ウクライナから将来の軍隊への教訓(第7章) (The Army War College)

MILTERMで、既に紹介しているウクライナから将来の軍隊への教訓(序章から第1章まで)(The US Army War College)ウクライナから将来の軍隊への教訓(第2章から第3章まで)(The US Army War College)ウクライナから将来の軍隊への教訓(第4章)(The US Army War College)ウクライナから将来の軍隊への教訓(第5章)(The US Army War College)ウクライナから将来の軍隊への教訓(第6章)(The Army War College)に続く、ウクライナから将来の軍隊への教訓(第7章)を紹介する。(軍治)

行動喚起:ウクライナから将来の軍隊への教訓

Call to Action: Lessons from Ukraine for the Future Force

まえがき

序章:ウクライナから将来の軍隊への教訓

エグゼクティブ・サマリー

第1章 ウクライナの歴史と展望

第2章 1991年から現在までの米国とウクライナの安全保障協力:さまざまな記録

第3章 ウクライナの場合:復元性による抑止

第4章 2022年のロシア・ウクライナ戦争における作戦術

第5章 インテリジェンス

第6章 火力

第7章 ミッション・コマンド:ウクライナのロシアに対する闘いに不可欠な構成要素:Mission Command: An Essential Component in Ukraine’s Fight against Russia

Jamon K. Junius

キーワード:大規模戦闘作戦(LSCO)、リスク(risk)、分権型(decentralized)、指揮・統制、規律ある主導性(disciplined initiative)

ロシア・ウクライナ戦争は、大規模戦闘作戦(LSCO)におけるミッション・コマンドの重要性を浮き彫りにしている。大規模戦闘作戦(LSCO)の分散した本質と規模、潜在的な死傷者率、争いのある環境での作戦を同期させるための指揮・統制(C2)システムへの依存は、熟練したミッション・コマンドを必要とする[1]。ウクライナのロシアに対する防衛では、分権化した方式で部隊を効果的に運用する能力が重要な優位性を発揮している[2]。ウクライナはドクトリンや軍編成全体でミッション・コマンドを公式に採用していないが、ウクライナ軍がミッション・コマンドの原則を採用していることは明らかである[3]

逆に、ロシアが数々の難題を抱え、作戦で失敗しているのは、同国がミッション・コマンドを欠いていることに起因しており、ミッション・コマンドの習熟の重要性が強まっている。ウクライナのミッション・コマンドの原則の活用と2014年に始まった同国の改革の取組みを評価すると、ミッション・コマンドの原則が実質的に欠如しているロシアの中央集権的なリーダーシップのドクトリンと対比され、ミッション・コマンドの熟達度の重要性が浮き彫りになる。

ミッション・コマンドとは何か?

ミッション・コマンドはコンピューターのオペレーティング・システムに似ている。ミッション・コマンドがデザイン通りに機能しているときは、すべてがシームレスに行われるが、ミッション・コマンドがデザイン通りに機能していないときは、破滅的な結果が生じる可能性がある。ミッション・コマンドというコンセプトは、アウエルシュテット(Auerstedt)でフランス軍がプロイセン軍を破った後、下級将校が詳細な命令なしに主導性を取る能力を発揮したことから支持されるようになった[4]。その結果、プロイセン軍は、命令の実行における硬直的な柔軟性の欠如から、リーダーシップのレベルにおける意図と主導性の重要性の確立された理解へと、そのアプローチを修正した[5]

米軍がミッション・コマンドを採用したのは、少なくとも南北戦争(Civil War)までさかのぼることができる。ミッション・コマンドは、2003年に米陸軍が発行した「フィールド・マニュアル 6-0」でドクトリンとなった[6]。最新の米陸軍ドクトリン出版物6-0は、ミッション・コマンドを「状況に応じて適切な部下の意思決定と分権的な実行を可能にする指揮・統制に対する米陸軍のアプローチ」と定義している[7]。ミッション・コマンドの原則、すなわち、総合能力(competence)、相互信頼(mutual trust)、共有された理解(shared understanding)、指揮官の意図(commander’s intent)、ミッション・オーダー(mission orders)、規律ある主導性(disciplined initiative)、リスクの受容(risk acceptance)は、指導者間の関係(relationships between leaders)、部下の意思決定の権限付与(empowerment of subordinate decision making)、任務の分権化した遂行(decentralized execution of the mission)を可能にする[8]

あらゆるレベルの総合能力(competence)は、組織が成功し、主題に関する知識を増やし、訓練を行い、経験を積む機会を提供することによって達成されることが期待される。戦術的、技能的な総合能力(competence)もまた、ミッション・コマンドを成功させるための基盤の重要な部分である[9]。さらに、指揮官と部下が互いに信頼し、各人が自分の職務に適任であると信じる相互信頼(mutual trust)も、ミッション・コマンドを実装する上で不可欠である。信頼(trust)は、メンバーがチームとして協力する中で、時間をかけて培われなければならない。相互信頼の最も大きな効果は、部下の主導性の促進であるが、この促進は、指揮官が部下の決定とその結果を受け入れ、支援する信頼と意欲を持っているかどうかにかかっている[10]

環境、指揮官の意図、適応の自由に対する共有された理解(shared understanding)は、ミッション・コマンドを実装する上で重要な要素である。共有された理解(shared understanding)を達成することで、分権的な実行が可能になり、迅速に組織化された部隊がより効果的に活動できるようになる[11]。ミッション・コマンドの2つの原則、指揮官の意図とミッション・オーダー(mission orders)は、理解の共有に貢献し、互いに並行して進行する。効果的な指揮官の意図は、部隊と部下指導者に明確で理解しやすい目的を与え、成功を定義づける。ミッション・オーダーで重要なのは、部下となすべきことのバランスを効果的にとることであり、(作戦を同期させるために必要なこと以上に)どのようになすべきかを細かく管理(micromanaging)しないことである[12]。ミッション・オーダーは、指導者に適応と裁量権の行使の自由を与える。その到達目標は、細かく管理(micromanaging)ではなく、タイムリーな意思決定を可能にする目標を部隊に与えることである[13]

