米海兵隊の訓練・教育2030

先の投稿「米海兵隊の訓練と教育の年次報告」にある米海兵隊のフォース・デザインに基づく訓練と教育の指針文書(2023年1月)を紹介する。(軍治)

訓練・教育2030

Training and Education 2030

https://www.marines.mil/Portals/1/Docs/Training%20and%20Education%202030.pdf

January 2023

「我が国は、ダイナミックでグローバルに統合された環境の中で戦争を遂行し、指揮を執ることのできる用兵のリーダーや参謀を必要としている。我々は、単に大量生産や最高の技術に頼ることはできない。将来、その技術は敵の手に渡るかもしれない。我々の仕事は、能力をより良く、より創造的に活用する方法を学ぶことである。このような要求は、我々がまだ満たしていないリーダーシップ開発の連続体に対する要求を増大させる。端的に言えば、我々は、敵対者に対して知的優位を達成できるあらゆるレベルのリーダーを必要としている。これを達成するためには、専門軍事教育(PME)プログラムと人材(才能)管理の取組みを通じて適応と革新を続け、戦争の性質の変化に合わせて方針、行動、文化を転換していかなければならない。これらのリーダーがグローバルに統合された作戦にもたらす認知能力は、単に10ヶ月の課程の成果ではなく、意図的なキャリアを通じた専門能力開発の理念と継続的な学習の成果なのである。」

– 2020年5月、専門的な軍事教育のための統合参謀長ビジョンと指針

結論を先に述べる

過去数年間、我々はフォース・デザイン2030の取組みを通じ、将来の戦力を再想像する上で大きな前進を遂げた。こうした取組みは、海兵隊がどのような潜在的な敵対者に対しても、またどのような作戦地域においても、競争力のある用兵上の優位性(warfighting advantage)を維持できるように、艦隊海兵部隊(FMF)と諸兵科連合チーム(combined-arms teams)を編成し、装備を整えることを優先してきた。昨年、我々は「人材(才能)管理2030(Talent Management 2030)」を発表し、「闘い、勝利する(fight and win)」ために必要な海兵隊員を確保し、育成し、維持するための人事制度の新たな方向性を示した。

我々が思い描く用兵上の優位性(warfighting advantage)を完全に実現するためには、訓練・教育システムの近代化にも同様に取り組まなければならない。米海兵隊は、学習する組織として当然の評判を得ている。過去3年間にわたる軍種レベルの訓練演習、その他の大小の演習、ウォーゲーム、実戦部隊の実験は、フォース・デザイン2030に関連する組織学習のための健全な基盤を確立している。これらを総合すると、変革が必要であるという証拠となる。簡単に言えば、戦争の性質の変化により、明日の全ドメインの戦場では、今日の海兵隊員により多くのことが求められている。我々の訓練と教育(T&E)は、個々の海兵隊員と部隊が「闘い、勝利する(fight and win)」ための準備を続けるために進化しなければならない。

本報告書は新たな方向性を打ち出し、将来の部隊のために訓練・教育(T&E)をどのように変革していくかを述べている。本報告書は、長年の実績がある海兵隊創設プロセスの最良の側面、艦隊海兵部隊(FMF)の海兵隊員からのフィードバック、および長年の部隊対抗(FoF)演習から得られた教訓を、訓練・教育(T&E)改善のための明確な指針に組み込んだものである。本報告書は、我々が学んだ教訓と、それらの教訓をどのように改善に役立てるかを説明している。本報告書はまた、訓練・教育事業全体にわたって組織的な学習の範囲を広げることができるよう、さらなる研究が必要な分野も明らかにしている。

過去3年間にわたる我々の学習は、基礎となる機動戦ドクトリン(maneuver warfare doctrine)の不朽の知恵を補強するものである。現代の戦場における用兵上の優位性(warfighting advantage)は、まず関係者から生まれる。海兵隊員個人を重視し、彼らの専門的な能力開発、家族、個人的な関心に価値を置くことは、海兵隊員が広く受け入れている、単純だが強力な結論を反映している。用兵能力(warfighting capability)は、それを使用する海兵隊員によってのみ効果的に発揮される

はじめに

フォース・デザイン2030(FD2030)近代化取組みの初期段階における進展により、一部の用兵分野(warfighting areas)はフォース・デザインから戦力開発へと移行することが可能となった。その結果、これらの新しい部隊や能力を配備し、運用し、維持する部隊を訓練し、教育するために、必要な労力と資源をますます集中し、割かなければならなくなった。これまでもそうであったように、新システムを運用する個々の海兵隊員こそが、システムそのものではなく、わが海兵隊の相対的優位性の真の源泉である。海兵隊の基盤は、今も昔も、海兵隊を構成する個々の海兵隊員である。技術の進歩や新たなコンセプト、また個人が情報をどのように受け取り、処理するのが最善かという社会の変化を考慮し、訓練・教育(T&E)を継続的に近代化し、適応させることで、将来にわたって継続的な用兵上の成功(warfighting success)を確保することができる。

初級レベルの訓練から高度な専門軍事教育(PME)に至るまで、我々の訓練・教育(T&E)は、我々の基本的価値観、戦士の気風、行動へのバイアス、機動戦(maneuver warfare)の教育に基づいており、今後もそうあり続けるだろう。これらのことは変わらないが、他のことは変わらなければならないし、変わるだろう。これまでに発表されたフォース・デザイン2030報告書と同様、訓練・教育2030(T&E2030)は、重要な課題を特定し、さらなる分析を必要とする問題を浮き彫りにしている。フォース・デザインの実験を続けながら、必要に応じて適応したり、軌道修正したりする。こうした軌道修正の中には、訓練・教育システム全体にさらなる適応と変更を必要とするものもある。

背景

2018年、第37代司令官は海兵隊全体の訓練・教育(T&E)に関する事業全体の見直しと評価を委託し、現在に至っている。その評価チームは次のような結論を出した。

・ 海兵隊は、個人、部隊、集団の即応性を高めるため、訓練・教育(T&E)をさらに重視すべきである。

・ 国防即応性報告システム‐海兵隊(DRRS-MC)は、体系的な訓練即応性(training readiness)低下要因を特定し対処し、戦闘に対する訓練即応性(training readiness)を評価するには不十分である。

・ 人員システムは、作戦部隊の訓練即応性(training readiness)を支援するようにはデザインされていない。

・ 海兵隊の部隊構成プロセスは、海兵隊総司令官の計画策定指針の運用要件をサポートしていない。

・ 海兵隊では部隊対抗(FoF)訓練が不十分だ。

・ 海兵隊の歩兵学校は、その任務に対して組織も装備も資源も不十分である。

・ 合成訓練能力は、深刻な未発達と資源不足に陥っている主要な戦闘乗数である。

・ 現在の訓練・教育(T&E)システムは、海兵隊を将来の作戦環境に備えていない。

これらの結論は、評価チームの提言とともに、本報告書に続く内容の多くを決定づけた。

訓練・教育コマンド(TECOM)の役割

訓練・教育(T&E)を優先し、近代化するための最初のステップは、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)に副司令官(DC)を兼務する権限を与えることである。この変更は、「上と外(up-and-out)」の役割に対処するもので、主に司令官、司令官補、その他の副司令官(DC)、および海軍省参謀との参謀調整に重点を置くものである。他の副司令官(DC)と同様、これには海兵隊本部(HQMC)の参謀会議への参加や、国防総省(DoD)内外の適切な場所で海兵隊司令官を代表することが含まれる。訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)としての「下と中(down-and-in)」の役割は、3つ星司令官の法的権限を完全に引き継ぐ。この2つの「帽子」を同時にかぶることで、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)は訓練・教育コマンド(TECOM)内で指揮権を行使するだけでなく、海兵隊本部(HQMC)の司令官最高幹部の常任メンバーとして既存の副司令官(DC)と対等な立場で任務を遂行することができる。訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)は以下の任務を遂行する。

・ 民間人を海兵隊員に変える。

・ 初級および上級の軍事特技(MOS)訓練を提供する。

・ 専門軍事教育(PME)と、変革を持続させるためのツールをリーダーに提供する。

・ 訓練基準を策定し、個人や集団の訓練即応性(training readiness)を評価し、海兵隊の訓練即応性(training readiness)を司令官や海兵隊司令官(CMC)に報告する。

・ 軍種レベル訓練(SLTE)をサポートする。

・ 訓練・教育コマンド(TECOM)を、この文書に含まれる指針と方向性を実施し、維持することができる3つ星の司令部に変える。

訓練・教育コマンド(TECOM)の基本的な任務の根底にあるのは、機動戦の哲学(maneuver warfare philosophy)に従って、不確実な環境の中で大胆かつ重大な決断を迅速に下すことができる、認知的で直感的な問題解決能力を備えた海兵隊員を育成することで、部隊を形成するというコンセプトである。海兵隊員は、複雑なマルチドメインの戦闘空間で活躍するために必要な知識と幅広い技能を備えていなければならない。海兵隊員はキャリアを通じて、さらなる教育と訓練を受ける必要がある。成功するかどうかは、技術をよりよく活用し、データ駆動型になり、利用可能な資源をいかに活用するかを改善できるかどうかにかかっている。状況によっては、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)は海兵部隊(MARFOR)や海兵遠征軍(MEF)の司令官を支援する司令官となる。しかし、役割が逆転し、海兵部隊(MARFOR)と海兵遠征軍(MEF)の司令官が訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)を支援することになる場合もある。

指示された行動

  1. 2023年3月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)の訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)の契約、調達、取得プロセスの見直しを完了し、海兵隊副総司令官(ACMC)に勧告を提出する。

