米陸軍は実動訓練および仮想訓練での現実性の向上を追求している – Army pursuing improved realism in live and virtual training –
12月6日の投稿でI/ITSECと呼ばれる訓練用シミュレーションに関する展示会の話題を紹介した。今回も同じ展示会に関して米陸軍のサイトに掲載された記事を紹介する。即応性を向上させるための努力にシミュレーション技術は欠かせないことがよくわかる。
米陸軍は実動訓練および仮想訓練での現実性の向上を追求している – Army pursuing improved realism in live and virtual training –
By Patti Bielling
December 3, 2019
兵士に現実的で没入型の仮想訓練経験を提供することの難問の1つは、コンピューター生成の人間と物体を現実のものの背後に描き、行為者と物体が動き回っているように、複数の視点からリアルタイムでそれを行うことである。動的な遮蔽(dynamic occlusion)として知られるこの課題に対処することは、米陸軍が産業界および学界のパートナーと協力して合成訓練環境(Synthetic Training Environment:STE)を構築する際の1つの焦点である。(Laura Berry米陸軍曹長提供) |
フロリダ州オーランド発:兵士に現実的で没入型の仮想訓練経験を提供することの難問の1つは、コンピューター生成の人間と物体を現実のものの背後に描き、行為者と物体が動き回っているように、複数の視点からリアルタイムでそれを行うことである。
動的な遮蔽(dynamic occlusion)として知られるこの課題に対処することは、米陸軍が産業界および学界のパートナーと協力して合成訓練環境(Synthetic Training Environment:STE)を構築する際の1つの焦点である。
合成訓練環境機能横断チーム(STE Cross Functional Team)のメンバーは、シミュレーション、訓練および開発の担当官(Program Executive Office for Simulation, Training and Instrumentation :PEO STRI)及びとして知られるシミュレーションおよび訓練技術センター(Simulation and Training Technology Center :STTC)と連携して、米陸軍の最も高度な訓練機能を構築している。これらのパートナーは、フロリダ州オーランドで12月2〜6日に開催される2019年の軍種間/産業間の訓練・シミュレーション・教育会議(Interservice / Industry Training、Simulation and Education Conference:I/ITSEC)で、動的な遮蔽(dynamic occlusion)やその他の既知の課題について議論した。
このイベントは、産業界および学界の現在および将来のニーズに対応するための優れた場を提供した、と陸軍の合成訓練環境機能横断チーム(STE CFT)のディレクターであるMaria Gervais米陸軍少将は語った。
フロリダ州オーランドで2019年12月2日に開催された軍種間/産業間の訓練・シミュレーション・教育会議(Interservice / Industry Training、Simulation and Education Conference:I/ITSEC)でSTE開発の課題について語る、米陸軍の合成訓練環境の機能横断チームのディレクターであるMaria Gervais米陸軍少将。中央で見ているのは米陸軍諸兵科連合センター:訓練担当のStephen L.A. Michael米陸軍准将とシミュレーション、訓練および開発の担当官(Program Executive Office for Simulation, Training and Instrumentation :PEO STRI)のMichael E. Sloan米陸軍准将。(Doug Schaub撮影) |
合成訓練環境は、米陸軍のNo.1の訓練近代化の取り組みである。「これは、現在および将来のマルチドメイン作戦のための訓練における制約に対処することを意図した全体的な戦略である」と、Gervaisは、会議でのスタンディングルームの観衆に語った。
「我々はOne World Terrainなどの技術で大きな進歩を遂げており、2021年に再構成可能な仮想集成訓練装置の初期の実装化に向けた途上にある」とGervaisは述べている。「だから我々はここで我々が創った進歩について話をしたかったし、ビジネスパートナーや研究パートナーが我々が前進するときに最も助けが必要な場所を理解できるようにしたい」とも述べた。
より大きな現実性を実現する:ACHIEVING GREATER REALISM
動的な遮蔽(dynamic occlusion)の問題は、一部のビデオゲーマーによく知られたものである。 プレイヤーの世界観内の仮想投影が実際の物体と適切に階層化されていない場合、経験は不自然に感じられることになる。軍事シナリオでは、兵士が現実的に隠蔽できない場合、または車両乗組員が敵の位置に正確に照準を合わせて発砲することが妨げられている場合、問題は学習経験に悪影響を及ぼしたり、否定的な習慣移行を導く可能性がある。
同時に、米陸軍は、計装可能な複合一体化レーザー交戦システム(Instrumentable-Multiple Integrated Laser Engagement System :I-MILES)に代わるものを見つけることを含め、実動訓練の改善を望んでいる。このシステムは、1970年代および1980年代に開発された技術に基づいて構築されており、世界中の米陸軍訓練センターでの実動の部隊対抗訓練および実動の部隊目標訓練を支援するために広く使用されている。
