly

2022年10月時点のJoint Doctrine Hierarchy Chartが示すように、統合用兵コンセプト(Joint Warfighting Concept)を頂点とする統合のドクトリン体系が概ね整備が整っているようである。この統合ドクトリンの体系化が進む中で、各軍種のドクトリンの開発が進んでいるだろうことが類推される。その表れが米陸軍の「FM 3-0 Operations」であろう。統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)は、2020年の11月に「統合全ドメイン指揮統制(JADC2)」掲載したように統合作戦を基本とする中にあって全てのドメインを跨る指揮・統制の考え方でありその方法論である。各軍種は、それぞれ統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)を推進する上で課題を抽出し、米空軍は高度戦闘管理システム(Advanced Battle Management System:ABMS)を、米海軍は戦術ネットワーク構築プロジェクト「Project Overmatch」を、米陸軍は「Project Convergence」を、それぞれの取組みとして研究・開発等を行ってきている。米陸軍の「Project Convergence」については2020年11月に「米陸軍のプロジェクト・コンバージェンス」として既に紹介してきている。ここでは、2022年現在の米陸軍の「Project Convergence」について、Joint Force Quarterlyに掲載されている米陸軍将来コマンド(Army Futures Command)の副司令官の記事を紹介する。(軍治)

プロジェクト・コンバージェンス:統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)実験の場

Project Convergence: A Venue for Joint All-Domain Command and Control Experimentation

By James M. Richardson

Joint Force Quarterly 107の記事から

ジェームズ・M・リチャードソン米陸軍中将は、米陸軍将来コマンドの副司令官である。

2021年11月11日、アリゾナ州ユマ試験場にて、プロジェクト・コンバージェンス21に向けてMQ-1Cグレーイーグルの整備を行う224軍事インテリジェンス大隊所属のテリー・ハリウッド(Terry Hollywood)上等兵(写真:米陸軍マリタ・シュワブ(Marita Schwab))。

あなた方はたくさんの実験をしている。どこが重要なのか、教えてください。人を繋ぎ、情報処理を動かすことが、作戦上の結果にとって重要であることを教えてください。

-米空軍長官 フランク・ケンドール(Frank Kendall)3世[1]

2030年、2040年、あるいはそれ以降の将来の紛争で成功するために、統合部隊は今何をする必要があるのだろうか。その答えは明らかだ。我々は、将来の作戦環境の特徴(物理的環境、脅威、技術の状態など)を評価しなければならない。そして、その環境下でどのように作戦するかのコンセプトを開発し、試験し、改良しなければならない。また、そのような環境下で、いかなる敵対者に対してわが軍種の要員が優位性を得られるような統合能力(joint capabilities)を開発し、提供しなければならない。これらはいずれも、実験なしには実現しない。我々は共に学び、失敗し、また学び、そして失敗し、最終的に成功させなければならない。

我々は統合チーム(joint team)として闘うので、統合チーム(joint team)として実験しなければならない。我々は、統合部隊指揮官が統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)を実行できるようにするための能力を試し、評価しなければならない。統合全ドメイン指揮・統制(JADC2) とは、コンセプトであると同時に、「全ての用兵ドメイン、電磁スペクトラム全体にわたって統合部隊を指揮し、地球上 のいつでもどこでも、あらゆる敵対者を抑止し、必要であれば撃退するために必要な能力」である[2]。 この分析は、要件を書き、技術を調達するという点で行動に結びつかなければならない。

各軍種が進んで実験に協力することは不可能だと考える人もいるかもしれない。私はもっと楽観的で、プロジェクト・コンバージェンス(PC)を例として挙げる。過去2年間、米陸軍、米海兵隊、米海軍、米空軍、宇宙軍、米特殊作戦コマンドは、プロジェクト・コンバージェンス(PC)を通じて一体化した実験の名の下に協力し、協働してきた。本稿では、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)を戦術レベルから作戦レベルへと進化させるための統合実験(joint experimentation)の場として、プロジェクト・コンバージェンスがどのように生まれたかを説明する。

2020 年夏に初めて実施されたプロジェクト・コンバージェンス(PC)は、米陸軍の問題を解決するための年次キャップストーン実験として始まったが、必ずしも統合の問題を解決する必要はない。しかし、プロジェクト・コンバージェンス(PC)への道は、米陸軍が中核となる6つの近代化優先事項を設定し、8つの機能横断チーム(CFT)を立ち上げた数年前に始まった[3]