ドクトリン

海兵隊ドクトリン刊行物(MCDP)1は、ドクトリンについて「戦争についての特定の考え方と闘い方を確立する。それはまた、・・・・プロフェッショナリズムと共通言語に対する命令」でもある。我々のドクトリンは、その基盤である用兵(Warfightingそのものを含め、機動戦(maneuver warfare)の本質的要素について確かな基礎を与えてくれている。しかし、これだけでは十分ではない。技術的、社会的、地政学的な変化の圧力の下で、戦争の性質が常に進化を続ける中、我々は、我々の用兵哲学(warfighting philosophy)を形成する際に当然と考えることができた前提を再検討し、我々の「共通言語」が時代に即したものであり続けるよう、そのような考えを海兵隊全体で明確かつ包括的に伝達する必要に迫られるかもしれない。このことは、我々が正当な自負心を抱いている海兵隊ドクトリン刊行物(MCDP)のレベルをはるかに下回る具体性で、ドクトリンの迅速な作成と普及をより重視する必要性を示唆している。このレベルのドクトリンは、艦隊海兵部隊(FMF)の作戦、演習、訓練で生み出される学習、および、軍種レベルでの公式な実験を通じて得られる学習と密接に結びついている必要がある。変化の激しい時代にあっては、ドクトリンをいつまでも静的なままにしておくわけにはいかない。我々は、定期的に更新される公式な成果物の中に、用兵機能(warfighting function)の全てに対応する学習結果を取り込まなければならない。最も重要なことは、そうすることで、そのドクトリンに従って訓練し、作戦する責任を負わなければならないということである。

ドクトリンの見直しと更新

ドクトリンは、作戦コンセプトと要件を策定するための基礎を確立するものである。また、これらの能力がどのように活用されるのかについての最良の理解も記述され、最終的には、訓練と関連する資源要件の詳細も記述される。フォース・デザイン2030で定義されたアイデアは、その健全性を検証し、その実施と支援要件をよりよく理解するために、広範囲にわたって議論され、実戦され、実験されてきた。脅威を明確に見据えながら、分散型海上作戦(DMO)、係争環境における沿岸作戦(LOCE)、遠征前進基地作戦(EABO)、スタンド・イン・フォース(SIF)などのコンセプトを引き続き改良、検証し、海兵隊の訓練・教育関連の方針と出版物が歩調を合わせるようにしなければならない。海兵隊が海軍のルーツと統合海軍力における重要な役割を再重視するためには、考え方の転換が必要であり、それは我々の考え方に影響を与える出版物に反映されなければならない。

訓練・教育コマンド(TECOM)は海兵隊のドクトリン策定を主導しているが、この重要なタスク(critical task)を遂行するための十分な資源が確保されていない。我々は、定期的かつ迅速な再評価と改訂のサイクルを考慮しつつ、海兵隊のドクトリン書を更新し、フォース・デザイン2030と将来の闘いに向けた態勢に整合させなければならない。そうすることで、我々の用兵能力要件(warfighting capability requirements)とそれに関連する訓練要件をよりよく伝えることができる。戦争の性質が変化した結果、我々はドクトリンで取り組まなければならない大きな問いに答えなければならない。我々は、21世紀に必要な戦術システムの基本をどのように考えているかを明確にしなければならない。技術の進歩と成熟した精密打撃体制(precision strike regimes)の普及が「殺された機動(killed maneuver)」「機動は死んだ(maneuver is dead)」と考える人がいることは認めるが、我々は断固として同意しない。今後、決定的な機動が可能となるような条件を設定することは、より困難なものとなり、これを反映するために、我々のドクトリンは更新されなければならない。

指示された行動

  1. 2023年4月1日までに、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)は、フォース・デザインの近代化に見合ったペースで、ドクトリンの見直しと改訂を急増させ、その後維持するために必要なリソースを特定する。調査結果と勧告を米海兵隊総司令官(CMC)に提出する。
  2. 2023年4月1日までに、すべての海兵部隊(MARFOR)司令官は訓練・教育コマンド(TECOM)に対し、今後24カ月間のドクトリン出版物更新の推奨順序/優先順位を提示する。
  3. 4月のエグゼクティブ・オフサイト(EOS)の前に、訓練・教育コマンド(TECOM)はエグゼクティブ・オフサイト(EOS)メンバーに対し、出版物の暫定的な順序とリリースを示す暫定的なスケジュールを提供する。そのリストには以下が含まれる(ただし、これに限定されるものではない)
    • MCWP 3-20「航空作戦」
    • MCWP 3-31「海兵空地タスク部隊(MAGTF)の射撃と効果」
    • MCWP 3-40「兵站作戦」
    • MCTP 8-10A「部隊訓練管理」
    • MCTP 8-10B「訓練の実施方法」
    • (未定)「小型UASの作戦」
    • (未定)「対UAS作戦」、および
    • (未定)「情報環境における作戦」。

さらなる分析が必要な問題

A. FMFM 6 地上戦闘作戦(Ground Combat Operations。 この文書は1995年に作成されたが、この30年の間に地上戦闘作戦の分野では大きな進歩があった。この文書の内容を検証し、必要であれば更新して、正確性、妥当性、フォース・デザイン2030(FD2030)との整合性を確保すべきである。

海兵隊員を育成する

我が国の若者たちは、新兵訓練や将校候補生学校で志願して変身を遂げ、米国海兵隊員となり、我が国の闘いに闘い勝利するために人生を捧げる。海兵隊は、このような困難に立ち向かう海兵隊員を育て、その準備をさせるという神聖な責任を負っており、そのプロセスの基本が変わることはない。海兵隊員という称号の獲得とそれに続く軍事特技(MOS)の達成は、海兵隊員のキャリアにおいて重要な瞬間であり、将来の成功と定着に大きく影響する。

さらなる分析が必要な問題

B. 予測分析と海兵隊新兵訓練所(MCRD)の離職。現役終了(EAS)以外の離職は戦力から人材を流出させ続け、事業全体に巨額のコスト負担を課し続けている。人工知能(AI)の進歩は、過去10年間の入隊者減少データを理解し、リスク要因を特定するのに役立つかもしれない。そして、そのデータを活用して、先手を打ってリスクを軽減することができる。我々は初級レベルの訓練中の離職について完全に理解しているのだろうか?AIをどのように活用すればよいのだろうか?

横方向の入隊の経路

「人材(才能)管理2030(Talent Management 2030)」で述べたように、現在のところ、最も低い給与水準からスタートし、段階を踏んで昇進していくことを望まない限り、人材を採用するプロセスはない。重要で高度に専門的な技能や技術的技能の専門性を高めるにはリードタイムが必要であるため、将来の戦力として必要な人材の層を厚くすることは困難である。また、競争の激しい経済状況下で、需要の高い技能を持つ人材を確保することも同様に難しい。私は訓練・教育コマンド(TECOM)と人員・予備役担当(M&RA)に、我々が必要とする専門技能を持つ人材を適切に選別し、訓練し、競争力のある階級で海兵隊に移行させるプロセスを共同で開発するよう命じた。「海兵隊員(Marine)」という称号は常に獲得されるものであり、海兵隊員になることを定義する基準を妥協するつもりはない。

指示された行動

  1. 2024年3月1日までに、人員・予備役担当(M&RA)は訓練・教育コマンド(TECOM)と連携し、人材(才能)管理を促進するため、専門技能を持つ人材を選別し、訓練し、競争力のある階級で海兵隊に移行させる方法を開発する。

歩兵の初級レベルの訓練

2030年以降の海兵隊には、多分野にまたがる歩兵のアプローチが必要である。2年前、海兵隊は初級レベルの歩兵訓練への投資を大幅に増やし、将校と下士官海兵隊員の訓練期間を増やし、新しい方法論を導入し、肉体的・精神的な基準を引き上げることに着手した。これらはすべて、海兵隊員が初級レベル訓練(ELT)を修了後すぐに歩兵任務の厳しい要求に応えられるようにすることを到達目標としたものである。

我々は、下士官学校(SOI)で新しい歩兵海兵課程(IMC)を開始した。この課程は、海兵隊員の批判的思考力と意思決定力に挑戦する、複雑さを増す実践的な応用演習を行う4段階の指導プログラムである。この課程の導入は、公式な訓練に対する我々のアプローチの根本的な転換を意味する。講堂ベースの大人数指導を廃止し、分隊レベルでの学生中心の学習に重点を置いた。指導は、分隊長(軍曹)が分隊に対し、通常は現場で行う。学生は、戦術的な問題を通じて仲間を指導し、また他の学生を指導する能力で評価される。このような指導と学習の環境は、学生の絶え間ない参加を保証し、将来の部隊でより大きな影響力を発揮できる海兵隊員を育成する。

歩兵海兵課程(IMC)はまた、将来の戦力として必要な無形の技能も植え付けている。学生たちは責任と決断の場を与えられ、結果に対して責任を負う。これにより、学生が自分自身や仲間に挑戦し、しばしば予期せぬ好結果を生み出すという文化が根付いている。

歩兵海兵課程(IMC)で訓練を受けた海兵隊の第一陣は、すでに所属部隊に合流している。訓練・教育コマンド(TECOM)は教育プログラム(POI)を改善するため、艦隊海兵部隊(FMF)から引き続きフィードバックを求める予定だが、最初のフィードバックは圧倒的に肯定的なものだった。歩兵海兵課程(IMC)を修了した海兵隊員は、自信を持って艦隊海兵部隊(FMF)に入隊しており、訓練内容を分析し、批判的に報告することができる。また、コミュニケーション、シグネチャーの管理、ロケットの使用、解体など、より広範な技能を身につけている。

指示された行動

  1. 2023年3月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、変化を加速させるために、初級レベル訓練(ELT)と公式な学校全体に歩兵海兵課程(IMC)の方法と学んだ教訓を適用する適切な機会を特定することによって、歩兵海兵課程(IMC)の成功の上に構築する。これらの教訓に基づく保留中の変更についてエグゼクティブ・オフサイト(EOS)にブリーフィングし、軍種レベルのコミュニケーションで使用するために、歩兵海兵課程(IMC)の教訓に関する情報ペーパーをコミュニケーション本部と法制局に提供する準備をする。