I-MILESは長年にわたって機能強化されてきたが、レーザーベースのシステムは、致命的な影響を現実的に表現する能力が限られているため、本質的に人工物を実動演習に導入することになる。たとえば、低木または段ボール箱は、レーザー照射からは効果的に隠ぺいするが、銃撃戦では役に立たない。
また、機能横断型チームは、直接射撃および間接射撃の効果をより正確に描写し、実動訓練演習に簡単に一体化できない、より洗練された、またはより長射程兵器の訓練を促進することを望んでいる。
「「実動訓練」の最終目標は、すべての米陸軍訓練センターで実際の実弾射撃による交戦の致死性、脆弱性、および効果をよりよく再現することである」とGervaisは述べ、「同時に、すべての行動と使用中の兵器システムの結果を仮想環境で正確に描写する必要がある。そのため、他の場所でのシミュレーションによる訓練を受けた兵士は、リアルタイムで同じ作戦の絵を持つことになる」
新しい技術の追求:PURSUING NEW TECHNOLOGIES
機能横断チームの調達責任者であるDestry Groganのベンダーおよび学界へのメッセージは、非優先技術の追求を避けるために政府支出と商用支出を同期する必要があるということである。
「此処オーランドのシミュレーションおよび訓練技術センター(STTC)や南カリフォルニア大学の創造的技術研究所(Institute for Creative Technologies)などの軍および政府が資金を出している機関は、全資源の地形融合や動的な遮蔽(dynamic occlusion)、兵器の精度と弾道の精度に関連する重要な技術的課題の解決に研究費を集中している」とGroganは述べ、「他の学術機関や産業界パートナーに、機械学習、適応型ネットワークと推論に焦点を当てた人工知能などの分野の可能性の術を見せてほしい」とも述べた。
チームが将来のSTE要件を満たすために支援と協力を求めるその他の主要な分野には、知的な個別指導、悪意のあるネットワークでのストリーミング配信、サイバーセキュリティ、ビッグデータ、拡張仮想現実、および3D地形データの蓄積、処理、送信、および配布が含まれる。
「技術のギャップが知られているこれらの分野に焦点を当てることで、政府と産業界は可能な限り研究活動の重複を避けることができる」とGroganは説明した。
航空および地上訓練の進展:ADVANCING AIR AND GROUND TRAINING
また、兵士と小規模部隊の訓練を支援するための仮想訓練装置の開発にも努力を継続している。機能横断チーム(CFT)は、2021年に空中と地上の乗組員の訓練を支援し、初期作戦能力を達成するために、再構成可能な仮想集成訓練装置の配備を開始する。再構成可能な仮想集成訓練装置‐航空(RVCT-Air)は航空諸兵科連合戦術訓練装置(Aviation Combined Arms Tactical Trainer)に置き換わり、再構成可能な仮想集成訓練装置‐地上(RVCT-Ground)は近接戦闘戦術訓練装置(Close Combat Tactical Trainer)に置き換わり、下車兵士の訓練を支援しながら米陸軍保有の地上車両の範囲を複製する。
「1980年代と1990年代の技術を使用するレガシーシステムを改善することにより、我々は空対地調整を訓練し、我々が依然できなかったホームステーションでの部隊の諸兵科連合訓練を可能にすることができる。「また、STEが、共通の標準、共通の信頼できるデータ、共通の地形、オープンアーキテクチャを使用して構築されることを確実なものに合うることによって、将来のハードウェア・ソリューションとソフトウェア・ソリューションを簡単に一体化できるようになる」とGervaisは述べた。
現在開発中の他の訓練装置は次のとおりである。
〇 兵士用仮想訓練装置(Soldier Virtual Trainer)
いくつかの機能を備えています。 兵器技能育成装置(Weapons Skill Developer)は、交戦技能訓練装置(Engagement Skills Trainer)に置き換わり、米陸軍施設での兵士使用資格を支援する。統合火力訓練装置(Joint Fires Trainer)は、統合火力作戦について兵士を訓練するために、火力要求訓練装置(Call for Fires trainer)に置き換わる。 部隊訓練装置の使用は、兵士と部隊の部隊訓練の段階的向上を支援する。2023年に初期実装が予定されており、2025年には完全能力を発揮した運用が予定されている。
〇 分隊用没入型仮想訓練装置(Squad Immersive Virtual Trainer:SIVT)
SIVTは、兵士致死性機能横断チーム(Soldier Lethality CFT)との共同作業である一体型視覚増強システム(Integrated Visual Augmentation System:IVAS)の一部としてすでに開発中である。IVASは、現実世界の兵士の視野内で模擬された画像をオーバーレイする、複合現実のヘッドアップディスプレイである。最初の分隊用訓練装置能力セットは、2021年に配備される。
STE情報システム:STE INFORMATION SYSTEM
これらの訓練装置はすべて、実動環境、仮想環境、コンストラクティブ環境を統合するために開発中のソフトウェアによって有効になる。STEの情報システムは、訓練シミュレーションソフトウェア、訓練管理ツール、およびOne World Terrainで構成され、すべての訓練参加者に共通のシナリオを描写し、信頼できる3D地形モデルを使用して、すべてのプレイヤーの行動と戦場効果をリアルタイムで描写する。
人工知能と機械学習技術の導入により、訓練対象者にますます複雑な問題を提示する動的シナリオを作成できるようになり、数秒でより良い判断を下すために兵士を訓練することを最終目標としている。
「我々のSTEの意図は、認知パフォーマンスフィードバックを使用して、人間次元のリーダーと部隊に挑戦することである」とGervaisは述べている。
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