規律ある主導性を発揮するには、部下の指導者が、許可を求めたり、追加の指導を求めたりすることなく、任務を達成するために、指揮官の意図する指針を守りながら、主導性を示すことが必要である[14]。ミッション・コマンドを行使する際の指導者にとって、おそらく最大の難関は、リスクを定義し、受け入れることであろう。リスクは作戦に内在するものである。指揮官はリスクをできる限り軽減しようと試みるが、すべてのリスクを取り除くことはできないことを受け入れなければならない。指揮官は、状況を判断し、権限委譲のリスクと主導性の見返りを比較検討し、部下にどのような権限を与える方法を決定しなければならない[15]

表面的には、ミッション・コマンドの原則は直感的である。指揮官は、定義された意図、目標、許容できるリスクを盛り込んだミッション・オーダーを出し、部下の指導者が状況に応じて適切な決定を下し、任務を達成できるようにする。このようなミッション・コマンドの原則は直感的に思えるかもしれないが、米軍指導者にとってミッション・コマンドは課題となる可能性がある。陸軍将校L.バートン・ブレンダー(L. Burton Brender)によると、この難題は以下の要因に起因する。

    1. 部下が潜在的に誤りを犯すことへの懸念
    2. 指導者が誤りでキャリアをリスクにさらす。
    3. 統制の欠如が上級指導者を不安にする[16]

ロシアのウクライナ侵攻の成功と失敗において、ミッション・コマンドは重要な役割を果たしており、こうした結果を招いた要因を理解することは、現代の戦闘に貴重な洞察を与える。

ウクライナとミッション・コマンド

ウクライナにおけるミッション・コマンドの簡単な歴史

ドクトリン、訓練、専門的軍事教育(PME)、予算の重要性を示すには、ウクライナ軍のミッション・コマンドの経路を概観する必要がある。

ウクライナ軍がミッション・コマンドの原則を採用しているのは、2014年のロシアによるクリミア併合後に本格化した改革の取組みの成果である[17]。しかし、ウクライナのミッション・コマンドの受け入れと運用は、旧ソ連とウクライナの歴史のせいで、完璧からは程遠い。その歴史は、今でもウクライナの上級指導者の中央集権的なリーダーシップのスタイルに影響を与えている[18]。NATOの専門家は、ウクライナ軍の作戦遂行はソビエト軍と似ていると評しているが、これは旧ソビエト軍が砲兵や弾薬を法外に消費していたことから導き出された結論である[19]。この結論は、深く根付いた歴史文化の影響を指摘するもので、これを変えることはしばしば困難である。

1991年のウクライナ独立から2014年のロシアによるクリミア併合までの期間は、ウクライナの軍隊にとって投資不足に悩まされた微妙な時期であった。軍の平均予算はウクライナの国内総生産(GDP)の1%で、投資不足に苦しんでいた[20]。専門的軍事教育(PME)は「戦略がない」と評価され、軍の学術環境ではソ連的な考え方が顕著であった[21]。後者は今日でもウクライナ国軍の指導者に影響を与え、ミッション・コマンドの取組みを妨げている[22]。ウクライナの軍事訓練は不十分で、ここ数年、重要な訓練演習は実施されていない[23]。このような要因が、改革と、ミッション・コマンドの原則を理解し、採用し、熟練した運用ができる部隊の育成を困難にした。

2012年、NATOはウクライナ国防大臣のNATO軍事教育の改善への協力要請を受け入れ、ウクライナの軍事教育をNATOの防衛教育強化プログラム(Defence Education Enhancement Programme :DEEP)に組み入れた[24]。NATOによれば、このプログラムは「改革のための手段であり、各国が専門的な軍事教育機関を整備・改革する際に、それぞれの国に合わせた実践的な支援を提供するものである。NATOの防衛教育強化プログラム(EEP)は防衛能力と制度構築を促進するものである」[25]。このプログラムは2013年3月に開始された。残念ながら、その1年後、ロシアはあっさりとクリミアに侵攻し、併合してしまった[26]。ロシアがクリミアに侵攻した当時、ウクライナの軍隊は、1991年に独立を果たした後に直面した数々の問題のせいで、適切な人員、訓練、装備を備えていなかった[27]

ウクライナが直面した課題はクリミア併合だけではなかった。2014年3月、ロシアの支援を受けたドネツ盆地の分離主義者がウクライナ軍と衝突し、ウクライナ東部では分離主義者との闘いが続いた[28]。この瞬間は、ウクライナの軍隊を改革し、その能力を向上させるための戦略的変曲点であった[29]

ウクライナ軍改革の到達目標はNATOの基準を満たすことであったが、1991年のウクライナ独立以来、ウクライナ軍が経験してきた課題を考えれば、それは積極的な願望であった[30]。2016年に署名された戦略防衛公報は、ウクライナ軍の専門化、能力および戦闘即応性の向上のための指針として、NATOの原則を用いたウクライナの軍改革の計画と方向性を成文化したものである[31]

ウクライナ軍に対する米・NATOのパートナーシップと訓練の効果に対する評価はさまざまである。筆者は、パートナーシップと訓練はウクライナ軍の改革の取組みの重要な一部であり、ウクライナにミッション・コマンドのコンセプトを導入し、ロシアの侵攻に対するウクライナの断固とした対応に貢献したと考えている。プロフェッショナリズム、リーダーシップ(ウクライナの下士官部隊を育成する初期の試みを含む)、NATO基準の達成、ドネツ盆地におけるウクライナの戦闘経験に焦点を当てることで、ウクライナは自国の主権を守る準備を整えた[32]