2018年11月、当時のマーク・T. エスパー(Mark T. Esper)米陸軍長官とマーク・ミリー(Mark Milley)米陸軍参謀総長は米陸軍戦略(TAS)を発表し、軍種の4つの取組みの目標(lines of effort)の1つとして近代化を打ち出した。他の項目は、即応性の構築、改革、同盟とパートナーシップの強化であった[4]。 同年、米陸軍は1973年以来の新しい四つ星将軍の本部である米陸軍将来コマンド(Army Futures Command, AFC)を設立した。その任務は、将来戦力近代化事業全体の近代化を同期化し、一体化することである[5]

米陸軍将来コマンド(AFC)は、機能横断チーム(CFT)に加え、将来コンセプト・センター、統合近代化コマンド、研究分析センター、戦闘能力開発コマンド、医療研究開発コマンドなど既存の組織に対する指揮権を得た。

米陸軍の研究所と会戦研究所(battle laboratories)は、今や米陸軍将来コマンド(AFC)の傘下に入っている。各研究所では、膨大な量の装備実験やコンセプト実験が行われていた。問題は、この実験がどこにつながり、米陸軍の近代化優先課題にどのように一体化されたかということであった。その答えは残念なもので、取組みは必ずしもどこかにつながっているわけではなく、米陸軍の優先課題と常に結び付いているわけでもなかった。米陸軍将来コマンド(AFC)は、これらの研究所の指揮の統一を引き受け、米陸軍近代化事業全体の取組みの統一を図ることができる単一の本部であり、この問題を解決する態勢を整えていた。

2020 年初めにホワイトボードに書かれたアイデアから始まった「プロジェクト・コンバージェンス(Project Convergence)」は、他のすべての実験の狙いとする目標(aim point)となった。我々は、米陸軍のセンサー、指揮統制(C2)ノード、シューターを戦術レベルで結びつけ、「最初に見て、理解し、決定し、行動できた者が勝つ[6]」という前提のもと、より迅速な意思決定を可能にしようと試みた。 アリゾナ州ユマで1ヶ月間、兵士、科学者、産業界が一体となって、戦術的シナリオの圧力のもと、有望な技術を実験的に使用した。

プロジェクト・コンバージェンス2020での実験は、地上を中心とした初歩的なものであったことを、私は最初に認める。我々は現実的な戦術シナリオを開発し、ロボット戦闘車両(空と地上)、自律性スタック、データ・ファブリック、兵器とターゲットのペアリング技術、長距離精密弾薬などの技術を一体化した。

※【訳者註】 データ・ファブリックとは、オンプレミス、クラウド、エッジデバイスに点在するデータを取込・連携・管理する技術のこと。データ・ファブリックによって、さまざまな場所に散らばるデータを単一の環境で管理できるようになり、データ管理にかかる業務負担を軽減できる。(引用:https://persol-tech-s.co.jp/hatalabo/it_engineer/600.html)

プロジェクト・コンバージェンス20(PC20) では多くのことを学んだが、最も大きな収穫は、統合パートナーとの連携が必要だということである。米陸軍のセンサー、指揮・統制(C2)ノード、シューターをつなぐだけでは不十分で、将来どのように闘うかはおろか、現在の闘い方さえも反映していないことがよくわかった。どの軍種も単独で闘うことはない。我々は統合チームとして闘う。今後、我々はプロジェクト・コンバージェンス(PC)を変更する必要があった。

プロジェクト・コンバージェンス20(PC20)が終了するとすぐに、米陸軍将来コマンド(AFC)はプロジェクト・コンバージェンス21(PC21)の計画策定を始めた。我々はすべての統合パートナーに連絡を取り、プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)に参加して、自分たちの実験目標を推進するために使ってほしいと呼びかけた。その際、米陸軍が「サンド・ボックス」を提供し、軍種を超えて技術を一体化することに合意すれば、誰でも自由に参加できるという前提があった。

そして、全員がそれを受け入れた。米陸軍参謀総長ジェームズ・C・マッコンビル(James C. McConville)米陸軍大将の言葉を借りれば、プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)とその後の反復により、統合部隊は「将来の決心の支配と大国間競争におけるオーバーマッチに必要となる最先端技術のスピード、範囲、収束(convergence)」を発見することができるようになるのである[7]

2021年10月26日、アリゾナ州ユマ試験場にて、プロジェクト・コンバージェンス21の一環として、第82空挺団の一体型視覚補強システム対応空襲チームによるホイスト作業中に、米陸軍航空医療研究所の飛行システム部門の要員が荷重安定システム-リッターアタッチを実演(写真:米陸軍スコット C. チャイルドレス(Scott C. Childress))。