軍事特技(MOS)の訓練

海兵隊の学習要件は、初級軍事特技(MOS)育成と軍事特技(MOS)昇格の両方について再考を必要とする速度で増加している。我々は基準を高め、より有能な海兵隊員を艦隊海兵部隊(FMF)に送り出すと同時に、海兵隊員のキャリアを通じて与えられる軍事特技(MOS)固有の能力開発機会を奨励し、拡大しなければならない。そのためには、現在の開発能力の評価、学習を可能にする技術の活用、公式の学校の管理・評価方法の変更、公式の学習センターのインストラクターや教育スタッフの専門能力開発への投資が必要である。

能力と育成要件

フォース・デザインと人材(才能)管理の取組みは、公式の学校での適応を必要とする。フォース・デザインは17の軍事特技(MOS)の育成要件を増加させるが、そのうちの11の軍事特技(MOS)は新しい重要な能力のための直接的なイネーブラである。さらに、採用と維持のバランスを見直すには、軍事特技(MOS)育成校に対する現在のアプローチを評価する必要がある。これは、新兵一人ひとりに軍事特技(MOS)を割り当てることで、既存の才能を伸ばすと同時に、横移動のインセンティブを高めるという目標から始まる。訓練待機海兵隊員(MAT)の数を減らしながら、これらのイニシアティブをサポートするために軍事特技(MOS)パイプラインを修正する革新的な方法を模索する。訓練・教育コマンド(TECOM)は教育プログラム(POI)と軍事特技(MOS)育成能力を評価し、フォース・デザインによる要件の変化を考慮したアプローチを確保する。この評価で重要なのは、艦隊海兵部隊(FMF)から寄せられた、海兵隊入隊時に求められる軍事特技(MOS)技能に関するフィードバックである。

初級軍事特技(MOS)訓練をどのように調整できるかの一例として、MQ-9リーパーのドローン・パイロットとセンサー・オペレーターの訓練が挙げられる。過去数年間、初級オペレーター訓練は、軍間訓練協定を通じて米空軍を通じて実施されてきた。しかし現在、我々は海軍航空訓練部長と協力して、海軍航空無人航空機システム(UAS)課程を創設している。さらに、海兵隊のMQ-9艦隊代替飛行隊の設立も進めている。どちらのイニシアティブも2024年度には完成し、学生の受け入れを開始する予定だ。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は将来の部隊開発を支援し、持続的な不足を是正するために、現在の軍事特技(MOS)育成能力を評価する。これにはいくつかのサブタスクが含まれる。

7.1 技術を活用して学習をより効果的にする機会を特定する。

7.2 公式の学校を管理および評価するための既存のプロセスを評価する。

7.3 公式学習センターのインストラクターと学習スタッフの専門能力開発を改善するための方法を決定する。

7.4. 訓練待機海兵隊員(MAT)の滞留を削減するための選択肢を開発する。

さらなる分析が必要な問題

C. F-35パイロットの不足。訓練・教育コマンド(TECOM)は、航空担当副司令官(DC, Aviation)および人員・予備役担当副司令官(DC, M&RA)と協力して、F-35パイロットの不足を削減し、その後すべての等級にわたって必要な人口を維持するために、どのような採用、訓練、維持の組み合わせが必要かを評価する。

D. MQ-9オペレーター。海兵隊は、海軍飛行士の資格を得るために、将校以外の選択肢を検討すべきだろうか?

技術が可能にする教室と教育ソフトウェア(COURSEWARE)

すべての教育プログラム(POI)が、ブレンド配信やオンライン配信に適しているわけではない。しかし、ほとんどすべての教育プログラム(POI)は、より効果的な技術統合によって、品質と育成の両面で改善することができる。過去数年間、訓練コマンドは、軍事特技(MOS)を育成しているいくつかの学校で、様々な自分のペースで学習する方法論を実験してきた。我々の教室や教育ソフトウェア(courseware)におけるより良い技術統合は、育成性を向上させ、より高度に訓練された海兵隊員を生み出し、全体的な訓練時間を短縮し、我々の学習インフラへの負担を制限することができる。

我々の教育プログラム(POI)は、海兵隊員がすでに何を知っているか、そして、どのような学習方法が個人と教科にとって最も効果的かを考慮しなければならない。技術は、個々の海兵隊員の学習スタイルに合わせて教材を調整する可能性を提供する。また、文脈に沿った学習の機会も増え、学習資源、特にインストラクターの効果を最大化する機会にもなる。技術的に可能になった教育ソフトウェア(courseware)の実験では、軍事特技(MOS)作成の能力と質を大幅に向上させることが期待されている。適切な場合には、公式な学習センターの教育ソフトウェア(courseware)と教室をデジタル化し、状況に応じた学生中心の学習体験を促進する。

デジタル教材の有用性を最大化するため、我々はネットワークの基盤となる施設の通信網を改善し、公式な学習センターに無線接続とデバイスを装備している。これは多段階にわたる複数年の取り組みであり、2025年までに完了する予定である。学生にオンライン教材へのアクセスを提供することで、艦隊海兵部隊(FMF)に入隊する海兵隊員の習熟度を高め、艦隊海兵部隊(FMF)がデジタル化された教材を使用して部隊レベルでの維持訓練(sustainment training)を支援できるようにする。

指示された行動

  1. 2023年10月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は訓練を改善するための方法論とパイロット・プログラムを開発し、個人の学習と軍事特技(MOS)開発を促進するために非同期学習の実験を行う。
  2. 2025年1月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、情報担当副司令官(DC, I)および海兵隊施設コマンド(MCICOM)と連携して、すべての公式学習センターに、デジタル教材を最大限に活用するために必要な(有線および無線の)接続およびデバイスを装備する。

技能向上の奨励

最終的には、すべての海兵隊員が自らの学習に責任を持つ。教育は、海兵隊員をリーダー、教師、メンター、軍事特技(MOS)の実践者として向上させる。しかし、現在の軍事特技(MOS)昇格システムは、海兵隊員の学習を加速させ、拡大させるインセンティブを与えるのではなく、最低限の要件を満たすものになりがちである。地域によっては、資格、呼称、認定の基準を設けて、技能向上のインセンティブを与えているところもあるが、すべてではない。我々は、すべてのコミュニティで、軍事特技(MOS)技能の上達にさらにインセンティブを与える方法を模索する。例えば、訓練・教育コマンド(TECOM)は海軍コミュニティ・カレッジと提携し、海兵隊の用兵能力(warfighting capabilities)と軍事特技(MOS)能力を向上させる準学士号を試験的に取得している。我々は、軍事特技(MOS)向上の機会をさらに拡大し、マイクロ・クレデンシャル1や業界認定を含める。

※1 マイクロ・クレデンシャルとは、文部科学省の中央教育審議会大学分科会審議資料によると、「『ナノ学位』、『マイクロマスター・クレデンシャル』、『サーティフィケート』、『バッジ』、『ライセンス』、『エンドースメント」など、さまざまな形態のクレデンシャルを包含する用語。その名が示すように、マイクロ・クレデンシャルは、従来の学位などよりもはるかに小さな学習モジュールに焦点を当てているため、学習者は短期間で必要な学修を完了することができる。最も発展した形では、マイクロ・クレデンシャルは、単なる小規模な学習モジュールの認識以上のものとなる。マイクロ・クレデンシャルは、デジタル通信技術が、ある学習者がどのような知識を持ち何ができるのかについての情報を共有することができるような、関係者のネットワークをデジタル・コミュニケーション技術によって確立することによって可能になったデジタル・クレデンシャル・エコシステムの一部分となる(Milligan and Kennedy, in James et al., 2017)」とある。

指示された行動

  1. 2023年3月1日までに、人材・予備役担当副司令官(DC, M&RA)は、すべてのコミュニティで軍事特技(MOS)技能の向上を奨励し、マイクロ・クレデンシャルや業界認定を含む 軍事特技(MOS) 向上の機会を拡大するための選択肢を特定する。

公式の学校の管理と評価

公式な学校および部隊の訓練管理評価データは現在、艦隊海兵部隊(FMF)で要求される技能を学校がどの程度生み出しているかを判断する際に孤立しており、十分に活用されていない。訓練と即応性(T&R)プログラムと教育プログラム(POI)を改善するには、公式な学校と部隊の訓練データをより適切に調整する必要がある。2023年から、公式な学校の評価方法を評価および調整する。同時に、部隊の評価方法も検討する。ここでの到達目標は、公式な学校と部隊の訓練管理の方針と実践を調整し、訓練・教育(T&E)事業全体の改善方法に関する意思決定に役立つ有意義な指標を作成することである。これらの評価は、課程内容確認ボードと訓練と即応性(T&R)マニュアルの更新に情報を提供して改善し、結果として各軍事特技(MOS)内で必要な技能と行動を教育機関が特定するのに役立つ。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、公式な学校と部隊の訓練管理方法の評価を完了し、両者の質および両者の連携を向上させるような方針の変更を提言する。

さらなる分析が必要な問題

E. 基本術科学校(TBS)の質の普及の方針。基本術科学校(TBS)で採用されている軍事特技(MOS)選抜の質の普及モデルを継続する根拠や分析は何か?上位3分の1の海兵隊員よりも下位3分の1の海兵隊員を優遇することで、成果や業績を阻害していないか?

F. 第2海兵師団リーダー評価。歩兵中隊長を対象とした師団のリーダー評価プログラムを他の師団にも拡大することを支持する根拠や分析はあるのか?他の主要隷下司令部は?他の軍事特技(MOS)?

部隊レベルの訓練

海兵隊は個々の海兵隊員の技能と能力に多大な投資を続けているが、チームの一員として作戦すれば、全ドメインでより大きな効果を上げることができる。火力チームから海兵遠征軍(MEF)まで、我々は個々のメンバーの総和よりも偉大である。特に、機動戦の哲学(philosophy of maneuver warfare)を集団として内面化した場合である。あらゆるレベルのリーダーは、部隊レベル訓練(ULT)を開発し、実行できなければならない。部隊の訓練の最終的な責任は指揮官が負うが、基準と必要な資源は海兵隊全体のアプローチが必要である。

最新の、詳細で、定期的に更新される用兵ドクトリン(warfighting doctrine)から導き出される基準は、訓練と評価の基礎を形成する。海兵隊の旗振り役として、訓練・教育コマンド(TECOM)は司令官が自分自身やチームを評価するためのリソースを提供し、部隊レベル訓練(ULT)を支援している。将来の作戦環境の課題に対応するため、訓練・教育コマンド(TECOM)は、適切で詳細なオンデマンドのフィードバックとサポートをリーダーに与える世界クラスの訓練環境を提供する幅広い取り組みを行っている。適切なリソースを提供することで、指揮官が自信を持って海兵隊員の目を見て、重要な質問に答えられるようにする。我々は、「闘い、勝利する(fight and win)」ための準備はできているか?