ミッション・コマンドはウクライナのドクトリンには含まれていないが、ミッション・コマンドの原則の神髄(essence)は、ウクライナ軍総司令官のヴァレリー・ザルジニー(Valery Zaluzhny)将軍のように、ウクライナの著名な上級指導者たちによって大いに議論され、推進されている。彼は、この改革の取組みとウクライナがロシアの侵略から防衛することに成功したことで、広く信頼されている人物である[33]

ミッション・コマンドの実行:ウクライナでの戦争

ウクライナの改革の取組みとNATOとの訓練に対する評価には、前者が侵攻前にミッション・コマンド採用の道を歩んでいたか、少なくともミッション・コマンドの目的を理解していたことを示す共通のテーマがある。ウクライナの新世代の指導者たちの間では、ザルジニー(Zaluzhny)の取組みと、西側の基準でウクライナ将校を訓練したNATOとのウクライナの協力が、「ロシア・モデルより分権化され、権限を与えられ、より機敏な戦いの方法(agile way of warfare)」を促進した[34]

ウクライナのオレクシー・レズニコフ(Oleksiy Reznikov)国防相は、ウクライナがロシア軍に支配されていた領土の奪還に早期に成功したことについて語り、ミッション・コマンドの原則の重要性を説いた。レズニコフ(Reznikov)は、重要な構成要素として、軍の各レベルで意思決定能力を持つことが、ロシア軍よりも迅速な対応につながったと指摘した[35]。ウクライナが北東部と南部でロシアから領土を奪還する作戦に成功したのは、ロシアの弱点を迅速に突く全社の能力によるものであり、その結果、柔軟な指揮構造が生まれた。

ジェフリー・エドモンズ(Jeffrey Edmonds)元国家安全保障会議ロシア担当部長は、ウクライナ軍の分散作戦(distributed operations)遂行能力を評価し、分散戦術レベルの作戦が優れていたと指摘した[36]。英国王立防衛研究所(RUSI)の開戦時のウクライナのパフォーマンスに関する評価では、ウクライナ軍は「戦争初期に敵対者に対して競争力があったのは、装備が優れていたからではなく、特に戦術レベルにおいて適応力があり、ロシア軍がオーバーマッチを達成していた特定の脆弱な分野に対処するために、新しい能力や運用コンセプトを迅速に革新したからである」と述べている[37]

ウクライナのパフォーマンスに関するこれらの評価は、ミッション・コマンドに関する直接的な記述ではないが、ミッション・コマンドの原則と強い相関関係がある。ウクライナが「新たな能力とコンセプト」に適応し、これを革新する能力は、主導性、信頼、共有された理解、許容可能なリスクを示している[38]

ウクライナ国軍の復元性、成功、そしていかなる犠牲を払ってもウクライナを守るという明白なコミットメントは、国軍が相互信頼と共有された理解を確立していることを示している。戦争初期に募集の透明性を求める嘆願書が提出されたにもかかわらず、2023年にロシア占領地や戦闘地域に属していないウクライナ人を対象に実施された調査では、ウクライナ軍に対する信頼度は2021年の68%から96%近くに達していた[39]。こうした調査結果は心強いものだが、国民の信頼は米陸軍ドクトリン出版物6-0の相互信頼の定義には合致していない。

とはいえ、ウクライナ軍の各階級に相互信頼が存在すると推測するのは合理的である。ウクライナ軍各階級内部の信頼関係について直接証言する者はいないが、ウクライナ防衛のための国際軍団の一員としてウクライナ軍の各階級に参加して闘った外国人志願兵や、戦争開始1年後にソーシャル・メディア戦役を利用して志願兵を集めた暴風旅団(storm brigades)が結成されたことなどが、信頼の指標となる[40]。ウクライナ国内および軍各階級内の幅広い支持が、ウクライナ軍におけるミッション・コマンドを支援する文化の形成に役立っている。

戦争が激化し、死傷者が増えるにつれ、ウクライナの勢いと、ミッション・コマンドを採用する同国の能力と意欲が問われる可能性がある。大規模戦闘作戦(LSCO)の本質上、ウクライナもロシアも死傷者が増えることが予想される。ウクライナが経験豊富な戦闘員を失うことで、ウクライナ軍の質が低下するのではないかと心配する声もある[41]。人的損失が増大する可能性があるため、部下が意思決定をしなければならない状況に置かれたとしても、成功するためのツール(すなわち、ミッション・コマンドの原則)を持っていなければ、ミッション・コマンドの重要性は非常に明白になる[42]。すべての作戦において、部下は任務を継続する準備を整えておかなければならず、また、指導者は、指揮官や指導者が任務を指揮できなくなった場合に備えて、部下に任務を指揮させる態勢を整えておかなければならない[43]

ウクライナ国軍の各編隊全体で、ミッション・コマンドがどの程度受け入れられ、採用されているかは未定である。ウクライナとロシアの間には長い歴史があるため、ウクライナの軍指導者やソ連・ロシア体制下で兵役に就いていた兵士が、2014年にウクライナの改革の取組み後も、そのシステムを維持したり、回帰したりすることを期待するのは合理性がある[44]

フランツ・ステファン・ガディ(Franz-Stefan Gady)と西側のロシア軍事専門家チームはウクライナを調査訪問し、ウクライナのロシアとの歴史が戦場での前者の潜在的なパフォーマンスを阻害していると主張した。ガディ(Gady)の調査結果は著者の立場を支持するものだ。ウクライナ軍のソ連軍文化との密接な結びつきが、ミッション・コマンドの原則を受け入れ、普及させようという部隊の意志を制限している。一部の陸軍将校はミッション・コマンドの哲学を採用しているが、他の将校(多くは上級将校)は依然として厳格な作戦的命令を好んでいる。厳格で中央集権的な作戦遂行スタイルが存在することは、ウクライナが砲兵に依存し、その消費率が高いことや、作戦を逐次的に実行していることからも明らかである[45]