軍種実験のニーズが満たされていることを確認する仕組みとして、プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)までの毎月、各パートナーの三ツ星の将官の代表を含む統合理事会(JBOD)を開催した。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)の諸経費の大部分は米陸軍が負担したが、各パートナーは独自の技術と参加に資金を提供した。

プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)の実験では、統合理事会(JBOD)で合意された7つの統合ユース・ケースに焦点を当てた。ユース・ケースとは、戦術的なシナリオや問題にほかならない。統合防空ミサイル防衛はその一例である。各ユース・ケースには、全軍種のセンサー、指揮・統制(C2)ノード、シューターの組み合わせが含まれている。

我々の最大の課題は、データの移動と運用権限の取得、翻訳機、そして国防総省ネットワーク上でデータを運用・共有するための180以上の技術に関するクロスドメイン・ソリューションであることは分かっていた。実験の数ヶ月前から、各軍種は各ユース・ケースに導入する技術を指定し、米陸軍将来コマンド(AFC)の運用およびシステム設計者はそれらの技術のマッピングを開始した。

メリーランド州アバディーン実験場にある統合システム一体化研究所で、実験室ベースのリスク低減イベントを複数回実施し、ネットワーク・デザインの検証と正確なエンド・ツー・エンドのデータ・フローを確保した。

我々が確立した統合ガバナンスと、ユマやニューメキシコ州のホワイト・サンズ・ミサイル発射場の研究所や地上での軍人、民間人、産業界のパートナーたちの多大な努力のおかげで、プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)は大成功を収めることができた。

しかし、成功とは、ユマで何を達成できたかだけではなく、何を達成できなかったか、そしてそれがどのように変化を促したかということである。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)で得た大きな収穫のひとつは、我々がデータについて正しく理解していなかったということである。我々は「データは新しい弾薬だ」と喧伝しているが、統合部隊として戦場空間に入り、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)を実現するためのデータをシームレスに交換することができないままなのである。

我々は、何十年も前のポイント・ツー・ポイントのデータ標準を未だに活用している。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)は、明日の闘いには不十分な複数のデータ標準を特定し、その勧告を統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)機能横断チーム(CFT)に直接伝え、対処してもらう場を提供し、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)に対するボトムアップ・アプローチの価値を証明してくれた。さらに米陸軍では、システムの一体化とデータ中心主義を試作前に確実に実現するために、軍種の要求プロセスの見直しが始まっている。

プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)から学んだその他の主な教訓は、新しい要件文書の作成と、すでに承認された要件文書の調整の両方を推進した。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)では、各軍種全体の一体化を実現し、マシン間(machine-to-machine)のスピードを向上させるために、共通のデータ標準、メッセージ・フォーマット、単一データ・ファブリック能力を開発・施行する必要があることが確認された。この発見は、共通のデータ・ファブリックをサポートするための要件文書(Project Rainmaker[8])の開発に大きな影響を与えた。

プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)では、統合の一体化された火力統制ネットワーク-米陸軍統合防空ネットワーク(Army Integrated Air and Missile Defense)-の必要性がさらに強調され、この火力ネットワークに対する軍種の貢献が明らかにされた。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)はまた、科学技術から技術成熟化構想の開発へと移行する段階にある有望な技術、すなわちターゲットと兵器のペアリング・プロセスの自動化(FIRESTORM[9])と、長距離効果に対する決心スピードの増加を支援するツール(SHOT[10])にもスポットを当てた。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)により、各軍は統合共通作戦図(JCOP)の開発に影響を与え、統合全ドメイン状況認識ソリューションを改善することができた。

特に、「全世界指揮統制システム-統合(Global Command and Control System–Joint:GCCS-J)」に代わる可能性のある「指揮所コンピューティング環境(Command Post Computing Environment:CPCE)」の双方向伝送と相互運用性を調査、試験、評価することができた。試験した5つのデータ・ファブリックはいずれも必要な成熟度を満たしておらず、軍種間の情報共有の橋渡しをするクロスドメイン・ソリューションは相互運用性を向上させるものの、単一障害点(single points of failure)となるなど、この機会に達成すべき課題が多いことが分かった。

最後に、プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)は、統合部隊のすべての活動において戦術ネットワークが重要であることを改めて示した。プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)は、戦術ネットワークが作戦の重心であり、関連性のあるスピードでネットワークを進化させ続ける必要があることを証明した。

プロジェクト・コンバージェンスは、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)の意図の達成を支援するための新たな技術スキルを持つ兵士の必要性を裏付ける能力不足も特定している。これには、将来の戦闘作戦を可能にするデータ・サイエンスやアジャイル・ソフトウェア開発の熟練度を高めた兵士が含まれる。