訓練の近代化

海兵隊は、迫りくる脅威(pacing threat)に対する優位性を維持するため、射撃場・訓練場(RTA)、訓練システム、シミュレータのポートフォリオを必要としている。海兵隊とその部隊が、国家の即応できる海軍遠征部隊として態勢を整えるためには、現在と将来の作戦環境を再現した訓練条件が必要である。新たなコンセプトや進化する任務を支援する訓練には、新たな訓練場の新設や改造、再利用が必要となる。実戦訓練を支援する上で最も重要な課題は、環境計画とコンプライアンスの課題に対処しながら、最新の兵器システム、射撃プラットフォーム、弾薬の要件を満たすのに十分な陸・海・空スペースを提供することである。

2030年環境の作戦要件についてより深く知るにつれて、統合(一体化した)火力の運用が任務の即応性を発展させる中核的要素であり続けることは明らかである。しかし、UAS、サイバー、電子戦、徘徊型弾薬能力を拡大する一方で、海軍統合、分散作戦、都市沿岸作戦に焦点を当てたコンセプトに移行することは、訓練能力に大きな負担をかける。ペース通りに進めるには、射程を拡大・強化し、急速な変化に対応し、膨大な量のセンサー・データを処理できる国防総省統合の訓練環境を整備する必要がある。

指示された行動

  1. 2023年4月1日までに、計画・政策・作戦担当副司令官(DC, PP&O)(海兵隊司令部、海兵隊太平洋方面軍、海兵隊予備役が支援)は、訓練即応性(training readiness)報告システムとしての国防即応性報告システム‐海兵隊(DRRS-MC)の性能を包括的に評価する。エグゼクティブ・オフサイト(EOS)で調査結果と推奨される変更を報告する準備をすること。
  2. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)(計画・政策・作戦担当副司令官(DC, PP&O)と情報担当副司令官(DC, I)の支援)は、分析的/データ駆動型の訓練要件と訓練即応性(training readiness)報告を使用するシステムを導入し、傾向を特定し、即応性/能力のギャップを予測することで、ギャップを緩和または完全に回避する。

さらなる分析が必要な問題

G. シミュレータ。訓練と即応性(T&R)標準に結びついたシミュレータ訓練の利用を拡大すべき場所はどこか?現在、十分なシミュレータを備えていない既存のプラットフォーム・プログラムは?

H. 迫りくる脅威(pacing threat。訓練と即応性(T&R)マニュアルは、迫りくる脅威(pacing threat)と、関連する不測の事態に備えるために必要な訓練を反映すべきか?

近代化された海兵隊訓練環境

我々は常に、どのように闘うかを訓練する。海兵隊訓練環境(MCTE)の拡張と近代化は、その解決策の一部を提供するものである。海兵隊訓練環境(MCTE)は将来の諸兵科連合訓練(combined arms training)のコンセプトであり、内部でも統合部隊の一部としても、先進的な能力を現実的に訓練し、行使することを可能にするものである。海兵隊訓練環境(MCTE)は、最も広範な意味での諸兵科連合訓練(combined arms training)を可能にし、部隊対抗(FoF)演習能力における新たな次元の拡大を可能にする。コンセプト的には、近代化された海兵隊訓練環境(MCTE)は、高忠実度のフライト・シミュレータから、射撃場、訓練場、部隊対抗(FoF)訓練システムに至るまで、すべての訓練イネーブラを、訓練イベントをサポートする指揮・統制(C2)アーキテクチャとネットワークに統合する。海兵隊訓練環境(MCTE)は単一の取得プログラムではなく、複数の訓練プログラムで構成されるエコシステムである。海兵隊訓練環境(MCTE)ネットワークをさらに改善するため、我々は既存の訓練システム間の相互運用性を構築し続けるとともに、ますますダイナミックになる訓練環境をサポートするために必要な技術をあらかじめ備えたシステムをオンラインに追加していく。

指示された行動

  1. 2026年1月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は次期部隊対抗訓練システム(FoF-TS Next Program)を全軍に配備し、現実的で挑戦的な部隊対抗(FoF)訓練を実施するために必要なツールを訓練部隊に装備させる。このシステムは迅速な変更に対応し、部隊対抗訓練システム(FOF-TS)、UAS、サイバー、電子戦、および徘徊型弾薬能力に必要な膨大な量のセンサー・データを処理し、即応性を促進する必要がある。

LVC訓練環境(LIVE, VIRTUAL, AND CONSTRUCTIVE- TRAINING ENVIRONMENT :LVC-TE)

LVC訓練環境(LVC-TE)は、この重要な変革期に海兵隊が戦闘即応性(combat readiness)を構築する方法の礎石となる。遠征長距離精密射撃、徘徊型弾薬、歩兵大隊の有機的精密射撃、無人システム、電子戦能力などの拡散は、集団的訓練と戦闘即応性(combat readiness)の構築の能力に大きな課題を与えるだろう。我々は、我々の計画する能力が、既存の訓練インフラや実弾射撃場をすぐに追い越し、米国本土内外の環境規制や政府の政策に挑戦することになることを認識すべきである。

こうした課題に対処するため、私は、LVC訓練環境(LVC-TE)の開発、実施、維持に必要な人材、プロセス、システムのあらゆる側面に対処するプロジェクト・トリポリの実施を指示した。プロジェクト・トリポリのようなイニシアティブを可能にするため、我々は訓練能力の近代化を、フォース・デザイン2030を支援するためのトップ3の投資の1つとして優先させた。プロジェクト・トリポリとそれが生み出すLVC訓練環境(LVC-TE)は、あらゆる階層で、あらゆるドメインで、異なる場所につながって、完全に統合された訓練を実施する手段を提供する。完全に成熟した状態では、LVC訓練環境(LVC-TE)は、統合および国際的なLVC能力と完全に統合するために必要なシステムの相互運用性を生み出す。その主な目標は、指揮官の各階層における戦闘即応性(combat readiness)を高めることであり、同時に新たなコンセプトや技術の実験も可能にすることである。次のビネットは、この急速に進化する能力の利点を強調している。

ハワイの海兵沿岸連隊(MLR)指揮部隊が、ノースカロライナ州チェリーポイントにあるライブおよびバーチャル(リンクされたシミュレータから操縦)F-35統合打撃戦闘機を指揮し、カリフォルニア州サンクレメンテ島のライブ遠征前進基地から仮想の敵艦のターゲッティング・データを受信し、ターゲッティング・データを遠征打撃群に送信したり、コンピュータで生成された海軍攻撃ミサイル攻撃を実行したり、すべての参加者が完全な作戦図(operational picture)を共有している様子を想像されたい。

LVC訓練環境(LVC-TE)は、安全に対するリスクを最小限に抑え、現実的な訓練体験を作り出し、利用可能な支援の全ドメインを統合する一方で、コスト削減を最大化し、重要な能力を敵にさらすことを最小限に抑えながら、中核的かつ割り当てられた任務必須タスク(MET)の反復回数を増やすことを可能にする。上述した仮定のビネットは、実現可能なことのほんの始まりに過ぎない。プロジェクト・トリポリを通じてLVC訓練環境(LVC-TE)を実現する際、海兵隊は予期せぬ課題を特定し、「戦術・技法・手順(TTP)」を開発し、新たな技術やコンセプトを試し、海軍、統合、および国際的なパートナーとの習慣的な訓練関係を構築する。また、LVC訓練環境(LVC-TE)能力はスケーラブルであり、初級レベル訓練(ELT)や公式な学校内での個人訓練を可能にする一方、軍種レベル訓練(SLTE)、統合演習、または完全に連携した大規模演習の中で、海兵遠征軍(MEF)司令官まで含めた漸進的な方法で集団訓練を支援する。LVCの活用により、海兵隊はその訓練文化を、主に実戦的または総合的なアプローチから、実戦的訓練と合成訓練を同時に取り入れた漸進的モデルへと変革する。

指示された行動

  1. 2024年9月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)(MCICOMと情報担当副司令官(DC, I)の支援)は、海兵隊総司令官の計画策定指針に合致し、すべての階層における訓練を完全に統合する、米海兵隊の全ドメイン訓練構造を開発する手段として、プロジェクト・トリポリを全面的に採用する。この能力には、射撃場、装置、シミュレータ、構成部隊からのリアルタイム・データを統合するネットワーク・アーキテクチャが含まれる一方、地理的に分散した世界中の海兵隊、統合、パートナー国の部隊間の相互作用を可能にし、初期運用能力を達成する。
  2. 2023年3月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、将来のプログラム目標達成覚書(Program Objective Memorandum:POM)計画策定に情報を提供するため、計画・資源担当副司令官(DC, P&R)にプロジェクト・トリポリの完全負担コスト/総所有コストの見積りを提供する。

実動訓練のための現状と計画されている行動

2030年の訓練要件を満たすため、フォース・デザイン2030(FD2030)、ひいては国家防衛戦略を支援するために必要な射場や訓練場、訓練システム、シミュレータ、特別使用空域(SUA)の更新、その他の訓練資源について詳細な分析と評価を実施している。この近代化には、複数の同時訓練イベントや演習を効果的に管理し、紛争を解消するためのインフラ、射撃場運用管理システム、射撃場安全ツールへの投資が必要である。