さらに、ウクライナ軍内でソ連型リーダーシップから抜け出せない上級指導者の影響は、規律ある主導性(disciplined initiatives)を支援するために、信頼と共有された理解、そして指揮官の許容可能なリスクを確立する能力の開発を困難にする可能性がある。ガディ(Gady)はまた、ミッション・コマンドがより効果的な火力を生み出すとも主張する。「もし下級将校が、歩兵や装甲車からの連携攻撃を行い、精密誘導砲の短いがピンポイントの砲撃(barrage)で支援しながら、発生した機会を利用する権限を持てば、必要な砲弾の数を劇的に減らすことができる」[46]。この見解は、部下が状況に応じてタイムリーな決断を下すことをよしとしない指導者の永遠の課題を示している。この観察は、指導者が、部下が状況に応じてタイムリーな決定を下すことを望まないという永続的な課題を例示しており、これは米陸軍各階級内で焦点を当て続ける必要がある問題である。

指揮・統制(C2)システムは、ミッション・コマンドの原則を阻害する可能性がある。具体的には、任務を遂行している指揮官に状況を評価してリアルタイムで意思決定を任せるのではなく、上級指揮官が遠くから作戦を指揮する能力が機能を妨げている。当然のことながら、この硬直性がフラストレーションを引き起こすこともある。このような現実を踏まえ、ウクライナの下級将校の中には、自ら課したミッション・コマンドの一種として命令を軽視することを決めた者もいる[47]。この観察は、ウクライナ軍の改革の取組みにおける西側の訓練の影響を示すとともに、継続的な訓練と協力による変化の可能性を示すものであり、極めて重要である。

指導者がリスクを受容できる能力は、ミッション・コマンドを実装する際に最も根強いハードルのひとつであるように思われる。しかし、ウクライナの許容可能なリスクを定義する方法は、ミッション・コマンドによって決定され、周囲の状況によって左右される可能性がある。つまり、大国と闘っているウクライナは、ウクライナの主権が危機に瀕しているため、リスクを受け入れる用意があるかもしれない。ウクライナがどのような方法で許容可能なリスクを決定するかにかかわらず、重要な点は、指導者が許容可能なリスクを定義し、部下の指導者がミッション・コマンドを行使し、部下の指導者が下す決定に自信を持てるようにすることが不可欠であるということである。

ロシアとミッション・コマンド

ロシアの作戦上の課題と目標達成の失敗は、ロシア軍が命令を厳格に遵守し、命令から逸脱する柔軟性を欠いていたことに起因すると考えられる[48]。ソビエトの指揮下で10年間勤務したウクライナ空軍の将校、オレクシィ・メリンク(Oleksiy Melynk)は、『フィナンシャル・タイムズ(Financial Times』紙でロシア軍将校の考え方をこう表現している。「ロシアの歩兵将校にとって、指揮官から処罰されるリスクは、部下を失うリスクや自分が殺されるリスクよりもはるかに大きい」[49]。言い換えれば、ロシア人将校は規律ある主導性(disciplined initiative)を発揮することが許されていないのだ。次の抜粋は、ミコライフ(Mykolaiv)とチェルニヒフ(Chernihiv)での作戦を描写したものだが、ロシア指導部が、命令の撤回(countermanding order)を受けない限り、当初の命令を厳格に遵守したことによる欠陥の一例である[50]。分析官が指摘するように、このようなリーダーシップのスタイルは繰り返し問題となっている。

ロシア軍部隊は抵抗を迂回して目標に到達するよう命じられていた。その命令では、抵抗は軽いと予想されていた。しかし、この想定が誤りであることが証明されると、ロシア軍指揮官たちは、戦術的地位を低下させ、側面を露出させ、ウクライナ軍部隊と接触する長い戦線に集中部隊を分散させることで戦闘力を希薄化させても、強拠点(strongpoints)を迂回しようとし続けた[51]

このような影響は、信頼性の低い指揮・統制(C2)システムや、指揮官が現在の命令から逸脱するために必要な許可を得られないことが原因である可能性もある。専門家の報告によると、ロシア軍とその指揮・統制(C2)ネットワークは、複数の作戦を軸に調整する訓練を受けていない。この訓練不足がロシアの指揮・統制(C2)の一貫性を乱している[52]。指揮・統制(C2)システムへの依存は、特にこれらのシステムの利用可能性(availability)が争われる可能性があるため、ミッション・コマンドの重要性にもっと注意を向けるべきである。指揮・統制(C2)の課題に対するロシアの対応は、上級将校を前線に派遣することであったが、その結果、3人の将校がウクライナ軍部隊に殺害された[53]

戦争初期に使用されたロシアの大隊戦術グループの場当たり的な組織(ad hoc organization)は、ミッション・コマンドを推進する見通しを妨げるものであったが、これは、組織が共有された理解と信頼を欠く場合に直面する難題を示している[54]。複数の部隊とその指揮官の間になじみがないことは、信頼感の欠如につながり、その結果、下士官に権限を委譲したり、不完全な命令を処理させたりすることができなくなる[55]。もしロシアのドクトリンにミッション・コマンドが含まれ、同国がミッション・コマンドに熟達していれば、このような大隊戦術群の編成方法は問題にならなかっただろう。なぜなら、共通の理解を持つ部隊は、たとえ急ごしらえで編成されたとしても、効果的に作戦できるからである[56]