このニーズに応えるため、人工知能一体化センター(AI2C)や米陸軍ソフトウェア工場(ASWF)は、兵役中の技術的才能を持つ兵士を特定・募集し、任務遂行の近代化と実際の問題解決のためにアジャイルツールとデータサイエンスを採用するよう指導している。米陸軍将来コマンド(AFC)は、人工知能一体化センター(AI2C)や米陸軍ソフトウェア工場(ASWF)などの組織を引き続き指導・支援し、将来の部隊設計を試作するために重要なスキルセットを持つ兵士を指導していく。

米空軍長官のフランク・ケンドール3世(Frank Kendall III)は、「人をつなぎ、情報を処理し、作戦に影響を与えるような実験をしなければならない」と述べている。プロジェクト・コンバージェンスは、我々がシステム・オブ・システムのアプローチを採用し、軍種間の相互運用性を達成するために、翻訳機のような縛り付けられたソリューション(strap-on solutions)から脱却しなければならないことを一貫して思い起こさせる。その代わりに、統合部隊や同盟国とのシステムの完全な一体化を達成することを狙いとして、要件を記述する必要がある。

クリスティン・ウォーマス(Christine Wormuth)米陸軍長官とマッコンビル(McConville)米陸軍大将は2022年5月、上院軍事委員会で、プロジェクト・コンバージェンス21(PC21)には米陸軍、米海兵隊、米海軍、米空軍、米宇宙軍から1500人近くが参加し、15年間で最大の統合部隊実験となったと証言している[11]。 プロジェクト・コンバージェンス(PC)は、この実験の重要な信条である。この実験では、あらゆるセンサー、最高のシューター、適切な指揮・統制(C2)ノードを使用してデータを融合し、センサーからシューターまでの時間を短縮する機会を統合部隊に与えている。

プロジェクト・コンバージェンス(PC)の間、F-35Bを地上のシューターと一体化して、キル・ウェブを完成させた。また、センサーからシューターまでのスピードを数分から数秒に向上させたケースもある。コンバージェンス・プロジェクトは、作戦上の重要な課題を解決するための新技術を試す場を、何度も何度も各軍種に提供している。

2021年11月11日、アリゾナ州ユマ試験場にて、プロジェクト・コンバージェンス21に向けてMQ-1Cグレーイーグルの整備を行う224軍事インテリジェンス大隊所属のテリー・ハリウッド(Terry Hollywood)上等兵(写真:米陸軍マリタ・シュワブ(Marita Schwab))。

プロジェクト・コンバージェンスの学習キャンペーン(campaign of learning)に関連する多くの成功や教訓にもかかわらず、統合部隊全体から多くの批判や誤解が存在する。なぜ米陸軍が統合実験を主導するのか、という疑問もある。また、他の軍種は何をしているのかと問う者もいる。さらに、プロジェクト・コンバージェンス(PC)は単に一連の科学実験がうまくいくかどうかを確認するために行われたものなのか、と問う人もいる。

各軍種は、将来のプラットフォームを一体化するために実験が必要であることを認識しており、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)(既存のセンサーとシューターを全ドメインで利用可能なデータに接続するドメインと統制システム)に貢献するために独自の主要な実験を実施している。すべての実験が必要だが、プロジェクト・コンバージェンス(PC)は全ドメインにわたるガバナンスと実行の統合性を活用することで、微妙かつ貴重な違いを提供する。

この記事が掲載される頃、我々はプロジェクト・コンバージェンスの第3段階であるプロジェクト・コンバージェンス22(PC22)の実施を目前に控えている。プロジェクト・コンバージェンス22(PC22)は、大規模な戦闘作戦(large-scale combat operations)で敵対者を打ち負かす能力を開発することを狙いとした統合部隊の実験で、ユース・ケースの規模と複雑性を高めることで昨年達成した成果を基に実施される予定である。

さらに、プロジェクト・コンバージェンス22(PC22)では、最も親しい同盟国やパートナーを参加者やオブザーバーとして迎えている。2022年1月には、統合理事会(JBOD)が拡大し、軍種に加えて、オーストラリア、カナダ、イギリスのパートナーが参加する合同統合理事会(Combined JBOD)となった。

プロジェクト・コンバージェンス22(PC22)では、2つのシナリオが中心となっている。1つ目はインド太平洋シナリオの実験で、米国西海岸を舞台に統合部隊の各所で再現される。もう1つは、米国南西部の砂漠を舞台にした欧州シナリオの実験である。どちらのシナリオでも、何百もの有望な技術を挿入・一体化し、それらの技術が提供する能力の拡張性と容量を評価し、失敗するところに焦点を当てる。