競争と戦闘のために我々のエッジを研ぎ澄ますために、我々は現実的で挑戦的な部隊対抗(FoF)訓練を実施するために必要なツールを訓練部隊に装備する。我々は現在、次期部隊対抗訓練システム(FoF-TS Next Program)の下で、海兵隊全体への配備を目的とした一連の機能を調達している。このプログラムは、特殊効果小型兵器マーキングシステム(SESAMS)2ジェネレーションIIと海兵隊戦術計測システム(MCTIS)で構成されている。海兵隊戦術計測システム(MCTIS)は指揮・統制(C2)ネットワークと個人、車両、兵器の代用センサーのシステムを提供し、ターゲットの交戦判定を行う。さらに、忠実度の高い部隊のアフター・アクション・レビュー(AAR)を支援するために、コンピュータ生成されたインジェクトを提供する。海兵隊戦術計測システム(MCTIS)のアフター・アクション・レビュー(AAR)は、明確なフィードバック、再生機能、レポート作成機能を備えており、部隊は結果を訓練に反映させ、熟練度と即応性を高めることができる。さらに、海兵隊戦術計測システム(MCTIS)は海兵隊訓練環境(MCTE)と連携して、バーチャル・システムおよびコンストラクティブ・システムとのインターフェイスを提供する。次の開発段階では、空対空および空対地機能を構築し、完全な諸兵科連合訓練(combined arms training)環境の中で地上システムと統合する予定である。

※2 特殊効果小型兵器マーキング(SESAMS)プロジェクトは、兵器が実弾を発射しないようにしながら、低速マーキング弾薬を発射するための兵器改造キットを提供する。この機能により、部隊対抗の接近戦シナリオにおいて、射手とターゲットに視覚的・感覚的なフィードバックを即座に提供し、参加者のリスクと射撃場の維持費を削減することができる。

さらに、妨害や方向探知などの能力を採用し、拒否され、劣化し、破壊された電磁スペクトラム作戦(EMSO)訓練環境を作り出す訓練能力を開発している。この取り組みにより、軍事情報支援作戦(MISO)、攻撃的サイバースペース作戦、影響力作戦、対抗測位・航法・時刻(counter-PNT)脅威能力再現のためのモジュール式でスケーラブルな電磁スペクトラム作戦(EMSO)システムが構築される。この能力により、部隊は電磁スペクトラム、情報環境、宇宙ドメインにおける迫りくる脅威(pacing threat)の能力に対抗するための「戦術・技法・手順(TTP)」を学習し、実施し、リハーサルすることができる。また、これらのシステムにより、訓練部隊は電磁スペクトラム作戦(EMSO)の足跡を視覚的に観察し、放出統制手段の有効性を認識することができる。

我々はF-35統合打撃戦闘機を海兵空地任務部隊(MAGTF)の構成に統合し続け、固定翼の訓練機会の拡大と改善に重点を置いている。また、米連邦航空局と協力し、チェリーポイント海兵隊航空基地とキャンプ・ルジューン海兵隊基地周辺の軍事作戦地域(MOA)空域と制限空域(RA)を拡大している。この拡張により、航空機乗務員の既存および将来の訓練機会が拡大される。これらの取組みは、長距離精密射撃に重点を置く海兵隊を支援し、海兵隊の強化砲兵システムによる訓練の拡大を可能にする。最後に、トゥエンティナイン・パームスにある海兵隊空地戦闘センター(MCAGCC)のジョンソン・バレー拡張工事の制限空域(RA)を取得するための取組みは、大規模な演習のための航空地上統合作戦の演習能力を拡大することを支援するものである。

指示された行動

  1. 2025年1月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は軍種レベル訓練(SLTE)と訓練配備を強化するため、軍事情報支援作戦(MISO)、攻撃的サイバー空間作戦、情報作戦、対抗測位・航法・時刻(counter-PNT)脅威能力再現のためのモジュール式でスケーラブルな電磁スペクトラム作戦(EMSO)システムを実戦配備する。

射撃のトレーナ

すべての海兵隊員がライフル兵であることは、海兵隊としてのアイデンティティーの基礎であり、射撃技術は個々の海兵隊員の致死性の本質である。我々は、個々の海兵隊員、射撃チーム、分隊の致死性能力を向上させるために、射撃訓練の課題に対処するための包括的なソリューションの一環として、複数のシステムに投資している。現在実戦配備されているシステムは、基本的な射撃技術、戦術的な射撃技術、重要な射撃/射撃なしの意思決定技術を開発し、磨くためのツールを提供するものである。訓練システムの改良に加え、新しいライフル射撃の年次予選では、攻撃的な考え方を身につけさせると同時に、致死性と位置取り射撃(positional shooting)に重点を置くことで、より現実的な状況を再現している。例えば、新しい射撃課程では、まず500メートルでの速射が行われる。射手は最大射程距離で交戦し、前方に進み、射撃の進行の中で敵に向かって攻撃する。

現在実戦配備されているシステムのひとつが、無軌道移動歩兵ターゲット(TMIT)である。無軌道移動歩兵ターゲット(TMIT)は3次元で、自由に動き回り、速度や加速度が変化する移動ターゲットであり、360度自由に動くことができ、遠隔操作や半自律的な制御で機動する。無軌道移動歩兵ターゲット(TMIT)は、実弾射撃と非実弾射撃の両方の訓練環境において、人間のターゲットをダイナミックかつリアルに表現し、複数の訓練と即応性(T&R)イベントにおける幅広い訓練用途とシナリオを可能にする。我々は、無軌道移動歩兵ターゲット(TMIT)訓練の可能性を最大限に引き出し、初級レベル訓練(ELT)と部隊レベル訓練(ULT)にシステムを統合するための要件を決定し、その結果を評価するために、エンドユーザー評価を実施している。同時に、これらの訓練能力が諸兵科連合シナリオ(combined arms scenarios)で最大限の効果を発揮できるよう、既存の演習場のデザインとインフラを厳密に調査している。

移動型訓練チーム(MTT)支援の選択肢

我々の4つの用兵高等研究センター(warfighting COE)、海兵空地タスク部隊(MAGTF)の各要素に焦点を当てた高度な個人および集団参謀訓練を実施している。すなわち、地上戦闘要素(GCE)には海兵隊戦術作戦グループ(MCTOG)、航空戦闘部門(ACE)には海兵隊航空兵器戦術中隊(MAWTS-1)、兵站戦闘部門(LCE)には海兵隊兵站作戦グループ(MCLOG)、指揮要素(CE)には海兵空地タスク部隊(MAGTF)参謀訓練プログラム(MSTP)である。経験豊富な訓練士を擁するこれらの組織は、ドクトリンと訓練基準開発の最先端で作戦し、フォース・デザイン2030(FD2030)の実施に不可欠なコンセプト実験の実験場となっている。これらの高等研究センター(COE)は、世界最先端の戦闘員訓練(world’s most advanced warfighter training)を、我々の最高の諸兵科連合訓練場(combined arms training venues)‐カリフォルニア州29パームス(29 Palms)とアリゾナ州ユマ‐で提供し続ける。

しかし、訓練参加者を拡大し、代替訓練場所(海上や沿岸の環境を含む)がもたらす機会を活用し、フォース・デザインの実験を最大限に普及させるためには、海兵遠征軍(MEF)内で実施される部隊レベル訓練(ULT)と統合し、支援するための艦隊支援プログラムを開発しなければならないことを、我々は認識している。我々の高等研究センター(COE)からの移動型訓練チーム(MTT)は、海兵空地タスク部隊(MAGTF)の機能レベル訓練を海兵遠征軍(MEF)内で実施する上で有用であることがすでに証明されている。我々は、海兵遠征軍(MEF)内の海兵空地タスク部隊(MAGTF)の全要素にまたがる多機能統合訓練を輸出することで、この成功を土台とする。海兵空地タスク部隊訓練コマンド(MAGTFTC)は、部隊レベル訓練(ULT)と軍種レベル訓練(SLTE)能力を開発し完全に統合する際に、海兵隊訓練環境(MCTE)の進歩を活用するグローバル・サポート・チーム・コンセプトの選択肢を開発している。

指示された行動

  1. 2023年4月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は海兵遠征軍(MEF)内で実施される部隊レベル訓練(ULT)との統合と支援を促進するため、艦隊支援プログラムを公式化する。

遠征戦訓練グループ(ETWG)における統合訓練の拡大

訓練・教育コマンド(TECOM)は現在、海軍と協力し、海軍と統合射撃の訓練コンセプトを開発・拡大している。最低でも、統合(一体化した)射撃を通じて、統合および海軍のキル・ウェブを教え、訓練しなければならない。海上ドメインでは、海兵隊はキル・ウェブの重要な構成要素であり、海兵隊員とリーダーは、海軍と統合戦闘で統合(一体化した)火力をシームレスに展開、使用するために必要な役割、責任、権限を理解しなければならない。

我々の遠征戦訓練グループ(EWTG)の祖先は、バージニア州リトルクリークに設立された上陸部隊訓練部隊である。第二次世界大戦後、この部隊は上陸部隊訓練コマンドに再指定され、水陸両用作戦における海軍と海兵隊のチームの訓練に重点を置いた。しかし、「イラクの自由作戦(OIF)」/「不朽の自由作戦(OEF)」時代以降、遠征戦訓練グループ(EWTG)における海軍と海兵隊の統合訓練と実験の範囲と規模は萎縮している。今こそ、遠征戦訓練グループ(EWTG)と遠征作戦訓練グループ(EOTG)の両方を活用して、海軍の新たな遠征コンセプトの統合と実験をどのように「規模拡大」するかを決定する時である。これに対処するため、訓練・教育コマンド(TECOM)は(海軍教育訓練コマンドおよび艦隊司令官と連携して)、遠征戦訓練グループ(EWTG)と遠征作戦訓練グループ(EOTG)を活用して標準ベースの統合海軍訓練・教育を拡大するためのロードマップを作成する。