ロシアの軍事的無能さは、同国の挫折と戦争における目標達成不能の原因とされてきた[57]。ロシアの軍隊は能力に疑問があり、相互信頼に欠けている。ロシア編成の兵士たちは、ウクライナ侵攻が始まる直前まで、自分たちがウクライナとの会戦に突入することを知らなかった[58]。あるロシア軍中佐は「部下たちはナチスから国を救っていると騙され、闘いに遭遇して驚いた」と主張した[59]。ロシアは軍の上級指導者を含む多くの犠牲者を出した[60]。ロシアの動員計画は絶望的で不十分なものに見え、兵役に就く資格のあるロシア人の中には国外逃亡を図る者もいたと伝えられている[61]。さらに、ロシアは徴兵兵やワグネル・グループの傭兵に頼ってきた。戦争開始から1年が経った現在、傭兵の中には前線に加わって闘う前に最低限の訓練を受けた入隊した囚人が含まれている[62]

ワグネル・グループは、「傭兵部隊はロシアでは技法的に違法」であるため、伝統的な意味でのロシア軍の正式な一員ではないが、同グループがウクライナで行っている作戦や、将来の敵対者との紛争におけるこの種の部隊の可能性から、同グループに対処することは価値ある仕事である[63]

ワグネル・グループは、さまざまなレベルの軍隊経験を持つメンバーで構成されている[64]。グループのアプローチは消耗の戦争(war of attrition)を推進するものである。志願する元受刑者は、グループでの6ヶ月の任期が終了した後、生き残り、恩赦を受けることを望んでいる[65]。CNNによると、2人の元ワグネル・グループ傭兵は、このグループの「タスクは第2線で守備を固めることだと思っていた。. . .我々はポーランド人や様々な傭兵と闘うことになると思っていた。ドイツ人だ。ウクライナ軍には誰も残っていないと思っていた。. . .ウクライナ軍(AFU)が本当に自国のために闘うとは誰も思っていなかった」[66]。傭兵が死傷者を軽視していること、命令に従わなければ死の脅威があること、傭兵の訓練が「簡潔かつ基本的」であることから、この組織にはミッション・コマンドは存在しない[67]

ロシアが伝統的な中央集権的なミッション・オーダーを厳守していることが、作戦に悪影響を及ぼしている。当初は相手より優れた装備を備え、数でも勝っていた部隊が、大きな成果を上げるのに苦労している。ロシアのリーダーシップと編隊における信頼、総合能力、共有された理解、そして最も重要な規律ある主導性の欠如はミッション・コマンドの重要性を示し、それを補強している。

教訓と提言事項

米陸軍とリスクの受容

内向きに考えれば、米陸軍もロシアやウクライナが直面する苦闘、とりわけリスク回避がもたらす困難と無縁ではない。米陸軍将校のL・バートン・ブレンダー(L. Burton Brender)は、リスク回避の潜在的な原因として3つの要素を紹介している:「部下が誤りを犯すことへの恐れ、上司が統制できないと感じる不快感、他人のミスに自分のキャリアを賭ける指導者の不安」である[68]。部下はまた、自分の決心によって不利な結果が出れば、自分のキャリアに悪影響を及ぼすことを懸念する。指揮官はリスクを許容し、部下が意思決定する権限を与えられるようにしなければならない。

このような懸念の克服は、指揮系統のトップから始まり、チームの指導者にまで浸透していかなければならない。指導者は、リスクに対する自らのアプローチを自覚し、そのアプローチがミッション・コマンドを促進しているのか、あるいは阻害しているのかを判別する必要がある[69]。そのアプローチが阻害要因となっている場合は、指導者から部下への責任委譲を促進するための措置を講じるべきである。全てのレベルでリスクについて継続して議論する必要があり、また、上級指導者は、ミッション・コマンドが組織、指導者、兵士にとってプラスになるようにしなければならない[70]。指揮官の意図の範囲内で犯した誤りは、報復(retribution)をあからさまに恐れることなく起こりうることを、全員が理解すべきである[71]。ミッション・コマンドは、定期的にリハーサルし、訓練し、実行しなければならない。それは米陸軍の文化の一部でなければならない[72]

ミッション・コマンド事項に関する専門的軍事教育と訓練

ウクライナは2014年に軍を変革し、欧米/NATOの訓練と専門的軍事教育(PME)を追求するという決断を下し、ロシアの侵攻に対する防衛と対抗の準備を整えた。ウクライナのミッション・コマンド習熟度のレベルは未確定だが、同国がミッション・コマンドの原則を適用していることは明らかである。適切にデザインされ、実行された専門的軍事教育(PME)とミッション・コマンドの訓練は、特に大規模戦闘作戦(LSCO)で見られるような争われた分散型戦闘作戦を成功させるために重要である。米国は専門的軍事教育(PME)プログラムを見直し、ミッション・コマンドに関する訓練の質が十分かどうかを見直すべきである。

優れた指揮・統制システムがミッション・コマンドの実装をより困難にする可能性がある

指揮・統制(C2)システムが提供する豊富なデータ駆動環境とリアルタイム情報は、ミッション・コマンドに逆効果(counterproductive)となる可能性がある。上級指揮官は、部下の指導者が行うべき意思決定を当然のように行い続けるかもしれない。指揮・統制(C2)システムへの依存と、その意思決定/ミッション・コマンドへの影響を評価しながら、作戦の同期の複雑さとのバランスをとることが重視されるべきである。

プロフェッショナリズムと部隊の結束、経験はミッション・コマンドに不可欠である

ウクライナ軍の作戦上の功績は、訓練、将校のプロフェッショナリズム、そして限られた範囲ではあるが、プロフェッショナルな下士官部隊の育成という決定に負うところが大きい。逆に、ロシアの大隊戦術グループは部隊の結束力に欠け、その有効性に影響を与えている。さらに、動員や訓練の取組みも不十分で、作戦に明らかに影響を与えている。