我々は、国家と、将来危険にさらされることになるすべての軍種の要員に、統合で一体化された実験を行う義務がある。プロジェクト・コンバージェンスは、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)の進化を伝える場として登場した。コンバージェンス・プロジェクトは、統合全ドメイン指揮・統制(JADC2)の進化を伝える場として生まれ、最先端技術のスピード、範囲、収束(convergence)を検証することにより、決心の優位性を達成することを可能にする。

さらに、プロジェクト・コンバージェンス(PC)は統合部隊全体、および同盟国やパートナーとの間で実験を行うための枠組みを提供する。次の戦争がいつ起こるかわからないが、プロジェクト・コンバージェンスが提供する実験によって、大国間の競争においてオーバーマッチを達成するための適切な能力を備えた適切な軍事組織を持つことができるのである。

ノート

[1] Air & Space Forces Association, “Air and Space Leaders in Action with Air Force Secretary Frank Kendall,” video, 1:01:27, June 27, 2022, available at <https://www.youtube.com/watch?v=pEshjxYEd-c>.

[2] ummary of the Joint All-Domain Command & Control (JADC2) Strategy (Washington, DC: Department of Defense, March 2022), available at <https://media.defense.gov/2022/Mar/17/2002958406/-1/-1/1/SUMMARY-OF-THE-JOINT-ALL-DOMAIN-COMMAND-AND-CONTROL-STRATEGY.PDF>.

[3] Ryan D. McCarthy and Mark A. Milley, “Modernization Priorities for the United States Army,” October 3, 2017, available at <https://vtol.org/files/dmfile/10062017_Army_Modernization1.pdf>. This document established six Army modernization priorities: long-range precision fires, next-generation combat vehicle, future vertical lift platforms, Army network, air and missile defense capabilities, and Soldier lethality. Also see Army Directive 2017-24, Cross-Functional Team Pilot in Support of Materiel Development (Washington, DC: Headquarters Department of the Army, October 6, 2017), available at <https://armypubs.army.mil/epubs/DR_pubs/DR_a/pdf/web/ARN6101_AD2017-24_Web_Final.pdf>. This directive established eight cross-functional teams: long-range precisions fires; next-generation combat vehicle; future vertical lift; network command, control, communication, and intelligence; assured positioning, navigation, and timing; air and missile defense; Soldier lethality; and synthetic training environment.

[4] The Army Strategy (Washington, DC: Headquarters Department of the Army, October 25, 2018), available at <https://www.army.mil/e2/downloads/rv7/the_army_strategy_2018.pdf>.

[5] General Orders No. 2018-10, Establishment of United States Army Futures Command (Washington, DC: Headquarters Department of the Army, June 4, 2018), available at <ARN11199_GO1810_FINAL.pdf>.

[6] U.S. Army, “Project Convergence: A Campaign of Learning,” video, 3:39, September 24, 2020, available at<https://www.youtube.com/watch?v=VbReHneabGw>.

[7] “Army Releases Information Paper on Multi-Domain Transformation,” U.S. Army Public Affairs, March 23, 2021, available at <https://www.army.mil/article/244543/army_releases_information_paper_on_multi_domain_transformation>.

[8] Sydney J. Freedberg, Jr., “Project Rainmaker: Army Weaves ‘Data Fabric’ to Link Joint Networks,” Breaking Defense, November 17, 2020, available at <https://breakingdefense.com/2020/11/project-rainmaker-army-weaves-data-fabric-to-link-joint-networks/>.

[9] Kris Osborn, “Firestorm: We Watched the U.S. Army’s New AI System Fight a Simulated War,” The National Interest, September 26, 2020, available at <https://nationalinterest.org/blog/buzz/firestorm-we-watched-us-armys-new-ai-system-fight-simulated-war-169669>.

[10] Ray Alderman, “How Rainmaker, Prometheus, FIRESTORM, and SHOT AI Algorithms Enable the Kill Web,” Military Embedded, December 23, 2021, available at <https://militaryembedded.com/radar-ew/sensors/how-rainmaker-prometheus-firestorm-and-shot-ai-algorithms-enable-the-kill-web>.

[11] Statement by The Honorable Christine E. Wormuth, Secretary of the Army, and General James C. McConville, Chief of Staff United States Army, Before the Committee on Armed Services, On the Posture of the United States Army, U.S. Senate, 117th Cong., 2nd sess., May 5, 2022, available at <https://www.army.mil/e2/downloads/rv7/aps/aps_2022.pdf>.