指示された行動

  1. 2023年4月1日までに、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)(海兵遠征軍(MEF)司令官の支援)は、エグゼクティブ・オフサイト(EOS)の選択肢と、標準に基づく海軍の統合訓練・教育をあらゆるレベルで改善・拡大するために、遠征戦訓練グループ(EWTG)と遠征作戦訓練グループ(EOTG)の独自の機能を活用するための提言を提供する。このプレゼンテーションの一部には、完全負担コスト/総所有コストの予備見積も含まれる。

訓練の場の拡大

訓練は、最も厳しい条件や作戦環境での戦闘で勝つことに焦点を当てなければならない。今後は、「あらゆる気候と場所」で海兵隊員を訓練するための選択肢を模索し、その機会を活用する必要がある。そのためには、将来の射撃場、訓練場、ライブ・バーチャル訓練環境を総合的に評価し、それぞれを取得・維持するための資金調達戦略を策定する必要がある。

指示された行動

  1. 2023年4月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、「あらゆる気候と場所で」、あらゆるドメインで訓練を行う機会を活用するために、補足的な射撃場、訓練場、および連合LVC会場を特定し、その能力をあらゆるレベルで活用するための戦略を策定する。訓練・教育コマンド司令官(CG、TECOM)は、エグゼクティブ・オフサイト(EOS)に勧告を含む選択肢の説明を提供する準備をすべきである。

さらなる分析が必要な問題

I. 空域(Airspace。海軍がファロン海軍航空基地の空域拡大の取り組みを継続する中、我々はすべての基地での訓練拡大をサポートするために空域のニーズを分析する必要がある。これには、カリフォルニア州29パームス(29 Palms)の海兵隊空地戦闘センター(MCAGCC)での訓練をサポートする空域拡大に関する連邦航空局との現在の取り組みも含まれる。

J. アラスカ。アラスカに存在するマルチドメインが可能な訓練場や施設を活用し、部隊や軍種レベルの訓練を拡大するための選択肢は何か。マルチドメインまたは全ドメインの訓練を実施するために、他に実行可能な場所はあるか?アラスカでの訓練を拡大するためには、より永続的なプレゼンスが必要となるのか。

軍種レベルの訓練演習

我々の軍種レベル訓練(SLTE)は海兵隊の戦闘準備に役立っており、現在は海兵隊が将来の作戦環境に対応できるよう適応している。以前にも述べたように、分散、あらゆる脅威主体からの観測射撃と精密火力へのさらなる露出、サイバーと情報作戦、統合部隊全体の統合が、競争の連続体(competition continuum)における将来の行動を定義している。将来の作戦環境を再現した現実的なシナリオを用いて現実的な訓練を行うためには、指揮官は思考力と適応力のある敵に対して戦力を投入する必要がある。我々は、部隊全体の致死性を高めるために、競争という坩堝(るつぼ)を利用しなければならない。この方向への一歩は、部隊対抗(FoF)訓練の変更と個々の部隊指揮官の評価を通じて、すでに進行中である。

マルチドメイン訓練と部隊対抗訓練

海兵空地タスク部隊用兵演習(MWX)の実施により、部隊対抗(FoF)訓練は大幅に拡大・改善された。海兵空地タスク部隊訓練コマンド(MAGTFTC)の基本的な海兵空地タスク部隊用兵演習(MWX)は、強化連隊と強化大隊を戦わせるもので、両軍は有機的および統合的なイネーブラを使用する。このアプローチにより、マルチドメイン環境において、より現実的な競争が行われるようになった。これは正しい方向への一歩ではあるが、もっと多くのことが必要である。我々は、訓練対象者を拡大し、競争を激化させ、海兵空地タスク部隊(MAGTF)の全要素の参加を増やすことで、演習部隊が本当に闘うように訓練できるようにするための選択肢を開発する必要がある。このような強化策には、追加的な司令部要素の参加、防空脅威の拡大、電磁スペクトラムや情報ネットワーク内での競争の拡大などが考えられる。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は軍種レベル訓練(SLTE)の訓練対象者を拡大するための選択肢を特定する。軍種レベル訓練(SLTE)には、海兵空地タスク部隊(MAGTF)の全司令部および完全に機能する海上航空指揮・統制システム・ノード、またはその信頼できるシミュレーションが定期的に参加する選択肢、防空脅威の拡大、信号の検出と収集の改善、分散型および海上作戦を再現する能力、利用可能な場合は統合および連合パートナーを追加する選択肢が含まれる。

さらなる分析が必要な問題

K. 説明責任と結果。軍種レベル訓練(SLTE)での指揮官や部隊の成績不良に対する適切な結果は何か?訓練の価値と即応性評価のバランスをどうとるべきか。

訓練の再考

上記のような変化は、我々を正しい方向に向かわせるものではあるが、我々はもっと多くのことをする必要がある。何十年もの間、海兵空地タスク部隊(MAGTF)の訓練の頂点は、カリフォルニア州29パームス(29 Palms)の海兵隊空地戦闘センター(MCAGCC)で行われる軍種レベル訓練(SLTE)イベントであった。しかし、1980年代から1990年代にかけての諸兵科連合演習(Combined Armed Exercise)を、イラクやアフガニスタンでの作戦の要件に合わせてモハーベ・バイパー(Mojave Viper)、そして後の統合訓練演習へと近代化させたように、諸兵科連合の海兵空地タスク部隊訓練(combined arms MAGTF training)も進化させ続けなければならない。これは、今日の脅威と明日に予想される脅威に焦点を当て、新しいコンセプトと能力を訓練の場にさらに早く取り入れることを意味する。将来の能力が現実的な状況にさらされるようにするため、艦隊海兵部隊(FMF)全域の演習に実験を組み入れるべきであり、そうすることで、その全体的な妥当性をよりよく評価できるようになる。軍種レベル訓練(SLTE)における部隊の経験からの学習は、上で述べたドクトリン策定と改訂の反復プロセスに直接、定期的に反映させるべきである。おそらく、公式なドクトリン出版物策定の最先端で学習、訓練、実験を推進するために、海兵空地タスク部隊訓練コマンド(MAGTFTC)とその隷下司令部が定期的に作成する「プロトドクトリン」出版物から始めるべきである。我々は、艦隊海兵部隊(FMF)全体から海兵隊員を集め、進化する用兵構造(warfighting constructs)に触れさせ、彼らの意見や推奨する調整を積極的に求める必要がある。この取り組みは、過去2年間に軍種レベル訓練(SLTE)で中隊レベルの実験を取り入れたことですでに見られた成功をさらに拡大するものである。

システムの訓練の改善

コンセプトと能力の進歩のペースは、迅速な変化を実施するようにデザインされた訓練システムを必要とする。これを促進するために、我々は訓練要件と訓練と即応性(T&R)プログラムの有効性を継続的に評価し、変更を導入する際の機敏性を高めると同時に、もはや部隊の即応性に直接貢献しないプログラムや要件を廃止しなければならない。

義務付けられている年次訓練の主な目的は、海兵隊員の行動や基準、自分に影響する特定のプログラムに関する方針や手続きの理解を新たにし、射撃技術などの重要な個人技能の熟練度を維持することである。この訓練を達成するためには、バランスの取れたアプローチが必要であり、年次要件が司令官や海兵隊員の負担となり、任務必須タスク(MET)の実行に必要な軍事特技(MOS)や部隊レベルの訓練を実施する能力が損なわれないようにする必要がある。効果的なバランスを達成するための条件設定を確実にするため、訓練と即応性(T&R)訓練以外の年間訓練要件の全リストを見直し、削除、追加、調整すべきものを特定する。

任務要件に対する訓練およびパフォーマンス基準の正確な整合性を維持することは不可欠である。フォース・デザイン2030(FD2030)は、訓練・教育(T&E)は軍種の要件のすべての側面をサポートするように調整されなければならないという考えを強化している。特に、フォース・デザイン2030(FD2030)に起因する能力、任務必須タスク(MET)、部隊と個人の両方に対するパフォーマンス要件の変化を考慮し、訓練と即応性(T&R)策定プロセスを改善し続ける必要がある。我々はすでに、従来の訓練と即応性(T&R)の3年ごとの見直しプロセスを、オンデマンド評価アプローチに置き換えている。この新アプローチは、訓練と即応性(T&R)レビューを、地域社会の重要な関心事である特定のトピックの評価や、新たな要求事項への適応のために調整するものであり、全体的なレビューとは異なる。訓練・教育コマンド(TECOM)は現在、訓練と即応性(T&R)レビューを支援するために特別にデザインされたオンライン共同作業ツールを開発中であり、艦隊海兵部隊(FMF)全体および支援組織全体からの参加と意見を、対面会議よりもはるかに効率的な方法で最大化することを到達目標としている。また訓練・教育コマンド司令官(CG,TECOM)は、訓練と即応性(T&R)変更要求の承認権限を、リソース中立の要求については政策・基準部(Policy, Standards Division:PSD)部長に委譲し、訓練と即応性(T&R)レビューのタイムラインをさらに合理化している。訓練と即応性(T&R)イベント標準の検証には、より機敏で統合されたプロセスを実施するため、すべての軍事特技(MOS)コミュニティの関与が必要となる。

指示された行動

  1. 2023年3月1日までに、海兵隊参謀事務局長(DMCS)は、すべての年次訓練要件の妥当性と有効性を判断するための見直しを監督し、その結果を2023年4月までにエグゼクティブ・オフサイト(EOS)に報告する。エグゼクティブ・オフサイト(EOS)ブリーフは、推奨される削除、追加、調整を含む。訓練・教育コマンド(TECOM)は、海兵隊参謀事務局長(DMCS)と連携して、すべての年次訓練要件の価値と必要性を評価するため、2年ごとの見直しプロセスを制定する。
  2. 2023年4月1日までに、訓練・教育コマンド司令官(CG,TECOM)は、フォース・デザインの実装と即応性を促進するために、過去24ヶ月間の海兵空地タスク部隊用兵演習(MWX)の教訓に基づいて、歩兵大隊の訓練と即応性(T&R)基準を見直し、改訂する。

さらなる分析が必要な問題

L. 訓練と即応性(T&R)基準と軍種レベル訓練(SLTE。軍種レベル訓練(SLTE)の結果は、何らかの形で訓練と即応性(T&R)基準の見直しに反映されるべきか?我々は、フォース・デザイン2030(FD2030)をサポートするための部隊対抗(FoF)実験から得た3年近くのデータ、知見、教訓を持っている。これは訓練と即応性(T&R)基準に影響を与えたか?