ミッション・コマンドは大規模戦闘作戦のオペレーティング・システムである。我々は行動を起こさなければならない

ミッション・コマンドの不在は、優柔不断を招き、また、ロシアのウクライナ侵攻の場合、任務目標達成のために異なる行動が必要な状況にもかかわらず、当初のミッション・オーダーを堅持するというロシアの判断のような誤った決断を下すことにもなりかねない[73]。部隊レベル(つまり、中隊レベル以上)でミッション・コマンド訓練を準備し、計画策定し、実施することは、実弾演習(live-fire exercises)を実施するのと同じくらい重要であるべきである。さらに、部隊の四半期および半年ごとの訓練ブリーフィングの中に、ミッション・コマンドのナラティブを組み込むべきである。火力、機動作戦、後方支援作戦、さらには指揮・統制(C2)の有効性を評価するのとは異なり、ミッション・コマンドの有効性を評価するのは直感的ではない。実行前に、ミッション・コマンドの原則が作戦に及ぼす効果や影響を判断するために、定量的な計算式や予測モデルを用いることはできない。ミッション・コマンドは、生得的なものになるには継続的な反復と注意を必要とする術である。

結論

ウクライナはミッション・コマンドの原則を限定的に用いることで、多勢に無勢であるにもかかわらず、ウクライナ軍はロシアの侵略との闘いを維持することができた。ロシアの信頼、規律ある主導性、総合能力の欠如(competence jeopardize)は、ウクライナが目標を達成する可能性を危うくする。

ロシアが現在のアプローチを維持し、ウクライナが自軍の編成全体にミッション・コマンドの原則をさらに浸透させることを学べば、優位性は後者に傾く可能性がある。この変化は、米国とパートナー諸国が安全保障支援パッケージと援助を提供し続け、ウクライナが動員の取組みを成功させ続けることが大きな条件となる。

作戦を成功させるためには、ミッション・コマンドの原則の相乗効果が不可欠である。ミッション・コマンドが適用されれば、規律ある主導性(disciplined initiative)がウクライナ軍をロシアから引き離す。規律ある主導性(disciplined initiative)は、目標達成に大きな影響を与える。この章で紹介する挿話は、ミッション・コマンドの原則を実行する若手指導者(junior leaders)の力を示している。

また、この挿話では若手指導者(junior leaders)が主導性を取ることを恐れ、命令に固執し、その結果、進歩が見られないという結果も明らかにされている。部下の指導者に規律ある主導性(disciplined initiative)を浸透させるためには、あらゆるレベルの指揮官が、相互信頼(mutual trust)、共有された理解(shared understanding)、そして最も重要なことだが、許容できるリスク(shared understanding)の確立を通じて、若手指導者に権限を与えなければならない。

ノート

[1] James K. Greer, “LSCO Lessons: What the Army Should Be Learning about Large-Scale Combat Operations from the Ukraine War,” Modern War Institute at West Point (website), June 24, 2022, https://mwi.usma.edu/lsco-lessons-what-the-army-should-be-learning-about-large-scale-combat-operations-from-the-ukraine-war/.

[2] Jim Garamone, “Ukraine’s Success Was a Surprise Only to the Russians,” Department of Defense (DoD) (website), September 13, 2022, https://www.defense.gov/News/News-Stories/Article/Article/3157239/ukraines-success-was-a-surprise-only-to-the-russians/; and Madhur Sharma, “Five Ways How Ukraine Has Defended Itself against Russian Invasion So Far,” Outlook (website), April 15, 2022, https://www.outlookindia.com/international/five-reasons-how-ukraine-has-defended-itself-against-russian-invasion-so-far-news-191721.

[3] Franz-Stefan Gady, “Ukraine’s Army Must Shed Its Soviet Legacy, Says a Military Expert,” Economist (website), March 17, 2023, https://www.economist.com/by-invitation/2023/03/17/ukraines-army-must-shed-its-soviet-legacy-says-a-military-expert.

[4] John Case, “The Exigency for Mission Command: A Comparison of World War II Command Cultures,” Small Wars Journal (website), November 4, 2014, https://smallwarsjournal.com/jrnl/art/the-exigency-for-mission-command-a-comparison-of-world-war-ii-command-cultures.

[5] Case, “Exigency for Mission Command”; and James D. Sharpe Jr. and Thomas E. Creviston, “Understanding Mission Command,” U.S. Army (website), April 30, 2015, https://www.army.mil/article/106872/Understanding_mission_command/.

[6] Clinton J. Ancker III, “The Evolution of Mission Command in US Army Doctrine, 1905 to the Present,” Military Review (website), March-April 2013, https://usacac.army.mil/sites/default/files/documents/mccoe/TheEvolutionOfMissionCommandInArmyDoctrine.pdf.

[7] Headquarters, Department of the Army (HQDA), Mission Command: Command and Control of Army Forces, Army Doctrine Publication 6-0 (Washington, DC: HQDA, July 2019), 1-3.

[8] HQDA, Mission Command, x, 1-6–1-14.

[9] HQDA, Mission Command, 1-7.

[10] HQDA, Mission Command, 1-7.

[11] HQDA, Mission Command, 1-8.

[12] HQDA, Mission Command, 1-9–1-11.

[13] Ben Hall, “Military Briefing: Ukraine’s Battlefield Agility Pays Off,” Financial Times (website), May 26, 2022, https://www.ft.com/content/9618df65-3551-4d52-ad79-494db908d53b; and Simon Shuster and Vera Bergengruen, “Inside the Ukrainian Counterstrike That Turned the Tide of the War,” TIME (website), September 26, 2022, https://time.com/6216213/ukraine-military-valeriy-zaluzhny/.

[14] HQDA, Mission Command, 1-12.

[15] HQDA, Mission Command, 1-13.

[16] L. Burton Brender, “The Problem of Mission Command,” RealClear Defense (website), September 1, 2016, https://www.realcleardefense.com/articles/2016/09/02/the_problem_of_mission_command_110008.html

[17] Valeriy Akimenko, “Ukraine’s Toughest Fight: The Challenge of Military Reform,” Carnegie Endowment for International Peace (website), February 22, 2018, https://carnegieendowment.org/2018/02/22/ukraine-s-toughest-fight-challenge-of-military-reform-pub-75609; and Stuart Gallagher, “Mission Ukraine: US Army Leads Multinational Training Group to Counter Russian Threat,” AUSA: Association of the United States Army (website), May 19, 2020, https://www.ausa.org/articles/mission-ukraine-us-army-leads-multinational-training-group-counter-russian-threat.

[18] Jesse Greenspan, “Ukraine Has Seen Centuries of Conflict,” History (website), October 5, 2022, https://www.history.com/news/ukraine-timeline-invasions; and Gady, “Ukraine’s Army.”

[19] Jack Detsch, “How Ukraine Learned to Fight,” Foreign Policy (website), March 1, 2023, https://foreignpolicy.com/2023/03/01/how-ukraine-learned-to-fight/.

[20] Denys Kiryukhin, “The Ukrainian Military: From Degradation to Renewal,” Foreign Policy Research Institute (website), August 17, 2018, https://www.fpri.org/article/2018/08/the-ukrainian-military-from-degradation-to-renewal/; and Detsch, “Ukraine Learned to Fight.”

[21] Boguslaw Pacek and Mariusz Solis, “Suggestions and Recommendations Stemming from the Hybrid Warfare in Ukraine for Military Education Reform and NATO DEEP Programs,” in Hybrid Warfare in Ukraine: Outcomes and Recommendations for Europe and the World, ed. Boguslaw Pacek (Brussels: Defence Education Enhancement Programme, 2017), 46–47.

[22] Gady, “Ukraine’s Army.”

[23] Pacek and Solis, “Suggestions and Recommendations,” 46–47.

[24] Pacek and Solis, “Suggestions and Recommendations,” 47.

[25] “Defence Education Enhancement Programme (DEEP),” NATO (website), updated October 5, 2023, https://www.nato.int/cps/en/natohq/topics_139182.htm.

[26] Pierre Jolicoeur, “Defense Education Enhancement Program in Ukraine: The Limits of NATO’s Education Program,” Connections: The Quarterly Journal 17, no. 3 (Summer-Fall 2018): 112; and Matt Clinch, “How Russia Invaded Ukraine in 2014. And How the Markets Tanked,” CNBC (website), January 27, 2022, https://www.cnbc.com/2022/01/27/how-russia-invaded-ukraine-in-2014-and-how-the-markets-tanked.html.

[27] Anton Lavrov and Alexey Nikolsky, “Neglect and Rot: Degradation of Ukraine’s Military in the Interim Period,” in Brothers Armed: Military Aspects of the Crisis in Ukraine,” ed. Colby Howard and Ruslan Pukhov (Minneapolis, MN: East View Press, 2015), 69–71; and Adrian Bonenberger, “Ukraine’s Military Pulled Itself Out of the Ruins of 2014,” Foreign Policy (website), May 9, 2022, https://foreignpolicy.com/2022/05/09/ukraine-military-2014-russia-us-training/.

[28] Arda Mevlutoglu, “Ukraine’s Military Transformation between 2014 and 2022,” Politics Today (website), April 7, 2022, https://politicstoday.org/ukraine-military-transformation/.

[29] Mevlutoglu, “Ukraine’s Military Transformation”; and “Ukrainian President Enacts Strategic Defence Bulletin,” LB.ua (website), June 6, 2016, https://en.lb.ua/news/2016/06/06/1032_ukrainian_president_enacts.html.

[30] Akimenko, “Ukraine’s Toughest Fight.”

[31] “Ukrainian President.”

[32] Bonenberger, “Ukraine’s Military”; and Mevlutoglu, “Ukraine’s Military Transformation.”

[33] Shuster and Bergengruen, “Inside the Ukrainian Counterstrike”; and David M. Herszenhorn and Paul McLeary, “Ukraine’s ‘Iron General’ Is a Hero, but He’s No Star,” Politico (website), April 8, 2022, https://www.politico.com/news/2022/04/08/ukraines-iron-general-zaluzhnyy-00023901.

[34] Shuster and Bergengruen, “Inside the Ukrainian Counterstrike”; and Herszenhorn and McLeary, “Ukraine’s ‘Iron General.’ ”

[35] Shuster and Bergengruen, “Inside the Ukrainian Counterstrike.”

[36] Shuster and Bergengruen, “Inside the Ukrainian Counterstrike.”

[37] Mykhaylo Zabrodski et al., Preliminary Lessons in Conventional Warfighting from Russia’s Invasion of Ukraine: February–July 2022 (London: Royal United Services Institute, November 2022), 64.

[38] Zabrodski et al., Preliminary Lessons.

[39] Jane Arraf and Oleksandr Chubko, “As Ukraine Signs Up Soldiers, Questions Arise about How It Chooses,” New York Times (website), July 25, 2022, https://www.nytimes.com/2022/07/25/world/middleeast/ukraine-soldiers-recruitment-draft.html; Orysia Lutsevych, “Ukraine Is Locked in a War with Corruption as Well as Putin – It Can’t Afford to Lose Either,” Guardian (website), January 30, 2023, https://www.theguardian.com/commentisfree/2023/jan/30/ukraine-war-with-corruption-putin-resignations-russia; and “Survey: Ukrainian Military Tops National Trust Ratings,” Kyiv Independent (website), March 15, 2023, https://kyivindependent.com/survey-ukrainians-have-highest-trust-level-in-military/.