専門的軍事教育(PME)

将来の闘いに備えるには、敵対者に勝る知的能力を持つ海兵隊員が必要である。我々は、海兵隊員に前提、知覚、コンセプトとの争いを強いる、最も優れた頭脳と最も挑戦的な教材との深く積極的な関わりを通じて、この能力を磨く。専門軍事教育(PME)は、ダイナミックで、関連性があり、持ち運びが可能で、海兵隊員のキャリアの時間的制約に適合しなければならない。また、知的好奇心と計算されたリスクテイクに報い、知的成長を最大化しなければならない。我々の知的優位性(intellectual edge)を維持するため、我々は専門軍事教育(PME)の厳格さと関連性を高め、生涯学習の文化を強化し、下士官専門軍事教育(PME)を近代化する。さらに、専門軍事教育(PME)のインセンティブを深め、ウォーゲーミングを拡大する。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、専門軍事教育(PME)カリキュラムが個人および専門職の即応性に与える影響と効果を評価するために、専門軍事教育(PME)機関と艦隊海兵部隊(FMF)の間で体系的かつ有意義なフィードバックループを確立する。

専門的軍事教育(PME)をより厳格かつ効果的なものにする

私の最初の計画策定指針(planning guidance)では、現代の安全保障環境のダイナミックで複雑な課題に対応するため、海兵隊と専門軍事教育(PME)を進化させる必要性を強調した。我々の専門軍事教育(PME)プログラムは、学業成績に対するインセンティブと結果の両方を備えた、可能な限り学問的に厳格なものでなければならない。今日まで、教育コマンドは、海戦の範囲を拡大してきた。これはすでに、海軍の用兵(naval warfighting)や複合戦(composite warfare)に慣れ親しむことに、より大きな焦点が当てられていることに反映されている。このシフトには、海兵隊大学(MCU)における海軍の学生数と教員数の増加を伴うことが必要であり、これは私が海軍作戦部長と取り組んできた優先事項である。

さらに、海兵隊大学(MCU)でトップクラスの学術環境を確立し、維持することに引き続き尽力しなければならない。そのためには、質の高い民間人材を惹きつけ、維持するための継続的な調査と採用の取組みが必要である。現在の雇用市場と労働力の傾向を考慮すると、より創造的なインセンティブ・アプローチや民間人従業員向けのプログラムや政策が必要になるかもしれない。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)は海兵隊大学(MCU)教員の包括的な評価を完了し、人材、方針、構造の変更に関する提言を行う。

入隊レベルの専門的軍事教育(PME)の近代化

海兵隊再先任上級曹長(SMMC)は、すべてのレベルにおいて、やりがいがあり、魅力的で、適切な下士官専門軍事教育(PME)の開発において主導的な役割を担ってきた。下士官専門軍事教育(PME)の質をさらに向上させるため、海兵隊大学(MCU)はE-8(先任曹長クラス)セミナーを新しい上級下士官混合セミナー・プログラム(SEBSP)に変更する。この改善は、大成功を収めた上級下士官専門軍事教育(SEPME)課程の学習成果を応用し、課程提供を混合セミナー形式に変えた結果である。これにより、海兵隊全体の一等軍曹と曹長が、この質の高い教育機会を利用できるようになる。我々はこの夏から秋にかけて、新しい上級下士官混合セミナー・プログラム(SEBSP)の評価テスト(beta test)を実施した。

海兵隊大学(MCU)はまた、一般将校(GO)レベルの初任務に抜擢された少佐と砲術長を対象に、初の「下士官リーダー・オリエンテーション課程(SELOC)」を開発・実施した。「下士官リーダー・オリエンテーション課程(SELOC)」は、准将選抜オリエンテーション課程(BGSOC)を補完するもので、一般将校(GO)レベルで勤務する海兵隊の上級下士官に求められる、さらなるリーダーシップ技能に焦点を当てている。

指示された行動

  1. 2023年5月1日必着で、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)(海兵隊再先任上級曹長(SMMC)の支援)は、上級下士官に必要な実行力あるリーダーシップ技能を含め、すべての下士官の専門能力開発を支援する下士官専門軍事教育(PME)の改訂ロードマップを発表する。このロードマップには、改訂された下士官専門軍事教育(PME)プログラムを近代化し、維持するための完全負担コストの見積りが含まれる。

インセンティブの強化と卓越性の促進

専門軍事教育(PME)は、部隊全体の(用兵(warfighting))即応性を促進するために必要な投資である。専門軍事教育(PME)は厳格でやりがいのあるものでなければならず、また競争的でやりがいのあるものでなければならない。これを達成するため、私はすべての学力報告書を観察報告書として書くよう指示し、在学中の海兵隊員の成績を正確に評価し、次の階級/等級またはインストラクターとしての将来の可能性を見極めるようにした。海兵隊員は、士官、下士官、居住者、非居住者を問わず、より高い成果とより重要な知的優位性(intellectual edge)を目指して取組みするため、優れた教育成績を評価されるべきである。

指示された行動

  1. 2023年4月1日までに、人材・予備役担当副司令官(DC, M&RA)(訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)が支援)は、観察された学業適性報告書の実施が専門軍事教育(PME)の重点化と厳格化に寄与しているかどうかを判断するため、すべての専門軍事教育(PME)において学生の成績評価プロセスを評価し、2023年4月のエグゼクティブ・オフサイト(EOS)において推奨される変更を提示する。

ウォーゲーミングの拡大

ウォーゲーミングは、用兵コンセプト(warfighting concepts)を検討し、リーダーを訓練・教育し、シナリオを探求し、戦力計画策定や態勢の選択が作戦結果にどのように影響するかを評価するための実証済みの手法である。我々のウォーゲーミングのシナリオには、全ドメインの能力をすべて盛り込み、リーダーが提示されたリスクと機会の意味を理解できるようにする。ウォーゲームの結果を、コンセプトの検証や適切な調整に焦点を当てながら、コンセプト開発に確実にフィードバックさせなければならない。

海兵隊大学(MCU)と訓練コマンドは、進化する海兵隊のコンセプトに慣れ親しみ、考える敵と戦う意思決定者を訓練するためにウォーゲーミングを利用している。現在、海兵隊クアンティコ基地に建設中の新しい海兵隊ウォーゲーミング&分析センターは、ウォーゲームと戦役分析の実施能力を大幅に向上させる。海兵隊用兵研究所(Marine Corps Warfighting Laboratory :MCWL)のウォーゲーミング部門と海兵隊大学(MCU)のクルラック・センターの緊密な協力関係と物理的な近接性は、すでに相互支援と有益な関係を可能にしており、フォース・デザインのウォーゲーミングと実験のニーズを促進すると同時に、対等な脅威(peer threat)に対するリーダーの訓練と教育を強化している。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、学生が適切な秘密区分レベルで現実的なシナリオをウォーゲームし、公式な学習課程に配属されている間、作戦に関する最新情報を得ることができるようにするため、常駐専門軍事教育(PME)プログラムにおいてウォーゲーミングに関する計画を実施する。

共有されるデータ

学習データと技術の活用

アプリケーションのクラウドベースの統合は、効率性と使いやすさを高めると同時に、一連のアプリケーション間でのデータの共有を容易にする。海兵隊のデータ管理の将来は、AI、機械学習、予測分析機能をサポートする統合システムである。我々は、総合学習アーキテクチャ(TLA)を確立することにより、このエコシステムを開発する。このシステム・オブ・システムは、オンデマンド学習コンテンツへのアクセス、学習データの保存と分析を容易にする。最初に総合学習アーキテクチャ(TLA)の核となるアプリケーションは、MarineNet、海兵隊訓練情報管理システム(MCTIMS)、海兵シエラ・ホテル航空即応性プログラム(M-SHARP)、人材・予備役担当(M&RA)のパフォーマンス管理データベース群である。

指示された行動

  1. 2024年9月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は訓練・教育データ管理システムを近代化し、データ収集の指標とプロセスを拡張し、相互に依存する組織や司令部によるアクセスと利用を考慮した組織間共有機能を実現する。
  2. 2023年4月1日までに、情報担当副司令官(DC, I)(CG,TECOMの支援)は、プログラム目標達成覚書(POM)計画策定に情報を提供するため、計画・資源担当副司令官(DC, P&R)にデータ・システム近代化の完全負担コスト見積りを提供する。
  3. 2025年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は海兵隊訓練情報管理システム(MCTIMS)2.0で完全な運用能力(FOC)を達成し、近代的な訓練・教育システムの構築をサポートする。
  4. 2023年4月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は計画・資源担当副司令官(DC, P&R)に対し、リソースの優先順位付けとプログラム目標達成覚書(POM)計画策定に情報を提供するため、海兵隊訓練情報管理システム(MCTIMS)2.0の開発と実戦配備の完全負担コスト/総所有コストの見積りを提供する。

さらなる分析が必要な問題

M. MarineNet。MarineNetの訓練の投資対効果は?どの訓練が望ましい結果をもたらしているのか?最も効果の低い訓練はどれか?

人的パフォーマンスの管理システム

現在、そして将来にわたって、我々が持つ最も重要な用兵上の優位性(warfighting advantage)は、海兵隊の精神的・肉体的持久力であり、我々の敵対者よりもプレッシャーのかかる状況下で優れた決断を下す能力である。現在、海兵隊には人的パフォーマンス資源とプログラムのネットワークがあるが、これらは断片的で、全体的な資源戦略が欠如している。これを解決することは、海兵隊員一人ひとりの潜在能力を引き出し、部隊の用兵能力(warfighting proficiency)を高めるために不可欠である。現在までの進展には、フィットネス・テストの調整、戦闘適性テストの修正選択肢、最新のエビデンスに基づくフィットネス・テスト技術と手順の見直しなどが含まれる。

訓練・教育コマンド(TECOM)は最近、米国陸軍環境医学研究所と共同で、1980年代以来の海兵隊の体組成基準に関する最も包括的な研究を実施した。この研究では、参加者の体組成を測定・評価し、測定方法がどのように関連し、比較されるかを決定するために、ローテク伝統的な方法だけでなく、最新技術を使用して2,100人以上のボランティアを評価した。この研究結果は、今年初めに海兵隊の体組成プログラム(BCP)を大幅に変更するために使われた。

海兵隊員が海洋環境で作戦する能力と自信を強化するため、海兵隊水中生存訓練プログラム(MCWSTP)と水中脱出訓練(UET)を改訂・更新する方法を模索している。最初の焦点は、水中脱出訓練(UET)の資格取得を義務付ける現行の海兵隊レベルの方針を見直すことである。すべての海兵隊員は、基準が引き上げられ、水中での追加訓練が必要になることを期待すべきである。その後の取り組みとしては、海兵隊水中生存訓練プログラム(MCWSTP)評価の調整、関連訓練計画の標準化、水中生存ドクトリンの更新などが考えられる。

指示された行動

  1. 2023年4月30日までに、米海兵隊総司令官(CMC)(海兵隊再先任上級曹長(SMMC)、訓練・教育コマン ド司令官(CG, TECOM)、戦闘開発統合担当副司令官(DC, CD&I)の支援を受ける)は、人的パフォーマンスに関する統合指揮・統制(C2)構造を決定する。
  2. 2023年5月1日までに、訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)は、改訂された海兵隊水中生存訓練(MCWSTP)と水中脱出訓練(UET)の方針を公表する。
  3. 2023年6月1日までに、基地・兵站担当副司令官(DC, I&S)(訓練・教育コマンド司令官(CG, TECOM)が支援)は、水中生存訓練要件を満たすために建設または変更が必要な水中訓練施設の優先順位をつけた統合リストを作成する。リストには、全額負担の関連費用の見積りを含める。

さらなる分析が必要な問題

N. メンタルヘルス・スクリーニング。特殊作戦部隊は、精神的復元性の高い者や、ストレスや不利な行動に陥りやすい者を特定するため、メンタルヘルス・テストやその他の行動スクリーニング・ツールを長い間活用してきた。海兵隊のニーズに合わせた同様のプログラムは、即応態勢と全体的な人的パフォーマンスをどの程度促進するだろうか。この点については、今後もさらなる研究と議論が必要である。

インストラクターの人材(才能)管理

インストラクターの質は、訓練・教育(T&E)にとって極めて重要な要件である。優秀な海兵隊員を育成するには、公式な学校でも艦隊海兵部隊(FMF)全体でも、あらゆるレベルでインストラクターを務める優秀な海兵隊員を内部から選抜する必要がある。ここでは、まず、利用可能なすべてのプラットフォームで広告を拡大して、利用可能なインストラクターのポストの可視性を向上させる必要がある。初級レベルのインストラクターのために、関連する軍事特技(MOS)ロードマップとともに「例外的な軍事特技(EMOS)」を確立することは、海兵隊全体の組織がインストラクター任命のための資格と通貨を追跡するのに役立つはずである。これらの措置は現在進行中であり、2023年には完了する予定である。最も有望な教官の選抜と追跡により、インストラクター幹部の継続的な育成に戦略的に投資することが可能になる。優秀な人材を育成するために才能を活用することは、競争や戦闘でより高いパフォーマンスを達成する方法である。

優秀な海兵隊員をインストラクターに抜擢した後は、そのキャリアを通じて、挑戦と育成を続け、職人(journeymen)から名インストラクターを育てなければならない。公式な学校や艦隊海兵部隊(FMF)のインストラクターに任命されたほとんどの海兵隊員は、成人学習理論、学習技術、カリキュラム開発などの教育的背景を持っていない。そのため、海兵隊員の能力を開発し、教師、コーチ、メンター、トレーナ、演習デザイナー、カリキュラム開発者としての能力を継続的に成長させることを狙いとした訓練や教育を提供することで、インストラクター幹部の専門性を高める方法を、訓練・教育(T&E)の継続期間を通じて模索していく。

専門的な学習リーダーを育成するためには、指定と資格基準を確立し、学習リーダーの訓練・教育(T&E)を強化し、報告文化の実施を強化する必要がある。この最終目的のために、訓練コマンドはトレーナ・スクール(T3S)を学習・教員育成センター(CLFD)に再びデザインしている。この新しいセンターは、公式な学校と艦隊海兵部隊(FMF)の両方で、インストラクターをさらに専門化し、教育技術と方法論の専門知識を開発することに重点を置く。学習・教員育成センター(CLFD)は、インストラクター開発課程、カリキュラム開発者課程、公式学校管理者課程の再デザインと再構築を行う。この複数年、複数段階にわたる取組みは、変化を実現し、より有能で準備の整った海兵隊員を艦隊海兵部隊(FMF)に送り出すために、当校の教職員に求められる専門的能力を開発し、洗練させることに重点を置く。

インストラクターの選抜と育成は重要な投資である。人材・予備役担当(M&RA)と訓練・教育コマンド(TECOM)は緊密に協力し、優秀なインストラクターを特定し、奨励し、報い、育成するプログラムと手順を確立する。さらに、独自の資格を持つ優秀なインストラクターのために、非標準的なキャリアパスを確立する。海兵隊への利益を最大化するためには、このような優秀なインストラクターを維持しなければならない。そして、現在および将来のすべての訓練プロセスを、最大の価値を実現する場所への維持とその後の配属を最大化するように構成する。優秀なインストラクターを維持することは、今後の訓練・教育(T&E)と人材(才能)管理の近代化のあらゆる側面を直接的に可能にする。

指示された行動

  1. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、可能な限り有能なインストラクター幹部の創設を促進するため、初級レベルのインストラクターのための「例外的な軍事特技(EMOS)」プロセスを、関連する軍事特技(MOS)ロードマップとともに確立する。
  2. 2023年7月1日までに、訓練・教育コマンド(TECOM)は、訓練・教育2030(T&E2030)を促進するために、トップクラスのインストラクター育成プログラムを構築するためのロードマップ/計画を発表し、計画・資源担当副司令官(DC, P&R)に全額負担のコスト見積りを提供する。

さらなる分析が必要な問題

O. 人材(才能)の特定。非常に効果的なインストラクターになる素質のある人材を、部隊全体で特定する最も効果的な方法は何か。どのような特別な技能や才能が、インストラクターとしての成功と相関関係があるのか?

P. インストラクターのインセンティブ。人材確保は依然として全組織の課題である。優秀なインストラクターを確保するために、どのようなインセンティブを与えるのか。どのインセンティブが最も効果的で、どのインセンティブが最も効果的でないのか?

考え方とインセンティブを維持するための訓練

2021年11月に発表された「人材(才能)管理2030(Talent Management 2030)」は、部隊を成熟させる手段として、兵団の「新兵採用・補充」モデルを「新兵採用・維持」モデルに置き換えるというコンセプトを導入した。訓練・教育コマンド(TECOM)内では、このモデルは「訓練、保持、投資」モデルと呼ばれている。これまでの部隊維持の取組みは、海兵隊の評判と文化を活用することで大きな利益を得てきた。競争力を維持するため、我々は維持のためのインセンティブを包括的に検討し、その目的をよりよく果たすよう見直している。当初、この取り組みには、常駐の専門軍事教育(PME)アカデミーの定員を増やすこと、特別任務配属の機会を増やすこと、陸軍空挺学校の定員を増やすこと、学位取得と認定プログラム、別の主要軍事特技(PMOS)の再訓練、および下士官から将校への任官プログラムが含まれる。

さらなる分析が必要な問題

Q. 主要軍事特技(PMOS)の再訓練。多くの有能な人材が、海兵隊新兵訓練所(MCRD)に入隊するか、基本術科学校(TBS)を退所して、第一志望ではなかった軍事特技(MOS)に配属される。逆に、第一志望だった軍事特技(MOS)に配属された人が、後にその軍事特技(MOS)が自分の希望ではなくなったことに気づくこともある。その結果、他の軍事特技(MOS)に移行することができない限り、このような人材の維持は困難になるかもしれない。このような優秀な人材にインセンティブを与えるために、軍事特技(MOS)スクールや横移動はどのように活用できるだろうか?

結論

海兵隊を変革し、競争の連続性(competition continuum)に沿ったあらゆる地点で対等な敵対者(peer adversary)に勝てるようにするには、部隊全体、特に部隊開発の基礎を築き、ペースを設定する訓練・教育(T&E)事業全体において、多大な取組みが必要である。我々は、新しい世代の海兵隊員を育成する際にも、不変の高い基準を堅持しながら、先代の海兵隊員の遺産を引き継いでいく。同時に、敵対者の裏をかき、敵対者のペースに乗り、敵対者に打ち勝つことができる海兵隊と部隊を提供するため、戦力開発を充実させ、加速させるコンセプトと技術を探求し、採用していく。

我々は、最善のアプローチとツールを採用し、海兵隊の才能を開花させ、あらゆる紛争レベル、あらゆる気候、あらゆる場所で活躍するために必要な高度な技能セットを磨くことで、訓練・教育(T&E)の継続性を適応させていく。海兵隊の能力を正確に評価し、将来の環境でも競争し、「闘い、勝利する(fight and win)」ような熟練度まで育成することで、増員する人材の採用方法を最適化し、時間と資源の投資に対する見返りを最大化する。訓練・教育コマンド(TECOM)が海兵隊の旗振り役となることで、厳格な基準がすべての訓練、教育、評価の基礎を形成し続ける。指揮官は、部隊の訓練に責任を持つ者として、包括的で生産的な訓練と正確な成績評価に必要な手段を与えられる。

常に忠誠を

第38代 米海兵隊総司令官 デビッド・H・バーガー(David H. Berger)米海兵隊大将