[40] Sebastian Shukla et al., “ ‘No Regrets.’ Ukraine’s Foreign Fighters Vow to Fight until the End in War with Russia,” CNN (website), updated February 23, 2023, https://www.cnn.com/2023/02/23/europe/ukraine-foreign-fighters-vuhledar-donbas-intl/index.html; and Sergiy Karazy and Anna Dabrowska, “Ukraine Trains 40,000 Storm Brigade Troops for Counter-Offensive,” Reuters (website), April 21, 2023, https://www.reuters.com/world/europe/ukraine-trains-40000-storm-brigade-troops-counter-offensive-2023-04-05/.

[41] Isabelle Khurshudyan, Paul Sonne, and Karen DeYoung, “Ukraine Short of Skilled Troops and Munitions as Losses, Pessimism Grow,” Washington Post (website), March 13, 2023, https://www.washingtonpost.com/world/2023/03/13/ukraine-casualties-pessimism-ammunition-shortage/.

[42] HQDA, Mission Command, 2-21–2-23 and 4-3.

[43] HQDA, Mission Command, 4-3.

[44] Gady, “Ukraine’s Army.”

[45] Gady, “Ukraine’s Army.”

[46] Gady, “Ukraine’s Army.”

[47] Gady, “Ukraine’s Army.”

[48] Hall, “Military Briefing.”

[49] Hall, “Military Briefing.”

[50] Zabrodski et al., Preliminary Lessons, 47.

[51] Zabrodski et al., Preliminary Lessons, 47.

[52] Tim Ripley, “Ukraine Conflict: Russian Military Adapts Command-and-Control for Ukraine Operations,” Janes (website), March 7, 2022, https://www.janes.com/defence-news/news-detail/ukraine-conflict-russian-military-adapts-command-and-control-for-ukraine-operations.

[53] Ripley, “Ukraine Conflict.”

[54] Zabrodski et al., Preliminary Lessons, 46.

[55] Zabrodski et al., Preliminary Lessons.

[56] HQDA, Mission Command, 1-8.

[57] Thomas Kika, “Russian Army Headed by ‘Totally Incompetent People,’ Ex-Russian VP Warns,” Newsweek (website), January 30, 2023, https://www.newsweek.com/russian-army-headed-totally-incompetent-people-ex-russian-vp-warns-1777590.

[58] Mia Jankowicz, “Captured Russians Said Their Leaders Lied about the Plan to Invade Ukraine, Leaving Them Unprepared for Fierce Resistance,” Business Insider (website), March 7, 2022, https://www.businessinsider.com/putin-lied-to-russian-soldiers-left-them-unprepared-attack-nyt-2022-3.

[59] Jankowicz, “Captured Russians.”

[60] Matthew Loh, “ ‘Highly Likely’ That Russia Has Lost or Fired 16 of Its Top Generals since the Start of the War in Ukraine: UK Intelligence,” Business Insider (website), August 8, 2022, https://www.businessinsider.com/russia-lost-fired-generals-since-ukraine-war-uk-intelligence-2022-8.

[61] Yaroslav Lukov, “Ukraine War: Russia Admits Mobilisation Errors, amid Growing Public Opposition,” BBC News (website), September 26, 2022, https://www.bbc.com/news/world-europe-63036985.

[62] Jennifer Mathers and The Conversation, “Russia Is Depending on Its Soldiers for Victory in Ukraine but They Have to Bring Their Own First Aid Kits—and 200,000 Are Probably Already Dead,” Fortune (website), February 17, 2023, https://fortune.com/2023/02/17/russian-soldiers-ukraine-conscripts-no-supplies-unprepared/; and Filipp Lebedev and Felix Light, “Wagner’s Convicts Tell of Horrors of Ukraine War and Loyalty to Their Leader,” Reuters (website), March 16, 2023, https://www.reuters.com/investigates/special-report/ukraine-crisis-russia-wagner/.

[63] Lebedev and Light, “Wagner’s Convicts”; and “What Is Russia’s Wagner Group of Mercenaries in Ukraine, and What Has Happened to Its Leader?,” BBC News (website), September 6, 2023, https://www.bbc.com/news/world-60947877.

[64] Eleanor Beardsley, “An Ex-Member of One of the World’s Most Dangerous Mercenary Groups Has Gone Public,” NPR (website), June 6, 2022, https://www.npr.org/2022/06/06/1102603897/wagner-group-mercenary-russia-ukraine-war.

[65] Tim Lister and Frederik Pleitgen, “‘Just to Survive’: Wagner Fighters Recount the Horrors of Battle in Eastern Ukraine,” CNN (website), February 12, 2023, https://www.cnn.com/2023/02/12/europe/wagner-convicts-eastern-ukraine-pleitgen-intl/index.html.

[66] Lister and Pleitgen, “ ‘Just to Survive.’ ”

[67] Lister and Pleitgen, “ ‘Just to Survive.’ ”

[68] Brender, “Problem of Mission Command.”

[69] Doug Orsi and Bobby Mundell, “Will New Doctrine Fix Mission Command?,” War Room (website), October 9, 2019, https://warroom.armywarcollege.edu/articles/new-doctrine-mission-command/.

[70] David Barno and Nora Bensahel, “Six Ways to Fix the Army’s Culture,” War on the Rocks (website), September 6, 2016, https://warontherocks.com/2016/09/six-ways-to-fix-the-armys-culture/.

[71] HQDA, Mission Command, 1-12, 2-7.

[72] Orsi and Mundell, “New Doctrine.”

[73] Zabrodski et al., Preliminary Lessons.